ナチュラルチーズは、生の牛乳から伝統的な製法により作られています。しかしながら、その製造工程で十分な衛生管理が行われていないと、リステリア菌などの危険な細菌に汚染される恐れがあります。リステリア菌は低温環境でも増殖可能な細菌で、妊婦や高齢者、免疫力の低下した方が感染すると重篤な症状を引き起こす可能性があります。ナチュラルチーズにはこの菌が残存している可能性が高いのです。

さらに、ナチュラルチーズは未殺菌の生乳を使用しているため、サルモネラ菌やカンピロバクター菌などの食中毒菌に汚染されているリスクも存在します。感染すれば、下痢や発熱、吐き気など深刻な健康被害が生じる恐れがあります。安全性を高めるには、製造工程での徹底した衛生管理が不可欠ですが、それでもリスクがゼロになるわけではありません。免疫機能が低下している方は、ナチュラルチーズの摂取を控えることが賢明といえるでしょう。

ナチュラルチーズは生乳から作られるため、リステリア菌などの食中毒菌に汚染されるリスクがあります。しかし、適切に加熱調理すれば食中毒の心配はありません。ピザやグラタンなど、オーブンで中心部まで確実に火が通る調理法であれば安心して食べられます。一方、中心部まで十分に加熱できない調理法の場合は、リステリア菌が残存する可能性があるため注意が必要です。

一方、加熱殺菌チーズは原料となる生乳を加熱処理しているため、食中毒菌のリスクが低くなっています。ナチュラルチーズのように加熱調理する必要はありませんが、風味の深みは失われてしまいます。用途に応じて、それぞれのチーズの特徴を理解し、適切に選択することが賢明でしょう。

ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いは、製造方法と原料に起因しています。ナチュラルチーズは伝統的な発酵法で作られ、新鮮な生乳から熟成を経て独自の風味が生まれます。一方、プロセスチーズはナチュラルチーズを原料に、加熱・乳化・塩化などの加工処理を施したものです。

ナチュラルチーズには良質なタンパク質や脂肪、カルシウム、ビタミンB2などの栄養素が豊富に含まれています。しかし、プロセスチーズは加工工程で一部の栄養分が失われがちです。また、ナチュラルチーズは発酵による風味の違いから多様な種類がありますが、プロセスチーズは風味が単一化する傾向にあります。

そのため、ナチュラルチーズはそのままの状態で味わうのが一般的ですが、プロセスチーズは調理素材として利用されることが多くなっています。栄養と風味を求めるかで、用途に合わせて使い分けることが賢明でしょう。

妊娠期には食生活に気を配る必要がありますが、カルシウムやたんぱく質が豊富なナチュラルチーズは賢明な選択肢です。日本の大手メーカーの中には、原料を加熱してリステリア菌を死滅させてからナチュラルチーズを製造しているところがあります。

こうしたメーカーは各社のウェブサイトで「妊娠中でも当社のナチュラルチーズなら安心して食べられます」と発信していますが、広く知られていないのが実情です。パスツライズ工程を経たナチュラルチーズは食中毒の心配がなく、モッツァレラ、パルメザン、ゴーダ、チェダーなどの種類があり、カルシウムやたんぱく質、ビタミンB12も含まれています。ナチュラルチーズは栄養価が高く、おいしく栄養を摂取できる良い選択肢なのです。