パルミジャーノ パルメザン 違い
チーズの王様と称される「パルミジャーノ」と「パルメザン」の違いに焦点を当てます。両者は日本では同一視されがちですが、実は両者は名前・起源・製法、それぞれ異なるのです。それでは、ちょっとした知識として把握しておきたい「パルミジャーノとパルメザン」の違いについて、一緒に見ていきましょう。
パルメザンとパルミジャーノ・レッジャーノはおなじものじゃないの!?
イタリア北部の特産物として知られる「パルミジャーノ・レッジャーノチーズ」、そして芳醇でコクのある「パルメザンチーズ」は、どちらもイタリア生まれの美味しさを持つチーズですが、同一とは言えません。両者は似た風味と見た目から混同されやすいものの、その成り立ちと特性には微妙な違いがあります。
パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア政府が指定した特定地域でのみ生産されるD.O.P(原産地呼称制度)に登録されている特別なチーズです。厳格に守られている製造方法と熟成期間により、その味わいには深みと風味が生まれます。
これに対し、パルメザンチーズはパルミジャーノ・レッジャーノの風味を模倣したもので、生産地も生産手順も厳格に定められていません。そのため価格も手ごろで、日頃の食事に気軽に取り入れやすいという特長があります。
だからこそ、パルミジャーノ・レッジャーノの独特な風味をカタチにした調理や、本格的なイタリア料理には「パルミジャーノ・レッジャーノ」を、一方で日常の食事をチーズとともに楽しみたいときには「パルメザンチーズ」を選ぶと良いでしょう。それぞれの特性を理解し、最適なシーンで味わうことで、その美味しさを最大限に引き立てることができます。
ではパルメザンチーズとは?
パルメザンチーズとは何か、と問われたらどう答えるでしょう。これはイタリア北部のエミリア=ロマーニャ地方とロンバルディーア州の一部で製造される、特定のプロセスチーズの種類で、驚くべきことにその存在は800年以上前から知られています!この名前、""パルメザン""はパルマ地方の人々という意味であり、チーズの起源がパルマ地方であることを表しています。
パルメザンチーズの特徴はその硬さと独特の風味にあります。最低12カ月から最長36カ月にかけて徐々に熟成し、期間により風味に差が出ます。特に、24カ月以上熟成させたチーズが最も人気があります。
「チーズの王様」や「王様のチーズ」とも称されるほどの味わいの深さを持つパルメザンチーズ。その風味は、香ばしいナッツの風味とサヴリーな香りが絶妙に結びついています。単純にスライスして食べるだけでなく、パスタやサラダのトッピング、リゾットの材料としても期待を裏切りません。
しかも、パルメザンチーズは食材としてだけではなく、製法や品質への厳格な管理から食文化、伝統として認識され、イタリアの国宝であり、世界遺産にも登録されています。
パルメザンチーズの多彩な魅力はいかがでしょう。次にスーパーマーケットを訪れた際は、是非パルメザンチーズを手に取ってご覧になってみてください。あなたの料理にパルメザンチーズの豊かな風味が加わり、さらに特別なものになるでしょう。
パルメザンチーズもパルミジャーノも国が違うだけなの?
パルメザンチーズ'とパルミジャーノは同じものを指すが、とはいえ両者にはその起源や生産背景に違いが存在します。
パルミジャーノ、あるいは正式には「パルミジャーノ・レジャーノ」は、イタリアの特定地域のみで製造を許されるチーズで、DOP(原産地呼称制度)の認証を受けています。この認証を受けるためには、エミリア・ロマーニャ州の一部地域で生産されること、特定の製法に従い、少なくとも1年以上熟成させること、外観に苦節(色や艶、空洞の有無など)を満たすことが求められます。
一方、パルメザンチーズは、さまざまな国、特にアメリカで大量に製造されています。パルミジャーノ・レジャーノとほぼ同じ原料と製法が用いられますが、短い熟成期間やDOPのような厳格な品質管理が行われないため、価格を抑えて大量生産が可能になっています。
欧州司法裁判所の判決により、EU諸国ではイタリア国内で製造されたものだけがパルメザンと名乗ることができます。しかし、この制約が適用されないEU以外の地域では、パルミジャーノ・レジャーノでない「パルメザンチーズ」の販売が行われています。
乳の種類や飼育環境、製法、熟成期間など、ひとつひとつが風味やテクスチャに影響を及ぼすため、「パルメザンチーズとパルミジャーノは同じだ」とは言えないのかもしれません。とはいえ、どちらも「チーズの王様」と讃えられた美味しさは確かです。
パルミジャーノレッジャーノはどうやって作られるのか
パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリアのエミリア・ロマーニャ地方が誇る上質なチーズで、その製造工程は芸術のように精巧で質の高いものです。厳選された牛乳が原料となり、前日に用意された乳と当日の新鮮な乳を合わせた約600リットルの牛乳が一つのチーズを生み出します。その牛乳は慎重にゆでられ、固形成分と液体が分離します。固形化したチーズはブロック状に作られ、その後は塩水に漬けられ、このときにパルミジャーノ・レッジャーノの独特の塩味が生まれます。
この後、一年以上という長期間をかけてじっくりと熟成させ、その間にその貴重な香りと味わいが生まれます。この精密な作業と長い時間が、素晴らしいグルメ体験を提供し、我々の口いっぱいに広がるその味わいは、心を満たしてくれます。
一般的な粉チーズとは異なる、パルミジャーノ・レッジャーノの香りと味わいを楽しむことができます。その濃い味わいは料理に使用する場合は注意が必要ですが、しかしパスタにすりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノを一度味わえば、きっと普通の粉チーズには戻れなくなることでしょう。
まとめ
「パルミジャーノ」と「パルメザン」は、一見同じようなチーズですが、起源や製法が異なります。パルミジャーノはイタリア・パルマ産、製法に厳格な基準があり、その風味と品質に定評があります。一方のパルメザンは、一般的な呼称で、パルミジャーノと同じ製法で作られていなくても使われる名前です。これらの違いを理解することで、料理を一層おいしく、深い味わいを楽しむことができます。