メロンの生産量
太陽の恵みをたっぷり浴びて育つメロンは、みずみずしい甘さと芳醇な香りが魅力。初夏に旬を迎える代表的なフルーツです。日本各地で様々な品種が栽培されており、それぞれの地域が独自の栽培技術を活かして高品質なメロンを生産しています。この記事では、メロンの主要産地をランキング形式でご紹介。地域ごとの生産量の違いや、それぞれの旬の時期、メロン栽培に適した気候条件についても解説します。今年の夏は、産地直送の新鮮なメロンを味わってみませんか？
メロンの旬：味覚のピークと産地による特色
メロンが最も美味しくなるのは初夏の頃で、特に5月から7月にかけてが食べ頃です。メロンの種類や育った場所によって旬の時期は異なり、暖かい九州地方では4月頃から収穫が始まり、関東地方では5月頃から、東北・北海道では7月頃からと、旬の時期は徐々に北へ移動します。日本でメロンがよく作られているのは、茨城県、熊本県、北海道などです。これらの地域は、水はけの良い土と、昼と夜の気温差が大きいという、メロンを育てるのに適した環境が揃っています。
メロン生産量トップ！茨城県のメロン
茨城県は26年連続生産量日本一を誇るメロンの大産地です(農林水産省作物統計 平成10年産～令和5年産)。茨城県ではたくさんの種類のメロンが栽培されているので、4月から10月までの長い期間、それぞれの時期に一番美味しいメロンを楽しむことができます。品種改良や栽培方法が進化したことで、手頃な価格で手に入るようになりました。
茨城県産メロンの種類と魅力
茨城県では、色々な種類のメロンが育てられており、それぞれ違った美味しさがあります。代表的な品種を見てみましょう。
イバラキング：茨城県生まれのオリジナル品種
イバラキングは、茨城県が独自に開発したメロンで、完成までに10年以上もの時間がかかりました。5月の上旬頃から市場に出回り始め、上品な甘さと、厚みがあってなめらかな口当たり、そしてきめ細かくて水分たっぷりの果肉が特徴です。比較的長持ちするので、長く美味しさを味わえます。「茨城のメロンの中で一番になってほしい」という願いを込めて、この名前が付けられました。
オトメ：いち早く味わえるオリジナル品種
オトメは茨城県で生まれた、地元育ちのオリジナル品種です。その最大の特徴は、4月頃から出荷が始まるという、茨城県内でも屈指の早生品種であること。高い糖度と、淡い緑色の美しい果肉が魅力です。肉厚な果肉には果汁がたっぷりと含まれており、非常にジューシー。濃厚な甘さを持ちながらも、後味はすっきりとしていて、くどさがありません。
アンデスメロン：手頃な価格で愛される定番
アンデスメロンは、肉厚で豊かな香りが特徴。甘みには深みがあり、コクを楽しめます。網目の美しさもさることながら、その味わいと香りは高級なマスクメロンを彷彿とさせます。手頃な価格で購入できることから、長年にわたり幅広い世代から支持されています。
クインシーメロン：赤肉メロンの代表格
クインシーメロンは、そのまろやかな甘さと、とろけるような舌触りが魅力です。鮮やかなオレンジ色の果肉は見た目にも美しく、βカロテンを豊富に含んでいます。赤肉メロンを代表する品種として、広く知られています。
タカミメロン：保存性に優れた人気品種
タカミメロンは、縦長のフォルムと、細かく控えめなネットが特徴です。果肉は緑色で、高い糖度と爽やかな甘みが楽しめます。やや硬めの果肉であるため日持ちが良く、スーパーマーケットなどでもよく見かける、おなじみのメロンです。
アールスメロン：秋の味覚として親しまれる
アールスメロンは、その外観の美しさだけでなく、果肉の質、風味、そして豊かな香り、すべてにおいて高い評価を受けています。茨城県では、特に秋に旬を迎えるメロンとして広く知られています。
なだろうレッド：貴重な赤肉メロン
なだろうレッドは、茨城県内でも特にメロン栽培が盛んな鉾田市で丁寧に育てられています。生産量が限られているため、希少価値の高い品種です。薄い果皮とたっぷりの果肉が特徴的な赤肉メロンですが、赤肉メロン特有の青臭さが少なく、上品な甘さを堪能できます。また、果汁が非常に多く、濃厚な甘みが際立っています。
茨城メロンの歩みと情熱
茨城県におけるメロン栽培は、ビニールハウスを利用したパイプハウス栽培が主流です。寒さが厳しい時期に植えられた苗は、霜から守るために丁寧に温度管理され、春になると美しい花を咲かせます。受粉はミツバチの力を借りて行われ、その後、品質を保つために余分な果実を間引いたり、成長してきた果実の下に専用のマットを敷いたりと、細やかな手入れが欠かせません。実がなってから収穫までの約2ヶ月間は、美しいネット模様を浮かび上がらせるために、徹底した管理体制が敷かれています。生産者はほとんど外出もできないほど、丹精込めてメロンを育てています。こうして、豊かな自然に恵まれた土地で、たっぷりと愛情を注がれて育つ茨城メロンは、引き締まった果肉と芳醇な香りが特徴の、格別な味わいのメロンへと成長するのです。
美味しいメロンの見分け方
美味しいメロンを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。まず、全体的に均整がとれていて、美しい形状のものを選びましょう。手に取ってみて、ずっしりとした重みを感じるものは、果肉がしっかりと詰まっており、果汁と甘みが凝縮されている証拠です。また、果皮の状態も重要な判断基準となります。ネット系のメロンであれば、網目が均一に盛り上がっているものが良品とされ、ノーネット系のメロンであれば、傷や斑点が少なく、滑らかな表面のものを選ぶと良いでしょう。
