モンブラン。この名前を聞くと、甘い栗のクリームが特徴のフランス発のお菓子を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、モンブランという名前には、その美味しさを超えた深い由来が隠されています。この名称の背景には、フランスとイタリアの国境に位置するヨーロッパ最高峰の山が関係しているのです。今回は、そんなモンブランの名前に秘められた由来を探り、この人気スイーツの魅力に迫ります。
モンブランとは由来
モンブランという名前は、フランスとイタリアの国境に位置する雄大な山「モン・ブラン」に由来し、フランス語で「白い山」を意味します。このアルプス山脈の峰は、一年を通して雪に覆われた姿がまさにその名の通りです。イタリア語でも「モンテビアンコ」と呼ばれ、同様の意味を持ちます。イタリア・ピエモンテ州の栗の産地から、この白い山をイメージしたケーキが生まれたのがモンブランの始まりとされています。
モンブランとはどのようなケーキ?
モンブランとはどのようなケーキを指すのでしょうか。現代において、私たちが目にするモンブランは、細いマロンクリームが円すいやドームの形に絞られたケーキが多いです。中には、サクサクのメレンゲの上に生クリームがデコレーションされ、その上からたくさんのマロンクリームが細く絞られ、粉糖で仕上げられたものが一般的です。
しかし、モンブランが必ずしも栗のクリームケーキだけを指すわけではありません。むしろ、その名前の由来である「モン・ブラン」という白い山を思い起こさせるようなケーキがモンブランと言われることが多いです。①山を思わせる円すい やドーム型の形。②生クリームや粉糖で雪を表現。③モンブラン発祥の地、ピエモンテ州の特産品である栗の使用。この3つの特徴が、多くのモンブランケーキに共通しており、モンブランの定義を形成していると言えるでしょう。
モンブランの起源は日本にあり
昔懐かしい黄色のモンブランが並ぶ洋菓子店があります。実はこの独特なモンブランは日本生まれで、その考案者は自由が丘にある「MONT-BLANC(モンブラン)」の創業者、迫田シェフである。迫田シェフは、ヨーロッパ訪問中に目にした「モン・ブラン」の白い山肌に魅了され、その姿をイメージして黄色のモンブランを創り出しました。
この店のモンブランは、たっぷりと使われた黄色のマロンクリームの上に、雪をイメージした白いシャンティクリームを絞り出しています。マロンクリームは、かつて日本でお馴染みの、クチナシで着色した黄色い栗の甘露煮が使われています。このモンブランは現在でも人気商品として販売され続けているのです。
日本の栗のデザート「モンブラン」
日本には伝統的なモンブラン以外にも、多様なバリエーションのモンブランが揃っています。栗やかぼちゃの濃厚さを味わうものだけでなく、チョコレートやいちごを使ったものも人気です。特有の線状のデザインはそのままに、多種多様なモンブランが店舗を彩っています。これは、日本が海外のスイーツ文化を巧みに取り入れてきた文化的背景があればこそです。
各国で愛されるモンブランの魅力
今日、マロンクリームを細く絞り出した茶色のモンブランは、パリの有名店「アンジェリーナ」によって生み出されたと言われています。このスタイルは、1984年にプランタン銀座に日本第1号店がオープンしてから国内でも人気を博しました。
また、イタリアでは、雪が積もった山「モン・ブラン」の姿を忠実に模した、白いシャンティクリームで覆われた円錐形のモンブラン(モンテビアンコ)が今日でも作られています。
モンブランを深く知ることで、商品選びがさらに楽しくなる
モンブランの奥深い栗の風味は、さまざまなスタイルで楽しめます。クラシックなものから、懐かしい黄色のモンブラン、さらには栗以外のクリームを使った多様な種類が存在します。何気なく選んでいたモンブランも、その誕生秘話や由来を知ることで、さらに興味が湧くことでしょう。ここでご紹介したおすすめ商品をぜひ試して、自分の好みに合ったモンブランを見つけてみてください。