海外のケーキ

世界には様々な文化が根付いており、それぞれの国や地域で独自の伝統的なお菓子が作られてきました。中でも、ケーキは世界中で愛される代表的なスイーツです。海外のケーキには、その国の歴史や気候、食材などが反映されており、味わい深い魅力に溢れています。本記事では、世界各地の個性豊かなケーキの数々をご紹介します。

洋菓子の種類を分類ごとに紹介

洋菓子は、その調理法や水分量により、様々な種類に分類されます。焼き菓子、生菓子、チョコレート菓子は、代表的な3つのカテゴリーです。 焼き菓子は、香ばしく口当たりの良い食感が楽しめます。クッキー、マフィン、スコーン、パイなどが含まれ、卵や砂糖、バターを使った生地を焼き上げて作られます。 一方、生菓子はケーキ、プリン、ゼリーなどで、卵や生クリームを使い、滑らかでなめらかな食感が特徴です。洋風の軽やかなスポンジやムースのような菓子が代表的です。 さらに、チョコレート菓子には、チョコレートを主原料とした板チョコや個包装の菓子のほか、チョコレートがコーティングやクリームに用いられた高級菓子も含まれます。ビターからミルクの優しい甘さまで、様々な風味を堪能できます。 このように、洋菓子には焼き上げる、ゼリー化する、チョコレートを使うなど、異なる調理法で作られた魅力的な菓子が多種多様に存在しています。

洋菓子の種類①スポンジケーキ

スポンジケーキは、卵の発泡力を活かした軽くてふわふわの食感が特徴的な洋菓子の代表格です。主な生地には、卵白と卵黄を別に泡立てるビスキュイ生地と、同時に泡立てるジェノワーズ生地があります。この生地を使った主なケーキには以下のようなものがあります。

◆ショートケーキ 生地とクリームの層で構成され、クリームにフルーツやガナッシュなどを加えてアレンジできます。海外ではレイヤーケーキと呼ばれています。

◆ロールケーキ 板状に焼いた生地にクリームを塗り巻いたもので、クリームの種類やフルーツ、デコレーションでアレンジが可能です。

◆シフォンケーキ アメリカ発祥で、バターの代わりに油を使い、卵白の量が多いことでふわふわの食感が特徴です。

◆パンケーキ フライパンで焼く丸いケーキで、ホットケーキとも呼ばれ、世界各国で親しまれています。 スポンジケーキは手軽に作れるのにバリエーション豊かな表情を見せられるため、家庭の手作りデザートとしても人気が高い逸品です。

洋菓子の種類②バターケーキ

バターの風味豊かな魅惑のケーキ バターケーキとは、その名の通り、生地にバターを多量に使用したケーキのことを指します。スポンジケーキよりも密度が高く、なめらかでしっとりとした食感と、バターの香り高い味わいが特徴的です。 代表的なバターケーキの一つに、パウンドケーキがあります。小麦粉、バター、卵、砂糖を等量で使う伝統的な生地は、焼き上がりの味わいが絶品です。イギリス発祥のこのケーキは、世界中で親しまれています。 また、マドレーヌも人気のバターケーキです。可愛らしい殻形の焼き菓子に、バターの香りと共にレモンの爽やかな風味がアクセントとなっています。喫茶店やカフェで気軽に楽しめる一品です。 バターケーキは、焼き上がりの芳香と滑らかな食感から、菓子職人の腕の見せ所ともなっています。手軽に家庭で作れるものから、洗練された技術を要するものまで、様々なバターケーキが存在します。素朴な味わいの中に、奥深い魅力を感じられるでしょう。

洋菓子の種類③シュー菓子

シュー生地は水分を含んでいるため、焼成中に発生する蒸気を利用して生地を膨らませることが特徴的な、バター、水、小麦粉で作られるお菓子です。サクサクとした食感が魅力で、カスタードクリームを詰めたシュークリームやチョコレートクリームを詰めたショコラシュー、フルーツを使ったフルーツシューなど、クリームの種類によって様々な風味を楽しむことができます。定番のシュークリームは円錐形が一般的ですが、エクレアのように細長く焼いたものや、サントノレのように複数のシュークリームをカラメルで組み立てた華やかな形状のものなど、バリエーションも多彩です。パリ・ブレストのように由来や発祥の地に因んだ名前のものも存在し、その製造には熟練の技術が求められる逸品でもあります。

