りんごの 名前

りんごの 名前

農林水産省の『特産果樹生産動態等調査』(2020年産)によると、日本国内で生産面積が計上されているりんごの品種数は102種である。味、大きさ、色、形など、品種によって様々な個性があり、それぞれ異なる魅力を持っています。ここでは、りんごの品種に関する基本的な情報をご紹介します。

りんごの品種:日本の生産状況と主要産地

2021(令和3)年産のりんごの収穫量は66万1900tで、都道府県別の収穫量割合は青森県63%、長野県17%でこの2県で全国の8割を占める。シナノスイート、秋映、シナノゴールドなど、多くのオリジナル品種を育成しています。その他、山形県や福島県なども主要な産地として知られています。

りんごの名前の語源:漢字「林檎」

中国の書物に、実が甘く、多く禽(鳥の意)がその林に来るとの記述があることが語源とされているようです。この「林檎」が発音上「リンゴン」を経て「リンゴ」となったといわれます。

産地別に見るりんご品種

料理にも合う甘酸っぱさ:紅玉

紅玉は、「ふじ」が主流になる以前は、「国光」と並んで青森県産りんごの代表的な品種でした。甘酸っぱい味が特徴で、アップルパイなどの料理にも最適です。近年、その味が再評価されています。

非常に大きなサイズ:世界一

世界一は、その名の通り、大きなサイズが特徴のりんごです。大きいものでは1kgを超えるものもあり、見た目のインパクトも抜群です。デビュー当時は「世界一大きい品種」と宣伝されました。(実際にはもっと大きな品種が存在します)

爽やかな酸味がポイント:ジョナゴールド

ジョナゴールドは、青森県での生産量が「ふじ」「王林」「つがる」に次いで多い品種です。酸味があるので、甘みの強い果物とミックスしてスムージーにするのもおすすめです。味が引き締まります。

芳醇な香りが特徴の品種:陸奥(むつ)

陸奥は、香り高い大玉のりんごで、贈答用としても人気があります。りんごを使用した芸術品「絵文字りんご」にも使用される品種です。

豊かな蜜と際立つ甘さ:北斗

北斗は、栽培が難しいため生産量は減少傾向にありますが、ジューシーな味わいは格別で、りんご通の間で食味の良さが評価されています。蜜がよく入り、甘さも十分な品種です。

夏まで続く、とろけるジューシーさ:ふじ

ふじは、日本を代表するりんごの品種です。農家が一つ一つ丁寧に袋をかけて栽培することで、果皮はなめらかで鮮やかな紅色になります。貯蔵性に優れており、春から夏まで店頭に並びます。一年を通して消費者にりんごを届けることができるのは、「ふじ」があるからこそと言えるでしょう。

甘味・酸味・歯ごたえ、三位一体の妙味:サンふじ

サンふじは、「ふじ」を無袋栽培したものです。太陽をたくさん浴びて育つため、「蜜」が入りやすいのが特徴です。甘味、酸味、食感のバランスが絶妙で、りんごの王様とも呼ばれています。

青森県の主要品種

赤色りんごに比べて、さっぱりとした味わいのものが多い黄色りんご。ここでは、青森県で栽培されている主な黄色りんごの品種をいくつかご紹介します。それぞれの特徴を知って、好みに合ったりんごを見つけてみましょう。

歯ごたえのある果肉が魅力:きおう

きおうは、「黄色いりんごの王様」というイメージから名付けられました。食べると甘さが口いっぱいに広がり、果汁が豊富で独特の風味があります。「和梨を食べているみたい!」と表現する人もいます。

甘みと食感が際立つ:トキ

トキは、偉大な両親の良いところを引き継いだ食味の良さが特徴です。旬が短く「今しか逢えないプレミアムな黄色」というキャッチフレーズがついています。店頭で見かけた時がチャンスです。

果汁たっぷり、ほどよい酸味:シナノゴールド

シナノゴールドは、長野県生まれの「シナノ三兄弟」の一つです。黄色りんごの中では珍しく酸味があるのが特徴です。貯蔵性に優れた品種で、夏までパリパリの食感が楽しめます。

