7月に種まきできる野菜:家庭菜園でまだ間に合う!

家庭菜園を楽しんでいる皆さん、7月に入り、畑を眺めて「今年はもう何も育てられないかな…」と思っていませんか?確かに、多くの野菜は春や秋に種まきをするイメージがありますが、諦めるのはまだ早い!実は、7月からでも間に合う野菜がたくさんあるんです。暑さに強く、生育が早い品種を選べば、夏から秋にかけて収穫の喜びを味わえます。この記事では、家庭菜園初心者さんでも育てやすい、7月に種まきできるおすすめ野菜と、栽培のポイントを分かりやすくご紹介します。さあ、夏野菜の収穫に間に合わせましょう!

家庭菜園の基礎知識と6月・7月の栽培チャンス

野菜作りは通常、「春まき」(3月から5月)と「秋まき」(8月から9月)の2つの主要な時期に分けられ、地域の気候条件によって多少前後することがありますが、これが基本的なサイクルです。しかし、その間の6月から7月は、一般的に種まきには適さない時期とされています。なぜなら、6月に入ると気温が上昇し、特に7月は梅雨明けでさらに気温が高くなるため、作物の発芽や成長に悪影響を及ぼす可能性があるからです。例えば、レタスやニンジンなどの「春まき野菜」は、5月以前、できれば4月中に種をまくのが理想的であり、6月から7月では遅すぎると言えるでしょう。しかし、すべての野菜が厳密な時期を守る必要があるわけではありません。実際には、暑さに強く成長が早い「まだ間に合う野菜」も多く存在し、これらは6月から7月に種をまいても、7月下旬から8月には収穫が期待できます。これらの野菜は、短期間で育つだけでなく、栄養価が高いものが多いのも魅力です。今回ご紹介する野菜は、プランターでの栽培も可能なものがほとんどですが、「間に合う」ということは「最適な時期ではない」ということを理解しておきましょう。うまく育てるためには、作物ごとにいくつかのポイントを押さえることが重要です。ぜひ、挑戦してみてください。

6月・7月から栽培可能な、短期間で育つおすすめ夏野菜

6月から7月に栽培を開始しても、比較的短い期間で収穫が見込める夏野菜を具体的にご紹介します。これらの野菜は、夏の暑さに強く、成長が早いため、家庭菜園初心者でも比較的簡単に育てることができます。それぞれの野菜を栽培する上でのポイントを参考に、ぜひ挑戦してみてください。

空芯菜(クウシンサイ):驚くべき成長力と豊富な栄養

空芯菜は、収穫までの期間が約40日から45日と非常に短い、東南アジア原産の野菜です。日本では古くから沖縄を中心に栽培されており、「エンサイ」や「ヨウサイ」とも呼ばれていますが、茎が空洞になっていることから「空芯菜」という名前で広く知られています。その最大の魅力は、シャキシャキとした独特の食感です。熱帯または亜熱帯原産の野菜であるため、夏の暑さに強く、育てやすいのが特徴です。また、栄養も豊富で、特にカルシウムはホウレンソウの約5倍も含まれており、健康志向の方にもおすすめです。栽培のポイントとしては、一度収穫しても株を残しておけば、何度も収穫できる点が挙げられます。草丈が30cm程度に成長したら、株元を5cmほど残して収穫しましょう。実際、1株から10回以上収穫できたという例も多く報告されており、長期間にわたって収穫を楽しめる、非常に経済的な野菜です。

ホウレンソウ:日陰でも育つ代表的な葉物野菜

ホウレンソウの収穫目安は30日から40日と、空芯菜と同様に短期間での収穫が可能です。小松菜や水菜などの多くの葉物野菜は、発芽が早く収穫までの期間が短いため、6月以降の栽培でも夏の収穫に間に合わせることができます。その中でも、家庭菜園に特におすすめしたいのがホウレンソウです。ホウレンソウ自体の適正温度は15℃から20℃と、夏の暑さには比較的弱い野菜ですが、半日陰のような場所でも育てられるのが大きな利点です。日当たりの良い場所が限られている家庭菜園でも栽培しやすく、プランターでの栽培も可能なため、ちょっとしたスペースでも手軽に栽培できるのが魅力です。草丈が20cm程度になったら、順次収穫して、新鮮なホウレンソウを味わいましょう。

