キウイ苗選びから収穫まで

「フルーツの王様」とも呼ばれるキウイ。ビタミンCや食物繊維が豊富で、健康や美容に関心の高い方にとって、ぜひとも食生活に取り入れたい果物ですよね。実はキウイ、ご家庭でも意外と簡単に育てられるんです。この記事では、キウイの苗選びから収穫まで、初心者の方でも安心して挑戦できる栽培方法を徹底解説します。自家製のキウイを味わう喜びを、あなたも体験してみませんか?

キウイフルーツの基本情報

健康的な生活を送る上で、果物は欠かせない存在です。キウイは、表面の毛が害虫や雨から守ってくれるため、比較的簡単に無農薬または低農薬で育てることができます。剪定や誘引など、ある程度の手入れは必要ですが、他の果樹に比べると育てやすく、初心者でも気軽に挑戦できます。家庭でキウイを育てる魅力は、主に4つあります。まず、病害虫に強く、手間がかからないこと。これは、初めて果樹栽培に挑戦する方にとって大きなメリットです。次に、生育が旺盛で、たくさんの実が収穫できること。そして、収穫後も追熟させることで長期保存が可能なこと。最後に、半分に切ってスプーンで手軽に食べられることです。

キウイフルーツの特徴と栽培のポイント

キウイフルーツは、甘くて美味しいだけでなく、表面の産毛のおかげで害虫や雨による被害を受けにくいという特徴があります。この自然の防御機能のおかげで、農薬の使用を抑えた栽培が可能になり、環境に配慮した栽培を目指す方にとって魅力的です。また、産毛は天候による影響を軽減し、安定した収穫を助けてくれます。キウイ栽培で最も重要なポイントは、雄雌異株であることです。つまり、実をつける雌の木と、受粉に必要な雄の木が別々に存在するため、実を収穫するには、両方の木をペアで植え、受粉させる必要があります。雄木がないと雌木は実を結ばず、開花時期が合わないと受粉は成功しません。相性の良い品種を組み合わせることで、安定した収穫が期待できます。まれに、雄木に実のようなものがつくことがありますが、これは珍しい現象で、通常は結実せず、花粉を供給する役割を果たします。キウイを栽培する際には、この雄雌異株という点を考慮して計画を立てることが大切です。

キウイフルーツの栄養価と効果

キウイフルーツは、その栄養価の高さから「フルーツの王様」と呼ばれ、世界中で愛されています。キウイには、健康と美容をサポートする栄養素が豊富に含まれています。例えば、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、体内の水分バランスを整えるカリウム、腸内環境を整える食物繊維、細胞の生成に必要な葉酸、そしてポリフェノールなどです。特にビタミンCは、キウイ1個で1日に必要な量をほぼ摂取できるほど豊富に含まれており、老化防止、シミ予防、動脈硬化予防、ストレス軽減など、さまざまな効果が期待できます。カリウムは、余分なナトリウムを排出することで、高血圧やむくみの解消に役立ちます。食物繊維は、便秘を予防し、有害物質を体外に排出する効果があります。また、キウイを食べると、舌がピリピリすることがありますが、これは「アクチニジン」という酵素によるものです。アクチニジンは、タンパク質を分解する働きがあり、肉などのタンパク質を多く含む食品と一緒に食べることで、消化を助ける効果があります。このように、キウイは美味しいだけでなく、美容と健康をサポートする効果が期待できる、理想的な果物と言えるでしょう。日々の食生活にキウイを取り入れて、健康的な生活を送ってみませんか。

Image

成功させるための苗木選びと組み合わせ

キウイは、実をつけるために雄株と雌株が必須の植物です。実を確実に収穫するには、両方の木を用意する必要があります。加えて、雄株と雌株の開花時期が一致していることが不可欠です。開花時期がずれると受粉がうまくいかず、実がなりにくくなります。そのため、苗を選ぶ際には、相性の良い組み合わせを選ぶことが非常に大切です。特に、開花時期が早く、多くの雌株との相性が良いとされる雄株「早雄(はやお)」を一緒に購入することを強くおすすめします。ただし、お店によっては雄株の品種が間違っている場合もあるため、購入時には表示をよく確認し、信頼できる販売元から購入するようにしましょう。