洋菓子の種類④発酵菓子類

発酵菓子類とは、酵母や乳酸菌の働きにより生地や素材に発酵の過程を加えた菓子の総称です。代表的なものにデニッシュペストリーやブリオッシュなどがあげられます。 デニッシュペストリーは、バターを何層にも重ねた生地に具材を入れて焼き上げた菓子パンです。サクサクした食感と風味豊かな味わいが人気の理由です。 ブリオッシュは卵と乳製品を多く使い、しっとりとした食感が特徴的な発酵パンです。プレーンのほか、チョコレートやフルーツ入りなど様々な種類が販売されています。 

洋菓子の種類⑤フィユタージュ類

フィユタージュは折り込みパイ生地を意味し、パイ生地を使ったお菓子全般を指しています。生地をバターで包み、伸ばして折ることを繰り返すことで層を作り上げ、サクサクとした独特の軽い食感と風味が特徴となっています。主な種類は以下の通りです。

◆ミルフィーユ フィユタージュの生地にクリームを挟み、表面に粉砂糖や糖衣をけしたケーキ。カスタードクリームが一般的ですが、日本では苺のミルフィーユをナポレオンと呼ぶこともあります。

◆タルト パイ生地で作った皿型の器にクリームやフルーツなどを詰めたもの。タルトは総称で、ホールサイズの大きなものを指します。1人分のサイズはタルトレットと呼ばれます。卵液を入れて焼き上げた塩味のタルトは「セイボリー」に分類されます。

◆アップルパイ アメリカを代表するお菓子。砂糖煮にしたりんごを詰めて焼き上げたパイです。タルトと異なり、ホール型だけでなく、生地を巻いたロール型やサンド型などのバリエーションがあります。

洋菓子の種類⑦キャンディ類

キャンディは長い歴史を持つ代表的な砂糖菓子です。かつては貴重品だった砂糖を固めて加工し、食べ物を保存する目的がありました。現代では単なる甘味料から趣向を凝らした味わい深い菓子へと進化を遂げています。 一口サイズで持ち運びに便利なキャンディは、気分転換のおやつとしてぴったりです。フルーツの酸味が爽やかなものから、ミルクやナッツの風味が楽しめるものまで様々な種類があり、祝い事の手土産としても人気があります。 キャンディの楽しみ方は個性豊か。一気に口の中で溶かすクイック系から、舐めて味わうスロー系まで、お好みに合わせて堪能できます。コーヒーや紅茶と一緒なら、ほっと一息つける大人の時間が過ごせそうです。 主な種類には、以下のようなものがあります。

◆キャラメル 砂糖、生クリームまたは牛乳、バターなどを高温で加熱し固めた乳製品入りの砂糖菓子。

◆ヌガー 砂糖と水飴を低温で煮詰め、ナッツやドライフルーツを混ぜた歯ごたえのある砂糖菓子。

洋菓子の種類⑧チョコレート類

カカオ豆から生まれる至高の味わい。チョコレートは、なめらかでとろけるような口当たりと芳醇な香りで、多くの人々を魅了してきました。チョコレートには様々な種類があり、本格的なカカオを使ったものから植物油脂を使ったチョコレート風のものまで幅広いバリエーションがあります。 生チョコやガナッシュのようになめらかなチョコレートから、キャラメル、ナッツ、ドライフルーツなどが入ったクランチタイプまで、様々な食感を楽しむことができます。さらに、ホワイトチョコレートやルビーチョコレートなど、カカオ以外の素材を使った新しい風味のチョコレートも登場しています。 チョコレートは、バレンタインデーのギフトとしてだけでなく、デザートやお菓子作り、ホットチョコレートなどの飲み物にも幅広く使われています。抗酸化作用のあるポリフェノールを含んでおり、適量なら健康にもよいとされています。甘くて口どけの良いチョコレートは、至福のひとときを届けてくれる味覚の賜物なのです。

洋菓子の種類⑨デザート類

デザートは、フランス語の「dessert(デセール)」に由来しています。元々は食後に食べる菓子類の総称で、主菜の料理だけでは不足する栄養素を補う役割がありました。主な種類としては以下のようなものがあげられます。 プリンは、イギリス発祥の蒸し料理「プディング」がルーツです。卵液を加熱し固めたカスタードベースで、ポルトガルでは「フラン」、フランスでは「フレーム・カラメル」と呼ばれています。トッピングによってアレンジの幅が広がる人気商品です。 ババロアは、フランス語で「バイエルンの」を意味する通り、バイエルン王国の貴族用に考案されました。ゼラチンなどの凝固剤を使って固めるのが特徴で、ムースやプリンとは異なる食感が楽しめます。 ゼリーは、果汁とゼラチン、砂糖を組み合わせて固めたデザートです。フルーツの風味を生かしたさっぱりとした味わいが人気の秘訣です。 クレープは生地が薄く焼かれた、パンケーキの一種です。様々な具材を包んで巻いたり重ねたりするアレンジが可能で、「クレープ・シュゼット」や「ミル・クレープ」などのバリエーションがあります。 このように、デザートには食後のひと品を豊かに彩る多彩なラインナップが用意されています。優雅な味わいに身も心も癒される、至福のひとときを味わえる最高の贅沢品なのです。