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枝豆:夏の食卓を彩る、品種選びが成功の秘訣

夏と言えば枝豆、という方も多いのではないでしょうか。枝豆は、6月から7月にかけて種をまけば、8月には収穫できる身近な野菜です。収穫までの期間は約70~75日と、他の葉物野菜に比べるとやや長く感じますが、自分で育てた枝豆を味わう喜びはひとしおです。栽培で最も重要なのは、品種選びです。種袋に「晩生」や「極早生」といった表記がある品種を選ぶと良いでしょう。枝豆は根が浅いため、乾燥には注意が必要です。こまめな水やりを心がけましょう。ただし、多湿も苦手とするため、一度に大量の水を与えるのではなく、回数を増やして土壌の湿度を適切に保つことが大切です。プランターで栽培する場合は、土の表面が乾いたタイミングで水を与えるのがおすすめです。適切な水やりで、美味しい枝豆を育てましょう。

きゅうり:苗から育てて、手軽にスピード収穫

きゅうりは、種から育てると収穫まで約60日かかります。果菜類の中では比較的早い方ですが、6月から7月に栽培を始める場合は、苗から育てることで収穫までの時間を短縮できます。苗を植え付けてから約1ヶ月半で収穫できるため、7月下旬から8月にかけて収穫を楽しめます。きゅうりの生育に適した温度は18~28℃と幅広く、この時期はぐんぐん成長する様子を観察できます。収穫量を増やすためには、実が熟したら早めに収穫することが重要です。そうすることで、きゅうりは種を大きくすることにエネルギーを使わず、次々と新しい実をつけるようになります。新鮮でみずみずしいきゅうりをたくさん収穫するために、こまめな収穫を心がけましょう。

スイートコーン(極早生品種):鮮度が命!甘さを最大限に引き出すには

スイートコーンは、トウモロコシの中でも特に甘みが強い品種の総称で、収穫までの期間は約70~80日です。6月から7月に種をまけば、8月中旬には収穫できる可能性があります。スイートコーンは高温を好むため、発芽には25~30℃程度の気温が必要です。そのため、寒冷地での栽培には不向きですが、関東地方以西の温暖な地域であれば十分に育てることができます。品種選びは非常に重要で、「早生」、できれば「極早生」と表示された品種を選ぶことで、8月中旬の収穫がより確実になります。スイートコーンを美味しく味わうための秘訣は、収穫のタイミングと食べ方にあります。収穫後、時間が経つにつれて糖度が低下するため、早朝に収穫し、すぐに調理して食べるのがおすすめです。スイートコーンは病害には比較的強いものの、甘い実を求めて鳥や害虫が寄ってくることがあります。そのため、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。