キウイフルーツの栽培環境と温度管理

キウイは生育が旺盛で、病害虫にも比較的強いため、育てやすい果樹の一つです。しかし、安定した収穫のためには、適切な環境と温度管理が重要です。キウイは日光を好むため、地植えでも鉢植えでも、日当たりの良い場所に置くことが大切です。十分な日光は果実の糖度を高め、おいしいキウイを育てます。土壌は、水はけの良いものを選びましょう。市販の果樹用培養土を使うと便利です。自分で配合する場合は、水はけと保水性のバランスを考えましょう。土壌酸度は、弱酸性から中性が適しています。キウイは耐暑性・耐寒性があり、-7℃の環境でも栽培できます。そのため、日本の多くの地域で屋外栽培が可能です。ただし、-7℃を下回る寒冷地では、強風や霜に注意が必要です。特に、若い木は寒さに弱いため、冬は藁や防寒シートで保護しましょう。適切な環境と温度管理を行うことで、キウイは豊かに実り、期待に応えてくれるでしょう。

適切な土作り:地植えと鉢植えの準備

キウイの栽培に適した土壌は、水はけが良ければ特にこだわる必要はありません。しかし、健康な根の成長と豊かな実りのためには、最適な土壌環境を整えることが大切です。市販の果樹用培養土は手軽に使えます。地植えの場合は、植え付けの約2週間前から土作りを始めましょう。まず、植え付け予定地の土壌に苦土石灰を混ぜて酸度を調整します。2週間ほど寝かせて、石灰を土に馴染ませます。植え付け時には、腐葉土と堆肥を混ぜて、土壌の有機物と保水性、通気性を向上させます。植え穴には、緩効性肥料を混ぜ込むことで、初期成長をサポートし、長期的な栄養供給を確保します。鉢植えの場合は、市販の果樹用培養土を使うのが簡単です。自分で土をブレンドする場合は、水はけと通気性に優れた赤玉土小粒と、保肥力と保水性に優れた腐葉土を7:3の割合で混ぜ合わせましょう。地植えと同様に、植え付け時に緩効性肥料を混ぜておくことをおすすめします。これにより、限られた環境でも、キウイが健全に成長するための栄養基盤を確立することができます。

苗木の植え付け時期と購入時の注意点

キウイの苗木の植え付けに最適な時期は、一般的に落葉休眠期である10月〜12月頃です。この時期は根の活動が鈍く、植え付けによるストレスを最小限に抑えられるため、活着率が高まります。ただし、寒さが厳しい地域では、凍害のリスクを避けるため、春の4月以降に植え付けましょう。2月になるとキウイの根は水を吸い上げる力が強まるため、遅すぎると根付きが悪くなることがあります。ホームセンターなどで販売されているロングポット苗は、根鉢がしっかりしているので、植え付け時期の幅は比較的広いですが、早めの購入・植え付けがおすすめです。オンラインストアでの購入も便利です。植え付け時期を逃して5月や6月などの成長期に植え付けを行うと、苗がストレスを受けやすく、根付きが悪くなったり、枯れてしまうリスクが高まります。葉が元気に見えても、根が十分に張れていない可能性があるので、できるだけ適期に植え付けるようにしましょう。もし時期外れに植え付けた場合は、こまめに水やりを行い、直射日光が強すぎない場所で管理するなど、丁寧なケアが必要です。

