チョコレート作り方 - スイーツモール

チョコレート作り方

チョコレート作り方

チョコレートは、私たちにとって身近で親しまれているスイーツのひとつです。しかし、その製造には多くの工程があり、繊細な作業が求められます。良質なカカオ豆の調達から始まり、焙煎、ペースト化、テンパリングなど、ひとつひとつの工程がチョコレートのおいしさを左右します。本記事では、チョコレートがどのように作られるのかを12の工程に分けて、分かりやすく解説します。

チョコレートの作り方①原料調達

おいしいチョコレート作りの第一歩は、カカオ豆の調達です。カカオは赤道付近の特定の地域でのみ栽培され、発酵と乾燥を終えた状態で麻袋に詰められ、世界中の工場へと運ばれます。気候条件によってカカオの品質は左右されるため、安定した味わいを提供するためには高い技術が求められます。また、カカオ豆の産地によって風味や香りに個性があり、食べ比べることでその違いを楽しむことができます。産地ごとの特徴を活かしたチョコレート作りが求められているのです。

チョコレートの作り方②選別

輸入されたカカオ豆には、形の悪い豆や砂、異物などが混入している場合があります。そのため、まずは異物や不良豆を取り除く選別作業が行われます。大型の工場では専用の選別機が使われる一方で、小規模な作り手は手作業で一粒ずつ選別することもあります。選び抜かれた良質な豆は、品種や産地ごとに分けて保管され、次の工程である焙煎へと進みます。

チョコレート作り方

チョコレートの作り方③ロースト

選別されたカカオ豆は、100〜140℃の温度で焙煎され、独特の香ばしさと深みのある風味を引き出します。焙煎の方法は大きく分けて2種類あります。豆のまま加熱する「豆ロースト」は、香りを逃しにくく繊細な風味を保てる一方、砕いた状態で加熱する「ニブロースト」は内部まで均一に火が通りやすいのが特長です。焙煎の温度や時間は、チョコレートの仕上がりに直結する重要な要素。苦味や酸味、コクなどを自在にコントロールしながら、理想の風味を追求します。

チョコレートの作り方④分離

ローストされたカカオ豆は砕かれ、殻(シェル)と中身(カカオニブ)に分けられます。チョコレートの雑味の原因となるシェルを取り除き、純粋なカカオニブのみを取り出すことで、チョコレートの品質を高めます。なお、このカカオニブはスーパーフードとしても注目されており、栄養価が高く、そのまま食べたりヨーグルトやサラダにトッピングするなどの活用も可能です。香ばしい風味が特徴で、健康志向の方にも人気です。

チョコレートの作り方⑤磨砕

取り出されたカカオニブは、すり潰してカカオマスと呼ばれるペースト状にされます。この工程では、圧力と摩擦によってココアバターが溶け出し、滑らかな状態になります。この段階のカカオマスは、チョコレートの基本的な原料であり、さらに加工してココアパウダーやチョコレートへと使われます。磨砕の度合いによって食感にも違いが生まれるため、非常に重要な工程です。

チョコレート作り方

チョコレートの作り方⑥混合

滑らかになったカカオマスに、砂糖、ココアバター、粉乳などを加え、混合してチョコレートの風味を整えます。配合は商品ごとに異なり、ビターチョコレートでは砂糖が控えめに、ミルクチョコレートでは粉乳が多めに使われる傾向があります。ホワイトチョコレートの場合はカカオマスを使用せず、主にココアバターと砂糖、乳製品で構成されるのが特徴です。配合のバランスが味を決める重要なポイントになります。

チョコレートの作り方⑦微細化

次に行われるのが、チョコレート生地の粒子をより細かくする微細化の工程です。この作業では粒子の大きさを20ミクロン以下まで細かくすることを目標とします。これは、人間の舌がざらつきを感じにくいとされる大きさであり、なめらかな口どけを生み出すために欠かせません。高性能な機械を用いて、均一で口当たりの良いチョコレートに仕上げるための重要な作業です。

チョコレートの作り方⑧精錬

チョコレートの質感をさらに高めるために行われるのが「精錬(コンチング)」です。長時間にわたり練り上げることで、チョコレートの生地はよりなめらかになり、口溶けがよくなります。この過程では、酢酸などの不要な成分が揮発し、まろやかでバランスのとれた風味が完成します。最近では、カカオ本来の酸味を生かしたチョコレートも人気を集めており、精錬の程度によって風味の違いが生まれるのも魅力のひとつです。

チョコレート作り方

チョコレートの作り方⑨調温(テンパリング)

テンパリングは、チョコレートを固める際に必要な温度調整の工程です。ココアバターは数種類の結晶構造を持ちますが、その中でも最も安定した状態に整えることで、美しいツヤと適度な硬さ、なめらかな口どけを持つチョコレートに仕上がります。温度管理が難しく、製造のなかでも特に技術が求められる工程です。

チョコレートの作り方⑩充填

テンパリングが完了したチョコレート生地は、型に流し込まれます。この際に型を振動させたり、台に軽く打ち付けたりして気泡を取り除き、形を整えます。隅々まで生地を行き渡らせることで、見た目も美しいチョコレートになります。型のデザインによってバリエーション豊かな商品が生まれ、楽しみ方が広がります。

チョコレートの作り方⑪冷却

型に流し込んだチョコレートは、一定の温度でじっくりと冷却されます。この冷却の工程によって、結晶構造が安定し、表面のツヤやなめらかな舌触りが実現します。また、ファットブルームやシュガーブルームといった表面の変質を防ぐためにも、冷却温度や時間の管理が非常に重要です。

チョコレートの作り方⑫型抜

最後に、冷却して固まったチョコレートを型から外し、包装して製品化されます。アルミ箔やラベルで丁寧に包まれた後、板チョコレートの場合は一定期間熟成(エージング)させて風味を安定させてから出荷されます。温度管理された状態で店頭に並び、私たちの手元へ届くのです。

まとめ

普段何気なく食べているチョコレートも、原料から製品になるまでには多くの工程と技術が詰まっています。使用するカカオ豆の品種や産地、製法の違いによって味や香りも大きく変わるため、食べ比べてみると新しい発見があります。チョコレートを味わう際には、その作り方にも思いを馳せながら楽しんでみてはいかがでしょうか。