メロンの熟し方を見分けるコツ
メロンが一番美味しい状態かどうかを見極めるには、いくつかのポイントがあります。まず、メロン特有の良い香りが強くなっているか確認しましょう。そして、お尻の部分、つまり「花落ち部」を優しく押してみてください。少し柔らかく感じられるようであれば、食べ頃を迎えています。メロンは冷たい場所では熟成が進みにくいため、購入後は常温でしばらく置いて追熟させることが大切です。食べる直前に2～3時間冷蔵庫で冷やすと、より美味しく味わえます。ただし、冷やしすぎると甘味が感じにくくなるので注意が必要です。つるが付いているメロンの場合は、つるが少しずつしなびてくるのが熟したサインです。
メロンの保存方法：追熟させる場合と冷蔵する場合
メロンの保存方法は、熟している度合いによって変える必要があります。まだ熟していないメロンは、常温で保存することで追熟が進み、より美味しくなります。直射日光を避け、風通しの良い場所に置いて数日間保存しましょう。箱に入ったメロンは、箱の中に湿気がこもりやすく、底の部分が傷んでしまうことがあるため、箱から出して保存するのがおすすめです。甘い香りが強くなり、お尻の部分を軽く押したときに弾力を感じたら、完熟したサインです。完熟したメロンは、それ以上熟成が進まないように冷蔵庫で保存します。熟成が進みすぎると、果肉の食感が損なわれることがあります。メロンをペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、野菜室で2～3日を目安に保存し、早めに食べきるようにしましょう。メロンは、他の野菜や果物の熟成を促進するエチレンガスを放出するため、袋の口はしっかりと閉じて保存してください。
メロンを冷凍保存する方法
完熟したメロンは日持ちがあまりしないため、できるだけ早く食べるのがおすすめです。もし食べきれない場合は、冷凍保存も可能です。完熟メロンを食べやすい大きさにカットし、一つずつラップでしっかりと包んでから、冷凍保存用の袋に入れて冷凍庫で保存します。冷凍保存した場合、約3週間程度保存できます。少し解凍してシャーベットのようにして食べるのも美味しいですし、ミキサーにかけてジュースやピューレにするのもおすすめです。
メロンの美味しい食べ方とスマートな食べ方
家族でメロンを食べる時は、好きなようにカットして自由に楽しむのが一番ですが、メロンは特別なデザートとしてフォーマルな席で出されることもありますよね。そこで、ここではメロンを上品にスマートに食べる方法をご紹介します！
メロン最盛期：茨城県の活動
茨城県は、国内トップクラスの収穫量を誇る茨城メロンの旬である5月から6月を「ハッピーメロンシーズン」と名付けました。この期間中、茨城メロンの魅力を広く伝え、味わっていただくために、関連団体と協力し、様々なイベントやPR活動を展開します。
メロンの成長過程：栽培の道のり
メロンは種まきから収穫まで約150日を要します。鉾田市では、まだ寒さが残る冬に種をまき、本葉が出るとポットへ移し替えます。本葉が5～6枚に成長したら、いよいよハウスなどに植え付けます。3～4月頃には、鮮やかな黄色の花が咲き始めます。ここで重要な役割を果たすのがミツバチです。ハウス内にミツバチを放ち、蜜を集める習性を利用して受粉を促します。受粉が終わると花はしぼみ、果実が大きくなります。さらに約2週間後、メロンの表面に特徴的な網目が出現し始めます。これは、メロンが成長する際に表面がひび割れ、そのひび割れを修復しようとする分泌物が固まる（カルス化）ことで生じます。ハウス内の温度や湿度が網目の形成に大きく影響するため、この時期は特に細心の注意を払って温湿度管理が行われます。
メロンの栄養成分
芳醇な甘さと爽やかな風味が魅力のメロンは、夏の暑さを和らげ、美味しさを届けてくれる果物です。水分が豊富で、ビタミンやカリウムなどの栄養素をたっぷり含んでいます。
まとめ
バラエティ豊かな品種と国内有数の収穫量を誇る茨城県は、まさにメロン王国です。旬を迎える時期には、ぜひ茨城が育んだ極上のメロンをご堪能ください。本記事でご紹介した選び方や保存方法を参考に、至福のメロン体験をお楽しみいただければ幸いです。
よくある質問
質問1：茨城県産メロンの一番美味しい時期はいつですか？
茨城県産メロンは、種類によって旬が異なりますが、一般的には5月から7月頃が最も美味しい時期とされています。中でも6月は特に多くの品種が旬を迎えます。
質問2：美味しいメロンを見分けるコツはありますか？
美味しいメロンを選ぶポイントは、まず形が整っていてずっしりと重みを感じるものを選ぶこと。そして、網目の盛り上がりが均一で美しいこと、お尻の部分を軽く押した時に少し柔らかく感じられるものがおすすめです。
質問3：メロンを長持ちさせる保存方法はありますか？
まだ熟度が足りないメロンは、風通しの良い場所で常温保存し、追熟させます。十分に熟したメロンは、冷蔵庫で保存しましょう。カットしたメロンは、ラップでしっかりと包み、冷蔵庫で保管し、なるべく早くお召し上がりください。