見た目も味わいも繊細なフランス菓子、マカロン。家庭で手作りする楽しさは格別ですが、完成した時にマカロンの中が空洞になってしまうことはありませんか?この現象は初心者でもプロでも悩む問題で、多くの要因が絡み合っています。しかし、原因をしっかりと理解し、対策を講じることで美しいマカロンを作ることが可能です。本記事では、マカロンが空洞になる理由とその具体的な解決法について探ります。
マカロンの中が空になる原因
マカロンを作った際、内側が大きく空洞化してしまう経験をお持ちの方は少なくないでしょう。空洞ができると、マカロンの食感がふんわりとせず、壊れやすくなってしまいます。では、なぜこのような空洞化が起こるのでしょうか?
1.生地のテクスチャが問題となる場合(柔らかすぎて膨らまなかった)
2.焼き方の問題(温度が低すぎて十分に膨らまなかった、温度が高すぎて一気に膨らんでその後しぼんだ、または焼き時間が短くて冷ます間にしぼんだ)などが考えられます。
生地が緩くて膨らみが不十分だった
生地がしっかり膨らまない要因として、表面が非常に薄くなり、触れると簡単に崩れてしまうことがあります。
水っぽさが原因で生地が薄い膜状になることがあります。見た目は滑らかで美しいものの、実際には薄くて脆い場合があるのです。
このような現象が見られる場合、理由として考えられるのは生地の緩さかもしれません。

メレンゲの泡立て
マカロンが膨らむ要因は、卵白と砂糖で作られたメレンゲの気泡が熱によって膨らむためです。
メレンゲの作り方は主に3種類(フレンチ、スイス、イタリアン)あり、それぞれで気泡の細やかさや強度、膨らみ方が異なります。これにより、メレンゲの泡立て方が膨らみに大きく影響します。不十分な泡立ては生地を柔らかくしてしまうことがあります。エピファニーで推奨されるのはスイスメレンゲで、卵白と砂糖を50℃に温めてから泡立てる方法です。
スイスメレンゲの特徴は、きめが細かく、安定して作りやすい壊れにくい気泡ができること。しっかりとしたメレンゲのツノが立ちます。
マカロナージュの技法から生まれるもの
マカロナージュとは、メレンゲに粉類を加え、ボウル内で生地を広げたり集めたりして泡のボリュームを減らし、柔軟性を持たせる作業です。
このマカロナージュの技術は非常に重要です。過度に行うと泡が潰れすぎて生地が緩くなり、膨らみが弱くなります。「過剰な操作」には、回数が多すぎる場合と、力を強く入れすぎて泡を押しつぶしてしまった場合があります。適切な力加減が求められるのです。レッスンを通じて生徒のマカロナージュを見ると、ゴムベラを大きくしならせてしまうほど力を入れる人がいます。
「泡をつぶす」と考えると、無意識に力を入れてボウルに生地を押し付けがちです。生地をボウルの内側に柔らかく塗り広げるように意識するとちょうど良い状態になります。ゴムベラから生地を落とすとき、太いリボンのように繋がって落ちる硬さを目指しましょう。
慣れないうちは、生地がどさっと落ちてしまうことがあります。良い状態なのに、生地の落とし方が一定でないと「まだかな」と適切な硬さを見逃すこともあります。
生地の落とし方にも留意し、常に同じ量を同じ角度で落とす練習をすると良いでしょう。
一度緩くなった生地は元の硬さに戻せませんので、メレンゲの硬さやマカロナージュの加減には注意し、理想的な硬さを求めましょう!