ピーマンをプランターで育てる場合、種から育てることも可能ですが、初心者の方には苗からの栽培がおすすめです。ここでは、種まきからプランターへの植え付け、そして収穫までの手順を詳しく解説します。
1. 種まきと育苗
ピーマンの種まきには、育苗箱やセルトレイを使用します。育苗箱を使う場合は、育苗用の土を均等に入れ、深さ約1センチの溝を8センチ間隔で作り、種を約5ミリ間隔で筋状にまき、軽く土をかぶせます。セルトレイに種まき用の土を入れる場合は、一つのセルに1粒ずつ種をまき、同様に軽く土をかぶせた後、霧吹きで優しく水を与え、土を湿らせます。育苗ポットに直接種をまく場合は、一つのポットに3粒ずつ種をまき、本葉が出た頃に生育の良いものを残して1本に間引きます。ピーマンの発芽適温は20~30度と高めなので、寒い時期に種まきを行う場合は、加温できる環境を用意することが大切です。加温しないと発芽に時間がかかったり、発芽率が低下する可能性がありますが、ピーマンの種は比較的発芽率が高いので、辛抱強く待てば芽を出すこともあります。
種をまいた育苗箱やセルトレイは、25〜30℃程度の環境で管理し、土が乾かないように水やりをします。発芽後は、夜間の温度を約25℃に保ちながら管理を続けます。本葉が2枚になったら、生育の良い苗を選んで育苗ポット(直径12cm程度のもの)に一つずつ丁寧に移植します。その後は夜温を約20℃に下げて、定植に向けて株を育てます。ピーマンは種をまいてから植え付けまで60〜70日程度の育苗期間が必要で、温度管理が重要になります。1番花が咲き始めた頃の大苗に仕上げるのが理想的です。家庭菜園で育てる株数が少ない場合は、市販の苗を利用するのもおすすめです。市販の苗は9cmポットに入っていることが多いので、定植前に12cmポットに移し替えて大きく育てることで、より丈夫な株に成長させることができます。育苗期間中の温度管理と水やりが、丈夫な苗を育てるためのポイントです。
2. 土作りとプランターの準備
苗をプランターに植え付ける2週間ほど前に、苦土石灰を混ぜて土壌を中和させます。ピーマンは弱酸性の土壌を好みます。植え付けの1週間ほど前には、堆肥と肥料を混ぜ込んで、土壌を肥沃にします。初期育成に必要な栄養を補給するために、リン酸を多く含む肥料を使用すると実付きが良くなります。ピーマンは生育期間が長く、次々と実をつけるため、肥料切れを起こさないようにバランスの取れた配合肥料を元肥として施すのがおすすめです。プランターは、深さ30cm以上、幅60cm以上のものを選びましょう。底には鉢底石を敷き、水はけを良くしておきます。プランターに土を入れる際は、ウォータースペースを確保するために、縁から少し下まで土を入れます。土が乾燥している場合は、植え付け前にたっぷりと水やりを行い、土壌を湿らせておきましょう。
3. 植え付けと管理
ピーマンは寒さに弱いので、苗が大きく育ち1番花が咲き始めた頃、晴れた日の午前中に植え付けを行うのが最適です。植え付け前に、育苗ポットに入った苗にたっぷりと水を与え、植え穴にも水を注いでおくと、根付きが良くなります。ポットから苗を優しく取り出し、根を崩さずに浅めに植え付けます。株間は50cmほどを目安に確保します。ピーマンの茎は弱く折れやすいため、支柱を立てて支えておくのがおすすめです。植え付け後は、根がしっかりと張るように、株の周りにたっぷりと水をあげてください。苗が根付くまでの間は、寒冷紗などで覆って保温するとともに、アブラムシなどの害虫から苗を守るための対策を講じることが重要です。土の乾燥を防ぎ、泥はねなどから病気を予防するために、株元にワラなどを敷いておくと良いでしょう。プランター栽培では、定期的な水やりと肥料が欠かせません。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、2週間に1回程度、液肥を与えましょう。日当たりの良い場所に置き、風通しを良くすることも大切です。
4. 支柱立てと仕立て
