キウイ栽培に鶏糞肥料は効果的?甘くて美味しい実を育てる秘訣

甘酸っぱくて栄養満点なキウイフルーツは、家庭菜園でも人気の果物です。特に気になるのが、肥料選びではないでしょうか。中でも鶏糞肥料は、手軽に入手できるため、キウイ栽培への利用を検討している方もいるかもしれません。この記事では、鶏糞肥料がキウイの生育に与える影響や、より甘くて美味しい実を育てるための肥料の与え方について解説します。キウイ栽培の秘訣を掴んで、自家製キウイを楽しみましょう。

キウイフルーツ栽培における甘さの重要性

キウイフルーツは、その独特の甘さと爽やかな酸味で多くの人々に愛されています。豊富な栄養価から「フルーツの王様」とも称されるほどです。家庭菜園での栽培も比較的容易で、庭植えはもちろん、プランターや鉢植えでも楽しむことができます。甘いキウイフルーツを収穫するためには、適切な品種の選択、肥料の与え方、そして収穫後の追熟が欠かせません。

甘さを左右する3つの要素:品種、肥料、追熟

キウイフルーツの甘さを最大限に引き出すためには、品種選び、適切な肥料の管理、そして収穫後の追熟という3つの要素が非常に大切です。品種によって甘さと酸味のバランスは異なり、肥料の種類や与え方によっても味わいが変化します。さらに、キウイフルーツは樹になったままでは完熟しないため、収穫後の追熟こそが甘さを引き出す上で不可欠なプロセスとなるのです。

甘みの強いキウイフルーツの品種選び

キウイフルーツには、果肉の色によって緑色、黄色、赤色といった様々な品種が存在し、それぞれ甘さと酸味のバランスが異なります。緑色の品種は、程よい甘さと酸味が特徴で、保存性にも優れています。より甘みが強く、酸味が少ない品種を求めるのであれば、黄色系や赤色系の品種がおすすめです。ただし、これらの品種は一般的に保存期間が短い傾向にあります。また、キウイフルーツは雌雄異株であるため、実を収穫するためには雌木と雄木の両方を植える必要があります。雌木の開花時期に合わせて、相性の良い雄木を選ぶことが重要です。

キウイフルーツ栽培における肥料の役割

キウイフルーツを甘く育てるためには、品種の選択だけでなく、肥料の種類と与え方も重要なポイントです。キウイフルーツは、窒素、リン酸、カリウムをバランス良く必要とします。しかし、窒素を過剰に与えてしまうと、糖度が下がるだけでなく、病害が発生しやすくなるため注意が必要です。また、これらの主要な要素に加えて、微量要素も必要となるため、春肥には有機質肥料を使用すると効果的です。有機質肥料は、土壌改良効果も期待できます。鶏糞も有機質肥料として利用できます。

キウイフルーツの肥料:時期と施し方

キウイフルーツ栽培において、肥料は生育を大きく左右する要素です。一般的に、春肥(元肥)、夏肥(追肥)、そして礼肥(追肥)と、年に3回の施肥が推奨されています。ここでは、それぞれの肥料が持つ役割、最適な施肥時期、具体的な施し方について詳しく解説していきます。

春肥(元肥):成長の土台作り

春肥(元肥)は、一年を通してのキウイの生育を支える、非常に重要な肥料です。施肥のベストタイミングは2月。3月になると根の活動が活発になるため、その前に肥料を与えるようにしましょう。特におすすめなのは有機肥料です。例えば、油かすや鶏糞などをしっかりと発酵させてから使うと良いでしょう。もし臭いが気になるようでしたら、有機成分を配合した肥料を選ぶのも一つの方法です。

夏肥(追肥):果実の成長を力強くサポート

春肥の効果が徐々に薄れてくる6月頃に、夏肥(追肥)を行います。この時期はキウイの果実が急速に大きくなる大切な時期なので、肥料不足にならないように注意が必要です。速効性が期待できる化成肥料が適しています。窒素、リン酸、カリウムがバランス良く含まれている肥料を選ぶと、効果的に果実の肥大を促進できます。

礼肥(追肥):収穫後の樹をいたわる

収穫を終えたキウイの樹は、多くのエネルギーを消耗しています。その体力を回復させるために、11月頃に礼肥(追肥)を施します。落葉してしまうと肥料の吸収が悪くなるため、収穫が遅い品種の場合でも、収穫が終わるのを待たずに施肥するのがポイントです。夏肥と同様に、即効性のある化成肥料がおすすめです。窒素、リン酸、カリウムが均等に含まれた肥料を選び、樹へのいたわりを込めて施しましょう。

 

キウイフルーツ栽培におすすめの肥料

キウイフルーツを育てる上で、肥料選びは非常に重要です。肥料には大きく分けて有機肥料と化成肥料があり、それぞれに特性があります。ここでは、キウイフルーツに適した肥料の種類と、その選び方について解説します。

有機肥料:土壌を活性化し、緩やかに効果を発揮

有機肥料は、土壌の微生物を活性化させ、キウイフルーツの生育に必要な養分をゆっくりと供給します。そのため、土壌環境を改善しながら、じっくりと樹を育てたい場合に適しています。代表的なものとしては、油かすや鶏糞、米ぬかなどが挙げられます。

油かす:窒素分が豊富な有機肥料の代表格

油かすは、菜種や大豆などの油を搾った後の搾りかすを原料とする肥料です。窒素を多く含み、キウイフルーツの生育を促進する効果が期待できます。特に、生育が旺盛になる春先の施肥に適しています。ただし、リン酸が少ないため、骨粉などリン酸を多く含む肥料と併用すると、より効果的です。