雄雌異株の配置と初期の誘引の重要性

キウイフルーツは、その特性として雄株と雌株が別々に存在します。そのため、実を結ぶためには、両方の木を一緒に植える必要があります。これは、安定した収穫を目指す上で非常に重要なポイントです。植え付けを行う前に、オス木とメス木を植えるための十分なスペースを確保しておくことが大切です。庭に植える場合は、オス木とメス木の間隔を3mから10m程度離して植えるのが一般的です。この距離は、適切な受粉を促し、将来的に木が大きく成長することも考慮したものです。必ずしも隣り合わせに植える必要はありませんが、距離が10m以上離れてしまうと、風による花粉の移動がうまくいかず、受粉が難しくなることがありますので注意が必要です。鉢植えで育てる場合は、オス木とメス木をそれぞれ別の鉢に植えますが、受粉をスムーズに行うために、庭植えと同様に3mから10mの範囲内に配置することが推奨されます。苗木を植える際には、メス株の成長を考慮して、近くに雄株を配置し、初期の段階から支柱やつるを誘導するための仮支柱を使って、つるを誘引することが大切です。この初期の誘引作業は、まだ柔らかい若いつるの成長方向を適切に導き、将来的な樹の形、特に主要な枝の配置を決める上で非常に重要な作業です。適切な誘引を行うことで、木全体に均等に日光が当たり、風通しが良くなり、健康な成長と豊かな実りにつながる基盤を築くことができます。この段階での丁寧な管理が、長期的な栽培の成功に大きく影響します。

キウイフルーツの誘引:健全な成長と樹形形成の要

キウイフルーツはつる性の植物であり、生育が非常に旺盛です。そのため、その成長を適切に管理し、果実の生産を最大化するためには「誘引」が不可欠です。誘引とは、伸びてきたつるや枝を支柱や棚に固定し、成長方向を調整する作業のことです。庭植えと鉢植えのどちらの場合でも、苗を植え付けた直後から誘引を始めることが重要です。庭植えの場合、キウイフルーツは「棚仕立て」と呼ばれる方法で誘引されることが一般的です。これは、つるを水平方向に広げる方法で、広い範囲に均一に日光を当て、多くの果実を実らせることが可能になります。棚仕立てで誘引した後も、主要な枝から新たに伸びてくる枝に注意し、棚の下から生えてくる不要な枝は根本から切り取るようにします。木全体が成長するにつれて棚全体が混み合ってくるため、風通しと日当たりを良くするために、適切な剪定を行うことが大切です。一方、鉢植えで栽培する場合は、リング状の支柱を利用した「あんどん仕立て」がおすすめです。この方法は、つるをリング状に巻き付けてコンパクトに管理できるため、限られたスペースでも栽培しやすいというメリットがあります。あんどん仕立てへの変更は、植え付けた翌年の3月頃を目安に行い、それまでは仮の支柱を立てて苗の成長をサポートします。

水やり:乾燥対策と適切なタイミング

キウイフルーツは、他の多くの果樹に比べて乾燥に弱い傾向があるため、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えることが、健康な成長と豊かな実りをもたらす上で非常に重要なポイントです。庭に植えている場合、基本的には土壌から水分が供給されるため、日常的な水やりの必要はあまりありません。根が深く張り、広い範囲から水分を吸収できるため、通常の雨量があれば十分です。ただし、夏の猛暑が長く続くような乾燥した時期や、雨が少ない時期には、植物が水分不足にならないように、木の様子を見ながら適宜水を与える必要があります。特に、新しく伸びた枝がしおれて下を向いている場合は、水分が不足しているサインですので、すぐに水やりを行いましょう。鉢植えで育てている場合は、庭植えとは異なり、土の量が限られているため、乾燥しやすくなります。土の表面が乾いていることを確認したら、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えてください。これにより、鉢の中の土全体に水が均一に行き渡り、根に十分な水分を供給できます。特に、キウイフルーツの成長が盛んになる夏場は、土が非常に乾きやすいため、朝と夕方の1日2回程度の水やりが必要になることもあります。水やりの時間帯にも注意が必要で、日中の最も暑い時間帯に水やりを行うと、土の中の温度が急激に上昇し、根にダメージを与える可能性があるため避けるべきです。気温が比較的涼しい早朝や夕方に水やりを行うのがおすすめです。過剰な水やりも根腐れの原因となるため、水はけの良い土を使用し、土の表面が乾いてから水やりを行うようにしましょう。

