草餅 よもぎ餅 違い - スイーツモール

草餅 よもぎ餅 違い

草餅 よもぎ餅 違い

日本の伝統的な和菓子の一つである「草餅」と「よもぎ餅」。どちらも見た目や風味がよく似ているため、名前が混同されやすいですよね。どこからともなく香ばしく、ほろ苦さが鼻に抜けるようなその風味は、一度食べると忘れられません。しかし、これら二つには実は微妙な違いが存在するのをご存知でしょうか。一見、同じもののように思えますが、その歴史や原材料、作り方に至るまで細かな違いが存在します。この記事では、似ているようで実は異なる「草餅」と「よもぎ餅」の違いを紐解き、その魅力をより深く理解していただくための情報をお届けします。

よもぎ餅と草餅の違いとは?

緑色で香ばしく、餡子やきな粉が添えられているこの美味しそうな和菓子。みなさんは多くの方が、「よもぎ餅」と名乗っていたのではないでしょうか?ところが、もしかしたら「草餅」だと憶えている人もいるかもしれません。

面白いことに、これら二つの和菓子は、その材料、つまり餅に用いる草の種類によって、別々のものとされていました。遥か昔、草餅は「ハハコグサ(母子草)」を使って製作されていたのです。

江戸時代頃に、「母と子を一緒に煮てしまうのは縁起が悪い」との風説が立ち、その後はよもぎが利用されるようになりました。日本人は古来より縁起を気にする民族でして、このような風説が広まったのでしょう。

現代では、よもぎ餅も草餅も同じよもぎを用いて作るのが一般的ですから、厳密な意味では、これら二つの和菓子は同じものなのです。餡子やきな粉をつける際に用いる餅の原料は、よもぎともち米を混ぜたもの、または上新粉や白玉粉を混ぜたものとなります。

しかしどちらの製法でも、最終的な商品は「よもぎ餅」あるいは「草餅」と名付けられ、我々のテーブルに彩りを添えています。
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よもぎ餅の時期はいつ?

春の訪れを感じさせてくれる和菓子、「よもぎ餅」の本格的な季節はいったいいつなのでしょうか。

一般的に、よもぎ餅は3月から5月にかけての季節菓子となります。これは草木が新緑に彩られていくこの時期に、よもぎが新芽を出すからです。日本全国で手に入るよもぎは、新芽の柔らかな部分だけを使い、苦味が少なく、まろやかな風味の餅を作ります。

では、「新芽の柔らかい部分」とは具体的にどの部分のことを指すのでしょうか。それは「一芯三葉、一芯五葉」と呼ばれる部分です。というのも、新芽以外は筋が張って硬くなるため、よもぎ餅にすると違和感を感じてしまいます。

一方、上記の旬の時期には、新緑の美しさを感じさせる「菖蒲餅」が一緒に店頭に並ぶこともあります。これら菖蒲よもぎ餅や、菖蒲葉で包まれたよもぎ餅は、日本各地の和菓子店で楽しみながら春の訪れを感じることができます。

しかしこのよもぎ餅、その調理方法は少しだけ残酷な面もあります。それは新芽の柔らかい部分だけを選んで利用するため、本当に旬の時期だけに楽しむことができる年に一度だけの特別な味わいの和菓子なのです。それゆえ、その貴重さを理解し、旬の時期をしっかりと楽しんでみてはいかがでしょうか。
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よもぎの効能

よもぎは何ともいえない爽やかな香りを放ちます。そのため、乾燥させてお茶にする人も多いです。そして、その香りを楽しむだけでなく、「よもぎ蒸し」という美容法で利用する人もいます。これは韓国で人気の美容法で、よもぎの効能をフル活用するものです。

また、お風呂によもぎを入れて楽しむのもおすすめです。菖蒲湯によもぎを一緒に入れると、その香りがさらに広がり、一段とリラクゼーション効果が高まります。

よもぎには、婦人科系の不調を改善したり、美肌を作り出す効果もあるため、女性に特におすすめです。よもぎ餅やお茶などの形で摂ると、これらの効果を体感できます。

よもぎは「和製ハーブの女王」もしくは「究極の和製ハーブ」とも呼ばれ、その効能の多さが注目されています。わたしたちがお灸でよく見る「もぐさ」も、実はよもぎから作られます。

古代中国から、薬草として利用されてきたよもぎ。その効用は、約600年前に日本にも伝わり、以来、多くの人々に活用されてきました。

よもぎが冷え性や腰痛の緩和に効果的だと認識されていることはよく知られています。しかし、最近ではさらに、ガン予防やアトピー性皮膚炎の改善にも役立つと考えられています。そのため、よもぎの可能性は無限大です。

よもぎ餅と草餅の違いのまとめ

昔からの伝統的な和菓子、草餅とよもぎ餅。一見、似ているように思えますが、実はそれぞれに個性があります。

我が家では、母は「草餅」と呼んでいました。草餅とは、ギョウジャニンニクという草を使用した餅のことを指します。色彩豊かなギョウジャニンニクを裏ごしし、もち米と組み合わせることで、一段と美しい緑色と素朴な味わいが引き立ちます。また、地域によっては、豪華な装いである萩の葉をまるで包み込むかのように巻いて楽しむ風習もあるそうで、見た目も魅力的な餅です。

一方、私は「よもぎ餅」と呼んでいました。春の七草に数えられるよもぎを使うのが特徴で、その味わいある苦みと香りが口の中に広がります。もち米とよもぎを裏ごしにして混ぜ、柔らかな食感も楽しむことができます。よもぎ餅には甘さを加えるために、あんこを包むことが一般的です。

現在は、大量に育つよもぎを見かけることが少なくなり、作りたくてもなかなか手に入らないという方もいらっしゃるかもしれません。そんな時は冷凍されたよもぎが通信販売されているので、気軽にネットで探してみてくださいね。

ともあれ、草餅もよもぎ餅も、見た目も味も彩り鮮やか。春の訪れを祝う和菓子の一つとしてぜひ楽しんでみてください。
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まとめ


草餅とよもぎ餅、この二つは確かに似ていますが、その違いは主に原材料と歴史にあります。草餅は「草」の意味が広く、種類によってはよもぎ以外の草を使ったものも存在します。逆に、よもぎ餅はよもぎを使った餅のことを指し、その風味が特徴。また、歴史的に見ると草餅は古代から存在していましたが、よもぎ餅は比較的新しいものです。