家庭での手作りお菓子は愛情たっぷりで、一口ごとに幸福が広がります。しかし、人気のバターは価格が高く、その節約が課題となることもしばしば。そんなとき、マーガリンを賢く使うことで、美味しさを損なわずにコストを抑えたお菓子作りが可能です。この記事では、バターに代わるマーガリンの使い方や、ちょっとした工夫で味わい深いスイーツを生み出すコツを紹介します。節約しながらも、美味しいお菓子作りを楽しみましょう！
お菓子作り バターの代替にマーガリンを使う選択肢を考える
2023年頃からの食品原材料費の高騰が影響し、バターの価格は非常に高額になっています。2024年には、家庭用バター200gが500円を超えるのが普通になっています。
その隣で販売されている「ケーキ用マーガリン」は200gで200円と、お手頃な価格です。
お菓子作りでバターの代わりに使うことができるのでしょうか？
最新の情報を元に、バターの代替品としてマーガリンを使用する可能性について調査しました！
まとめ
最初に結論をお伝えすると、
バターの代わりにマーガリンを使ってお菓子を作ることは可能です。
以下は、日本マーガリン工業会からの情報を抜粋しました。
マーガリンを使用することで、混ぜる際に空気を取り込みやすくなり生地が軽く仕上がります。これにより、特定のお菓子ではその食感を活かせます。ただし、一般的なマーガリンには塩分が含まれているため、分量に応じて製菓用の無塩マーガリンを使用することをお勧めします。
次に、お菓子作りでマーガリンを使用する際の注意点とポイントをまとめます。
◇マーガリンの安全性について（トランス脂肪酸の懸念）→安全です。詳細は後に述べます。
以上が結論となります。
味への配慮は必要ですが、バターの代替としてマーガリンは使用可能です！
マーガリンで作れるお菓子のリスト
各種有名なお菓子のレシピにマーガリンを使えるかを整理します。
多くのお菓子作りでは、バターの代わりにマーガリンを活用できることがわかります。
その理由は、バターとマーガリンは成分の水分量や脂質の面で非常に似ているからです。ただし、味わいは大きく異なり（バターの香りが失われる）、その点は他の材料で補う必要があります。例として、豊かなフィリングを加えたり、ドライフルーツをメインに使用する方法があります。
以下に、マーガリンを使ったお菓子の例を示します。
また、ボトム部分もマーガリンで問題なく作成可能です。
マーガリンの誕生の背景とは？
ナポレオン三世の時代、バターの不足を補うためにフランスで新たに考案されたのがマーガリンでした。
1869年にフランスで誕生したマーガリンは、メージュ・ムーリェが科学的手法を用いて開発したもので、牛脂と牛乳の組み合わせにより作られました。日本には明治時代に伝わり、当初は「人造バター」と呼ばれていました。戦後の復興とその後の経済成長とともに需要が高まり、1968年には市場に「ネオソフト」が登場しました。洋風化した食習慣の中で、朝食の定番として支持を集め、現代に至るまで改良を重ねておいしく便利な食品として愛されています。
マーガリンに含まれる成分の詳細を確認
マーガリンの成分を見てみましょう。比較のために、無塩バターとなたね油の成分も確認します。
マーガリンのバリエーション
日本マーガリン工業会の情報によると、
このようなカテゴリ分けがされています。
ケーキ用マーガリンは業務用に分類され、その中には「アイシング用」や「ロールイン用」なども含まれています。
※ケーキ用マーガリンは「バター」に近い融解温度に調整されていると考えられます。具体的には、10℃～15℃で柔らかくなり始め、30℃で溶ける特性があります。給食用マーガリンは溶けにくく設計されていますが、メーカーによる若干の差異はあるでしょう。
可能であれば、バターの代用としてより近い性質を持つケーキ用マーガリンを選ぶと良いでしょう。
マーガリンのリスク評価
マーガリンについて調べると、一度は「トランス脂肪酸」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。この成分は過剰摂取すると健康に影響を与える可能性があります。
それでは、マーガリンはトランス脂肪酸の観点から見て安全なのでしょうか？
結論として、適切なメーカーを選べば安全性は保たれています（この結論について、以下で詳しく述べます）。
具体的に、マーガリンにトランス脂肪酸はどれほど含まれているのでしょうか？明治の「ケーキ用マーガリン」では、100g中にわずか1gしかトランス脂肪酸が含まれていません。
厚生省によれば、1日のトランス脂肪酸の摂取量は2g未満が望ましいとされています。そのため、マーガリンに含まれる量は非常に少ないと結論付けられます。例えば、マーガリンを使ったパウンドケーキを1人で食べたとしても1gにしかなりません。
トランス脂肪酸が危険であると指摘され始めたのは20年以上前（2003年頃）ですが、それに伴い企業は努力を重ね、マーガリンのトランス脂肪酸含有量を大幅に減少させてきました。大手企業の多くはトランス脂肪酸についての情報をきちんと開示しており、その取り組みの真剣さが伺えます。（日本の食の安全に関する基準は非常に厳しいですから。）
ちなみに、バターにも天然のトランス脂肪酸が含まれていることをご存知でしょうか。最近では、むしろバターの方がマーガリンよりも多く含んでいることが分かっています（マーガリンの改良の賜物ですね）。
※バターのトランス脂肪酸に関しては「森永北海道バター」のQ&Aで確認できます。
サラダ油での置き換えについて考える
バターやマーガリンの代わりとして、サラダ油が使えるかは気になるところです。
結論から言えば、サラダ油は特定のお菓子で活用できます。
サラダ油は油脂が多く、生地に馴染みやすいため、使用する量は減らす必要がありますが、お菓子の種類によって異なります。
サラダ油使用時の注意点として、以下の点を挙げます。
なお、シフォンケーキや蒸しパンなど、サラダ油を前提にしたレシピも存在します。
したがって、「バター」「マーガリン」「サラダ油」を適切に使い分けることが重要です。
全体の振り返りと結論
バターが値上がりしているため、代替としてマーガリンを使うことができます。