Image

肥料:栽培方法に合わせた施肥計画と種類

キウイフルーツに肥料を与えるタイミングは、庭植えと鉢植えで栽培しているかで少し異なりますが、それぞれの栽培方法に合わせた適切な時期に肥料を与えることが、健康な成長と豊かな収穫につながります。キウイフルーツは、植え付けた翌年以降、年に1回の肥料でも十分に成長することがありますが、より多くの果実を収穫したい場合や、木の勢いを維持したい場合は、追加で肥料を与えることで効果が高まります。庭植えの場合は、冬の12月から2月頃の休眠期に「寒肥」として、堆肥などの有機肥料を施すのが一般的です。新しい情報として、粉末状に発酵させた油かすを1平方メートルあたり2握り程度ばらまき、その上からバーク堆肥を厚さ5センチで敷き詰める方法が推奨されています。この方法で使用される堆肥は、肥料としての成分と土壌改良材としての役割を兼ね備えており、土の中の微生物の活動を促進し、土壌環境を豊かにする効果があります。土を軽く耕しながら肥料を混ぜ込むことで、土と肥料がよく混ざり合うようにしましょう。年に1回の肥料でも基本的な栄養は供給されますが、より良い収穫を目指すのであれば、追肥として7月と9月に有機成分を配合した肥料を与えるのが効果的です。このような肥料は、効果が早く現れる成分とゆっくりと効果が現れる有機質がバランス良く配合されているため、安定した肥効が約1〜2ヶ月間持続し、果実の肥大を促します。鉢植えの場合、2月から6月中旬の間にキウイフルーツの成長に勢いが感じられないようであれば、元肥として土に混ぜ込むタイプの肥料を施します。その後、9月下旬から10月中旬になったら、さらに追肥として置き肥タイプの肥料を与えて、秋の成長と翌年の花芽形成をサポートします。肥料は与えすぎると根を傷めることがあるため、推奨されている量を守り、木の様子を見ながら量を調整することが重要です。

剪定:生育を調整する技術とポイント

キウイは、つるを長く伸ばし、非常に活発に成長する植物です。そのため、枝が密集しすぎたり、無駄に伸びる徒長枝が出たりする場合には、定期的な剪定が欠かせません。さらに、伸びたツルや枝を支柱に固定し、適切な形に整えることも、健全な生育と安定した収穫には非常に重要です。キウイの剪定は、通常1月から2月頃の休眠期に行うのが最適です。この時期に剪定することで、木への負担を最小限に抑え、翌年の成長と結実に備えることができます。キウイの枝は1年で5~6mも伸びることがあるため、放置すると棚全体がツルで覆い尽くされ、日光が十分に当たらなくなったり、風通しが悪くなったりします。そのため、特に伸びすぎた枝や、他の枝の光を遮っている枝を選んで重点的に剪定します。キウイは各枝に花芽が多くつくため、細かく枝を吟味して選定する必要はあまりありません。以下の2点に注意して剪定を進めましょう。1つ目は、密集した枝を取り除くことです。枝が密集すると風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなったり、果実への日当たりが悪くなったりします。2つ目は、主幹の上側から伸びた枝や、勢いよく垂直に伸びる徒長枝を取り除くことです。これらの枝は養分を消費しやすく、果実の成長に影響を与えるため、早めに切り取ることが大切です。また、枝が混み合っている場所があれば、間引き剪定を行い、樹全体の風通しを良くしましょう。剪定後の目安としては、棚の横から木漏れ日が差す程度に、適度な空間がある状態を目指します。これにより、樹全体に均一に光が当たり、果実の品質向上につながります。

