びわの実を大きく育てる!究極のガイド

びわの木を庭に持つことは、自然の美しさと美味しい果実の収穫を同時に楽しむ素晴らしい機会です。しかし、実を大きく育てるためにはコツが必要です。このガイドでは、びわの実を最大限に育てるための方法を詳しく紹介します。土壌の選び方から水やりのタイミング、さらには病害虫対策まで、知っておくべき重要なポイントを網羅し、あなたの収穫を豊かなものにするお手伝いをします。

びわについて

おいしいびわの実を育てるためには、適切な時期や方法での剪定が重要です。そのためには、まずびわの性質を理解することが大切です。

びわのバリエーション

現在、最も多く栽培されているのは「茂木」ですが、代表的な5つの種類を見ていきましょう。

茂木

西日本を代表する品種で、日本で最も広く栽培され、高品質で知られています。サイズは小さめですが、甘味が強く酸味は少なめです。主な生産地は長崎県、鹿児島県、香川県で、5月から6月頃が旬です。

田中

研究者の田中さんは、長崎で楽しんだびわの種を東京に持ち帰り、自宅で育て始めたことが発端とされています。この果実は鐘のような形状をしており、茂木種よりもやや大きめに成長します。

味わいはとても甘く、適度な酸味があります。主に栽培されている地域は愛媛県や千葉県、香川県、兵庫県などです。収穫時期は6月頃です。

長崎早生

茂木に比べて、収穫時期が10日から2週間ほど早い品種です。寒さに弱い特性があるため、多くはハウス内で栽培されています。甘みが強く、ジューシーで上品な風味を楽しめます。

この品種は「茂木」と「本田早生」を交配して生まれ、1976年(昭和51年)に正式に登録されました。ハウス栽培されたものは、箱に「茂木ビワ」と表示されていることがあります。

大房

千葉県南房総市や館山市では、ビワ栽培が非常に盛んです。重さが約100gほどの大きな実も見られます。この品種は「田中」と「楠」を交配し、1967年(昭和42年)にその名がつけられました。酸味が少なく、適度な甘味と豊富な果汁が特徴です。6月が旬で、「房総びわ」という名でも市場に出回っています。

なつたより

2009年に品種登録されたびわで、注目されています。「長崎早生」と「福原早生」のハイブリッドです。約60gとサイズは大きめで、甘味が強く、酸味は少なめ。果肉は柔らかく、水分が多く上品な風味を楽しめます。収穫時期は5月の終わりから6月の初めにかけてです。実が大きく、病気への耐性が強いため、人気を博しています。

びわの果実が実る季節

びわの実が収穫できる時期は5月から6月にかけてです。2月から3月にかけて、花の後に実が成ります。

びわの剪定を行う時期

びわを剪定するのに適した時期は年に2回あります。最初の時期は、花が終わりを迎える2~3月頃です。この時期には、花の位置に実ができるため、実ができる場所を判断できます。したがって、実がなる枝を切り落とさないように注意して剪定できます。

次の時期は、実の収穫が終わる9月頃です。この頃の剪定は、木に与える負担が少なく済みます。ただし、花芽がまだ形成されていないため、どの枝に花芽があるのかわからないため、切り落とす危険性があります。このため、多くの枝を切らずに、軽く間引く程度にすると良いでしょう。

間引き剪定

間引き剪定は、枝を整理し、樹木の風通しや日光の当たり方を改善する方法です。伸びすぎた枝や密集した枝を基部から切り取ります。これにより風がよく通り、陽光が幹にしっかり届きます。一度に多くを間引くと翌年の実に影響が出ることがあるため、慎重に進めてください。

切り戻し剪定

切り戻し剪定は、木の形を整えるための手法のひとつです。間引き剪定とは異なり、根元ではなく枝の中ほどを切るのが特徴です。一度に行うと木が枯れる可能性があるため、数年かけて段階的に進めることが大切です。

びわの果実を育てるための秘訣

びわは一枝に約100個ものつぼみをつけることがありますが、全てをそのまま育てると果実が小さくなってしまいます。そこで、びわを大きく育てるための4つのポイントをご紹介します。

摘蕾

摘蕾(てきらい)とは、すべてのつぼみを咲かせるのではなく、選別して摘み取ることを指します。実の数を減らすことで、栄養が行き渡り、大きく成長します。また、実が多すぎると、次の年の開花が悪くなることがあります。翌年も豊かな収穫を得るためには、実の数を調整することが大切です。

保護袋の設置

4月にびわの実を袋で覆うことで、野鳥や害虫の被害を防ぎます。

効果的な肥料の施し方

びわの木は、リン酸豊富な肥料を特に好む植物です。開花を迎える前の9月には、リン酸を豊富に含む有機肥料を1本の木に3〜4kgほど施肥します。花の芽が出始める6月には、リン酸が多い化成肥料を1本の木に1kg程度与えるのが理想的です。

光の当たり具合と排水

びわの木は、日の光をたっぷり浴びられる場所で元気に育ちます。日陰では実が小さく育ってしまうため、十分な日照を確保できる場所へ植えることが大切です。さらに、水はけが良くないと根腐れを引き起こし、実りに影響します。

びわの剪定で押さえておくべきポイント

びわの剪定を行う際には気をつけるべきポイントが4つあります。

剪定を行うのに適した時期

びわの花が開く時期と実が付く時期の間に剪定を行いましょう。通常、びわの花は11月から2月にかけて咲くため、この時期が剪定の適期となります。実は花が付いている部分に生じるので、この期間に剪定することで、実がなる部分を誤って取り除く心配がありません。

適切に整える

びわの木を育てる際、新しい枝に果実がつきやすいですので、古い枝を選んで取り除くように心がけましょう。剪定する際には、枝の付け根からではなく、途中から切る「切り戻し剪定」を実施してください。この方法は、付け根付近で切ってしまうと新たな枝が育ちにくくなるのを防ぐためです。

毎年異なる枝に果実がなるように、2〜3年果実を実らせた枝を切ると良いです。びわは、花が咲いてから果実が成熟するまで時間がかかります。同じ年に実をつけていない枝も残しておくことで、毎年果実を楽しむことができるでしょう。

強剪定を避ける

強剪定とは、太い枝を大幅に短縮したり、数多くの枝や芽を取り除いたりする剪定方法です。この手法は木に大きな負担を与えます。果実の生産が減少したり、木が枯れるリスクがあるため、一度に多数の枝を切らず、年々少しずつ剪定することが推奨されます。

切り口の取り扱い

剪定後の切り口には、癒合剤を塗布して保護することをお勧めします。こうすることで、病害虫の進入を防ぐことができます。病気にかかると、果実が実らないだけでなく、木自体が枯れることもあります。

びわ