冬の寒さが和らぎ、温かな日差しが戻ってくる季節には、その瑞々しさで人々を魅了するみかんが、食卓に欠かせない存在となります。しかし、美味しくて甘いみかんも、保存方法を誤るとすぐに劣化してしまうものです。そんな悩みを抱える方に向けて、本記事ではみかんの賞味期限を最大限に活かすための効果的な保存方法や工夫を紹介します。新鮮さを保ちながら、無駄なく美味しく楽しむ方法を一緒に学んでいきましょう。
1.みかんの消費期限に明確な基準はない
みかんの保存状態により、美味しく食べられる期間は異なります。そのため、見た目や香りを基にして、食べ頃を判断することが重要です。賞味期限は設定されていないので、今回はみかんが持つ日持ち期間についてお話しします。
みかんに賞味期限の表示が必要ない理由
加工食品には賞味期限の表示が義務付けられていますが、無加工の果物にはその必要がありません。「みかん」もその例であり、スーパーで見掛ける新鮮な野菜や果物には賞味期限が書かれていません。賞味期限が無い果物の場合は、見た目の状態をもとに食べ頃を判断してください。見切り品に並ぶ果物は、見た目が少し傷んでいることがありますが、見た目が基準となります。
2.みかんの保存方法に応じた賞味期限の違い
みかんを保存する際には主に3つの方法があります。常温、冷蔵、そして冷凍の保存方法です。どの方法を選ぶかによって、食べられる期間、つまり賞味期限が異なります。注意すべきは、みかんは高温や湿気に弱いという点です。以下で紹介する賞味期限は、あくまで涼しい環境で適切に保存した場合の目安です。不適切な保存条件では、賞味期限が短くなる可能性があることを念頭に置いてください。
室温で保存した場合の賞味期限は21日間
室内が5~10℃の適温であれば、みかんは常温で約3週間持ちます。みかんを保存する際は、玄関や廊下などの涼しくて暗い場所が適しています。通気性を確保し、かごや箱には新聞紙を敷くことで、カビの発生を防ぎます。
冷蔵保管での賞味期限は14日間
冷蔵庫の野菜室に保管すると、約2週間持ちます。実は、常温よりも冷蔵の方が保存期間が短いのです。それは、冷蔵庫内は乾燥しやすい環境で、常温よりも水分が失われやすいからです。そのため、美味しく食べられる期間が短くなります。室内温度が10℃以上で常温保存が難しい場合、冷蔵保存が適しています。新しい住宅ではどの部屋も比較的暖かくなることが多いので、みかんの常温保存はあまり推奨できません。みかんをすぐに食べきれないと感じたら、冷蔵庫に入れることを心がけましょう。
冷凍食品の保存期間は30日
みかんは冷凍保存することで約1ヶ月間保存可能ですが、保存環境によって異なるため、あくまで目安としてください。解凍後や冷凍庫から出した後は、できるだけ早く食べることをおすすめします。冷蔵保存はみかんを長時間保存する最適な方法です。みかんを軽く水で洗い、水気を拭き取ったらラップで包み、冷凍用保存袋に入れて乾燥を防ぎつつ保存しましょう。また、皮をむいて冷凍すれば、そのまま凍った状態で食べることができ、おすすめの方法です。大量のみかんが段ボールで届いた際は、数日以内に食べる分を除き、早めに冷凍保存することで新鮮で美味しい状態を保つことができます。食べる時は、凍ったまま食べるか、冷蔵庫で自然解凍してから召し上がると良いでしょう。
3.【賞味期限を過ぎた】食用に適さないみかんの外観上の特徴
みかんに以下のような変化が見られたら、食べるのは控えてください。・カビの発生や変色・触ると柔らかくぐにゃぐにゃしている・皮から汁が出る、またはドロドロしている・ぬめりがある・腐敗臭や異臭がする。もしかしたら臭いや見た目には変化がなくても、味に変化がある場合があります。舌がピリッとしたり、みかんの味がしなかったら、それは賞味期限を過ぎている可能性が高いので判断をしてください。みかんの皮に小さな傷ができるとカビが付きやすいので、後述の保存方法を参考にしながら、長持ちさせてください。
カビが生えたみかんの近くにあったみかんは食べることができるか
カビのついたみかんの隣にあったみかんは、外見に問題がなく食べられると判断されれば食べても大丈夫です。ただし、一つ注意すべき点があります。それは食べる前に皮をしっかり洗浄することです!これは、見えないカビの胞子が付着している可能性があるためです。カビを見つけた際には、状態の良いみかんを洗ってから食べてください。そしてカビは広がりやすいので、カビの生えたみかんを発見した際にはすぐに捨てることはもちろん、他のみかんにカビが移っていないかも確認するようにしましょう。傷んで汁が出ているような場合も、衛生を考慮して速やかに処分しましょう。
表面がしわしわのみかんはまだ食べられるの?
紹介したみかんの食べられない特徴がない場合で、皮が乾燥してしぼんでいるだけなら、通常は食べても大丈夫です。皮を剥いて香りや果肉の柔らかさ、汁の状態を確認してから食べると良いでしょう。しかし、皮だけでなく果肉までも乾燥している場合は摂取を避けてください。これはカビが関与している可能性があるためです。もし疑わしい点が一つでもあれば、食べずに直ちに処分するようにしましょう。
劣化やカビの兆候があるみかんを確認
みかんを手に入れたら、まず最初に痛んでいたりカビが生えているものがないかどうか確認することをお勧めします。というのも、こういったみかんが他の新鮮なみかんの賞味期限に影響を与える可能性があるからです。箱や袋に詰める際には問題のある果実は取り除かれますが、輸送の際に新たに傷が付いてしまうこともあります。みかんをより長く楽しむために、早めに全ての状態を確かめましょう。
新聞紙の活用法
新聞紙を利用することで、みかんの保存期間を延ばすことができます。常温保存と冷蔵保存それぞれの方法に合わせて新聞紙を利用してみましょう。常温保存の場合、最初に段ボールからみかんを取り出し、1段に並べた後、新聞紙を敷いてください。そしてその上に再びみかんを並べ、新聞紙と交互に重ねることで、みかんが押しつぶされて腐るのを防ぐことができます。冷蔵保存の場合、みかんは乾燥しやすいので、新聞紙で包んでおくと良いでしょう。冷蔵庫は温度と湿度が低いため、みかんの水分が失われやすいからです。新聞紙を使うことで、水分の蒸発を抑え、みかんを長持ちさせることができます。
ストレージバッグの活用
みかんを長持ちさせたい場合は、冷蔵と冷凍を使い分けるのが効果的です。冷蔵保存するには新聞紙で包んだみかんを保存袋に入れ、冷蔵庫で保存することで乾燥を防げます。一方、冷凍保存は皮を剥いたみかんをラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。冷蔵庫と同様に冷凍庫も乾燥しやすいため、ラップと保存袋の使用が推奨されます。皮を剥いた状態で保存すれば、すぐに食べられて便利です。皮ごと保存する場合でも、乾燥対策にラップと保存袋を活用しましょう。
果物のヘタは下に向ける
みかんを保存するときには、ヘタを下向きに置くと日持ちが良くなります。ヘタ部分からの水分蒸発を抑えることができ、乾燥を防ぎつつ、菌の侵入も防ぐ効果があります。したがって、みかんを保存する際はヘタを下にして配置するのが賢明です。