剪定作業に役立つ道具

キウイのつるは非常に硬いため、剪定作業には切れ味の良い剪定鋏を選びましょう。女性や手の小さい方は、軽量でコンパクトなタイプが扱いやすいです。適切な剪定道具を使用することで、硬いキウイのつるもスムーズに剪定でき、作業効率が大幅に向上します。地植えでキウイを栽培する場合、伸びたツルや枝を棚仕立てに誘引していくのが基本的な方法です。棚仕立てに誘引した後、主枝や第二主枝から新しく出てくる枝のうち、棚の下から生えてくる不要な枝はすべて根元から切り取ります。木全体が成長するにつれて棚全体が枝で混み合ってくるため、風通しを良くし、日当たりを確保するために適宜剪定を行うことが重要です。一方、鉢植えで栽培する場合は、リング状の支柱を使用した「あんどん仕立て」がおすすめです。この仕立て方は、ツルをリング状に巻いてコンパクトに管理でき、限られたスペースでも栽培しやすいという利点があります。あんどん仕立てへの切り替えは、植え付けた翌年の3月頃が目安となり、それまでは仮の支柱を1本立てて苗の成長をサポートします。

挿し木の種類と成功させるコツ

キウイは、主に挿し木という効果的な方法で増やすことができます。この方法は、既存の健康なキウイの木から元気な枝を選んで切り取り、それを新しい苗として育てることで、親株と同じ遺伝子を持つクローンを増殖させることができます。そのため、品種の特性を確実に引き継ぎたい場合に特に有効です。挿し木には、大きく分けて2つの方法があります。1つは、前年に伸びて休眠状態にある硬い枝を使う「休眠枝挿し」です。これは冬に行われることが多く、比較的低い温度で管理します。もう1つは、その年に新しく伸びた、まだ緑色で柔らかい枝を使う「緑枝挿し」です。一般的に、緑枝挿しの方が発根しやすく成功率が高い傾向にあるため、初めてキウイを増やすことに挑戦する方は、まず緑枝挿しから始めるのがおすすめです。成功のコツとしては、挿し穂を適切な長さに切り、葉を数枚残して水分の蒸散を抑えること、そして清潔な用土に挿し、湿度を保ちながら管理することが挙げられます。育苗トレイや小さなポットを用いて、発根するまでの間、適切な温度と湿度を維持することが重要です。これにより、ご家庭で簡単にキウイの株数を増やし、より多くの実を楽しむことが可能です。

摘芯

美味しいキウイを育てるためには、単に水やりや肥料を与えるだけでなく、果実に栄養を集中させ、健全な成長を促すための一連の丁寧な手入れが欠かせません。これらの作業を適切に行うことで、品質の高い大きな果実を効率的に収穫できるようになります。まず、「摘芯」は、枝やツルが旺盛に伸びるキウイにとって非常に重要な作業です。この作業は、余分な栄養が葉や茎の成長に使われるのを防ぎ、花や果実に栄養が効率的に回るようにするために行います。摘芯の基本的なやり方は、果実が付く枝(結果母枝から伸びた結果枝)において、1枝あたり15節ほどを残して、その先の枝や成長点を切り詰めることです。この作業を行うことで、枝の成長を抑制し、果実の肥大を促進します。また、混み合っている場所や、不必要に長く伸びている徒長枝があれば、ついでに切り取っておくと、後の本格的な剪定作業が楽になりますし、木全体の風通しと日当たりが改善され、病害虫のリスクも軽減します。

人工授粉

キウイフルーツ栽培で実を結ぶために欠かせないのが、人の手による受粉作業です。キウイは雌雄異株のため、自然に任せただけでは受粉がうまくいかないことがあります。5月頃に花が咲いたら、確実に受粉させるために人工授粉を行いましょう。メスの花が開いてから3日間が受粉に最適なタイミングです。オスの花から採取した花粉を、絵筆や綿棒を使って丁寧にメスの花のめしべにつけます。オスの花を直接メスの花にこすりつける方法も有効です。もし、メス木とオス木の開花時期がずれてしまったり、オス木がない場合は、市販のキウイフルーツ用花粉を利用することも可能です。丁寧に人工授粉を行うことで、実が確実につき、豊作につながります。

