ナッペ コツ

ナッペは、熟練の技が必要な作業です。しかし、適切な知識とコツを身に付ければ、きれいで質の高いナッペができます。今回は、ナッペの基本から上級テクニックまで、コツをご紹介します。

ナッペとは

ケーキにクリームを塗る工程を「ナッペ」と呼びます。このナッペには、大きく分けて「下塗り」と「本塗り」の2段階があります。

まず、下塗りは、スポンジの細かいクラム(ケーキのカス)が表面に出てこないようにするため、最初に薄くクリームを塗る作業です。この段階では、スポンジが部分的に透けて見えても問題ありません。

次に、本塗りは、スポンジを完全に覆って仕上げる工程です。ここでクリームを均一に広げ、ケーキ全体が美しく仕上がるようにします。

デコレーションケーキを作る際は、生クリームの脂肪分が重要です。45%ほどの脂肪分の高いクリームは固まりやすく、扱いにくいことが多いです。おすすめは脂肪分が35%〜40%のクリームで、柔らかく扱いやすく、仕上がりも滑らかになります。作業をスムーズにするためには、クリームを何度も塗り直すことを避け、最小限の手数で進めることがポイントです。

ナッペに必要な道具は?

ナッペを行うために、以下の道具を準備しましょう。

ダミーケーキ(発泡スチロール製)または丸型を裏返して使う
バタークリーム風パウダーやショートニング
スパテラ(長さ30cmほどのものが使いやすい)
回転台(人工大理石のものがおすすめ)
人工大理石の回転台は重みがあるため、作業中に安定し、回転もスムーズです。軽量な回転台ではブレが生じやすく、側面のクリームが塗りにくくなるため、しっかりしたものを選びましょう。

ナッペをさっそくはじめましょう

1. クリームを広げる
最初に、ダミーケーキの底に両面テープをつけ、回転台にしっかりと固定します。次に、生クリームを中央にたっぷりとのせ、スパテラを使って広げます。スパテラは表面に平行にし、回転台を奥に回しながら、クリームを均等に広げましょう。はみ出した部分は後で整えるので、気にせず進めます。

2. 側面にクリームを塗る
スパテラの先端でクリームをすくい、ケーキの側面に塗り付けていきます。回転台を使いながら、ケーキの上部からクリームをつけ始め、下へと滑らせるように塗ります。側面に凹凸ができても、この段階では問題ありません。

3. 余分なクリームを取り除く
スパテラをケーキの側面に垂直に当てて、余分なクリームを削ぎ取ります。表面を滑らかに整え、側面も同様にスパテラで凹凸をなくしていきます。ケーキの底面も忘れずに、余分なクリームを取り除いてください。

4. 角出しを行う
角出しとは、側面に残ったクリームを内側に押し込み、ケーキの角をシャープに整える工程です。スパテラをケーキの表面に平行に構え、ケーキの角を滑らせるように動かしていきます。角をしっかりと出すことで、ケーキのフォルムが美しく仕上がります。注意すべきは、角を丸めないようにすることです。

まとめ

ケーキにクリームを均一に塗る技法「ナッペ」は、プロの仕上がりに近づけるための重要な作業です。「下塗り」と「本塗り」の2段階に分けて行い、下塗りではスポンジのカスを閉じ込め、表面を滑らかに整えます。本塗りでは、さらにクリームを丁寧に広げ、仕上げていきます。道具の選び方も重要で、回転台やスパテラは安定感と扱いやすさが求められます。クリームを少ない手数でスムーズに塗り、仕上げの「角出し」を行うことで、ケーキは見た目も美しく仕上がります。

ナッペ