マカロン乾燥

マカロンは、その美しい見た目と繊細な食感が魅力のスイーツですが、成功に至るためにはいくつかの重要なステップがあります。その中でも「乾燥」は、その美しい表面を作り出すために欠かせないプロセスです。乾燥の時間や環境が仕上がりに大きく影響するため、適切に行うことが成功への鍵となります。今回は、乾燥の際に気をつけるポイントと、誰でも失敗なく作れるコツをご紹介します。これを読めば、プロ顔負けのマカロンが自宅で再現できます。

マカロン生地の効果的な乾燥方法と乾燥時間

マカロン生地を乾燥させるにはいくつかの方法があります。自然乾燥、オーブン、ドライヤーや扇風機を活用する方法です。選ぶ方法は個人の好みや環境条件によりますが、いずれの場合も温度や時間の管理が重要です。

ここでは、マカロン生地の乾燥方法と時間の目安についてご紹介します。

自然乾燥のテクニック

自然乾燥の方法は、最も簡単で手間の少ないアプローチです。

生地を絞り出した天板を風通しの良い場所に置いておけば、自然に乾燥していきます。しかし、この方法には天候や季節によって乾燥時間が異なるという欠点があります。

◆乾燥時間の目安◆

晴れていて乾燥した天気であれば、約1時間から1時間半で乾きますが、雨の日や湿度が高い季節では、一晩かかることも考えられます。そのような場合には、エアコンの風が当たるところや除湿機を利用すると良いでしょう。

また、冷蔵庫での乾燥はおすすめしません。

冷蔵庫内は湿度が低く保たれますが、冷やされることにより焼成時に卵白が充分に膨らまなくなるためです。

オーブンで乾燥させる手順

オーブンを使用した乾燥は、自然乾燥に比べて速く乾燥させることが可能です。時間がない場合や湿度が高い時には特にこの方法が適しています。

オーブンを100℃程度に予熱し、電源を切った状態で生地を並べた天板を入れましょう。庫内が100℃以上になるときは、扉を開けて温度を調整してください。

◆乾燥時間の目安◆

目安の乾燥時間は20分程度ですが、生地の状態を頻繁に確認することが大切です。乾燥しすぎると焼く際に卵白が焦げる原因になるため、注意が必要です。

ドライヤー&扇風機を活用した乾燥テクニック

エアドライヤーや扇風機を活用すると、自家製マカロンの生地を迅速に乾燥させることができます。特に、急いでいる時や自然乾燥では時間が足りない場合に非常に便利です。

この方法を試す際には、以下の点に注意してください。ドライヤーの場合、必ず冷風を利用しましょう。

ドライヤーを使用する際、熱風は卵白を含む生地を縮ませる可能性があるため、冷風が適しています。また、風を一点に集中させず、均一に上から当てることで全体的に乾かすことができます。風力は中程度を推奨します。

◆乾燥時間の目安◆

乾燥時間は約10分程度ですが、生地の状態を見ながら調整してください。扇風機を使用する場合、全体に風が当たるように設定します。

扇風機を用いる場合、風を均等に当てることが重要です。風力は弱めに設定し、天板を扇風機の前に置いて、生地全体に風が届くように角度を調整します。

◆乾燥時間の目安◆

乾燥時間は約15分程度ですが、生地の状態を考慮して調整してください。自然乾燥であれば一晩おいても問題はありませんが、エアドライヤーや扇風機では乾かしすぎに注意が必要です。乾燥しすぎると生地が固くなり、焼いた際に膨らまないことがあります。

乾燥具合を確認する際、目視だけでなく、触って確認してください。生地に触れたときに付着しない、または角が立たないことが完全に乾燥したサインです。

マカロンを大量に作りたい時や時間がない時には、ラピッドのマカロンミックスを試してみてください。

このミックスはアーモンドパウダー、水、粉糖を混ぜて焼くだけなので、初心者でも簡単に失敗なしの仕上がりが楽しめます。さらに、焼く前の乾燥が不要なため、急いでいる時にも最適です。