摘果・摘蕾

高品質なキウイフルーツを収穫するためには、「摘果」と「摘蕾」が非常に重要です。キウイフルーツは自然に実が落ちにくい性質があるため、そのままにしておくと栄養が分散し、小ぶりな実ばかりになってしまうことがあります。そこで、まず蕾の段階で「摘蕾」を行い、1本の枝につける蕾の数を2〜4個程度に減らします。キウイフルーツは開花後に急速に成長するため、まだ小さな果実を間引く摘果よりも、蕾の段階で数を減らす摘蕾の方が、栄養を集中させる効果が高いと言えます。そして、蕾が果実として成長し始めたら、さらに「摘果」を行います。生育の悪いもの、傷があるもの、形の悪いものなどを優先的に取り除きましょう。1本の枝につき1〜3個程度まで実の数を減らすことで、残った実に十分な栄養が行き渡り、大きく美味しいキウイフルーツへと成長させることができます。これらの丁寧な作業を行うことで、家庭菜園でもプロ顔負けの、高品質なキウイフルーツの収穫を目指せます。

Image

キウイフルーツの収穫時期

キウイフルーツの収穫に適した時期は、一般的に11月中旬頃とされています。この頃になると、果実は十分に成熟し、追熟によって最高の風味を発揮する準備が整います。特に、葉が落ち始めたら、実の成長が止まったサインとなるため、収穫を開始する目安となります。12月に入ると霜が降りる可能性が高まり、果実が霜に当たると品質が低下してしまうため、遅くとも11月中に収穫を終えるようにしましょう。収穫する際は、果実を傷つけないように丁寧に、ハサミなどで茎から切り取ってください。果実に傷がつくと、そこから熟成が進みすぎたり、腐敗の原因になったりして、長期保存ができなくなることがあります。傷のない状態で収穫し、適切な方法で管理することで、より長く美味しいキウイフルーツを楽しむことができます。カラスなどの鳥は、キウイフルーツがまだ熟していない間はほとんど寄り付かないため、収穫前に防鳥ネットを張る手間が省けるのは、家庭栽培における大きなメリットです。

キウイフルーツの追熟方法

キウイフルーツは、収穫してすぐに食べられる果物ではありません。収穫後に「追熟」という工程を経ることで、甘さと香りが引き出され、美味しく食べられるようになります。木になっている状態では、熟成が完了する前にしおれてしまうことがあるため、必ず収穫後に適切な方法で追熟を行いましょう。追熟の一般的な方法としては、ビニール袋を使うのが簡単です。収穫したキウイフルーツをビニール袋に入れ、リンゴやバナナなど、エチレンガスを多く放出する果物を一緒に入れます。エチレンガスは植物ホルモンの一種で、果物の熟成を促進する働きがあります。このガスがビニール袋の中に充満することで、キウイフルーツの熟成が効率的に進みます。目安として、キウイフルーツ10個に対し、リンゴやバナナを1個程度入れると良いでしょう。袋の口を軽く閉じ、常温(約20℃前後)で1〜2週間ほど置いて追熟させます。追熟が進むと、キウイフルーツの果肉が柔らかくなってきます。指で軽く触って、少し柔らかく感じたら食べ頃です。ただし、柔らかくなりすぎると過熟となり、風味や食感が損なわれるため、定期的に状態を確認することが大切です。適切な追熟を行うことで、家庭で収穫したキウイフルーツを、最も美味しい状態で味わうことができます。