長ネギ(根深ネギ・白ネギ):土寄せで甘みを引き出す、夏植え栽培

ネギには大きく分けて、白い茎を主に食べる長ネギ(根深ネギ・白ネギ)と、緑色の葉も一緒に食べる葉ネギの2種類があります。長ネギは7月頃に苗を植え、その後、数回に分けて土寄せをすることで、白い茎の部分を長く育てます。種から育てるのは手間がかかるため、初心者の方は、夏の時期に苗を植えることから始めるのがおすすめです。苗の植え付け時期は7月頃で、収穫時期は11月〜2月頃とやや長めですが、霜に当たることで甘さが増すのが特徴です。長ネギは、水はけの良い肥沃な土壌を好みます。栽培難易度は比較的低く、初心者にもおすすめです(苗からの場合)。 長ネギは酸性の土壌を嫌い、pH6.0〜6.5の弱酸性を好みます。酸度計や試験紙などでpHを測定し、酸性の場合は有機石灰などを用いて調整しましょう。pHの変化には時間がかかるため、一度に調整しようとせず、半年ごとにチェックしながら徐々に調整するのが効果的です。また、長ネギは水はけの良い場所を好むため、粘土質の土や水はけの悪い場所では畝を高めにし、堆肥やもみ殻くん炭などを混ぜて、土の排水性を改善することが重要です。肥えた土を好むため、植え付けの1カ月ほど前には完熟堆肥をしっかりと施しますが、肥料の与えすぎは害虫の発生を招く可能性があるため注意し、追肥で調整することも考慮しましょう。 栽培期間が長い長ネギは、苗を購入して植え付けるのがおすすめです。購入した苗は植えるまで水につけておきましょう。溝を掘り、片面に立てかけるように10〜15センチほどの間隔で苗を並べていきます。この際、隣同士の苗の大きさに差があると、小さい苗が育ちにくくなるため、できるだけ大きさが近いもの同士を隣り合わせて植えるのがポイントです。根が隠れる程度に浅く土を被せ、しっかりと土を押さえて固定します。さらに、根元にワラや枯れ草などを敷き詰めることで、土の乾燥を防ぎ、苗の活着を促します。 植え付け後は、月に1回くらいのペースで追肥を施しながら、土寄せを行います。土寄せをすることで、土に埋まっている部分が白く柔らかい状態になるため、これを繰り返すことで白い茎の部分を長く、美味しく育てていきます。また、雑草に埋もれるとネギが負けてしまいやすいため、周囲の雑草は早めに刈り取って、ネギの生育スペースを確保しましょう。3回ほど土寄せが終わり、白い部分が十分に増えてきたらいつでも収穫できます。しかし、長ネギが最も美味しくなるのは、霜に当たることで甘さが増してからです。大きく育ったものから順に、根ごと引き抜いて収穫していくと、より甘く美味しい長ネギを長く楽しめます。 プランターでも長ネギの栽培は可能ですが、白い部分を十分に伸ばしたい場合は、深さのあるプランターを選ぶ必要があります。長ネギは過湿に弱いため、日当たりと風通しの良い場所に設置し、水のやりすぎには特に注意して管理しましょう。

つるありインゲン:手間をかけて、長く収穫する喜びを

インゲンには、つるなしタイプとつるありタイプが存在しますが、夏の時期に種をまくなら、収穫量が見込めるつるあり種がおすすめです。ただし、インゲンは土壌中のセンチュウを増加させる可能性があるため、過去にセンチュウによる被害があった畑では注意が必要です。夏まきの場合、種まきに適した時期は7月頃で、収穫は9月下旬から11月頃になります。水はけの良い土壌が適しており、栽培難易度は比較的容易です。 マメ科の植物の中では、やや肥沃な土壌を好む傾向があるため、植え付けを行う1カ月前には、十分に完熟した堆肥を混ぜ込み、土壌を肥沃にしておくことが大切です。また、インゲンは酸性の土壌を嫌うため、pH6.0〜6.5程度が理想的です。土壌が酸性に偏っている場合は、有機石灰などを使用してpHを調整することが重要です。 インゲンは種からでも苗からでも栽培できますが、収穫量を最大化したいのであれば、種から育てるのがおすすめです。種をまく際は、株間を30センチ程度空け、1箇所に3粒ずつ、深さ1センチを目安に植え付けます。豆類は鳥に食べられやすいため、種をまいた後は、ネットや不織布などで覆い、鳥害対策を行いましょう。本葉が2〜3枚程度になったら、生育の良いものを1本間引き、最終的に2本立てで育てます。 つるありインゲンは、成長につれてつるが伸びてくるため、支柱を立ててネットを張り、つるを誘引する必要があります。つるが密集すると、株全体の風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなるため、早めにネットにつるを均等に広げてあげることが重要です。 サヤが大きくなりすぎると、実が硬くなるだけでなく、植物が種子の成長にエネルギーを使いすぎてしまい、株自体の寿命を縮めてしまいます。できるだけ若いサヤを早めに収穫することで、株への負担を減らし、長期間にわたって収穫を楽しむことができます。こまめな収穫が、株の活性を維持する秘訣です。 つるありインゲンは、プランターなどでも栽培可能です。ただし、ベランダなどの閉鎖的な空間では風通しが悪くなりがちで、病害虫が発生しやすくなることがあります。これを防ぐためには、グリーンカーテンのようにしっかりとネットを張り、つるを広げて日当たりと風通しを良くする工夫が必要です。

