芳醇な香りととろけるような舌触りが魅力のラフランス。その上品な甘さは「果物の女王」とも称され、秋の味覚として人気を集めています。でも、一番美味しい時期はいつ？どうやって選べばいいの？この記事では、ラフランスの旬を徹底解説。美味しい選び方から、とっておきの食べ方、長持ちさせる保存方法まで、ラフランスの魅力を余すところなくお届けします。
ラフランスとは？
ラフランスは、舌の上でとろけるような独特の食感と、口の中に広がるまろやかな風味が魅力の西洋梨です。原産はフランスで、日本には明治時代に導入されました。当初はその栽培の難しさから普及が進みませんでしたが、山形県を中心に栽培技術が確立され、現在では日本を代表する西洋梨となっています。その果肉は、甘く、みずみずしく、芳醇な香りと上品な甘さは、しばしば「果物の女王」と称されます。
ラフランスの旬はいつ？収穫時期との違い
多くの場合、ラフランスは秋から冬の始まりにかけて店頭に並びますが、最も美味しく味わえる旬の時期は、10月中旬から12月上旬頃です。これは、実際に収穫される時期と、食べ頃を迎える旬の時期に時間的なずれがあるためです。
収穫時期
ラフランスの収穫は、一般的に10月上旬から中旬にかけて行われます。開花から収穫まで約5ヶ月半という長い期間を要し、その間、病気や天候の影響を受けやすいため、栽培が非常に難しい果物として知られています。収穫時期は台風シーズンと重なることもあり、強風で落下したものは商品として出荷できないため、最高の状態を見極めて、約1週間という短い期間で迅速に収穫作業が行われます。
旬の時期
収穫直後のラフランスはまだ果肉が硬く、甘みも十分に引き出されていません。そのため、ラフランス本来の美味しさを最大限に引き出すために、収穫後には「予冷」と呼ばれる特別な処理が行われます。予冷とは、ラフランスを2～5℃に温度管理された冷蔵庫内で約2週間程度保管する方法です。常温で保管すると追熟が進みすぎてしまうため、低温環境下で追熟の速度を緩やかに調整します。この追熟をコントロールすることで、出荷時期を調整し、12月頃まで美味しいラフランスを堪能することが可能になるのです。
ラフランス、最高の味わいを知る
ラフランスは、その繊細さゆえに、収穫時はまだ硬く、熟成が必要です。ご家庭で追熟することで、とろけるような食感と芳醇な香りを楽しめます。ここでは、ラフランスの熟し具合を見極めるためのポイントをご紹介します。
軸（ヘタ）の状態を確認
食べ頃が近づくと、ラフランスの軸の部分が少し柔らかくなり、しんなりとしてきます。軸の周りを優しく触って、熟度を確かめるのがおすすめです。
香りを確かめる
熟成が進むにつれて、ラフランス特有の甘く、豊かな香りが強くなります。特に、お尻の部分は香りが立ちやすいので、意識して嗅いでみましょう。
外観を観察する
熟したラフランスは、全体的に表面のシワが増え、色味が鮮やかな黄色へと変化します。軸の部分のシワとお尻の色の変化は、熟度を知る上で特に重要なサインです。
ラフランス、至福の味わい方
旬のラフランスが熟したら、その美味しさを最大限に引き出す食べ方で堪能したいものです。ここでは、ラフランスを手軽に美味しく味わうためのステップをご紹介します。
冷やして、さらに美味しく
食べ頃を迎えたラフランスは、召し上がる2～3時間前に冷蔵庫で冷やすことで、より一層みずみずしく、爽やかな風味と食感をお楽しみいただけます。ただし、冷蔵庫に入れると追熟が緩やかになるため、熟すまでは常温で保管してください。
くし形カットでスマートに
十分に熟したラフランスは果肉がとても柔らかく、果汁で手が汚れたり、形が崩れやすいのが少し残念な点です。できる限り美しい形を保ちつつ、手軽にラフランスを味わうには、りんごのようにくし形にカットするのがおすすめです。くし形カットの手順は以下の通りです。
- 皮をむかずに、まず4等分にカットします。
- 次に、芯の部分をりんごのように取り除きます。
- 最後に、皮を剥きます。
皮を最後に剥くことで、ラフランスが崩れにくくなり、見た目も美しく盛り付けられます。包丁を使う際は、果汁で手が滑りやすいため、十分にご注意ください。
ラフランスの保存方法
ラフランスをより長く、そして美味しく味わうには、適切な保存方法を知ることが大切です。
常温保存
まだ硬いラフランスは、日光の当たらない、涼しくて風通しの良い場所で常温保存しましょう。熟成を早めたい場合は、エチレンガスを出すリンゴと一緒に保存すると効果的です。
冷蔵保存
食べ頃を迎えたラフランスは、冷蔵庫で保存することで熟成のスピードを緩めることができます。乾燥を防ぐために、新聞紙や保存用の袋で包んで冷蔵庫に入れましょう。ただし、冷蔵保存によって風味が損なわれる可能性があるので、できるだけ早く食べることをおすすめします。
まとめ
ラ・フランスは、晩秋の限られた時期にのみ味わえる、まさに「果物の女王」と呼ぶにふさわしい高級フルーツです。旬の時期を見極めて最高のラフランスを選び、適切な追熟を行うことで、その芳醇で濃厚な味わいを最大限に引き出すことができます。この記事が、ラフランスの奥深い魅力を堪能するための一助となれば幸いです。
ラフランスは冷蔵保存でどれくらい日持ちしますか？
食べ頃になったラフランスは、冷蔵庫で3日から5日ほど保存可能です。乾燥から守るために、新聞紙や保存用袋で包んで冷蔵庫に入れることをおすすめします。