コクワとは?知られざるスーパーフードの魅力
手のひらにちょこんと乗る、可愛らしいサイズの果実「コクワ」。別名ベビーキウイとも呼ばれ、その名の通りキウイフルーツを小さくしたような姿をしています。しかし、侮るなかれ。コクワは、見た目からは想像できないほどの栄養を秘めたスーパーフードなのです。日本原産の貴重な果実であり、近年その美味しさと栄養価の高さから、じわじわと人気を集めています。今回は、知られざるコクワの魅力に迫ります。

ベビーキウイ(サルナシ)とは?

ベビーキウイ、別名サルナシ、あるいはコクワと呼ばれる果物は、日本原産のキウイフルーツによく似た姿をしています。その果実は、まるでキウイフルーツを小さくして、表面の毛を取り除いたかのようで、緑色をしており、大きさは2~3cm程度です。味わいはキウイフルーツに似ていますが、より芳醇な香りを持ち、かすかな酸味と甘みが特徴です。近年では、その優れた栄養価と手軽さから、スーパーフードとして注目を集めています。英語圏では「kiwi berries」という名で親しまれています。

サルナシの歴史と文化的背景

サルナシは、昔から日本人に愛されてきた果物の一つです。日本国内では「サルナシ」や「コクワ」という名前で親しまれており、「コクワの実」という言葉は、有名な音楽グループDREAMS COME TRUEの楽曲にも登場します。日本では、北海道から九州にかけての山々に自生しており、クマやサルなどの野生動物にとって格好の食料となっています。名前の由来としては、果実が梨に似ており、サルが好んで食べることから「猿梨(サルナシ)」と呼ばれるようになったという説が有力です。貝原益軒が著した「大和本草」(1708年)には「彌猴桃(ヤマナシ)」という名で記載されており、少なくとも300年以上前から日本人が食してきた山の恵みであることが分かります。縄文時代の植物採集生活においても、クリなどと共にサルナシが食べられていた可能性が指摘されています。

サルナシの多様な呼び名と種類

サルナシは、地域によって様々な呼び名を持っています。これは、サルナシが様々な地域で食用として、あるいは生活に密着した存在として利用されてきた証と言えるでしょう。「シラクチヅル」や「ハシカズラ」、「イカダムスビ」といった別名が存在し、北海道では「コクワ」、アイヌ語では「クッチプンカル」と呼ばれています。サルナシには非常に多くの種類があり、「貫太郎」や「里泉」、「長寿郎」といった品種の他、確認されているだけでも300種程度が存在すると言われています。リンゴのように色、形、味がそれぞれ異なり、中には赤色や紫色(紫香という種類)の果実をつけるものもあります。

サルナシの栽培と特徴

サルナシは、日本、韓国、中国、シベリアを原産地としています。近年では、「新しいキウイフルーツ」として、アメリカ、ニュージーランド、ヨーロッパなどでも栽培されています。日本では、つる性の植物であるため、棚状やフェンス状に仕立てて栽培されるのが一般的です。病害虫に強く、生育が旺盛で栽培しやすいのが特徴です。雄の木と雌の木が存在し、果実が実るのは雌の木のみです。一年で約5mも生長し、5~7年ほど生育した木が最も良質な果実をつけます。旬は8月下旬から9月上旬で、霜に当たると落果してしまうため、霜が降りる前に収穫を行う必要があります。また、黄色く熟してくると、タヌキやクマが食べに現れることがあるため注意が必要です。

サルナシの卓越した栄養価

サルナシは非常に高い栄養価を誇り、古くから滋養強壮に役立つとされてきました。消化器官の機能を助け、腸内環境を整える効果も期待できるため、生で食されるだけでなく、薬用としても利用されてきた歴史があります。特筆すべきは、レモンと比較して10倍を超えるビタミンC含有量、アボカドの2倍のビタミンE、さらにβカロテン、カリウム、ルテインなどが豊富に含まれている点です。また、アクチニジンというタンパク質分解酵素を多く含むことも大きな特徴と言えるでしょう。

サルナシの風味と食感

サルナシの果実は、キウイフルーツを彷彿とさせる甘酸っぱい味わいが身上です。皮ごと食することができ、口に運ぶと滑らかな舌触りと共に、甘酸っぱい果汁が口いっぱいに広がります。お子様にも好まれやすく、お弁当の彩りとしても最適です。冷凍することで、シャーベットのような新しい食感も堪能できます。

まとめ

ベビーキウイ、すなわちサルナシは、日本の恵まれた自然環境が育んだ、美味しくて栄養豊富なスーパーフードです。昔から日本人に愛されてきたサルナシは、その多様な活用法と健康への貢献を通じて、私たちの暮らしをより豊かにしてくれるでしょう。ぜひ一度、サルナシの味をご体験ください。そして、その素晴らしい魅力を大切な人たちにも伝えていきましょう。

ベビーキウイ(サルナシ)はどこで購入できますか?

ベビーキウイ(サルナシ)は、一般のスーパーマーケットではあまり見かけませんが、道の駅や産直市場などの地域特産品を扱う場所、またはオンラインショップで購入できることが多いです。特定の農家が直接販売している場合もありますので、インターネットで検索してみるのも良いでしょう。

ミニキウイ(サルナシ)は、どのように保管するのがベストでしょうか?

ミニキウイ(サルナシ)の最適な保存方法は、完熟度合いによって異なります。まだ硬い場合は、常温で追熟させます。エチレンガスを発生するリンゴやバナナと一緒に袋に入れると、追熟が促進されます。完熟したミニキウイは、乾燥を防ぐためにポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。ただし、ミニキウイは傷みやすいので、なるべく早めに食べるようにしましょう。

ミニキウイ(サルナシ)は、小さな子供が食べても大丈夫ですか?

ミニキウイ(サルナシ)は、一般的に小さな子供が食べても大丈夫です。ただし、キウイフルーツと同様に、まれにアレルギー反応を起こす可能性があるため、初めて食べさせる際は少量から様子を見るようにしてください。また、小さな実なので、丸飲みして喉に詰まらせないよう、小さく切って与えるなどの工夫が必要です。

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