レモンの爽やかな香りとほろ苦さが凝縮された「レモンピール」。その名の通り、レモンの皮を乾燥させたもので、お菓子作りや料理に奥深い風味をプラスしてくれる万能食材です。お菓子作りのアクセントとしてはもちろん、紅茶やカクテルに添えれば、たちまちワンランク上の上品な味わいに。この記事では、レモンピールの魅力と、毎日の食卓を豊かにする活用法をたっぷりご紹介します。さあ、レモンピールでいつもの食卓を彩りましょう!
レモンピールとは
レモンピールは、レモンの果皮そのもの、あるいはそれを乾燥させたものを指します。広い意味では、レモンの皮を砂糖で煮詰めて甘くしたものや、それを乾燥させたものも含まれます。レモンピールは、焼き菓子やチョコレート菓子といった洋菓子の風味付けとして使われるほか、カクテルに爽やかなレモンの香りを添えるためにも利用されます。
自家製レモンピールの魅力
自家製レモンピールの最大の魅力は、市販品では味わえない、格別なフレッシュな香りと風味を堪能できる点です。特に国産レモンの旬の時期に作れば、さらに香り高いレモンピールを作ることが可能です。また、自分で作ることで、甘さや苦味の度合いを自分の好みに合わせて調整できます。保存料などの添加物を一切使用せずに作れるため、安心して口にできるのも大きな利点です。
基本の自家製レモンピールの作り方
自家製レモンピールは、少し手間がかかるイメージがあるかもしれませんが、いくつかのポイントをしっかり押さえれば、意外と簡単に作ることができます。ここでは、基本的な作り方をご紹介します。
材料(レモン5個分)
- レモン:5個
- グラニュー糖:レモンの皮の重量の80〜100%
- レモン果汁:レモンの皮が十分に浸るくらいの量(足りない場合は水または市販のレモンジュースで調整)
- お好みのリキュール(ブランデーなど):少量
下準備
- レモンを丁寧に洗浄します。表面についた汚れを落とすため、清潔なブラシやスポンジで優しく洗いましょう。
- レモンの上下を薄く切り落とし、その後4~6等分の放射状にカットします。
- 果肉と果皮を分けます。白い部分(アルベド)は、なるべく果皮側に残るように丁寧に剥きましょう。
- 果汁は後ほど使用するため、ザルをボウルに重ねて作業すると効率的です。果汁がボウルに溜まるようにします。
- 剥いた果皮は乾燥を防ぐため、水を入れたボウルに浸しておきます。
- レモン果汁を絞ります。雑味が出過ぎないよう、ザルに強く押し付けず、適度な力で絞るのがポイントです。絞った果汁はラップなどで密閉し、冷蔵庫で保管します。
作り方
- レモン の下茹でをします。鍋にたっぷりの水と果皮を入れ、中火で加熱します。沸騰したら3分間茹でます。茹でこぼしたら、ザルにあげ、軽く鍋をすすぎます。同様の作業をあと2回繰り返します(合計3回)。
- 果皮をカットします。5~8mm幅に切るか、用途に合わせて薄くスライスしたり、細かく刻んでも構いません。
- 大きめのボウルにたっぷりの水を張り、カットした果皮を入れます。数回水を交換しながら、一晩(またはお好みの苦味になるまで)水にさらします。細かくカットした場合は苦味が抜けやすいので、時々味見をして確認してください。
- 水気をしっかりと切り、果皮の重さを量ります。
- 鍋に果皮とグラニュー糖を入れ、果皮が浸る程度まで、または少し少ないくらいの量のレモン果汁を加えます。果汁が足りない場合は、水または市販のレモンジュースで調整します。
- 中火にかけ、果皮の白い部分が透明感を帯びてくるまで、4~5分ほど煮詰めます。煮詰めすぎると硬くなるので注意が必要です。煮汁は冷えるとゼリー状になります。
- お好みで、リキュールなどを加えて風味付けをしたら完成です。
レモンピール の苦味を抑えるコツ
レモンピール の苦味は、果皮の内側にある白い部分、アルベドに由来します。そのため、果皮を剥く際に白い部分をできるだけ取り除くこと、そして丁寧な下茹でと水さらしを行うことが重要です。水にさらす時間は、お好みの苦味の強さに合わせて調整してください。細かくカットした場合は苦味が抜けやすいので、こまめに味を確認しながら調整しましょう。
