「果物の女王」とも呼ばれ、東南アジア原産のマンゴスチンは、その上品で甘美な味わいから世界三大美果の一つとして名高い果物です。特にタイ、マレーシア、インドネシアなどの温暖な気候で栽培されており、その果肉はライチに似た甘さと酸味の絶妙なバランスを持つ、しっとりとした食感が特徴です。マンゴスチンは、見た目にも美しい果実で、その美味しさだけでなく、栄養価の高さでも注目を集めています。本記事では、マンゴスチンの魅力、食べ方、選び方、保存方法など、詳しくご紹介します。
マンゴスチンとは?
マンゴスチンは、東南アジア原産の熱帯フルーツで、「果物の女王」とも呼ばれ、ドリアン、マンゴーと並んで世界三大美果の一つとして知られています。特にタイ、マレーシア、インドネシアなどで広く栽培されており、温暖な気候と高湿度の環境が栽培に適しています。果実はしっとりとした食感で、甘みと酸味のバランスが絶妙な、繊細で上品な風味が特徴です。ライチに似た味わいを持ちますが、ライチよりも柔らかく、とろけるような食感があります。
マンゴスチンの味の特徴:甘さ、酸味、食感
マンゴスチンは、一口食べると口の中に広がる濃厚な甘さが特徴的です。さらに、わずかに感じられる酸味が後味を引き締め、食べる人を夢中にさせます。この甘さと酸味のバランスが、マンゴスチンを特別なフルーツにしています。独自の風味と芳醇な香りは、果物愛好家にとって至福のひとときを提供してくれるでしょう。
マンゴスチンの皮と種は食べられる?
マンゴスチンの果皮と種は、残念ながらそのまま食べることはできません。果実を食べるためには、これらを取り除く必要があります。
マンゴスチンの皮の剥き方
マンゴスチンの厚くて硬い皮を剥く方法はいくつかあります。
皮の色素は、衣服についたりすると落ちにくいので、剥く際には注意が必要です!
一つは、果実を水平に一周するように切り込みを入れ、両手でねじるようにして開ける方法です。この際、包丁で果肉を傷つけないように注意してください。もう一つは、包丁を使わずに剥く方法です。ヘタを上にして持ち、果実を上下から力を加えて押すと、果皮に自然とひびが入ります。そのひび割れの左右の皮を持ち、片方の皮を取り外します。
マンゴスチンの種の取り方
マンゴスチンの中には大きな種が含まれていることがあります。種を取る際には、包丁の背を使って軽くたたくと、種が簡単に取れます。種の周りについている白い膜は苦味があるので、できるだけ取り除くようにしましょう。
マンゴスチンの選び方:美味しく新鮮なものを見極める
国内で販売されている生のマンゴスチンは主にタイから輸入されています。完熟した状態で店頭に並びますが、日持ちはあまりしません。鮮度の良いものを選び、美味しいうちに食べきることが大切です。
果皮の色と状態
マンゴスチンを選ぶ際は、果皮が濃い赤紫色で、傷や変色が少ないものを選びましょう。黒い斑点は熟度の目安となり、多いほど熟しています。皮が厚くて可食部は意外と少ないので、できるだけ大きいものを選ぶのがおすすめです。
果皮の弾力
新鮮で食べ頃のマンゴスチンは、果皮に水分があり、ほどよい弾力を感じます。手でそっと押したときに少しやわらかさがあればOKです。果皮がカラカラに乾燥していたり、かたくてカチカチになったものは古くなっている可能性があるため、避けるようにしましょう。未熟なものも皮がかたいです。
ヘタのチェックポイント
ヘタが茶色いものは収穫から時間が経っている可能性があります。輸入物は店頭に並ぶまでに時間がかかるのは仕方ありませんが、ヘタ全体が枯れたものは避け、なるべく緑色のものを選ぶようにしましょう。
底部の花びら模様に注目
マンゴスチンのお尻側を見てみると、小さな花びらのような模様があります。この模様の数は果肉の房の数とほぼ同じです。花びら模様が6枚なら房も6個であることが多いです。1房が大きいほうがよければ模様が5枚のもの、小さめがよければ7枚のものを選んでみてください。ただし、基本的にタネは大きな房に入っています。タネ入りが少ないほうがよければ、房数の多いものを選ぶと良いでしょう。
陳列場所の確認
マンゴスチンは高温の場所に置いておくと鮮度の低下が早まります。冷蔵で保存するのが理想なので、高温の場所に長時間陳列しているものは避けたほうがよいでしょう。冷蔵ケースに置かれているものがおすすめです。
マンゴスチンの保存方法:冷蔵・冷凍のポイント
マンゴスチンは乾燥に弱いので、適切な方法で保存することが重要です。
冷蔵保存
マンゴスチンを冷蔵保存する場合は、水分を保つために濡らした新聞紙で包んでからポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。この方法で約1週間ほど日持ちします。
冷凍保存