国別の洋菓子の特徴と歴史

世界各国の菓子文化には、長い歴史の中で育まれた独自の魅力があります。 フランスでは、バターやクリームを贅沢に使った高級ケーキが発達しました。17世紀のヴェルサイユ宮廷で培われた洗練された味覚が、今なお老舗店の伝統的な味わいに息づいています。 イギリスでは、紅茶文化と深くつながったスコーンやクッキーが人気です。スコーンにはプレーンなものからドライフルーツ入りまで、様々な種類が存在します。 イタリアは、ジェラート、ティラミスなど乳製品を使った南欧らしい菓子文化が根付いています。カトリック教会の影響で、卵を多く使う習慣があります。 ドイツのケーキは、素朴でシンプルな味わいが特徴的です。ナッツや木の実、身近な果物を使ったリンゴシュトルーデルなどが親しまれています。 このように、世界の菓子には、それぞれの国の気候風土、宗教、歴史が色濃く反映されています。異なる地域の菓子を味わえば、様々な文化に触れることができるのです。

国別・洋菓子の特徴①ドイツ菓子

ドイツは、ビールやソーセージなどの食文化で知られていますが、実はその菓子文化も豊かな伝統と技術に裏打ちされた魅力的なものがあります。 ドイツ菓子の特徴は、素朴ながらも繊細な職人技と素材本来の風味を生かした本格的な味わいにあります。代表的な「ドイツ風ケーキ」は、卵の香りが強く、スポンジ生地の食感が上品です。「ドイツ風ブレッツェル」の形状は素朴ですが、その中に職人の技が光ります。 アーモンドやくるみなどのナッツや、干しブドウなどの乾燥果実を使った菓子も人気があり、「シュトーレン」はクリスマスの名物菓子として知られる、イースト生地に乾燥果実を練り込んだ風味豊かな一品です。 ドイツ菓子には、長い年月を経て磨かれた伝統と技術が息づいています。シンプルなデザインの中に、素材の旨味と時間をかけて育まれた味わいが凝縮されているのが最大の魅力なのです。

国別・洋菓子の特徴②イギリス菓子

イギリスは、紅茶文化に彩られた豊かな菓子の国といえます。アフタヌーンティーの定番「ビクトリア・サンドイッチ」は、スポンジとジャムのレイヤーに生クリームを絞った代表作。ヴィクトリア女王の愛しい一品となりました。また、リッチでまろやかな味わいの「チョコレートケーキ」も、イギリス菓子を象徴する存在です。 一方、クリスマス時には「クリスマスプディング」や「ミンスパイ」といった、しっとりフルーツケーキが欠かせません。ブランデーやワインを加えた贅沢な味わいが、祝祭の雰囲気を醸し出します。香り高いレモンを使ったタルトやケーキ、有名なショートブレッドなど、イギリスは広大な菓子王国を楽しめる魅力に溢れています。ぜひ、オシャレなカフェで優雅なスイーツタイムを満喫されてはいかがでしょうか。 紅茶とともに軽食やお菓子を愛するイギリスでは、ふわふわ食感よりもボリューム感のあるお菓子が好まれ、泡立て器を使わずに木べらで作ることも。代表的なのがヴィクトリア女王の愛したヴィクトリアスポンジケーキで、2枚のスポンジにラズベリージャムをサンド。また、クリスマス定番のプディングは、プリンとは異なり、パン粉や小麦粉、牛脂、ドライフルーツ、ナッツを使う伝統料理です。さらにファッジという、砂糖と牛乳や練乳、バターをベースにフレーバーを加えた菓子も、専門店があるほどの人気ぶりです。