ホームタマネギ:手軽さとスピードが魅力のタマネギ栽培

ホームタマネギとは、通常のタマネギのように種や苗から育てるのではなく、前年に収穫した小ぶりのタマネギ(種球)を乾燥させて保存しておき、それをそのまま植え付けて栽培する方法です。この方法を用いることで、種や苗から育てるよりも早く、そして確実にタマネギを育てることができます。苗の植え付け時期は7月中旬から9月頃、収穫時期は11月から1月頃です。水もちと水はけが良く、肥沃な土壌が適しています。家庭菜園初心者でも比較的簡単に挑戦できる野菜です。 タマネギは水はけの良い土壌を好むため、粘土質の畑などでは畝を高くすることが推奨されます。しかし、土が乾燥しすぎると、タマネギが養分を十分に吸収できなくなったり、土自体へのダメージが大きくなるため注意が必要です。特に夏場は土が乾燥しやすいため、晴れた日の昼間に土を耕すと一気に土が乾き、タマネギの根の活着が悪くなる可能性があるため避けましょう。タマネギは肥沃な土壌を好むため、植え付け前に完熟堆肥をしっかりと施しておくことが重要です。 小さめのタマネギの種球を10〜15センチ間隔で植え付け、頭が軽く隠れる程度の深さに埋めます。植え付け後はたっぷりと水やりを行い、土と種球がしっかりと密着するようにしましょう。乾燥しやすい時期の植え付けになるため、晴れた日の昼間の植え付けは避け、早朝や夕方に行うのが理想的です。また、マルチング(ワラやビニールなどで土の表面を覆うこと)をして土の乾燥を防ぐことで、成功率が高まります。 通常のタマネギと同様に、葉が倒れて枯れてきたら収穫のサインです。貯蔵性を高めるためには、晴れた日に収穫し、風通しの良い場所で数日間乾燥させてから保管しましょう。 プランターでもホームタマネギの栽培は容易に行えます。ただし、夏場のプランターは土が非常に乾燥しやすいため、水切れには特に注意し、こまめな水やりを心がける必要があります。

スイスチャード(フダンソウ):彩り豊かな、夏に強い葉物野菜

スイスチャードは、西洋フダンソウとも呼ばれる葉物野菜で、葉柄が赤や黄、白などカラフルなのが特徴です。夏の暑さに強い葉物野菜は限られていますが、スイスチャードは暑さに非常に強く、夏場に種まきできる貴重な存在として家庭菜園で人気を集めています。種まき時期は4月から10月頃と幅広く、夏まきでも十分に育ち、収穫時期は7月から1月頃と長期間楽しめます。水はけの良い土壌が適しています。非常に育てやすい野菜です。 スイスチャードは酸性の土壌を嫌い、pH6.0〜7.0の中性から弱アルカリ性を好みます。土壌が酸性に傾いている場合は、有機石灰などを入れて中和する調整が必要です。また、水はけの良い土壌を好むため、水はけの悪い畑では畝を高くしたり、完熟堆肥やもみ殻くん炭などを用いて土質改善を行うことで、健全な生育を促します。 スイスチャードは比較的栽培しやすい野菜ですが、発芽しないことが失敗の主な原因として挙げられます。種の殻が硬く、水分が浸透しにくいため、種まきの前に一晩水につけておくことで発芽しやすくなります。深さ1センチほどで筋まきし、発芽後は隣同士の葉が軽く触れ合う程度の間隔で随時間引いていきましょう。最終的には15〜20センチほどの間隔になるまで間引くことで、株が大きく育ちます。 葉が15〜20センチほどの大きさになったら、外側の葉を一枚ずつハサミで切って収穫していきます。大きいものから収穫していくことで、時間が経つと内側の葉が再び大きく成長し、長期間にわたって収穫を楽しむことができます。気温の高い時期は特に、葉を大きくしすぎると硬くなる傾向があるため、早めの収穫をおすすめします。 プランターでの栽培も簡単で、春から秋にかけて栽培できるため、時期を少しずつずらして種まきを行うことで、長期間にわたって新鮮なスイスチャードを収穫して楽しむことができます。

