マグネシウムの効果:健康を支える必須ミネラルのすべて

マグネシウムは、私たちの健康維持に不可欠なミネラルであり、体内の様々な機能に深く関わっています。エネルギー生成から筋肉の弛緩、神経伝達、そして骨の健康まで、マグネシウムは文字通り体を支える縁の下の力持ち。不足すると、不眠、疲労感、筋肉の痙攣など、様々な不調が現れることも。この記事では、マグネシウムが持つ驚くべき効果を詳しく解説し、日々の生活でどのようにマグネシウムを効果的に摂取できるのか、その方法をご紹介します。

マグネシウムの吸収と働き

食事から摂取されたマグネシウムは、主に小腸から吸収され、不要な分は腎臓から排出されます。ビタミンDは小腸での吸収を助けますが、過剰なカルシウムやリンは吸収を妨げます。摂取量が足りない場合、腎臓はマグネシウムの再吸収を増やし、骨からマグネシウムを放出することで、血液中のマグネシウム濃度を一定に維持しようとします。

マグネシウムは、体内の300種類以上の酵素の機能をサポートする重要な役割を担っています。エネルギー生成プロセスに深く関与し、栄養素の合成・分解、遺伝情報の伝達、神経系の機能にも影響を与えます。さらに、カルシウムとバランスを取りながら筋肉の収縮を調整したり、血管を広げて血圧を下げる働きや、血液が固まるのを防ぐ作用も持っています。

マグネシウムの1日の推奨摂取量

厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、マグネシウムの1日あたりの推奨摂取量は、年齢や性別によって異なります。例えば、成人男性の場合、18歳から29歳では340mg、30歳から64歳では370mgが推奨されています。成人女性では、18歳から29歳で270mg、30歳から64歳で290mgとなっています。

マグネシウムは通常の食品から摂取する分には過剰摂取による健康への悪影響はほとんど報告されていません。しかし、サプリメントなどの健康食品から過剰に摂取すると、健康を害する恐れがあるため、成人の場合、1日あたり350mgまでを目安とすることが推奨されています。(小児の場合は体重1kgあたり5mg)

令和元年の国民健康・栄養調査の結果を見ると、日本人のマグネシウム平均摂取量は247.1mgであり、推奨量に届いていない状況が見受けられます。摂取源としては、穀類からの摂取が最も多く、次いで豆類、野菜類、調味料・香辛料、魚介類となっています。

マグネシウムが不足するとどうなるか

体内のマグネシウムが不足すると、心臓のリズムが乱れることがあります。長期間にわたって不足状態が続くと、虚血性心疾患や動脈硬化といった病気の発症リスクを高める可能性があります。その他、吐き気や精神的な不調、筋肉の痙攣といった症状が現れることもあります。最近の研究では、マグネシウム不足が長引くことで、骨粗鬆症、心臓病、糖尿病、高血圧といった生活習慣病のリスクを高める可能性も指摘されており、今後の研究成果が注目されています。

マグネシウムの過剰摂取による影響

通常の食生活において、マグネシウムの過剰摂取による健康被害はほとんどありません。余分なマグネシウムは尿として排出されるためです。ただし、腎機能が低下している方は注意が必要です。高マグネシウム血症を引き起こし、血圧の低下、吐き気、心電図の異常などが現れる可能性があります。また、「にがり」やサプリメントなどでマグネシウムを大量に摂取すると、下痢を引き起こすことがあります。これらは通常の食事以外からの摂取によるものです。

マグネシウム