清見タンゴールとは?温州みかん×オレンジの特徴・旬・美味しい食べ方を徹底解説!
清見(きよみ)タンゴールは、日本で誕生した温州みかんとトロビタオレンジの交配種で、甘さと香りのバランスが絶妙な人気の柑橘です。果肉はジューシーでとろけるような食感、ひと口食べればその爽やかな甘みに驚くことでしょう。旬の時期にはスーパーや直売所でも見かける機会が増え、ギフトにも喜ばれる果物として注目されています。この記事では、清見タンゴールの品種の成り立ちや味の特徴、旬や選び方、美味しい食べ方まで詳しくご紹介。清見タンゴールの魅力をたっぷりと味わってみませんか?

清見タンゴールとは?その魅力と概要

清見タンゴールは、日本で誕生した柑橘の新品種で、温州みかん「宮川早生」とオレンジ「トロビタオレンジ」の交配によって生まれたハイブリッド果実です。日本で初めて開発されたタンゴールであり、みかんの甘さとオレンジの爽やかな香りを兼ね備えた、まさに“いいとこ取り”の品種です。
特に魅力的なのが、以下のような特徴です:
  • とろけるような柔らかい果肉
  • 果汁が豊富でジューシーな味わい
  • 酸味が控えめで、食べやすい
  • 種が少なく手軽に食べられる
  • 温州みかんよりやや大きめのサイズ
これらの特徴から、清見タンゴールは柑橘類が苦手な人にも人気があり、その独特のバランスの良い風味で多くの人に愛されています。市場では「清見オレンジ」と呼ばれることもあり、その品質の高さから贈答品としても選ばれる柑橘です。

タンゴールとは?清見タンゴールが誕生した背景

「タンゴール」とは、温州みかんなどの“タンジェリン系”とオレンジを交配して生まれた柑橘の総称です。名称は「Tangerine(タンジェリン)」の“Tang”と「Orange(オレンジ)」の“or”を組み合わせた造語です。
清見タンゴールもこのタンゴールの一種で、
  • 「宮川早生」温州みかん
  • アメリカ産「トロビタオレンジ」
を掛け合わせたことで誕生しました。
開発は1937年(昭和12年)に、国立の園芸試験場(現在の農研機構 果樹研究所・興津拠点)でスタート。目的は、「温州みかんの甘さ」と「オレンジの香り・ジューシーさ」を併せ持ちつつ、栽培しやすく高品質な新品種を作ることでした。

清見タンゴール誕生秘話:国産初のタンゴールとしての歴史

清見タンゴールは、日本の柑橘品種改良の中でも特に重要なマイルストーンとなる果物です。
  • 開発開始:1937年(昭和12年)
  • 開発地:静岡県・興津の園芸試験場(現・農研機構)
  • 品種登録:1979年(昭和54年) 農林水産省により登録
品種名「清見」は、育成地近くの景勝地「清見潟」にちなんで名付けられたとされています。
長い研究期間を経て生まれた清見タンゴールは、国産タンゴール第一号として日本の柑橘栽培の可能性を大きく広げました。味の良さだけでなく、農業技術の進化を象徴する存在としても高く評価されています。

清見タンゴールの特徴|とろける果肉とあふれる果汁

清見タンゴールの魅力は、なんといってもみかんの甘さとオレンジの香りが調和した豊かな風味にあります。果肉はとろけるように柔らかく、ナイフを入れた瞬間に果汁があふれ出すほどのジューシーさが特徴です。酸味が少ないため、柑橘類が苦手な方でも食べやすい果物として親しまれています。
主な特徴は以下のとおりです:
  • 温州みかんより大きめのサイズで存在感がある
  • 種が少なく、手で剥いて気軽に食べられる
  • 「袋掛け栽培」で品質が高く安定している
  • 冬を越えて木になったまま熟す「越冬収穫」により、甘さが凝縮
また、収穫は3月頃から本格化し、6月ごろまで市場に出回ります。主な産地は愛媛県と和歌山県で、全国生産量の約8割を占めています。旬を迎える春先は、最も味わいが深くなる時期です。