コマツナ:一年を通して栽培できる、頼れる葉物野菜

コマツナは、通常は秋や春に栽培されることが多い野菜ですが、近年では暑さに強い品種も開発されており、それらを選べば夏にも栽培が可能です。アクが少なく、炒め物やおひたしなど、さまざまな料理に使える万能な葉物野菜です。種まき時期は3月から10月と非常に長く、収穫時期は5月から12月とほぼ一年中楽しめます。水はけの良い土壌が適しています。家庭菜園初心者でも手軽に始められる、非常に育てやすい野菜です。 コマツナは、あまり肥沃でない畑でも比較的容易に成長しますが、より良い生育のためには土づくりも大切です。堆肥を使用する場合は、種まきの2〜3週間前には施しておくことで、土壌が安定し、養分が均等に行き渡るようになります。 コマツナは、1センチほどの深さの溝を掘り、1センチ間隔で筋まきしていきます。夏場は土が乾燥しやすいため、種まき後に寒冷紗などを被せておき、強い日差しを和らげ、土の乾燥を防ぐと発芽率が向上します。本葉が2〜3枚出てきた段階から、隣同士の葉が重ならないように、適宜間引いていきましょう。間引きが遅れると、株が密集して風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなるため注意が必要です。 気温の高い時期は葉が硬くなりやすいので、葉が15〜20センチほどに成長した段階から、根元をハサミなどで刈り取って早めに収穫することをおすすめします。適切な時期に収穫することで、柔らかく美味しいコマツナを味わえます。 プランターでの栽培も非常に簡単で、ほぼ一年中種まきが可能です。夏場は特にプランター内の風通しが悪くなると、アブラムシなどの病害虫が発生しやすくなるため、適切な間引きを早めに行い、株間の風通しを良くすることが、健康な生育を促す鍵となります。

土壌の乾燥対策と適切な水やり

7月中旬から下旬以降は梅雨が明け、気温が非常に高くなり、土が乾きやすい時期になります。この時期の土の乾燥は、野菜が生育に必要な水分を不足させるだけでなく、土から栄養を十分に吸収できなくなり、土自体へのダメージも大きくなるため、適切な対策が重要です。まず、藁や雑草、ビニールシートなどで土の表面を覆う「マルチング」を行うことで、土からの水分の蒸発を防ぎ、乾燥を大きく抑えられます。雨が降らない日が続く場合は、水やりも必要ですが、気温の高い日中などに水をやってもすぐに蒸発してしまうため、効果的ではありません。水やりは、曇りの日や気温が下がり始める夕方に、土の奥深くまでしっかりと行き渡るようにたっぷりと与えることが大切です。これにより、野菜の根が必要な水分を効率的に吸収できるようになり、夏場の厳しい環境下でも健康な生育を維持できます。

8月からの家庭菜園:秋冬野菜の準備と秋まき栽培の利点

8月に入ると、夏の真っ盛りですが、家庭菜園では「秋冬野菜の準備」を始める時期となります。まだ気温が高く日差しも強い時期ですが、美味しい秋冬野菜を収穫するためには、この時期から「秋まき」に向けた準備を進めることが大切です。具体的な準備としては、夏に育てた作物の根を取り除き、土に適切な肥料を混ぜて土壌を整える期間となります。この土壌準備は、健康な秋冬野菜の育成に不可欠であり、次の栽培シーズンに向けて土の力を回復させる重要な作業です。