まとめ

このガイドでは、ご自宅でキウイを育てる方法を、その魅力から始まり、具体的な栽培方法、日々のケア、そして収穫後の熟成まで、詳しく解説しました。キウイは、表面の毛のおかげで病害虫に強く、農薬をあまり使わずに育てられるため、初心者でも気軽に挑戦できる果樹です。ビタミンCやE、カリウム、食物繊維、葉酸、ポリフェノールなど、栄養がたっぷり含まれており、「フルーツの王様」とも呼ばれ、健康や美容に良い影響を与えてくれます。実を付けるためには、オスとメスの木を一緒に植える必要があり、適切な土作り、時期に合わせた植え付け、成長を調整するための剪定や誘引、摘果などが大切です。収穫後の熟成方法を知っておくことで、自宅で最高のキウイを味わうことができます。キウイを育てることは、新鮮でおいしい果物を楽しめるだけでなく、生活に彩りを与えてくれるでしょう。このガイドが、あなたのキウイ栽培を成功させ、実り豊かなガーデニングライフを送る手助けになれば幸いです。ぜひ、キウイ栽培に挑戦して、収穫の喜びを体験してみてください。

キウイの栽培は初めてでも簡単ですか?

はい、キウイは比較的簡単に育てられるので、家庭菜園が初めての方にもおすすめです。キウイの表面にある毛のおかげで、他の果物に比べて病害虫の被害を受けにくいというメリットがあります。そのため、農薬の使用を抑えて育てることができ、安心して栽培を楽しめます。また、キウイは生命力が強く、剪定などの手入れも比較的簡単です。暑さや寒さにも強いため、日本の多くの地域で育てることができます。苗から育てると、比較的早く実がなるので、初心者でも成果を実感しやすいでしょう。さらに、収穫後に追熟させることで長く保存でき、手軽に食べられるのも魅力です。

キウイ苗の植え付け時期を逃して、5月や6月に植えても大丈夫?

キウイフルーツの苗の植え付けに最適な時期は、葉が落ちて休眠している10月から12月頃です。寒い地域では、春先の4月以降が良いでしょう。5月や6月はキウイが生育期に入るため、植え付けにはあまり適していません。無理に植え替えや植え付けを行うと、苗木がストレスを感じて根付きが悪くなり、新芽が出ずに枯れてしまうこともあります。葉が生い茂っていても、根が十分に育っていない場合もあるので注意が必要です。できる限り適した時期に植えることを推奨しますが、どうしてもこの時期に植え付ける場合は、こまめな水やりを行い、直射日光を避けた場所で管理するなど、いつも以上に丁寧に育てましょう。鉢植えの場合も、新芽が出てこない場合は根付いていない可能性があり、そのまま枯れてしまうこともあるため、注意深く観察しましょう。

キウイ苗が4年生と記載されていた場合、今年実がなる?

一般的に、キウイフルーツの苗木は植え付け後1~2年で実がなり始めるとされています。もし4年生の苗木を購入されたのであれば、すでに十分に生育した木であると考えられます。適切な管理(雄木による受粉、十分な日当たり、水やり、剪定など)を行えば、今年実がなる可能性は非常に高いでしょう。ただし、幹の太さや枝の育ち具合から見て明らかに若い印象を受ける場合は、記載されている樹齢と実際の生育状況が異なることも考えられます。購入後の環境変化によって一時的に生育が鈍ることもありますが、すぐに実がならなくても焦らずに、適切な管理を続けることが大切です。

購入したキウイ苗がすぐに傷ついてしまった場合の対処法は?

キウイフルーツの苗木、特に若いツルはデリケートで折れやすい性質があります。購入直後にツルが折れてしまった場合は、折れた部分が完全に離れているか、繋がっているかによって対応が変わります。完全に折れてしまっている場合は、折れた箇所から下にある元気な芽の上で切り戻すのが一般的です。こうすることで、そこから新しいツルが伸びてくるのを促します。もし折れた部分が少しでも繋がっているようであれば、添え木をしてテープで固定することで、そのままくっつく可能性もあります。どちらの場合も、苗木はストレスを受けている状態なので、植え付け後は安定した環境で、水の与えすぎや乾燥に注意しながら慎重に管理し、回復を促すことが重要です。

キウイ