じゃがいもの中が茶色い!食べても大丈夫?原因と安全性の判断基準
食卓でおなじみのじゃがいもを切ったら、中が茶色く変色していて驚いた経験はありませんか?「これって腐ってる?」「食べても大丈夫なの?」と不安になりますよね。見た目の異変に戸惑うかもしれませんが、茶色いじゃがいもが必ずしも危険とは限りません。この記事では、じゃがいもの内部が変色する原因を詳しく解説し、安全に食べられるかの判断基準をわかりやすくご紹介します。正しい知識を身につけて、じゃがいもを安心して美味しくいただきましょう。

じゃがいもの中が茶色いけど大丈夫?安全性を見極めるポイント

じゃがいもを切ったら中が茶色っぽく変色していて、食べるのをためらった経験はありませんか?でも、茶色いじゃがいも=全部危険、というわけではありません。安心して食べるためには、変色の原因を理解し、安全かどうかを見極めることが大切です。ここでは、じゃがいもの変色の原因と、安全に食べられるかの判断基準を詳しく解説します。

食べてもOKなケース:内部の変色、低温による変化、酸化、中心部分の空洞

じゃがいもが茶色く変色していても、場合によっては問題なく食べられます。例えば、「内部褐変」や「酸化による変色」、「低温障害」、そして「中心空洞症」などが原因であれば、基本的に健康への影響はないとされています。これらのケースでは、変色している部分をしっかり取り除けば、安全に食べることが可能です。内部褐変や酸化による変色、中心空洞症の場合は、変色部分を少し厚めにカットするだけでOKです。低温障害で変色したじゃがいもは、食感や風味が変わることがありますが、安全性自体は問題ないことが多いです。低温によってじゃがいもに含まれるデンプンが糖に変化するため、加熱すると甘みが増すこともあり、スープやマッシュポテトにすると美味しく味わえることもあります。いずれの場合も、異臭がしないか、触ってぶよぶよしていないかなど、腐敗の兆候がないことを確認することが重要です。

食べるのを避けるべき状態:腐敗や病気のサイン

一方で、じゃがいもの腐敗や病気が原因で変色している場合は、注意が必要です。次のような特徴が見られるじゃがいもは、食中毒のリスクがあるため、食べるのは絶対に避けてください。 異様な臭いがする:カビのような臭い、土臭い、酸っぱい臭い、または薬品のような刺激臭など、本来のじゃがいもの香りとは異なる不快な臭いがする場合。 触ると柔らかくぶよぶよしている、またはドロドロになっている:じゃがいもの組織が壊れて弾力がなくなり、触った時に柔らかく、水分が出ている状態。 茶色や黒っぽい液体が出ている:腐敗が進行し、細胞が破壊されて液体が染み出ている状態。 輪っか状に茶色く変色している:これは「輪腐病」にかかったじゃがいもによく見られる症状で、食中毒を引き起こす可能性が非常に高いです。 カビが生えている:緑色、黒色、青色などのカビが広範囲に生えている場合。 これらのサインは、じゃがいもが病気に感染しているか、または腐敗がかなり進んでいることを示しています。見た目の異常だけでなく、臭いや触った時の感触も確認し、少しでも怪しいと感じたら、安全のために廃棄するようにしましょう。

変色部分を取り除く際の注意点

「少しだけ茶色くなっている部分なら、取り除けば大丈夫?」と思うかもしれませんが、取り除く際にはいくつか注意すべき点があります。内部褐変や酸化による軽度の変色、または中心空洞症の場合、以下の点に注意して処理しましょう。 変色部分を大胆にカットする:変色している部分だけでなく、その周囲を1cm程度広めにカットすることで、変色の原因となっている部分を確実に除去できます。中心空洞症の場合は、空洞の周りの変色している部分を丁寧に切り取りましょう。 変色部分を取り除いた後、臭いをチェックする:変色部分を取り除いた後も、じゃがいも全体から不快な臭いがしないか確認しましょう。もし異臭がする場合は、内部まで腐敗が進んでいる可能性があるため、食べるのは避けるべきです。 カットした部分の感触を確かめる:カットした断面が、新鮮なじゃがいも特有のしっかりとした硬さと弾力を持っているか確認しましょう。もしブヨブヨしていたり、スカスカしている場合は、腐敗が進行している兆候です。 見た目が茶色くても、異臭がなく、しっかりとした弾力があるじゃがいもであれば、適切に処理すれば美味しく食べることができます。しかし、少しでも不安を感じる場合は、無理に食べることはせず、安全を最優先に考えてください。

