韓国のクリスマス

韓国のクリスマスは、西洋の文化と韓国独自の伝統が融合した特別な一日です。街はイルミネーションで彩られ、恋人たちはロマンチックなデートを楽しみます。一方で、家族や友人と過ごす人も多く、温かい雰囲気に包まれます。この記事では、韓国のクリスマスの過ごし方、人気のデートスポット、そして伝統的な要素についてご紹介します。今年のクリスマスは、韓国の魅力を感じてみませんか?

韓国のクリスマス、その過ごし方とは?意外と知らないクリスマスの事情をご紹介

韓国では、クリスマスは「성탄절(ソンタンジョル)」、つまり聖誕節と呼ばれ、祝日として大切にされています。興味深いことに、お釈迦様の誕生日である「석가탄신일(ソッカタンシニル)」=釈迦誕生日も同様に祝日となっており、韓国はアジアで唯一、キリスト教と仏教、両方の宗教的な日を国民の休日としている珍しい国です。今回は、韓国のクリスマス時期の過ごし方についてご紹介いたします。

韓国ではキリスト教徒が多い

韓国を訪れたことがある方は、日本に比べて教会の数が非常に多いことに気づくかもしれません。実は、人口のおよそ3割がキリスト教徒であると言われています。クリスマスイブとクリスマス当日には、カトリック信者は教会でミサに、プロテスタント信者は教会で礼拝に参加します。特別な賛美歌の合唱や演劇、食事会などが催され、伝統的で心温まるクリスマスを過ごすのが一般的です。

クリスマスを心ゆくまで長く楽しめる

日本だと、クリスマスが終わると街の飾り付けはあっという間にお正月仕様に変わりますよね。クリスマスの雰囲気が消えてしまうのが、少し寂しいと感じる人もいるかもしれません。でも、韓国ではもう少しの間、クリスマスのムードが残っているんです。韓国では旧正月の頃まで、街にはイルミネーションやクリスマスデコレーションが飾られていることが多いので、場所によっては2月上旬までその雰囲気を味わうことができます。クリスマスシーズン中の明洞は人でいっぱいですが、年が明けてからゆっくりイルミネーションを見に行くのも良いかもしれません。

クリスマスにチキンは食べない

日本では、クリスマスの食卓にチキンが並ぶ光景は、もはや定番と言えるでしょう。大手飲食チェーンでは特別なセットが販売され、百貨店などでも様々な種類のチキンが所狭しと並べられます。しかし、お隣の韓国ではクリスマスにケーキを食べるのが一般的で、特にチキンを意識して食べるという習慣はあまりありません。もちろん食べる人もいますが、日本のような「クリスマス=チキン」という認識はないようです。なぜなら韓国では、普段からチキンをよく食べているからです。ケーキを中心にクリスマスらしさを演出するなら、ステーキとワインを添えるのも良いかもしれません。最近は、SNS映えを意識して、それらを準備して特別な雰囲気を楽しむ人もいるようです。興味深いことに、韓国ではクリスマスケーキはケーキ専門店ではなく、パン屋さんで売られています。これは、2017年の「食品公典」におけるパンの定義が関係しており、小麦粉を主原料とするケーキやクッキーなども「パン」として扱われるためです。また、アイスケーキも人気が高く、クリスマスシーズンはパン屋さんとアイスクリーム屋さんが一年で最も賑わう時期となります。

クリスマスソング『サンタが街にやって来た』の韓国タイトルは『泣いたらダメ』 原曲に忠実

韓国では、子どもたちはサンタクロースを親しみを込めて「サンタハラボジ」、つまり「サンタのおじいさん」と呼びます。誰もが知るクリスマスソング『Santa Claus Is Coming To Town』も、日本語と韓国語ではタイトルが異なります。日本語では「サンタが街にやって来る」として知られていますが、韓国語のタイトルは「ウルミョン アンデ(泣いたらダメ)」です。日本語版はタイトルこそ英語の直訳ですが、歌詞は原曲とは大きく異なっています。一方、韓国語版は原曲の歌詞をほぼ忠実に翻訳しており、タイトルは歌詞の一節「You better watch out! You better not cry(気をつけて!泣いたらダメ)」から取られています。この歌は、良い子にしていなければプレゼントはもらえない、サンタクロースはいつも良い子と悪い子を見ている、だから泣いたりふくれっ面をしたりしてはいけない、という内容を含んでいるのです。長年親しんできたクリスマスソングが、実は国によって異なる解釈で歌われているというのは、とても興味深い発見です。

おわりに

すぐ近くの国、韓国。しかし、クリスマスの過ごし方や街の彩りなど、日本とは異なる魅力的な文化がたくさんあります。海外旅行がより身近になったら、ぜひクリスマスの時期に韓国を訪れて、その違いを体験してみてはいかがでしょう。

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