皮ごと食べやすい:星の金貨

星の金貨は、青森県の登録商標です。最大の特長は皮の薄さで、大きさも手頃なので皮ごと丸かじりするのがおすすめです。

芳醇な香りが魅力の青りんご:王林

王林は、黄色系りんごのパイオニア的存在です。青森県での生産量はふじの次くらいに多く、昔から根強いファンが多い品種です。甘さと爽やかな香りが、ヨーグルトの酸味と良く合うので、一緒に食べるのもおすすめです。

蜜たっぷりの濃厚な甘さ:ぐんま名月

名月は、蜜が多く入り、果汁が多く、甘味が強いので近年人気急上昇中の品種です。保存に適さないデリケートな品種のため、冷蔵庫で冷やしておいしいうちに、お早めにお召し上がりください。

見た目も味も極上のりんご:金星

金星は、袋をかけて栽培した「有袋金星」は見た目も美しく、贈答用として海外での人気も高い品種です。袋をかけない「無袋金星」は、有袋よりもジューシーですが、日持ちしないため店頭に出回るのはわずかな期間だけです。

その他:青森県りんご試験場オリジナル品種

青森県りんご研究所では、上記以外にも様々な品種を育成しています。夏緑(なつみどり)、恋空(こいぞら)、紅(べに)はつみ、千雪(ちゆき)、はつ恋ぐりん、春明21(しゅんめいにじゅういち)など、個性的なりんごが数多く存在します。

長野県の主要品種

長野県では、シナノスイート、秋映、シナノゴールド、ぐんま名月、シナノリップ、シナノホッペ、あいかの香り、ムーンルージュなど、数多くのオリジナル品種が開発されています。これらの品種は、それぞれ異なる特徴を持ち、様々な味わいを楽しむことができます。

シナノスイート

シナノスイートは、長野県オリジナル品種で、「ふじ」と「つがる」を交配して作られました。鮮やかな赤色をし、果汁が多く、シャキシャキした食感が特徴です。酸味は少なめで濃厚な甘みが人気です。出荷時期は10月上旬~下旬で、主な産地は長野県高山村です。蜜は入りません。

秋映

秋映は、長野県オリジナル品種で、「千秋」と「つがる」の交配で生まれました。果汁が多く、甘みと酸味のバランスが良い品種です。香りが高く果肉は硬めで、完熟すると黒っぽい色になります。出荷時期は9月下旬~10月上旬で、主な産地は長野県高山村です。蜜は入りません。

シナノゴールド

シナノゴールドは、「ゴールデンデリシャス」と「千秋」を交配した黄金色のりんごです。甘味の中にしっかりとした酸味があり、さっぱりしていて柑橘類のような風味が特徴です。果肉は硬めで貯蔵性が良い品種です。出荷時期は10月中旬~11月中旬で、主な産地は長野県高山村、中野市です。蜜は入りません。

ぐんま名月

ぐんま名月は、「あかぎ」と「ふじ」の交配で生まれました。黄色い品種ですが、陽があたった部分はほんのり赤く色づきます。香り高く、果汁たっぷりで甘みが強く、蜜が入りやすいりんごです。出荷時期は10月下旬〜11月上旬で、主な産地は長野県です。蜜は入りやすいです。

シナノリップ

シナノリップは、長野県オリジナル品種で、「千秋」と「シナノレッド」の交配です。果汁が多くみずみずしい夏りんごで甘味と酸味のバランスがよく、歯切れの良い食感が特徴です。まだ長野県内でのみの栽培となっており、収穫量・出荷量が少ないため大変希少なりんごです。出荷時期は8月上旬〜8月下旬で、主な産地は長野県上伊那です。蜜は入りません。

サンふじ

サンふじは、「国光」と「デリシャス」の交配で生まれました。蜜が入りやすく果汁もたっぷり。甘味・酸味・歯ごたえの三拍子が揃った人気品種です。「サン」とは「太陽(sun)」のことで、袋をかけないで栽培する「無袋りんご」で、日光を充分に浴びるため糖度が増したふじりんごです。出荷時期は11月上旬~12月上旬で、主な産地は長野県高山村、中野市、長野市芋井、安曇野市、下伊那郡松川町、中川村です。蜜は入りやすいです。

