イタリア料理に欠かせない存在といえば「パルメザンチーズ」。パスタやリゾット、ピザなど、その使途は幅広く、日本でもたくさんの人々が常備している事でしょう。しかし、その名前の由来や特性を明確に説明できる人は少ないかもしれません。

そこで今回は、その歴史と魅力について語りたいと思います。パルメザンチーズの名前は、その産地であるイタリア・パルマ地方に由来します。ハードでサクッとした食感と、深く豊かな風味が特長です。熟成されることでさらに香り高く、料理に深みを加えてくれます。特に焼きたてのピザにのせたり、パスタに混ぜ込むと、料理が一層豪華になります。

さらに、パルメザンチーズはただ美味しいだけでなく、栄養的にも優れています。カルシウムやタンパク質が豊富で、健康をサポートしてくれます。また、発酵食品として腸内環境の整備にも役立つとされています。

パルメザンチーズは、あらゆるイタリア料理を引き立てる「全能な調味料」とも言えます。もしこのチーズをまだ試したことがないなら、その風味と存在感を体感してみてください。きっと料理が全く新しいものに変わる、驚きと感動を味わうことができるでしょう。

「パルメザンチーズ」と聞けば、料理の風味を引き立てる存在として我々にとっては欠かせないチーズですよね。しかしそのルーツをさかのぼると、パルメザンチーズのオリジナル、「パルミジャーノ・レッジャーノ」へと辿り着きます。

パルミジャーノ・レッジャーノとは？

「パルミジャーノ・レッジャーノ」は、イタリアのエミリア＝ロマーニャ地方を中心に製造される、伝統的で高品質なハードチーズです。特定の地域で決められた原料と製法に基づいて作られ、最低でも12か月以上の熟成期間を経て完成します。そのため、濃厚でコクのある味わいと、豊かな香りが特長です。直径約40cm、重さ約40kgという大きなホール状で完成し、専用のナイフで割って使用されます。DOP（原産地名称保護）という厳格な認証を得なければ、「パルミジャーノ・レッジャーノ」を名乗ることはできません。

パルメザンチーズとは？

一方で「パルメザンチーズ」は、パルミジャーノ・レッジャーノを模倣して作られたナチュラルチーズです。主にアメリカなどで製造されており、産地や熟成方法には厳密な決まりがないため、比較的短い期間で製造できるのが特徴です。その分、クセが少なく、食べやすい味わいで多くの人に親しまれています。名前の由来は「パルミジャーノ（Parmigiano）」を英語風に変化させたもの。どちらのチーズも用途に合わせて使い分ければ、料理をよりおいしく仕上げることができます。

「粉チーズ」と聞くと、多くの方は「パルメザンチーズ」を思い浮かべるかもしれません。しかし、すべての粉チーズがパルメザンチーズというわけではありません。実際には、粉末状に加工されたチーズ全般を「粉チーズ」と呼んでおり、その中にはパルミジャーノ・レッジャーノを削ったものも含まれます。レストランでは、風味と品質にこだわり、本物のパルミジャーノ・レッジャーノをその場で削って料理にふりかけることもあります。市販品の中には風味が薄く、塩分や添加物が加えられているものもあるため、パッケージを確認しながら選ぶのがポイントです。味の違いを知っておくことで、より好みに合ったチーズを見つけることができます。

粉チーズは扱い方次第で風味や食感が大きく変わってしまいます。冷蔵庫に出し入れするたびに湿気を吸ってしまい、固まったり風味が損なわれたりすることがあるため、保存には注意が必要です。パルメザンチーズは水分が少なく、塩分が強いため、実は常温保存も可能なチーズです。ただし、直射日光や高温多湿を避け、密閉容器に入れて保存するのが基本です。冷蔵庫に入れるよりも、温度の安定した冷暗所で保存する方が、風味を維持しやすい場合もあります。特に一度常温に戻したパルメザンは、再度冷蔵保存することで品質が落ちやすいため、状態を確認しながら早めに使い切るのがおすすめです。