秋に種をまいて野菜を育てることには、いくつかの大きな利点があります。一番のメリットは、気温の低下とともに虫の活動が落ち着くため、害虫の被害が少ないことです。これにより、農薬の使用を減らすことができ、より安全な野菜作りを目指せます。害虫が減ることは、結果的に病気のリスクも減らし、健全な生育を促進します。また、夏の暑さの中で農作業をするのと比べると、気候が穏やかになる秋は、作業自体が楽になるという身体的な利点も大きいでしょう。一方でデメリットとしては、気温が下がるにつれて作物の成長がゆっくりになるため、春に種をまく野菜と比べて収穫までの期間が長くなる傾向がある点が挙げられます。秋まきに適した野菜は、基本的に寒さに強い品種が選ばれます。これは、野菜が冬の寒さによる凍結を防ぐために水分を糖分に変える性質を持つためで、結果として、多くの秋まき野菜は糖度が高く、甘くて美味しい野菜が収穫できるという特徴があります。具体的には、白菜、大根、ブロッコリー、じゃがいも、ニンニク、玉ねぎ、キャベツなどが秋まきに適した代表的な野菜として挙げられます。

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まとめ

この記事では、一般的に種まきには遅いとされる6月~7月でも、家庭菜園で短期間に収穫できるおすすめの夏野菜とその栽培のポイント、さらに8月からの秋冬野菜の準備、そして夏場の栽培における土の乾燥対策について解説しました。野菜栽培には「春まき」や「秋まき」といった適切な時期があるのは事実ですが、様々な事情で時期がずれてしまったり、家庭菜園を始めようと思ったのがたまたま6月~7月だったり、タイミングが合わないこともあると思います。そんな時でも諦めずに、今回紹介したような暑さに強く生育が早い野菜を選べば、真夏の収穫や、その後の秋冬野菜へと繋がる栽培を楽しめます。本記事が、皆様の家庭菜園ライフの手助けになれば幸いです。

6月、7月から種を蒔いても間に合う野菜はありますか?

はい、ご安心ください。6月や7月に種まきを始めても、その年のうちに収穫できる野菜はたくさんあります。これらの野菜は、暑さに強く、比較的短期間で成長するのが特徴です。例えば、空心菜(収穫まで約1ヶ月半)、ほうれん草(1ヶ月強)、枝豆(2ヶ月半程度)、きゅうり(苗から育てて約1ヶ月半)、スイートコーン(早生品種なら2ヶ月半程度)などが挙げられます。その他、夏に植える長ネギは冬に、つるありインゲンは秋に、ホーム玉ねぎは晩秋から初冬に、スイスチャードや小松菜は比較的長い期間収穫を楽しめます。ただし、これらの時期は最適な種まき時期ではない場合もあるため、それぞれの野菜に適した方法で栽培することが大切です。

夏に種を蒔く場合、初心者でも育てやすい野菜はありますか?

夏から種まきを始める初心者の方に特におすすめなのは、空心菜です。空心菜は非常に育てやすく、ほとんど手間をかけなくても育つため、初心者向けと言えるでしょう。水耕栽培も可能です。また、ほうれん草も比較的早く発芽し、短期間で収穫できる葉物野菜で、日当たりの良い場所でなくても育てられるため、家庭菜園のスペースが限られている方にもおすすめです。長ネギ、つるありインゲン、ホーム玉ねぎ、スイスチャード、小松菜なども比較的育てやすい野菜として知られています。枝豆やきゅうりも育てやすい部類に入りますが、特に空心菜とほうれん草は、手軽に始められるでしょう。

空心菜が初心者におすすめなのはなぜですか?

空心菜が初心者の方に推奨されるのは、栽培のしやすさ、収穫量の多さ、調理の簡単さなどが理由として挙げられます。栽培に関しては、暑さに非常に強く、手間をかけなくても育つため、栽培の手間が少ないのが特徴です。土を使わずに水だけで育てることもでき、一度植えれば何度も収穫できるため、たくさん収穫できます。さらに、調理も簡単で、炒め物など、シンプルな調理法で美味しく食べられるため、初心者でも気軽に栽培から食卓まで楽しむことができます。

夏の野菜栽培で気をつけることはありますか?

