マイヤーレモンは、その甘さと優れた香りから多くの家庭菜園で人気のある果樹です。一般のレモンとは異なり、寒冷地でも育ちやすく、日本の家庭でも比較的育てやすいのが特徴です。しかしながら、最適な収穫時期や育成のコツを知らないと、その風味や品質を最大限に引き出すことは難しいでしょう。この記事では、マイヤーレモンの収穫時期について詳しく解説し、さらにその栽培において知っておくべき重要なポイントをご紹介します。
マイヤーレモンとは
マイヤーレモンは、オレンジとレモンの交配から誕生した果物で、通常のレモンよりも甘く、酸味が控えめな特徴があります。ミカン科ミカン属に属している点では、親であるオレンジとレモンと同じです。英語では「Meyer Lemon」と表記され、日本ではメイヤーレモンと呼ばれることもあります。
歴史
マイヤーレモンは中国が発祥の地とされています。20世紀初頭、アジアを巡り植物を集めていたマイヤー氏によってアメリカに持ち込まれたのが名称の由来です。アメリカでは、その後、家庭菜園で栽培され始めました。カリフォルニアの著名レストラン「Chez Panisse(シェパニーズ)」のシェフや、有名な料理研究家たちが料理に使ったことから、マイヤーレモンは広く知られるようになりました。日本でもこの果実は家庭菜園で親しまれています。
特長
通常のレモンよりもやや大きく、丸みを帯びているのが特徴です。外皮は滑らかで、熟すと深いオレンジ色になります。甘みが強く酸味は控えめで、爽やかな香りを持ち、果皮の苦みも少ないとされています。マイヤーレモンは日本でも栽培されていますが、市場にはニュージーランド産のものが多く見られます。ニュージーランドでは、柑橘類に防カビ剤を使用しないことが一般的で、そのため日本産同様に果皮を料理に活用することがおすすめです。また、オレンジ色に熟したもの以外に、青い段階で収穫されたものは「グリーンレモン」として知られています。
収穫のタイミング
マイヤーレモンは、通常10月中旬から11月にかけて収穫が始まり、その後は新年を越えて2月まで続きます。この収穫時期によって味わいが異なり、青い段階で収穫されたものは爽やかな酸味とみずみずしいテクスチャーが特徴です。対して、完全に黄色く熟した果実は、酸味が柔らかくなり、ジューシーでフルーティな余韻を楽しむことができます。
マイヤーレモンを選ぶ際のポイント
マイヤーレモンを選ぶ際は、表皮が鮮やかで艶やかに張っているものが良いです。果汁が豊富なものは手に持ったときに重さを感じるので、できる限り重みのあるものを選びましょう。オレンジ色のものは甘さを求める場合に、黄色や黄緑色は酸味や爽やかさを重視する際に適しています。
冷蔵での保管
マイヤーレモンは通常のレモンと同様に保存することができます。丸ごとの場合、保存バッグに入れて野菜室に保管し、約2週間は持ちます。切ったものは、切り口をラップで包んでから保存袋に入れ、野菜室へ置いておきましょう。切ったものはあまり長持ちしないので、できるだけ早めに使うことをおすすめします。
冷凍での保管
レモンは、通常のものと同様に冷凍保存が可能です。基本的には切ってから冷凍し、3〜4週間程度保存することができます。凍ったまま、または少し解凍してから使えるので、余りそうな場合は冷凍が便利です。皮を削る場合も凍った状態で行ってください。
まとめ
中国を起源とし、レモンとオレンジの交配によって生まれたマイヤーレモン。国内産のものも存在しますが、生産量は少なく、市場で流通している多くはニュージーランドからの輸入品です。完熟したマイヤーレモンは、通常のレモンよりも酸味が控えめで甘さがあり、そのまま食べられることもあります。早期に収穫されたマイヤーレモンはグリーンレモンとして市場に出回り、この種類は甘さが少なく強い酸味が特徴です。もしマイヤーレモンを手にする機会があれば、通常のレモンとの味の違いを楽しんでくださいね。