国別・洋菓子の特徴③イタリア菓子

イタリア菓子は、素朴な材料ながら長い歴史の中で磨き上げられた製法によって、格別な味わいを実現しています。代表的なティラミスやパンナコッタ、アマレッティなどは、最小限の材料を用いながらも職人技で味わいを存分に引き出した逸品です。 実はフランス菓子より古い歴史を誇るイタリア菓子。イタリア語で「甘い」を意味する「ドルチェ」は、日本人にも馴染み深い言葉です。蜂蜜、チーズ、ナッツ類を使用したお菓子が多いのが特徴的です。 例えばティラミスは、エスプレッソに生地を染み込ませ、カスタードソースとマスカルポーネチーズのクリームを合わせた層を重ねたケーキです。「私を元気付けて」という意味の名前通り、食べて元気になれる一品です。 一方のパンナコッタは、プリンに似た伝統的なデザートながら、卵液ではなくゼラチンを使用する点が異なります。砂糖と凝固剤を溶かすだけの簡素な製法ながら、口どけの良さと上品な味わいに優れています。 このように、素材を大切にしながらも長年の伝統に磨かれた製法が、イタリア菓子の味わい深い魅力を生み出しています。最小限の材料から最大限の味を引き出す職人技が光る、世界に誇れる菓子文化といえるでしょう。

国別・洋菓子の特徴④ウィーン菓子

ウィーンは菓子の伝統が根づく街ですが、その影響は首都に留まらず、オーストリア各地で類似のお菓子が作られています。ウィーン菓子の特徴は、シンプルな製法ながらナッツや香辛料を生地に取り入れ、素材の風味を存分に生かしていることです。 代表作ザッハトルテは、200年前からほとんど変わらない配合と作り方で作られる伝統のチョコレートケーキです。濃厚な味わいゆえ、無糖の生クリームが口直しに添えられることもあります。 カルディナール・シュニッテンは、黄色と白の生地を交互に重ねた特徴的な縞模様のケーキで、カトリック教会の旗がモチーフとされています。コーヒークリームを挟むのが一般的ですが、ジャムだけの伝統的なタイプもあります。 また、モア・イム・ヘムトは「白いワイシャツを着たムーア人」という風刺的な名前が付けられた、フォンダンショコラに似たデザートで、焼き上がったケーキの中からチョコレートが溶け出す仕掛けが施されています。 こうした伝統と新しいアイデアが共存するウィーン菓子は、首都の洗練された文化を色濃く反映しています。

国別・洋菓子の特徴⑤フランス菓子

フランス菓子には長い歴史と伝統が息づく一方で、時代とともに革新的な味わいや形態が生み出されてきました。かつてはデザートとして料理とのバランスが重視されていましたが、現在では幅広い種類が市場に出回るようになりました。 その代表例が「タルト・タタン」です。キャラメリゼしたりんごを敷き詰め、生地をかぶせて焼いた家庭的なお菓子で、ホテル料理人の失敗から偶然生まれたと言われています。一方の「カヌレ」はボルドーの修道院発祥の焼き菓子で、日本でも専門店が増え人気を博しています。 また、陶器の人形が入った「ガレット・デ・ロワ」は、フランスの文化を感じさせる風習が残る菓子です。このように、フランス菓子には食文化が色濃く反映されており、伝統の上に新しい味わいが重ねられながら進化を遂げてきました。

国別・洋菓子の特徴⑥スペイン菓子

スペインの菓子文化は、地中海性気候と多様な歴史的影響を色濃く反映しています。国土が広く、アーモンドやスパイス類の栽培が盛んなスペインでは、こうした国産の素材を活かしたお菓子が数多く生まれました。また、隣国のポルトガルやフランスの文化の影響を受け、地域によって様々な伝統菓子が伝えられています。 代表的なお菓子の一つに、ポルボロンがあります。ポルボは粉、ロンは崩れるを意味しており、崩れやすくほろほろの食感が特徴のこのクッキーには、「1つ口に入れ、崩れないようにポルボロンの名前を3回言えると幸せになれる」というおまじないが伝えられています。 また、フランは濃厚なカスタードクリームを冷やし固めたお菓子で、プリンよりも長く冷やすため、食感は硬めに仕上がります。一方、バスクチーズケーキは表面を黒く焦がした一風変わったチーズケーキで、中はしっとりと溶けるレアチーズケーキのような食感が人気です。日本でもコンビニスイーツをきっかけに広く親しまれるようになりました。 こうしたお菓子からは、スペインの豊かな食文化とゆったりとした陽気な雰囲気が感じ取れます。ミルクやバターもたっぷりと使い、素材の風味を最大限に活かしたスペインのお菓子は、世界に誇れる文化的宝物です。