レモンピール の保存方法
レモンピール は、適切な方法で保存することで、風味を長く保つことができます。おすすめの保存方法は以下のとおりです。
- 冷凍保存: シロップごとフリーザーバッグに入れて冷凍します。保存状態によって異なりますが、なるべく早めに使い切りましょう。
- 乾燥保存: シロップを軽く拭き取り、網に並べ、100℃に予熱したオーブンで30分ほど乾燥焼きにします。乾燥したらグラニュー糖をまぶして完成です。
レモンピールを使ったアレンジレシピ
手作りのレモンピールは、そのまま食べても美味しくいただけますが、工夫次第で色々な楽しみ方ができます。
- お菓子作りに: レモン風味のケーキ、パウンドケーキ、マフィンなどの材料として使用できます。特にチョコレートとの組み合わせは最高です。
- パン作りに: パン生地に混ぜ込むことで、爽やかなレモンの香りが楽しめるパンを作ることができます。
- チョコレートがけ: 乾燥させたレモンピールに溶かしたチョコレートをかけて、自家製オランジェットを作るのもおすすめです。
- 飲み物に: 細かく刻んで紅茶に入れたり、炭酸水に加えて自家製レモンスカッシュにするのも良いでしょう。
残ったレモン果汁と煮汁の有効活用
レモンピールを作る過程で出るレモン果汁や煮汁も、工夫することで最後まで使い切ることができます。
- レモン果汁: 冷凍保存が可能です。お料理やサラダのドレッシング、レモネード作りに活用できます。
- 煮汁: お湯で割ってレモネードとして飲むのがおすすめです。蜂蜜や砂糖を加えて甘さを調整してください。
レモンピール作りに最適なレモンの選び方
レモンピールを作る際は、できるだけ国産の無農薬レモンを選ぶようにしましょう。輸入レモンの中には、防カビ剤が使われているものもあるため、皮ごと食べるレモンピールには適していません。国産レモンは香りが豊かで、安心して皮まで食べることができます。また、皮に傷が少なく、表面にハリがある新鮮なものを選ぶのがポイントです。
まとめ
自家製レモンピールは少し手間がかかりますが、お店では味わえない格別な風味を楽しむことができます。国産レモンが手に入りやすい時期に、ぜひ手作りしてみてください。基本の作り方を覚えれば、色々なアレンジも可能です。レモンピール作りを通して、手作りの喜びを改めて感じてみませんか。
レモンの皮の苦さがどうしても気になります。何か良い対処法はありますか?
レモンの白い部分、つまり内果皮を丁寧に除くことと、水に浸す時間を長くすることが苦味を抑えるコツです。加えて、砂糖の量を少し増やすことでも苦味は感じにくくなります。それでも苦味が気になるようでしたら、レモンピールを使う料理に、別の柑橘類の果汁や、皮の表面を細かく削ったもの(ゼスト)を少量加えて、風味を調整してみるのも良いでしょう。
レモンピールを乾燥させたいのですが、オーブン以外に方法はありますか?
オーブンをお持ちでない場合でも、天日干しや食品乾燥機を使って乾燥させることができます。天日干しを選ぶ場合は、風通しの良い場所で数日かけてしっかりと乾かしてください。食品乾燥機を使う場合は、低温でじっくりと乾燥させましょう。また、電子レンジも利用できますが、焦げ付きやすいので注意が必要です。どの方法を選ぶにしても、完全に水分を飛ばすことが長期保存には重要です。
レモンピールはどのくらい保存できますか?
保存方法によって保存期間は変わってきます。冷凍保存の場合は、およそ1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。乾燥させたレモンピールであれば、密閉できる容器に入れて冷暗所に保管することで、数ヶ月程度は保存できます。ただし、時間が経つにつれて風味が落ちてしまうため、できるだけ早めに使い切ることをおすすめします。













