薬膳で取り入れるナツメの魅力とその効果

薬膳料理の中でひときわ輝く存在、それが「ナツメ」です。数千年にわたる東洋医学の知恵が凝縮されたこの食材は、美容と健康に多くの効果をもたらすとして注目を集めています。ナツメは、豊富な栄養素と特有の甘みで食欲をそそるだけでなく、体を内側から温め、免疫力を高めると言われています。本記事では、ナツメの魅力と、その効能を詳しく解説していきます。薬膳に取り入れることで、日々の健康をどのようにサポートできるのでしょうか。

美容と健康に役立つナツメの魅力5選!日常生活への簡単な取り入れ方も紹介

古代の美女、楊貴妃が愛したと言われるナツメには、「1日3個食べれば、健康に良い」という伝承がありますが、具体的な老化防止の科学的根拠は示されていません。そのため、ナツメは健康や美容に良いとされている食材の一つです。

ナツメは、中国において「桃・栗・杏・李・棗」と並ぶ五果の一つとされ、特に中国の伝統医学や料理において重要視されています。また、庭木としても広く栽培され、生の状態で日常的に楽しまれています。

韓国では、参鶏湯と呼ばれる伝統的な薬膳料理にも使用され、甘酸っぱい味が特徴的です。ナツメの主な原産地は中国であり、日本には奈良時代に中国から伝来したとされています。

「棗」という漢字は「棘」から来ており、ナツメの枝には2本の棘があります。この棘は害虫や鳥から種を守る役割を果たしています。

ナツメの効能とその効果

ナツメ(大棗)は、平安時代の『本草和名』で薬用植物として言及されています。乾燥した実は「大棗」として知られ、糖類や有機酸、トリテルペン、サポニンが含まれています。これらの成分は伝統的に健康に寄与すると考えられています。

一般的に言われている効果には、緊張の緩和、鎮静作用、滋養強壮、利尿作用がありますが、これらの効果に関しては科学的な裏付けが限られているため、注意が必要です。ナツメは急な筋肉の緊張からくる痛みや神経の過敏さを和らげ、咳や腹痛などの痛みを軽減する可能性があるとされています。

ナツメの効果・効能① 貧血予防に役立つ

乾燥ナツメには鉄分が含まれており、100gあたりの含有量は情報源によって異なるが、約1.5gとされることもあります。さらに、ナツメには赤血球の形成に重要な葉酸も含まれていますが、貧血や鉄分不足の改善に対する具体的な効果についてはさらなる研究が必要です。

ナツメの効果・効能② 身体を温める

ナツメ(大棗)は、体を温める効果があるとされ、漢方薬に広く使用されています。ナツメは「風邪の初期段階に用いられる漢方薬」として知られる葛根湯や桂枝湯の成分の一部として含まれることがありますが、全ての漢方医が必ずしも大棗を使用するわけではありません。漢方におけるナツメの役割は多岐にわたります。

ナツメの効果・効能③ リラックス効果と精神の安定

ナツメは栄養価が高く、ビタミンやミネラルが含まれていますが、パントテン酸の含有量は他の食品と比較して特に多いわけではありません。この成分は副腎皮質ホルモンの合成に関与し、ストレス耐性を支える可能性があります。ただし、ナツメが直接的にストレス緩和や不眠改善に効果的であるとする科学的証拠は限られています。

ナツメは心を落ち着ける効果があるとされる食品の一つですが、心身の疲労による不眠や焦燥感の改善に対する具体的な効果は、さらなる研究が必要です。

ナツメの効能④ 老化防止効果

パントテン酸はビタミンCの機能をサポートするという直接的な証拠はありませんが、ナツメにはビタミンCが豊富に含まれており、これはコラーゲンの生成を促進し、肌の弾力や髪の健康を維持するのに役立つ栄養素です。

また、ナツメの皮には抗酸化特性を持つポリフェノールが含まれており、これらは老化や生活習慣病の予防に寄与する可能性があります。

ナツメの働きと便秘対策の効果

ナツメは食物繊維が豊富に含まれており、便秘の防止や改善に寄与する可能性があります。

日々の生活にナツメを取り入れる

ナツメの実は、その豊かな甘みからジャムやスイーツ、果実酒の素材として広く活用されています。日本で手に入るナツメの多くは乾燥タイプであり、お茶請けとしても楽しむことができます。

果実酒を作る際には、他の材料と組み合わせることが一般的ですが、「高麗人参酒」との組み合わせも一部で好まれています。スパイシーな香りや黒糖の風味がナツメの甘さを引き立てることがありますので、ぜひ試してみてください。

使い勝手が良い食材ですので、普段の生活に取り入れてみることをおすすめします。

ナツメ