国別・洋菓子の特徴⑦アメリカ菓子

アメリカのスイーツは、その土地柄から大量生産に適した製品が多数存在し、手軽で誰もが楽しめるポピュラーな味付けが人気の理由となっています。代表的なものとしてクッキー、ドーナツ、アイスクリームが挙げられます。 クッキーは手頃な価格で大量生産が可能なため、身近な人気菓子です。ドーナツは揚げるなどの特徴的な製法が生み出す風味が魅力的で、アメリカ発祥の菓子として知られています。アイスクリームは、高度な冷凍技術により口当たりのなめらかさと豊かな風味を実現しています。 また、甘さ控えめのミルクチョコレートなどが好まれる傾向にあり、その他にもスナック菓子やキャンディなど、手軽に食べられるお菓子が豊富に存在します。大量生産による手頃な価格設定と誰もが楽しめる味付けが、アメリカ菓子の人気の秘密といえるでしょう。 一方で、アメリカには移民文化が根付いているため、様々な地域に特色あるスイーツが存在します。例えば、アルミカップやペーパーカップに生地を流し込んで焼いた「カップケーキ」、リング状をはじめ様々な形状の「ドーナツ」、ベイクドチーズケーキの一種で湯煎焼きが特徴の「ニューヨークチーズケーキ」などがあげられます。このように、アメリカには大量生産された手軽なお菓子と、それぞれの地域に根付いた個性的なスイーツが共存しています。

国別・洋菓子の特徴⑧韓国の菓子

韓国では、洋菓子文化がまだ発展途上ですが、独自のアレンジを加えて新しいスイーツを生み出す力が魅力です。カラフルで可愛いデザインが特徴的な韓国スイーツは、今後さらに注目されることでしょう。

伝統菓子と洋菓子の違い
韓国の伝統菓子としては、もち米粉を乾燥させて水飴を塗った「油菓」や「韓菓」がありますが、洋菓子のジャンルはまだ歴史が浅いです。しかし、韓国人の創造力により、基本のレシピをアレンジして、独特で斬新な洋菓子が次々と登場しています。

トゥンカロン
トゥンカロンは、マカロンの進化系として韓国で人気を集めている焼き菓子です。名前の由来は韓国語の「トゥントゥンハン(太った)」で、マカロンよりもボリュームがあり、華やかでカラフルな見た目が特徴です。濃厚なフィリングや、個性的なデザインがSNS映えすることから、特に若者に人気です。

センイルケーキ
センイルケーキは、韓国の誕生日ケーキにあたるシンプルなデザインが特徴のケーキです。日本の誕生日ケーキとは異なり、フルーツやクリームで豪華に飾るのではなく、シンプルで洗練されたスタイルが主流です。また、メッセージはプレートに書くのではなく、直接ケーキに書き込むのが一般的で、特別感を演出します。

クロッフル
クロッフルは、クロワッサンとワッフルを融合させた、最近話題の韓国発スイーツです。クロワッサン生地をワッフルメーカーで焼き上げ、クリームやチョコレート、フルーツなどでトッピングすることで、デザートとしても軽食としても楽しめます。サクサクの食感とバターの風味が絶妙にマッチし、甘党だけでなく幅広い層に支持されています。

韓国の洋菓子は、そのユニークさとビジュアルの可愛さで、世界的にも注目されつつあります。

国別・洋菓子の特徴⑨台湾の菓子

台湾の菓子文化は、中華系の伝統と西洋の影響が融合した独自の魅力に溢れています。中華系の人気菓子には、月餅やパイナップルケーキ、林凍頂などがあり、月餅の個性的な豆腐や塩卵の味わいは中秋節に欠かせない存在です。 一方の洋菓子は、清朝末期から発達しました。台湾のパン屋で広く販売されているパイナップルケーキは、その代表格です。香り高いパイナップルとサクサクのパイ生地が絶妙な調和を奏でています。また、日本統治時代の影響で伝わったカステラは、奥深いバター風味が人気の理由です。 近年は、台湾茶を使った新しい菓子も注目されています。高山烏龍茶の繊細な香りを生かしたお菓子は、茶文化発祥の地ならではの上質な逸品です。伝統と革新が共存する台湾の菓子文化は、世界から高い評価を受けています。 屋台文化の発展もあり、タピオカミルクティーに代表されるワンハンドスイーツが人気です。タピオカなど弾力のある食感が好まれ、ビタミン豊富なフルーツや健康的な素材を使うのも特徴です。台湾カステラは地方により名称が異なりますが、卵感が強いプリン風の食感が魅力です。パイナップルケーキは、ジャム状のパイナップルをクッキー生地で包んだお菓子です。また、豆乳でつくるプリン状の豆花は、季節のフルーツやシロップをアレンジしてデザートとして人気があります。

まとめ

世界各地の個性豊かなケーキは、その国の文化や歴史、気候、食材などを色濃く反映しており、味わい深い魅力に溢れています。伝統的なレシピから生まれた上品な味わいのケーキもあれば、新しい素材やアレンジを加えた斬新なケーキもあります。ケーキを通して、世界の多様な文化に触れることができるでしょう。

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