マンゴスチンは丸ごと冷凍することも可能です。冷凍する前に皮に切り込みを入れておくと、解凍時に果肉を取り出しやすくなります。ラップでしっかりと包んでから冷凍庫で保存します。この方法で約1か月ほど保存できます。
マンゴスチンの旬の時期
マンゴスチンの旬の時期は地域によって多少異なりますが、日本で食べごろと言われているのは5月~8月です。この時期には新鮮で美味しいマンゴスチンが出回ります。
マンゴスチンの栄養素と期待される効果・効能
マンゴスチンには、様々な栄養素が含まれており、健康への効果・効能が期待されています。以下に主な栄養素とその効果を紹介します。
主な栄養成分と効能
マンゴスチンは、豊富な栄養成分を含んでおり、健康に良い影響を与えることが期待されています。以下に、主な栄養素とその効果をご紹介します。
- ビタミンB1:糖質の代謝を助け、脳や神経の機能を正常に保ち、ストレス軽減に役立つとされています。
- ビタミンC:強い抗酸化作用と免疫力アップの効果が期待され、コラーゲン生成のサポートやストレスへの抵抗力を高める効果も期待できます。
- カリウム:体内の水分バランスを調整し、血圧を下げる働きがある他、ナトリウムの排出を促し、筋肉の円滑な収縮をサポートします。
- マグネシウム:神経伝達や筋肉の活動をサポートし、血圧の安定や便秘の改善に貢献すると考えられています。
- 葉酸:赤血球の生成を助け、貧血予防に効果的であり、妊娠中の胎児の正常な発育をサポートします。
- キサントン:特に果皮に多く含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用や免疫力強化に寄与すると期待されています。
新鮮なマンゴスチン100gに含まれる主要な栄養成分のおおよその値は以下の通りです。
- エネルギー:約71kcal
- タンパク質:約0.6g
- 脂質:約0.2g
- 炭水化物:約17.5g
- 食物繊維:約1.4g
- カリウム:約100mg
- マグネシウム:約18mg
- リン:約12mg
- 葉酸:約20μg
- ビタミンB1:約0.11mg
- ビタミンC:約3mg
マンゴスチンの美味しい組み合わせ

マンゴスチン×ヨーグルト
ヨーグルトとマンゴスチンを混ぜると、酸味と甘みのバランスが良くなります。ヨーグルトには乳酸菌やカルシウムなどの栄養素が含まれており、マンゴスチンにはビタミンB1やカリウムなどの栄養素が含まれています。これらの栄養素は相乗効果で健康に良いと言われています。朝食やデザートにおすすめです。
マンゴスチン×アイスクリーム
アイスクリームとマンゴスチンを合わせると、冷たくて甘いデザートになります。アイスクリームはバニラやココナッツなどのフレーバーがマンゴスチンと相性が良いです。暑い日や気分転換におすすめです。
主な産地
マンゴスチンの主要な生産地は東南アジア地域で、特にタイ、マレーシア、インドネシアなどの国々で広く栽培されています。これらの地域は温暖な気候と高湿度の環境を提供し、マンゴスチンの栽培に適しています。
日本での入手方法
生のマンゴスチンの果実は2003年4月に輸入解禁となりましたが、以前は害虫駆除のために蒸気による熱処理が必要でした。しかし2023年8月から、果皮に傷がなければ、熱処理なしで輸入ができるようになりました。このことで、より新鮮な状態のマンゴスチンを手に入れられるようになったとのことです!
ジュースで手軽に楽しむ
マンゴスチンは日本に輸入されているとはいえ、なかなか手に入りづらいのが現状です。でも、ジュースなら年間通して手軽に楽しむことができます!
結び
マンゴスチンは、その上品な味わいと豊富な栄養素で、まさに「果物の女王」の名にふさわしいフルーツです。選び方や保存方法を参考に、ぜひ新鮮で美味しいマンゴスチンを味わってみてください。ジュースなどでも手軽に楽しめるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
質問1:マンゴスチンの外側の皮は食べられますか?
回答:いいえ、マンゴスチンの皮は硬くて苦味があるため、食用には適していません。ただし、乾燥させてお茶にしたり、加工食品として摂取することは可能です。果皮にはキサントンというポリフェノールが豊富に含まれています。
質問2:マンゴスチンの種は食べても大丈夫ですか?
回答:いいえ、マンゴスチンの種も食用には適していません。種を取り除く際は、包丁の背で軽く叩くと簡単に取り外せます。
質問3:マンゴスチンを長持ちさせるための保存方法は?
回答:マンゴスチンは乾燥に弱い果物です。保存する際は、湿らせた新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管すると、約1週間程度は新鮮さを保つことができます。また、丸ごと冷凍保存することも可能です。冷凍する前に皮に切れ目を入れておくと、解凍時に取り出しやすくなります。