夏の暑い時期に野菜を育てる際には、いくつかの注意点があります。まず、夏の高温は種の発芽を妨げたり、生育を遅らせる原因となることがあります。そのため、暑さに強い品種を選ぶことが大切です。また、枝豆のように根が浅く乾燥しやすい野菜は、こまめな水やりが必要ですが、水の与えすぎにも注意しましょう。スイートコーンのように、鳥や害虫に狙われやすい野菜には、適切な対策を講じることが重要です。強い日差しを避けるために、半日陰でも育つほうれん草を選んだり、遮光ネットを利用するのも効果的です。特に梅雨明け後は土が乾燥しやすいため、マルチングをしたり、朝夕にたっぷりと水を与えるなど、乾燥対策を心がけましょう。

秋野菜の準備はいつ頃から始めるのがベスト?

一般的に、秋野菜の準備は8月に入ってから開始するのがおすすめです。真夏ではありますが、秋の栽培シーズンに向けて土壌を整える大切な期間となります。夏野菜の収穫が終わった後の土壌を耕し、適切な肥料を混ぜて土壌を豊かにすることが主な作業です。この準備期間を設けることで、害虫が少なく、比較的作業しやすい秋の気候の中、美味しい秋野菜を効率的に育てることが可能になります。

7月に種まきや植え付けができる具体的な野菜は何?

7月は様々な野菜の種まきや植え付けに適した時期です。葉物野菜では、生育旺盛で栄養豊富な「空芯菜」、日陰でも育ちやすい「ホウレンソウ」、彩り豊かで夏に強い「スイスチャード」、そして一年を通して栽培できる「コマツナ」が挙げられます。豆類では、夏の定番である「枝豆」の晩生品種や早生品種がおすすめです。果菜類では、苗から育てることで比較的早く収穫できる「きゅうり」や、極早生品種の「スイートコーン」が良いでしょう。秋冬の収穫を目指すなら、苗を植え付けて土寄せを行うことで白い部分を長く育てられる「長ネギ」、種球を植え付ける「ホームタマネギ」、つるありの「インゲン」なども7月から栽培を始めることができます。

長ネギ栽培で白い部分を長くするにはどうすれば良い?

長ネギの白い部分を長く育てるには、何と言っても「土寄せ」が重要です。植え付け後、ネギの成長に合わせて月に一度くらいのペースで追肥を行い、株元に土を寄せていきましょう。土に埋まっている部分は日光が当たらないため白く柔らかくなり、この作業を繰り返すことで白い部分が長く成長します。土寄せと同時に、周囲の雑草をこまめに刈り取ることも大切です。さらに、長ネギの甘みを最大限に引き出すためには、霜が降りる冬まで収穫を待つのがおすすめです。プランター栽培の場合は、深めのプランターを選び、土寄せがしやすい環境を作ることが重要になります。

ホームタマネギと普通のタマネギは何が違うの?

ホームタマネギの最大の特徴は、種や苗から育てる通常のタマネギと異なり、前年に収穫して乾燥・貯蔵しておいた小さなタマネギ、いわゆる「種球」を直接植え付けて栽培する点です。この方法の利点は、種や苗から育てるよりも収穫までの期間が短く、確実に収穫できることです。一般的に7月中旬から9月頃に植え付けを行い、11月から1月頃には収穫できます。通常のタマネギ栽培に比べて、育苗の手間が省けるため、初心者の方でも比較的簡単に栽培できるのが魅力です。

スイスチャードの発芽を成功させる秘訣はありますか?

スイスチャードは比較的育てやすい野菜として知られていますが、種子の外皮が硬いため、水分が内部に浸透しにくく、発芽に手間取ることがあります。そこで、発芽率を上げるために最も推奨される方法は、種を植える前に一晩水に浸けておくことです。この処理によって種子の外皮が柔らかくなり、水分を吸収しやすくなるため、発芽が促進されます。さらに、深さ1センチを目安に筋状に種をまき、発芽後に適切な間隔を空けて間引きを行うことが、その後の生育を良好に保つために重要です。

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