三ヶ日みかん

潤沢な日光と温暖な気候に恵まれた静岡県西部、富士山の眩しい雄姿を間近に眺めることのできる三島市。この地で育った"三ヶ日みかん"は、甘みと酸味のバランスが絶妙で、滑らかな果肉とみずみずしい果汁があふれる、極上の味わいを誇る逸品です。歴史ある三ヶ日みかんの魅力と、この地域の気候風土に育まれた特徴的な味わいについてご紹介します。

三ヶ日みかんとは?

三ヶ日みかんは愛媛県の誇る特産品であり、その魅力は言うまでもありません。しかし、静岡県浜松市北区三ヶ日町にも、この温州みかんの名産地があることをご存知でしょうか。 江戸時代に遡る長い歴史を持つ三ヶ日町のみかん栽培は、奥浜名湖地域の風光明媚な自然に恵まれた環境で営まれています。始まりは享保年間に、紀州みかんの苗木を持ち帰った山田弥右衛門によるものです。その後、温州みかんの導入によって現代につながる品種が確立されました。 明治から大正にかけて技術の向上と農家組織化が進み、三ヶ日町はいまや国内有数のみかん産地に育っています。旬の12月には、香り高く甘みと酸味の絶妙なバランスを誇る三ヶ日みかんが、全国の愛好家を虜にしてきました。 手間暇をかけて一つひとつ丁寧に育てられる三ヶ日みかんには、静岡県民の誇りと愛着が注がれています。生産者の伝統的な栽培方法によってつくり出される芳醇な風味は、まさに「日本を代表する味覚」と言えるでしょう。

三ヶ日みかんの特徴

三ヶ日みかんは、その甘みだけでなく、コクのある味わいに定評のある高級ブランドみかんです。その味わいを作り出しているのは、三ヶ日の土地と気候を最大限に活かした栽培管理にあります。 三ヶ日地域は肥沃度の低い砂礫質土壌ですが、そのおかげで肥料分をコントロールしやすく、コクのある味に仕上がります。また、同地域は日照量が国内トップクラスで、豊富な光合成により果実は上質な甘みを蓄積します。生産者たちは、この恵まれた環境を生かし、厳格な栽培基準のもと切磋琢磨しながら、技術の向上に努めています。 三ヶ日みかんには、ビタミンCや食物繊維のほか、骨の健康維持に役立つβ-クリプトキサンチン、血圧を下げる働きのあるGABAなど、機能性成分が豊富に含まれています。青果物としては初の快挙となる2つの機能性表示の取得は、その高い栄養価を裏付けています。 さらに、最先端の選果技術により、生産者の手間暇をかけて育てられた最高品質のみかんだけが、丁寧に箱詰めされてお客様の元へと届けられます。AI技術で小さな傷さえ見逃さない徹底した品質管理は、安全で美味しい三ヶ日みかんを確実にお届けするための取り組みです。

みかんの品種と収穫期

みかんは多くの人が冬の代表的な果物だと思っているかもしれませんが、実は10月から出回り始め、種類によっては3月末まで販売されています。このように長期間にわたって販売できるのは、異なる品種のみかんを栽培し、収穫時期をずらしているからです。 みかんは収穫時期によって、極早生、早生、中生、普通に分類されます。代表的な品種では、極早生種の「日南早生」「ゆら早生」、早生種の「宮川早生」「興津早生」、中生種の「南柑20号」、普通種の「青島温州」が知られています。 収穫時期の違いは、みかんの外皮や袋(じょうのう)の厚さにも関係しています。極早生種や早生種は収穫後すぐに出荷されるため、皮が薄めですが、12月下旬から2月下旬に販売される代表品種「青島温州」は、収穫後に貯蔵されるため、皮が厚くなります。 青島温州を貯蔵する理由は、収穫が雪の降る12月下旬より前に終わることが多く、また、収穫直後は酸味が強いため、貯蔵することで適度な酸味とコクを引き出せるためです。三ヶ日町には専用の貯蔵施設があり、最適な状態で出荷できるよう管理されています。 このように、季節によって異なる品種のみかんを楽しめるのが三ヶ日みかんの魅力です。外皮や袋の厚さの違いは、収穫から出荷までの期間と関係があります。極早生種は薄め、普通種は厚めの品種を栽培しているのです。

三ヶ日みかんの品種紹介

三ヶ日みかんは、熊本県の特産品として知られています。この名前の由来は、旧暦の正月三が日に美味しく食べられるみかんだからこの呼び名がついたと言われています。 三ヶ日みかんの特徴は、濃厚な味わいと上品な香りにあります。皮が薄く種がないのも魅力的です。鮮やかなオレンジ色の果肉にはほんのり苦みを感じる絶妙な味わいがあり、12月から2月の旬に寒い冬を温かく彩ってくれます。 主な産地は熊本県で、寒暖の差が大きく日照時間の長い気候が三ヶ日みかんの栽培に適しているとされています。生産者一人ひとりがみかんへの愛情を込めて、丁寧に手摘みして出荷しています。皮が薄いため、都会の人々への手土産としても人気が高く、味と香りの良さを伝えています。 極早生、早生、完熟、貯蔵熟成など、様々な味わいや特徴を持つ三ヶ日みかんのバリエーションがあります。中でも「ミカエース」は最高級の品質を誇る逸品で、味や外観の基準を最も厳しくクリアしたみかんのみが選ばれます。品種本来の旨味を堪能できる、三ヶ日みかんの最高峰のブランドです。

三ヶ日みかんの品種紹介

柑橘の宝庫、静岡の地に根付く三ヶ日みかん。温暖な気候と大切に守られた樹齢の古木から、香り高く甘美な味わいが生まれます。柔らかな果肉に薄い皮は手で剥きやすく、一粒一粒が味覚の宝石のよう。1月から2月の旬の期間は短く、極少量の生産ながら、その希少性が三ヶ日みかんの魅力を高めています。ギフトとしても喜ばれる高級柑橘は、柑橘ファンなら一度は味わいたい逸品。歴史ある三ヶ日町の誇りと、大地の恵みを堪能できる幸せな機会に出合えるでしょう。

まとめ

三ヶ日みかんは、恵まれた自然環境と長い歴史に裏付けられた、まさに逸品です。甘酸っぱさの絶妙なバランスと、なめらかな食感は、富士山の麓の気候風土がもたらした恵みの結晶。三島市民の皆さまにとっても、それは大切な地元の誇りであり、季節の訪れを告げる味わいなのです。

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