カリッとした食感と豊かな風味が魅力のナッツ。おやつやおつまみとして親しまれていますが、実はその小さな粒には驚くべきパワーが秘められています。健康維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれているだけでなく、美容にも嬉しい効果が期待できるナッツ。この記事では、そんなナッツが持つ様々な効果を一覧でご紹介します。日々の食生活にナッツを取り入れて、内側から輝く健康と美しさを手に入れましょう。
ナッツの定義とは
ナッツという言葉は、その範囲がはっきりと定められているわけではありません。
本来「ナッツ」とは、植物の種子のうち、硬い殻に覆われた「堅果」に分類されるものを指しますが、実際には、草の種子や一部の豆類なども含めて使われることがあります。
例えば、ピーナッツは「堅果」には該当しないため、厳密にはナッツとは言えませんが、一般的にはナッツとして広く認識されています。
ナッツに含まれる脂質
ナッツはカロリーこそ高いものの、その脂質は必ずしも健康を損なうものばかりではありません。
むしろ、多くのナッツには体に良いとされる「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。
過剰摂取を避けさえすれば、他の脂っこい食品に比べて、健康への悪影響は小さいと考えられます。
一般的に、脂質は「肥満や生活習慣病の原因になる」といった悪いイメージを持たれがちです。
しかし、肥満や動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを増やすのは、主に「飽和脂肪酸」と呼ばれる脂質です。
飽和脂肪酸は体内で生成できるため、食事から過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性があります。
飽和脂肪酸について詳しくはこちらでご確認ください。
一方、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」は、必ずしも体に悪い影響を与えるものではありません。
例えば、一価不飽和脂肪酸の代表格である「オレイン酸」には、血液中の悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。
さらに、多価不飽和脂肪酸には、血圧を下げたり悪玉コレステロールを減らしたりする作用があると考えられています。
ナッツの種類によって比率は異なりますが、多くの場合、一価不飽和脂肪酸が最も多く含まれています。
一価不飽和脂肪酸の中には、コレステロールを下げる効果が期待できるオレイン酸などが含まれます。
例えば、アーモンドに含まれる一価不飽和脂肪酸の約99%はオレイン酸です。
また、多価不飽和脂肪酸にも、血圧や悪玉コレステロールを調整する効果があると考えられています。
このように、ナッツに含まれる脂質の中には、体に良い働きをするものが多く存在します。
ナッツの種類！知っておきたい栄養素と効果
ナッツと一口に言っても、その種類は多岐にわたります。
そして、それぞれが持つ栄養成分もまた、大きく異なるのが特徴です。
「健康に良いとは聞くけれど、具体的にどのナッツを選べば良いのか分からない…」そんな風に感じている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ナッツの栄養価と期待できる効果について詳しく解説していきます。
アーモンド
日本で消費されるナッツの中で、アーモンドは突出した輸入量を誇り、特に人気が高いと言えるでしょう。
チョコレートで包まれたものから、ローストやフライされたスナック、細かく砕いてお菓子に使われるものまで、私たちの生活の中で頻繁に目にします。
アーモンドに含まれる栄養素
アーモンドは、タンパク質と食物繊維をたっぷり含んだ食品です。
タンパク質は、炭水化物や脂質と並び、私たちの体のエネルギー源となる重要な栄養素です。
筋肉、臓器、皮膚、髪など、体を作る組織や、ホルモン、酵素、抗体といった体内で働く成分を構成するため、生命を維持する上で欠かせません。
食物繊維は、お腹の調子を整えるだけでなく、脂質、糖、ナトリウムを吸着して体外に排出する働きがあります。そのため、肥満や生活習慣病の予防や改善に役立つと期待されています。
さらに、アーモンドはビタミンEが豊富な食品としても知られています。
ビタミンEには、抗酸化作用があり、老化、免疫機能の低下、がんや動脈硬化などを引き起こす物質の働きを抑える効果があると考えられています。
くるみ
クルミは、人類が食用として利用してきた最も古いナッツの一つで、その歴史は紀元前7000年頃にまで遡ります。
独特の苦みが特徴的で、その風味は一度味わうと忘れられない魅力があります。
特にパンや焼き菓子との相性が良く、様々なレシピで活躍しています。
くるみに含まれる栄養素
くるみの特筆すべき点は、他のナッツに比べて豊富な多価不飽和脂肪酸を含有していることです。
この多価不飽和脂肪酸は、人体では生成できないため、食事を通じて摂取する必要がある必須脂肪酸に分類されます。
さらに、多価不飽和脂肪酸には血圧降下や悪玉コレステロール低減の効果が認められており、高血圧や悪玉コレステロール上昇に起因する生活習慣病の予防にも役立つとされています。
カシューナッツ
カシューナッツは、その独特な形状で知られていますが、「カシューアップル」という果実の先に付いている硬い殻の中にある種子の部分です。
この植物は、種子が果実の外に位置するという珍しい特徴を持っています。
カシューナッツの栄養成分
カシューナッツは、他のナッツに比べて脂質が控えめで、比較的低カロリーなのが魅力です。
さらに、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅といった、体に必要なミネラルが豊富に含まれています。
ミネラルは、身体を作る上で欠かせない成分ですが、体内では作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。
中でもマグネシウムは、心臓病や高血圧の予防に役立つと言われています。
鉄分は、不足すると貧血を引き起こす可能性があるため、特に妊娠中の方や月経のある女性は積極的に摂りたい栄養素です。
ミネラルは、それぞれがお互いの吸収や働きに影響し合うため、バランス良く摂取することが大切です。