マカロンの生地を乾燥させる必要性

マカロンは卵白と砂糖から作ったメレンゲにアーモンドプードルと粉糖を加えた生地を用意し、それを天板に絞り出して焼き上げます。生地を絞り出した後、焼く前に表面を乾かす工程が非常に重要です。

この工程はマカロンの外観や食感に強く影響を与えるため欠かせません。生地を乾燥させる主な理由は次の二点です。

1.表面のヒビ割れを防止する

マカロンの生地を適切に乾燥させると、表面に薄い膜が形成されます。この膜は焼成中に生地内の空気が膨張しても表面が割れないようにサポートします。

乾燥を省略すると、生地の表面にひびが入り、均等に膨らまないマカロンになってしまう可能性があります。マカロンは、その滑らかな表面と丸い形が美しさのポイントとされているため、この乾燥のステップは重要です。

2.ボリュームのあるピエができる

ピエとは、マカロンが焼き上がる際に形成される下部分のレース状の膨らみを指します。これは、焼成前にマカロンの表面を乾燥させ、薄い膜を作る過程で、上へ膨らまない生地が横へ膨らむことによって生じます。ピエはマカロンの特有の部分であり、視覚的な美しさを提供しますが、食感や風味への影響も他の要因とともに関与しています。ピエの存在は、マカロンの食感を軽やかにし、全体の風味を引き立てる役割を果たします。

マカロンの生地が乾かないときの原因とその対策

マカロンの生地を上手に乾燥させる方法を知っていても、思うように乾燥しないことってありますよね。

その原因として考えられるのは以下の3つです。

水分量の関係

マカロンの生地には卵白や着色料が含まれています。これらの水分が多すぎると生地が乾燥しにくくなります。特に色を鮮やかにするために着色料を多く加えると、その少量の水分が乾燥に影響を与えることがあります。

◆ 対策 ◆

マカロンは非常にデリケートなお菓子なので、レシピの分量を正確に守ることが重要です。水分量を適切に管理するためには、卵白を室温に戻しておくことや、パウダー状の着色料を使用することが有効です。

メレンゲの適切な泡立て方法

マカロンを作る際は、卵白と砂糖を使ってメレンゲを立てるのが基本です。この工程でメレンゲがしっかり泡立っていないと、生地がだれやすく、乾燥しにくいものになります。

メレンゲの泡立ちが悪い理由として考えられるのは、

・器具に油が付着している

・卵白が常温で放置されてコシを失った

といった点です。

◆ 改善策 ◆

メレンゲを作る前に、ボウルや泡立て器を熱湯でよく洗い油分を取り除き、卵白は冷蔵保存して必要なときに常温に戻しましょう。

泡立てる際は、卵白に少量ずつ砂糖を加え、最初は弱めの速度で徐々に強くしていく方法がよいです。仕上がりの目安は、ツヤが出て逆さにしたボウルから落ちないくらいの固さになります。

マカロナージュのしすぎ

マカロナージュは、メレンゲの泡と粉類を絶妙に混ぜ合わせる過程です。このプロセスにより、マカロン生地の粘りやコシが調整されますが、混ぜすぎると生地が液状になり、表面が乾きにくくなります。

◆ 対策 ◆

マカロナージュを行う際は、生地がリボン状に落ちる固さを目指しましょう。均一な気泡をつくることが、表面が美しいマカロンを作る鍵となります。

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まとめ

マカロンは、焼成前に生地を乾燥させることが不可欠なお菓子です。

この乾燥プロセスは、マカロン表面に薄い膜を作り、ひび割れを防ぐと同時に、底部に「ピエ」と呼ばれるレースのような膨らみを形成するために行われます。

生地の乾燥方法には、

・自然乾燥

・オーブン

・ドライヤーや扇風機を利用する方法

などがあり、それぞれにおいて温度や時間の調整が重要です。

マカロン