太陽の恵みをたっぷり浴びて育った「清見」。日本生まれのタンゴールとして、その芳醇な香りとジューシーな味わいは、多くの人々を魅了し続けています。温州みかんの甘さとオレンジの爽やかさを兼ね備え、一口食べれば、口いっぱいに広がる豊かな風味。この記事では、国産タンゴール「清見」の魅力を余すことなくご紹介します。その誕生秘話から、おいしい食べ方、さらに知っておくとより楽しめる情報まで、みかん清見の世界を深く探求してみましょう。
清見タンゴールとは:基本情報と特徴
清見タンゴールは、日本で最初に生まれたタンゴール品種で、温州みかんとオレンジを交配して生まれました。タンゴールとは、ミカン類とオレンジ類を掛け合わせた柑橘の総称であり、「Tangerine」と「Orange」の頭文字から名付けられました。果肉は柔らかく、たっぷりの果汁を含み、温州みかんの甘さとオレンジの爽やかな香りが調和した味わいが魅力です。一個あたり約200~250グラムで、オレンジに似た少し厚めの皮を持ちます。果汁が非常に多いため、手で剥くよりもナイフでカットして食べるのがおすすめです。種は少ないものの、2~3個程度含まれることがあります。
清見タンゴールの生い立ちと歴史
清見タンゴールは、昭和12年(1937年)に、より良い品種を育成する研究の一環として、かつての園芸試験場(現在の国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 カンキツ研究興津拠点)で開発されました。温州みかんの甘味や手軽さと、オレンジ類の豊かな香りと優れた果肉を兼ね備えた品種を目指し、試行錯誤の結果、誕生しました。そして1979年6月、その故郷の美しい海岸である清見潟にちなんで、「清見」と名付けられ、登録されました。
美味しさの秘密:越冬収穫と完熟へのこだわり
清見タンゴールは、一つ一つ丁寧に袋をかけて、3月まで木の上で冬を越してから収穫されます。この手間のかかる作業を行うことで、収穫の直前まで木の上でじっくりと完熟させることができ、甘みと美味しさが最大限に引き出されます。ナイフで切ると、きめ細やかな繊維と豊富な果汁が詰まった美しい房が現れます。その芳醇な香りと、果汁たっぷりでとろけるような甘さが、清見タンゴールならではの魅力です。
食べ頃と旬
清見タンゴールは、2月初旬から市場に出回り始め、4月下旬頃まで楽しむことができます。特に美味しくなる旬の時期は3月頃です。また、貯蔵技術の進歩により、6月頃まで店頭で見かけることもあります。
清見タンゴールの美味しい食べ方:カット方法の工夫
清見タンゴールの皮はやや厚めなので、オレンジと同様にくし形にカットするのがおすすめです。縦方向にカットすることで、より果肉のジューシーさを感じられます。薄い内皮はそのまま食べても気になりません。また、果汁を存分に味わいたい場合は、横半分にカットしてスプーンで食べるのも良いでしょう。お菓子作りにも最適で、ケーキやタルトの彩りにもなります。
美味しいみかん清見を選ぶコツ
清見みかんを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。
* 果皮にハリとツヤがあり、色鮮やかなもの
* 手に取った際に、ずっしりとした重みがあるもの
* ヘタが緑色で、新鮮さを保っているもの
保存方法
清見を長持ちさせるには、涼しくて日の当たらない場所での保管が最適です。冷蔵保存する際は、乾燥を防ぐためにビニール袋などに入れてください。適切な方法で保存することで、より長く風味を損なわずに楽しめます。
柑橘界のパイオニア:品種改良への貢献
清見は、数多くの新しい柑橘を生み出す親として、重要な役割を果たしてきました。現在市場に出回っている様々な柑橘のルーツを辿ると、清見タンゴールに行き着くものが少なくありません。例えば、「せとか」は、「清見」と「アンコール」を交配させたものに、さらに「マーコット」を掛け合わせて誕生しました。その他、はれひめ、西之香、朱見、はるみ、あまか、陽香、天草、津之香、清峰、不知火、春峰、たまみ、せとみなど、「清見」を親とする品種は多数存在します。
結び
美味しいみかん・清見は、その豊かな果汁と甘さ、そして柑橘類の品種改良における重要な位置づけから、多くの人々から愛されています。ぜひ一度、その格別な味わいをご堪能ください。
清見は手で皮をむけますか?
清見は、皮がやや厚く、果汁が非常に多いため、手でむくのは少し難しいかもしれません。ナイフなどでカットして食べることをおすすめします。
清見に種はありますか?
清見は、基本的に種は少ない品種です。しかし、稀に2~3個程度の種が含まれている場合があります。
清見の旬な時期はいつですか?
清見が最も美味しい時期は、一般的に3月頃と言われています。市場には、2月初旬から4月下旬にかけて出回ります。