傷んだジャガイモの見分け方:臭い、見た目、触感でチェック

ジャガイモは保存がきく野菜ですが、適切な保存方法でないと品質が低下し、傷んでしまうことがあります。少しでも見た目が悪いと、「これは本当に食べても大丈夫?」と不安になることもあるでしょう。そこで、傷んだジャガイモの特徴を把握し、安心して食べられる状態かどうかを見極めるために、臭い、見た目、触感の3つのポイントから具体的に解説します。

臭いと外観から判断する方法

傷んだジャガイモは特有の不快な臭いがするため、まずは臭いをチェックするのが簡単で有効な方法です。新鮮なジャガイモは土の匂いがしますが、次のような臭いがする場合は注意が必要です。
  • カビのような臭い、または土臭い:一般的なカビが生えたような、またはじめじめした土のような不快な臭い。
  • 酸っぱい臭い:発酵したような、酸味のある臭い。
  • 刺激臭:腐敗により有害なガスが発生している可能性があり、非常に危険な兆候です。
これらの臭いがする場合は、ジャガイモの内部まで腐敗が進んでいる可能性が高いため、口にするのは避けましょう。 また、見た目にも傷んでいるサインが現れます。次のような状態の場合は注意が必要です。
  • 緑色に変色している部分:日光によって生成されるソラニンという天然毒素のサイン。特に芽の付近に多く見られます。少量であれば取り除けば食べられますが、広範囲の場合は廃棄することをおすすめします。
  • 黒い斑点やカビ:表面に黒っぽい斑点や、緑色、青色、黒色などのカビが生えている場合。
  • しわが寄っている、乾燥している:水分が失われ、ジャガイモの表面にハリがなく、しわが目立つ。
  • ぶよぶよしている、押すと凹む:組織が崩れて柔らかくなっている状態。
  • 茶色や黒色の液体が出ている、黒い穴がある:完全に腐敗が進んでおり、細胞が破壊されて液体が滲み出ていたり、腐敗によって内部に穴が開いていることがあります。
特に茶色や黒色の液体が出ているジャガイモは、完全に腐敗しているので、ためらわずに処分するのが安全です。

触った感触の違い

新鮮なジャガイモは硬く、しっかりとした弾力がありますが、傷むと触った時の感触が大きく変わります。次の感触に違和感を覚えたら、腐敗が進んでいる可能性があります。
  • ぶよぶよと柔らかい:全体的、または部分的にジャガイモの組織が柔らかくなり、押すと簡単に凹む状態。
  • ドロドロしている:さらに腐敗が進むと、内部が液状化してドロドロとした感触になります。
  • スカスカしている:特に芽が出ているジャガイモや、空洞症の場合に見られる現象ですが、腐敗によって内部が空洞になっていることもあります。
  • ぬめりがある:表面に触れた時に、粘り気のあるぬめりを感じる場合も腐敗のサインです。
ジャガイモを手に取り、少し力を加えてみて、普段と違う柔らかさやぶよぶよした感触があれば、内部の状態を確認することが大切です。特に芽が出ているジャガイモは、内部の栄養が芽の成長に使われてスカスカになりやすいだけでなく、ソラニンの生成も進んでいる可能性があるため、注意深く確認する必要があります。