清見タンゴールの栄養価|甘くて栄養豊富な春の果実

清見タンゴールは、甘くておいしいだけでなく、ビタミンや抗酸化成分も豊富に含まれている果実です。以下は100gあたりの主な栄養成分です(出典: 日本食品標準成分表2020年版(八訂), URL: https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html, 2020-12-25)。
  • エネルギー:45kcal
  • たんぱく質:0.8g
  • 脂質:0.2g
  • 炭水化物:10.3g
  • ビタミンC:42mg(温州みかんより多め)
  • β-カロテン当量:540μg
  • β-クリプトキサンチン:690μg
  • 食物繊維も含まれ、栄養バランスが良い
これらの栄養成分は、美容や健康の維持に役立つだけでなく、日常的に取り入れやすい「自然のサプリメント」としても注目されています。

おいしい清見タンゴールの選び方|2つのポイントで見極める

清見タンゴールをよりおいしく味わうには、新鮮で果汁たっぷりの実を選ぶことが大切です。選ぶ際のポイントは次の2点です。

1. 果皮の色をチェック

  • 全体が濃い橙色でつやがあるものがベスト
  • ヘタ周りに少し緑が残っているものは新鮮な証拠
  • 茶色く変色しているヘタは鮮度が落ちている可能性あり

2. 手に持ったときの重み

  • ずっしり重みがあるもの=果汁たっぷり
  • 軽く感じるものは中がスカスカになっていることも
これらのポイントを意識すれば、みずみずしく風味豊かな清見タンゴールを見極めやすくなります。

清見タンゴールを最大限に楽しむ食べ方

清見タンゴールの魅力を存分に味わうには、生で楽しむのが最もおすすめです。甘さと香り、ジューシーな果汁をそのまま感じることができる食べ方をご紹介します。

1. 手軽に食べるなら「スマイルカット」

皮がやや厚めで、果肉がとても柔らかいため、ナイフを使ってくし形(スマイルカット)に切る方法が最適です。
  • 見た目が美しく、果肉がつぶれにくい
  • 果汁がこぼれにくく、手が汚れにくい
  • 外皮もむきやすく、食べやすいサイズ感に

2. 果汁を逃さず楽しむなら「スプーンで掬う」

果汁の多さを存分に味わいたいときは、横半分にカットしてスプーンで掬って食べる方法がおすすめです。
  • 果汁をそのまま楽しめる
  • 果肉を崩さず、口当たりがなめらか
  • 冷やして食べるとさらに美味しさアップ

3. 朝食やドリンクに「フレッシュジュース」

豊富な果汁を活かして、生搾りジュースにするのもおすすめです。
  • 爽やかな香りと自然な甘さ
  • 添加物なしで子どもにも安心
  • ヨーグルトや炭酸と合わせても◎
用途や気分に合わせて、さまざまな方法で清見タンゴールの美味しさを堪能してみてください。

まとめ|清見タンゴールは香り・甘さ・ジューシーさを兼ね備えた春の逸品

清見タンゴールは、温州みかんとトロビタオレンジのハイブリッドとして誕生した、日本が誇る柑橘品種です。とろける果肉と溢れる果汁、酸味が控えめな甘さが特徴で、春の味覚として広く親しまれています。ビタミンCやβ-クリプトキサンチンなど栄養価も高く、美容や健康にも嬉しい果物です。スマイルカットやスプーン食べ、フレッシュジュースなど、シンプルな食べ方でその美味しさを最大限に楽しめます。
旬の今こそ、清見タンゴールのとびきりの甘さと香りを体験してみませんか?

よくある質問(FAQ)

清見タンゴールと清見オレンジは同じものですか?

はい、同じ品種を指します。「清見タンゴール」が正式名称で、「清見オレンジ」は流通名や通称として使われています。

清見タンゴールはいつが一番おいしいですか?

3月から6月にかけてが旬です。特に3月中旬〜4月頃は、越冬熟成によって甘みと果汁が最も濃縮される時期です。

保存方法はどうすれば良いですか?

風通しの良い冷暗所で保存し、なるべく1週間以内に食べきるのがおすすめです。長期保存する場合は冷蔵庫の野菜室へ。

清見タンゴールは皮をむいて食べられますか?

はい、手でもむけますが、果肉が柔らかいためスマイルカットで食べる方が食感と果汁を楽しみやすいです。

栄養価で特に注目すべきポイントは?

ビタミンC(100g中42mg)と、抗酸化成分のβ-クリプトキサンチン(690μg)が豊富に含まれている点です。日常的な栄養補給にも最適です。



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