棗とは - スイーツモール

棗とは

棗とは

私たちの世界は数えきれないほどのフルーツとその変わり種で満たされています。一部は広く知られ、毎日の食事の一部となっていますが、他の一部はそれほど注目されていません。その一つ、あまり耳にしないかもしれませんが、その風味と健康効果には驚かされることでしょう、それが“棗”(なつめ)です。今回は、その豊かな歴史、特徴、そしてなぜ私たちがそれをもっと認識すべきかについて掘り下げてみましょう。

棗とは

棗(なつめ)は茶道の道具であり、その形状は一般的に、丸みを帯びた漆塗りの容器という特徴があります。これは中国に起源を持つブンナ属の植物、またその甘い果実「棗」によく似ています。
棗という名前は、その形状が干した棗の実に似ていることから命名されました。これは日本で「なつめ」や「なつめやし」、さらに一部地域では「ネッズミモモ」などとも称される植物です。

この名前の由来である「棗」は、中国伝統医学である漢方薬の材料として用いられ、免疫力を向上させる働きや滋養強壮の効果などに利用されます。また、その甘さと柔らかな食感から料理やデザートの食材として人気がある一方、その木は庭木としても鑑賞価値があります。

棗という、粉末状の抹茶を収める茶器は、その丸みを帯びた形状や滑らかな漆塗りの質感から生まれた名前ですが、それは茶文化と深い関連を持つ植物「棗」の美しい実となる。その魅力や用途は多岐にわたりますが、まだ広くは知られていません。一度、この「棗」の存在を確認し、その美しさや風味を享受することで、新たな魅力を見つけることができるかもしれません。

棗の種類

棗はさまざまな種類が存在しますが、その中でも「大棗」、「薄皮棗」、「牛舌棗」、「黒棗」などが代表的です。各々に特異な特徴が見られ、食材としての活用は多岐にわたります。


「大棗」はその名の通り大きなサイズが特徴で、まるで肉の分厚さを思わせるその厚さが特徴です。これは冬の乾物や、煮物、甘露煮などに使われます。


次に「薄皮棗」はその皮が薄いことから名付けられており、飽きの来ない滑らかな食感を楽しむことができます。


「牛舌棗」はその形状が牛舌に似ていることからその名がつけられ、色が濃く、食感もしっかりとしています。


「黒棗」は小型で黒みを帯び、漢方薬の原料として大いに利用されますが、その他にも料理のアクセントとして用いられます。


これらの棗の種類ごとの特徴や風味を存分に味わい、その豊富な栄養素で日々の食生活に役立ててみてはいかがでしょうか。

棗とは

棗と茶入れの違い

「棗」と「茶入れ」、これら二つの名前を聞いたことがあるでしょうか。一見すると同じような茶器のように思えますが、実はそれぞれ異なる役割を果たしています。


「棗」は薄味の抹茶、「薄茶」を入れるための茶器として使われます。薄茶とは1杯半の茶杓を少なめの水と一緒に溶かすことで作られ、その結果滑らかで薄味の抹茶が出来上がります。この薄茶の保存と携帯のために欠かせない道具なのが棗です。漆黒派ながら精巧な装飾が施された棗は、実用性と芸術性を兼ね備えていると言えるでしょう。


一方、「茶入れ」は粘りのある抹茶、「濃茶」を入れるための茶器です。この濃茶は山3杯分の抹茶を多めの水とともに溶かすことで作られます。その粘り強い抹茶を溶かして供する際に必要となるのが茶入れです。陶磁器や漆器、竹など様々な素材で作られた茶入れは、その場の雰囲気や季節感の演出に一役買います。


棗と茶入れ、物理的にはどちらも抹茶を収める容器ではありますが、その使い方や機能、役割は大きく異なります。この二つの違いを理解し、適切に使い分けることが、茶道の奥行きをさらに深めてくれるでしょう。

棗の歴史

棗は古代中国からその存在が認められ、早くも新石器時代から食材や薬として利用されていました。その後、祭りや儀式でその甘い果物が大切に扱われ、世界中へと伝わってきました。