鶏糞:バランス良く栄養を補給できる有機肥料

鶏糞は、鶏の排泄物を乾燥・発酵させたもので、窒素、リン酸、カリウムの三要素をバランス良く含んでいます。他の有機肥料に比べて効果が現れるのが比較的早いため、肥料焼けに注意が必要です。必ず十分に発酵させたものを使用し、特に苗木への使用は慎重に行いましょう。

米ぬか:穏やかに効くリン酸肥料

お米を精米する際に出る米ぬかは、優れた有機肥料として活用できます。特にリン酸を豊富に含み、加えて窒素やカリウムもバランス良く含有。土壌中の微生物を活発にする効果も期待できます。肥料として利用するなら、脱脂米ぬかが扱いやすいでしょう。生の米ぬかは分解に時間がかかり、場合によっては害虫や雑菌の発生源となることも。発酵を促進させる目的での使用がおすすめです。

市販の有機肥料:手軽さが魅力の配合肥料

有機肥料は、製品ごとに肥料成分の配合が異なるため、扱いにくさを感じるかもしれません。そんな時は、市販されている有機肥料を利用するのがおすすめです。必要な成分や使用方法が分かりやすく記載されているので、初心者でも安心して使えます。例えば、花ごころの「果樹・花木の肥料」や大和の「甘いフルーツの肥料」などが挙げられます。

化成肥料:即効性と持続性の組み合わせ

化成肥料には、効果が早く現れる成分と、ゆっくりと効果が持続する成分を併せ持つものが多いのが特徴です。そのため、庭植えの追肥や鉢植えに最適です。有機肥料のにおいや虫が気になる場合は、有機成分を配合した化成肥料を選ぶのも良いでしょう。

化成肥料8-8-8:基本となるバランス肥料

化成肥料8-8-8は、窒素、リン酸、カリウムの3要素が均等に含まれているため、多くの植物に利用できる汎用性の高い肥料です。成分量が控えめなので、肥料焼けの心配も少なく、安心して使用できます。

ベジフル配合肥料:腐植酸で栄養吸収をサポート

住友化学園芸のベジフル配合肥料は、腐植酸を配合することにより、植物が必要とする栄養素の吸収を促進します。肥料成分は特殊なコーティングが施されており、土壌の温度や植物の成長段階に応じて溶け出す量が調整されるため、効果が長続きします。

かんたん錠剤肥料:追肥に最適

ハイポネックスジャパンの「錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用」は、土に置くだけで効果が現れる、使いやすい錠剤タイプの肥料です。キウイの成長に必要な窒素、リン酸、カリウムのバランスが良く、さらにマグネシウム、マンガン、ホウ素などの微量要素も配合されています。

液体肥料:弱ったキウイの木に活力を

ハイポネックスの「ハイポネックス原液」をはじめとする液体肥料は、キウイの木が弱っている時に与えることで、樹勢の回復を促す効果が期待できます。

肥料の使用量、与える頻度、時期については、あくまでも目安としてください。肥料の種類によって成分の配合割合や使用方法が異なることがあるため、使用前には必ず製品のラベルをよく確認しましょう。

キウイの収穫時期と追熟のポイント

キウイフルーツは、木になっている状態では完全に熟さないため、収穫時期を見極めることが大切です。通常は、それぞれの品種に適した収穫時期を目安として収穫を行います。収穫時期を少し遅らせることで、保存期間は短くなりますが、より甘みの強いキウイフルーツを収穫することができます。収穫したキウイフルーツは追熟させる必要があります。追熟にはエチレンという植物ホルモンが不可欠で、リンゴ(特に王林やツルガ)から多く放出されます。リンゴと一緒にポリ袋に入れ、15℃~20℃の環境で保存すると追熟が促進されます。追熟促進剤を使用すれば、より均一に追熟させることが可能です。

キウイ栽培成功の秘訣:剪定と摘果

美味しいキウイを実らせるには、肥料に加え、土壌の手入れ、剪定作業、そして摘果が欠かせません。有機肥料を積極的に活用し、冬の間に適切な剪定を行いましょう。また、摘果を適切に行わない場合、小ぶりなキウイばかりになってしまいます。

まとめ

美味しいキウイを収穫するためには、品種選びから始まり、肥料の与え方、収穫後の追熟、そして剪定や摘果といった日々の管理が大切です。キウイの木の寿命はおよそ30年と言われています。丹精込めて育てることで、毎年甘いキウイを味わうことができるでしょう。

キウイの肥料はどのタイミングで与えるのがベストですか?

キウイの肥料は、春肥(2月頃)、夏肥(6月頃)、秋肥(11月頃)の年に3回施すのが基本です。春肥は成長の土台を作り、夏肥は実を大きく育て、秋肥は収穫後の樹の回復をサポートします。

有機肥料と化成肥料、どちらを選ぶべき?

有機肥料は、土壌環境を改善し、効果が穏やかに持続する点が特徴です。一方、化成肥料は即効性があり、効果が比較的早く現れます。どちらが優れているとは断言できませんが、有機肥料をベースとして使用し、必要に応じて化成肥料を追肥として利用する方法が推奨されます。

キウイフルーツの追熟を促すには?

キウイフルーツの追熟には、植物ホルモンの一種であるエチレンが不可欠です。特にリンゴ(王林やツルガなど)はエチレンを多く放出するため、キウイフルーツと一緒にポリ袋に入れて保存することで追熟を促進できます。最適な温度は15℃~20℃です。

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