レモングラスは高さ1〜2mにも成長する多年草で、細長い葉が株元から茂る姿が特徴です。葉には「シトラール」という成分が含まれており、まるでレモンの皮を思わせるようなフレッシュで爽やかな香りを放ちます。この香りは香水やアロマ製品の原料にも使われ、気分をすっきりとさせる効果があります。さらに、葉にはほのかな酸味があり、ハーブティーやスープにすると料理に独特の風味を加えてくれます。特に東南アジア料理との相性が良く、タイ料理の「トムヤムクン」には欠かせない食材として広く知られています。また虫が嫌う香りを持つため、虫除けスプレーなどにも利用されています。

レモングラスは香りによるリフレッシュ効果が高く、疲労回復や気分転換に役立つハーブとして人気があります。精油には消化を助ける作用や殺菌・抗菌作用、鎮痛効果があるとされ、アロマテラピーやスキンケア製品にも用いられています。例えばニキビ予防や虫除けアイテムとして活用されることもあります。しかし、刺激が強いため原液を肌に直接つけることは避け、必ず希釈して使用することが大切です。また、子宮を収縮させる働きがあるとされており、妊娠中の使用には注意が必要です。特に妊娠初期には摂取や外用を控えるのが安心です。適切に使えば、日常生活に役立つ頼もしいハーブといえるでしょう。

レモングラスの収穫時期は6月から10月頃が目安で、特に夏の7〜8月は成長が旺盛です。株の葉が15枚以上になった頃が収穫のタイミングとされます。刈り取る際は、株元から10〜15cmほど残して外側の葉から順に切っていくと、植物への負担が少なく長く収穫を楽しめます。定期的に収穫することで株が整い、新しい葉が次々に伸びてきます。料理に使う場合は生のまま、乾燥保存しておけばお茶やスパイスとして一年中活用できるため、家庭菜園でも重宝するハーブです。

レモングラスは収穫後の保存方法によって風味の持ちが変わります。生で保存する場合は根元を洗って刻み、冷蔵庫で保管しましょう。ただし日持ちは短いため、早めに使い切るのが理想です。長期保存するなら、茎を小分けして冷凍する方法がおすすめで、香りを損なわず1年間程度楽しむことができます。もうひとつの方法は乾燥保存です。葉を束ねて逆さに吊るし、しっかり乾かしてから密閉容器に入れて保存します。乾燥剤を併用し、涼しく暗い場所で保管すれば長期間香りを保てます。用途に応じて保存方法を使い分ければ、一年を通してレモングラスの香りを楽しめます。

レモングラスは、レモンのような爽やかな香りと優れた効能を併せ持つ万能ハーブです。料理からハーブティー、アロマや虫除けまで活用の幅が広く、家庭で育てれば新鮮な葉を好きな時に楽しめます。保存方法を工夫すれば長期利用も可能で、一年を通して生活に取り入れられるのも魅力です。正しい使い方を知って取り入れることで、毎日の暮らしをより快適で健やかにしてくれるでしょう。