シナノホッペ

シナノホッペは、長野県オリジナル品種で、「あかね」に「ふじ」の交配です。酸味は少なめでしっかりとした甘みがあり、果肉はシャキシャキした硬めの食感が特徴です。出荷時期は10月下旬~11月上旬で、主な産地は長野県小布施町です。蜜は入りやすいです。

あいかの香り

あいかの香りは、長野県長野市の藤牧秀雄氏が「ふじ」の自然交雑実生から選抜した品種のりんごです。長野県でも生産量が少なく非常に希少なりんごで、甘味が強く、芳醇な香りでジューシー、サクサクとした食感が特徴です。蜜が全体に入りやすい品種です。(その年の天候により入り具合が変わります) 出荷時期は11月中旬~12月上旬で、主な産地は長野県小布施町です。蜜は入りやすいです。

ムーンルージュ

ムーンルージュは、長野県中野市生まれの赤肉系品種で、「いろどり(紅玉×ピンクパール)」と「ふじ」の交配です。果皮の色は黄緑から黄色の地色にややまだらな感じに淡いオレンジから赤橙に色づいています。果肉は桃色~赤色が混じる、赤肉のりんごです。甘酸バランスも良く、食感はかためでシャキッとしており、歯ごたえがよいのが特徴です。生産量が少なく希少なりんごです。出荷時期は11月下旬~12月上旬で、主な産地は長野県上伊那です。蜜は入りやすいです。

美味しいりんごの見分け方

美味しいりんごを選ぶためには、いくつかのポイントがあります。まず、手に取って重みを感じるものを選びましょう。また、色ムラがなく、全体的に均一に色づいているものがおすすめです。表面に傷やへこみがないかどうかも確認しましょう。香りが良いものも、熟している証拠です。

りんごを長持ちさせる保存方法

りんごは、乾燥を防ぐために、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存するのがおすすめです。こうすることで、鮮度を保ち、より長く美味しく食べることができます。また、エチレンガスを放出するため、他の果物や野菜と一緒に保存するのは避けましょう。

りんごを活用したレシピ集

りんごは、そのまま食べるだけでなく、様々な料理やお菓子に活用することができます。アップルパイ、アップルケーキ、ジャム、コンポートなど、幅広いレシピがあります。また、サラダに加えたり、肉料理のソースにしたりするのもおすすめです。

りんごに含まれる栄養素と健康への影響

りんごには、食物繊維、ビタミンC、カリウム、ポリフェノールなど、様々な栄養素が含まれています。食物繊維は、お腹の調子を整えるのを助けるとされています。ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出するのを助けると言われています。ポリフェノールには抗酸化作用があることが知られており、健康維持への関心が高まっています。

りんごから生まれる豊かな加工品

りんごは、ジュース、ジャム、シードル、ドライアップルなど、様々な加工品としても楽しむことができます。これらの加工品は、生のりんごとは異なる風味や食感を持っており、手軽にりんごの美味しさを味わうことができます。

まとめ

日本には多種多様なりんごが存在し、それぞれに個性的な特徴があります。本記事では、代表的な品種の選び方から、美味しい保存方法、栄養価まで、りんごの魅力を余すところなくご紹介しました。ぜひ、お気に入りのりんごを見つけて、その豊かな味わいを日々の食卓でお楽しみください。

よくある質問

質問1:りんごの品種の中で、特に人気が高いのはどれですか?

回答:日本国内では「ふじ」が最も人気のある品種です。甘味、酸味、食感のバランスが良く、貯蔵性にも優れているため、一年を通して楽しむことができます。

質問2:りんごが最も美味しくなる旬の時期はいつ頃ですか?

回答:りんごの旬な時期は、品種によって異なりますが、一般的には秋から冬にかけてです。早生品種は8月頃から、晩生品種は11月頃から収穫されます。

質問3:りんごをより長く美味しく保存するための適切な方法はありますか?

回答:りんごは乾燥に弱いため、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存することをおすすめします。また、りんごはエチレンガスを放出するため、他の果物や野菜と一緒に保存することは避けるようにしましょう。
りんご