日本が誇る赤梨、「新高」。この梨は日本国内における豊水や幸水に次ぐ生産量を誇り、その身元は大きさが魅力の一つとされています。新高梨の平均サイズはなんと、450～500g。中には1kg近くにもなる巨大なものも存在します。さらに、その味わいは甘みが豊富で酸味が少なめ、やわらかい肉質に果汁がたっぷりと含まれています。

新高梨には長い歴史が刻まれています。この品種は1927年（昭和2年）に命名され、その名前は育成者である菊池秋雄氏が新潟県産の梨「天の川」と高知県産の梨「今村秋」から一文字ずつ取り、「新高」と名付けたことからきています。

しかしながら、近年の遺伝子解析によって新たな事実が明らかになりました。新高梨の親であるとされていた「今村秋」ではなく、「長十郎」という神奈川県原産の梨が実は片親である可能性が浮上してきたのです。これにより、「新高」と名付けられたこの梨がもしも最初から「長十郎」を親としていたなら、「新高」ではない全く別の名前を持っていたかもしれないという興味深い事実がわかりました。 

新高梨はその特徴的な風味とサイズ、そして歴史という三つの要素から私たちに魅力を与え、食生活に彩りを添えてくれています。これからも引き続きその特長を活かし、我々の食卓に寄り添ってくれることでしょう。

梨を選ぶ際の３つのポイントとして、見た目、触感、そして香りが重要です。先ず最初に見た目について。形や色、そして果皮のキズをしっかり確認しましょう。秋に収穫される梨は、グリーンに色づいた黄色で、全体が均一に熟していることが新鮮さの証です。肉厚でふっくらとした形状のものを選び、果皮に張りがあり色むらやキズがないことも重視しましょう。

次に、触感です。重さを感じて、果汁が豊富なものを見極めましょう。重いほど、梨の甘味もしっかりしています。更に、柄元や底部を軽く押してみて、適度な柔らかさを感じることが理想的です。

そして、香りについて。新鮮な梨は甘い香りが漂い、とりわけ柄元からの香りに注目すべきです。

見た目の色彩の均一さ、適度な硬さ、甘い香りを全て考慮して梨を選びましょう。梨の選び方を掴むことで、手軽なデザートやクリエイティブな料理の楽しみも増えます。なお、大きな果実で肩がゴツゴツとしている新高梨も、見た目にこだわらずに選んでみてください。

新高梨を美味しく長持ちさせるには、いくつもの保存方法が存在します。難しく感じるかもしれませんが、心配いりません。梨の保存は思っている以上に容易です。

最初に考えてみましょう、室温保存。新高梨は約2週間の間、室温でゆっくりと熟します。新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、涼しい場所や冷暗所で保存できます。しかし、早めに食べたい場合や、気温が高いところでの保存は避けましょう。

そのような状況では、冷蔵保存がおすすめです。直射日光が当たらない冷蔵庫の野菜室が最適な場所です。そうすることで熟成は遅くなりますが、鮮度が良ければ1か月程度保存できます。さらに、長期保存を望む場合には冷凍保存がオススメです。梨をスライスし袋詰めして冷凍すれば、3か月以上もその新鮮さを保つことができます。食べる際には解凍するだけで、新鮮な風味を楽しむことが出来ます。

それぞれの方法によって、新高梨を美味しく、新鮮なままで長期間楽しむことが可能です。それでは、この秋、新高梨の味わいを存分に堪能してください。

新高の梨には大きさが特徴で、一般的な4等分ではなく、8等分の縦長くし形切りが一層の美味しさを引き立てます。識者たちがよく指摘するように、梨のお尻側は糖度が高いため、くし形切りにすることで甘味が均一に広がります。

豊富な収穫量に対し、一度に食べきれないというケースも少なくありません。このような時におすすめなのが、コンポートにする方法と料理への活用です。梨を砂糖で美味しく煮込み、梨特有の甘さと香りを引き立てたコンポートは冷やすと、贅沢なデザートとして堪能できます。

そしてまさに新たな高みを目指す「梨のベーコン巻き」。旨味と甘味が絶妙に調和し、サクサクとした食感のオーブン焼きは、こんがり焼けた瞬間から感じる梨の甘さと香りが最高のご馳走です。また、カットせずにそのまま楽しむ「濃厚梨ジュース」も見逃せません。梨にストローを刺し込んで吸い上げるだけで、新鮮な梨の香りと味わいが一気に広がります。まさに、この方法こそが真の「梨一つ」の楽しみ方でしょう。

以上の食べ方で新高の梨を存分に堪能し、その季節感と風味を五感全てで感じてみてはいかがでしょうか。きっと特別な時間が過ごせることでしょう。

新高の梨の旬は、新しい季節を告げるかのようなタイミングで、産地から市場に姿を現します。その時期は9月頃から10月頃。特に10月頃が最も出荷量が多く、新高の梨が最も手に入りやすい期間となります。

力強い果肉と微妙な甘み、そして爽やかな酸味が融合した新高の梨は、その高品質から非常に人気があります。また、その育成が寒冷地に限られるために希少性も併せ持つ、特別な果実でもあります。大きさと重さが絶妙なバランスをなす新高の梨は、噛むと適度な甘さと食べごたえが感じられ、そのかわいらしい食感は至極の瞬間をもたらします。そして、果汁が口の中で広がるときには、食欲を掻き立てる甘酸っぱさが感じられます。

旬を迎えた新高の梨は、一つ一つ丹精込めて栽培された農家の手間暇を象徴するような果実であり、季節感溢れる風味が決して忘れられません。しかも、美味しさだけでなく、ビタミンCや食物繊維などの栄養素も豊富で、美容や健康をサポートします。

新たな季節、新高の梨の季節がやってきます。その「秋の訪れ」を食卓で感じ、優れた品質と豊かな味わいを是非とも味わってみてください。

新高梨の産地といえば、特に熊本県、千葉県、新潟県が主流となっています。中でも熊本県は新高梨栽培の最大拠点で、約116ヘクタールの大規模な面積を活用し、全新高梨作付面積の15％近くを占めています。

千葉県と新潟県も新高梨の主要産地となっており、それぞれ約107ヘクタール、約81.4ヘクタールで新高梨を育て上げています。千葉県では絶妙なノウハウと伝統を持つ地域が多く、温暖な気候を利用した多種多様な梨作りが評価されています。新潟県では、新高梨栽培農家が経験と情熱を込めて、その美味しさを一層引き立てる仕事を行っています。

熊本、千葉、新潟の各地で生まれる新高梨には、それぞれ独特の特性があり、産地の風土、気候、土壌が作り出す個性です。それぞれの特色を知り、味わい比べるのも楽しいでしょう。

これら三つの県は国内の新高梨栽培の中心であり、全国にその美味しさを提供しています。それぞれの土地が育んだ技術と伝統を尊重し、今後も新高梨の品質向上と普及に向けた取り組みを続けることを約束します。

新高梨の特徴は、高い甘み、ふっくらとした食感、芳醇な香りが挙げられます。これらは新高梨が他の梨と一線を画す魅力です。甘みたっぷりのジューシーな味わいは、まさに季節の贈り物。一度食べればその美味しさに虜になること間違いなしの新高梨、ぜひ一度お試しください。