その日本到来は7世紀と考えられていますが、当初は貴族や高僧の間で享受される極上の果物とされていました。そして室町時代になると、棗は広く一般庶民にも認知されるようになります。特に、その時期活躍した著名な茶人である村田珠光によって茶会で使われるようになったと伝えられています。


棗はただ茶器としてだけでなく、花瓶や薬の容器としても使われていました。江戸時代には、さらなる普及を遂げるようになります。この時代を代表する茶人であった千利休も棗を利用し、その影響は庶民まで波及しました。


現代では、その美味しさだけでなく様々な利点が評価されています。その木材は家具や工芸品に使われ、果実は健康食品として愛されています。また、お菓子や料理には欠かせない存在となっており、棗は古代中国から現代日本まで、長い歴史と共に私たちの生活に深く根差しています。

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棗の使い方

フルーティーな風味と一体になった棗は、昔から中国で利用されてきた食材で、様々な調理法で楽しむことができます。特に漢方としての用途が多く、健康促進のための抗酸化作用や免疫力を高める効果、消化器系の活性化に対する働きといった面での利点が注目されています。さらに、自然なアンチエイジング効果とも言われており、健康と美容を追求する現代人にとって注目度の高い食材となっています。


棗は用途が非常に多岐にわたります。そのまま食べるだけでなく、乾燥させた棗は茹でることで特有の甘みが引き立ちますし、砂糖のかわりとして料理に混ぜて甘さを加えることもできます。煮込み料理やスープだけではなく、ご飯に混ぜ込んで炊く、あるいはお茶の一部として飲むなど、多用途な食材としての魅力を持っています。


棗は食物繊維、カリウム、鉄分などの栄養価が高く、血流の改善、便秘の解消、肌への美容効果などのメリットが認められています。特に季節の変わり目や体調の悪い時期などには、健康維持の一助として活用しましょう。


また、手順を追って棗のお茶を作ることも可能です。刻んだ数個の棗を鍋に入れ、水500mlとともに熱し、10分程度煮てからはちみつをお好みで加えれば、滋味深い棗茶が完成します。


これらの例を試して、棗の健康と美容への効果を存分に感じてみてください。それはまさに、抹茶を一度ふるいにかけて、静電気によってできる塊を防ぐような、丁寧な準備の元で享受する価値のある食材と言えます。棗は抹茶を保存する容器ではなく、それを載せて運ぶための容器というより、健康と美容を運んでくれる食材なのです。

棗の手入れ方法

棗は耐寒に強く、様々な環境下でも比較的栽培しやすい果樹です。ただ、美味しい実を収穫するためには、適切な管理が必須となります。


棗の栽培法の基礎は3つ、「適切な立地選定」、「適切な水遣り」、「適切な剪定」です。


まず、「適切な立地選定」について。棗は陽が当たる場所を好みますが、強風は苦手としています。そのため、風を遮るものがあるような風通しの良い場所が望ましいでしょう。


続いて、「適切な水遣り」について。特に夏場は、土が乾くのを待たずに水をあげることが重要です。ただし、水分を与え過ぎると根腐れの原因となるため、土表面が乾いたらそれを目安にうるおいを保つよう心掛けましょう。


そして、「適切な剪定」について。棗の枝は夏から秋にかけて伸びやすい性質があり、新芽を出やすくするためには冬期に剪定することが勧められます。枯れた枝や密集している箇所は早期に剪定し、風通しや日当たりの改善を図りましょう。


これらの手入れをキチンと行うことで、あっという間に棗の美味しい実が収穫できる日が訪れるでしょう。その成育過程もまた楽しむことができます。その醍醐味を、ぜひあなたも体験してみてはいかがでしょう。

まとめ

棗はその甘さと豊富な栄養価、そしてさまざまな健康効果から“東洋のスーパーフード”とも称されています。特に、食物繊維が豊富で胃腸の調子を整える効果があり、ビタミンCも多く含まれています。大きさと形状が特徴的で、その甘い風味は料理やデザートに幅広く使用できます。さらに棗の歴史は古く、東洋医学において重要な位置を占めてきました。私たちはこの美味しく、栄養満点な食材をもっと評価し、毎日の生活に取り入れるべきです。まだ実際に試したことのない人は是非一度、棗の世界を味わってみてください。