カビが生えている場合の対処法

ジャガイモの表面に白い粉のようなものが付着していることがありますが、これは乾燥によるもので、通常は問題ありません。ただし、次のようなカビが発生している場合は注意が必要です。
  • 緑色、黒色、青色のカビ:これらの色のカビは、ジャガイモに繁殖している真菌であり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 広範囲にカビが広がっている:カビは根を張り、内部に侵食するため、表面に見えているよりも広範囲に影響が及んでいる可能性があります。
カビがごく少量で、その部分だけを厚めに(1cm以上)切り取れば食べられる場合もあります。しかし、ジャガイモの内部にまでカビが侵食している可能性や、カビの種類によっては人体に有害な毒素を生成している場合があるため、安全のためには腐敗が進んでいないか、他の腐敗のサイン(異臭、ぶよぶよ感など)がないかを確認することが非常に重要です。もし複数の腐敗サインが見られる場合や、カビが広範囲に及んでいる場合は、思い切って処分するのが最も安全で確実な方法と言えるでしょう。

まとめ

じゃがいもの内部が茶色くなる原因は多岐に渡り、生理的な現象である「内部褐変」や「低温障害」、「酸化」から、「輪腐病」といった病害、さらには内部に空洞ができる「中心空洞症」まで存在します。多くの場合、変色部分を取り除くことで問題なく食べられますが、食中毒を引き起こす危険な状態も存在するため注意が必要です。じゃがいもを安全に食するためには、臭い、見た目、触感といった複数の要素を総合的に判断することが大切です。具体的には、カビ臭や薬品のような異臭がする、触ると柔らかくぶよぶよしている、茶色い液体が出ている、輪状に変色しているなどの兆候が見られる場合は、腐敗や病気の可能性が高いため、喫食を避け廃棄するのが賢明です。一方、異臭がなく、適度な弾力がある場合は、変色部分を広めにカットすれば美味しく食べられます。特に中心空洞症のじゃがいもも、変色部分を除去すれば食べられると、元スーパーの店員も述べています。じゃがいもの変色や腐敗を予防するには、適切な保存方法が欠かせません。冷暗所(10〜15℃、湿度80〜90%)での保存が理想的であり、リンゴと一緒に保管して発芽を抑制したり、新聞紙で包んで光を遮断したりする工夫も有効です。また、カットしたじゃがいもを新鮮に保つには、速やかに水に浸して酸化を防ぎ、水分をしっかり拭き取ってからラップや密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存するのが効果的です。この記事でご紹介した見分け方や保存方法を参考に、じゃがいもを無駄にすることなく、安全に、そして美味しくお楽しみください。

じゃがいもが茶色いけど食べられる?

じゃがいもの茶色い変色は、食べても大丈夫な場合と、避けるべき場合があります。内部褐変、低温障害、酸化、あるいは中心空洞症が原因の変色で、異臭がなく、じゃがいもにハリがある場合は、変色部分を大きめに切り取れば安心して食べられます。しかし、カビのような臭いや酸っぱい異臭がする場合、触るとブヨブヨしている、茶色い汁が出ている、または輪を描くように変色している場合は、腐敗や病気の可能性が高く、食中毒のリスクがあるため、口にせずに廃棄してください。

じゃがいもの変色の種類は?

じゃがいもの変色には、主に4つの種類が考えられます。1. 内部褐変:栄養分の不足や酸素不足、急激な温度変化によって細胞がダメージを受け、黒ずんで変色する生理現象です。2. 低温障害:寒すぎる環境や冷蔵庫での保存によって、デンプンが糖に変わり、赤色や茶色に変色します。3. 酸化:じゃがいもを切った際に、ポリフェノールが空気と反応して茶色くなる現象です。4. 病気:輪腐病や黒色心腐病など、病原菌が原因で発生するもので、食中毒のリスクを伴います。また、中心部分が空洞化する「中心空洞症」は、変色を伴うことがありますが、これは生育環境に起因する生理的な現象です。

じゃがいもの中に穴が空いていても食べられる?

じゃがいもの内部に穴が開いているのは「中心空洞症」という現象で、主に生育過程での急激な成長が原因です。空洞の内側が茶色く変色していることもありますが、変色部分を厚めに切り取れば、残りの部分は安全に食べることができます。ただし、不快な臭いが強い、触ると柔らかすぎる、液体が出ているといった腐敗の兆候が見られる場合は、食べるのをやめて廃棄するようにしてください。サイズの大きいじゃがいもほど中心空洞症になりやすい傾向があるため、気になる場合は小ぶりのじゃがいもを選ぶと良いでしょう。

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