苗を植え付けたら、まずは仮の支柱を立てて、まだ不安定な茎を支えます。最初の花が咲き始める頃になったら、本格的な支柱を立て、仕立てを行いましょう。ピーマンやパプリカは、成長していくと茎がV字型に分かれ、さらにその分かれた茎が二手に分かれていくという特徴があります。実は、この分岐点に実ります。仕立て方としては、主枝(一番太い茎)のすぐ下から伸びてくる元気の良い2本のわき芽を、側枝として育て、主枝と合わせて3本の茎を育てる「3本仕立て」が一般的です。それより下のわき芽は全て摘み取ってください。3本仕立てにすることで、株全体が安定し、たくさんの実を効率よく収穫できます。もし放置してしまうと、枝が密集しすぎて、実が付きすぎたり、株が弱ったりする原因になります。葉が茂りすぎている場合は、枝を間引いたり、収穫の際に内側に向かって伸びている茎を剪定して、花の数を調整するなど、株の勢いを保つように心がけましょう。
ピーマンは根を浅く張る性質があり、実が付き始めると株全体が重くなって、強風などで倒れやすくなります。そのため、支柱立ては早めに行うことが大切です。支柱の立て方としては、まず株の真ん中に1本の主支柱を立てます。次に、側枝を支えるために2本の支柱を斜めに交差させるように立て、主枝と側枝をそれぞれ支柱に麻ひもなどで結びつけて固定します。この時、茎がこれから太くなることを考慮して、少しゆとりを持たせ、8の字結びなどで結ぶと、風や成長による動きに対応しながら、しっかりと支えることができます。また、苗への負担を減らすために、植え付け時に咲いている最初の花(一番花)は摘み取ってしまうのがおすすめです。
5. 整枝、追肥、水やりのコツ
仕立てが終わった後、特に注意したいのが「わき芽」の管理と「整枝(剪定)」です。実が付いている場所よりも下の葉は、株元が蒸れる原因になるため、積極的に取り除くことが大切です。わき芽をそのままにして葉が茂りすぎると、株の内側の風通しや日当たりが悪くなり、病害虫が発生しやすくなるだけでなく、実の付きが悪くなる原因にもなります。夏場はピーマンやパプリカがぐんぐん成長し、枝葉をどんどん増やしていくため、整枝作業に手間がかかることもありますが、メインとなる枝(主枝)をしっかりと育てつつ、不要なわき芽は早めに摘み取ることが重要です。わき芽は小さいうちに見つけて摘み取るのが一番簡単で、株への負担も最小限に抑えられます。また、実がたくさんなりすぎて株が疲れていると感じたら、実が小さいうちに収穫することで、株の回復を促し、その後の健全な成長と安定した収穫につなげることができます。
ピーマンやパプリカは、たくさんの実を長期間にわたって収穫できる野菜なので、栽培期間を通して肥料切れを起こさないように、適切な追肥が欠かせません。比較的肥料に対する反応は穏やかですが、苗を植え付けてから2~3週間後、または3~4段目の実がつき始めて、株の栄養消費が活発になる頃から追肥を開始するのがおすすめです。最初の追肥は株元に施し、その後は株の成長具合、実の付き具合、葉の色などをよく観察しながら、およそ2~3週間おきに定期的に追肥を行います。黒いマルチを張っている場合は、畝の両側の肩の部分のマルチをめくり、そこに肥料を撒いて軽く土と混ぜ合わせてから、再びマルチを被せるようにします。もし元肥としてリン酸を十分に与えていれば、追肥には窒素とカリウムがバランス良く含まれた「追肥専用」や「NK肥料」などとして販売されているものを使うのが良いでしょう。さらに、7~8月頃の生育が最も盛んな時期には、苦土石灰でカルシウムとマグネシウムを補給してあげると、その後の収穫期間を長く保つ効果が期待できます。株全体の葉の色が薄く、成長が鈍くなっているように見える場合は、肥料が不足しているサインなので、すぐに追肥を行いましょう。肥料を与える際は、根が直接肥料に触れて傷つかないように、株元から少し離れた場所(目安として株元から10~15cm程度)に施し、肥料を撒いた後には必ずたっぷりと水をやりましょう。肥料は水に溶けることで初めて植物に吸収されるため、この水やりは肥料の効果を最大限に引き出すためにとても大切な作業です。特に夏場は土壌が乾燥しやすいので、ピーマンの健全な生育に必要な水分を切らさないように、こまめな水やりを心がけましょう。ただし、水の与えすぎにも注意が必要です。土の表面が乾いた時に水を与えるようにしましょう。
ピーマンやパプリカは、特に手を加えなくても実を収穫できますが、適切な仕立てと管理を行うことで、より長い期間、たくさんの収穫を楽しめます。初心者の方には、主枝から花が咲くたびに枝が二手に分かれる性質を利用して、片方を主枝として定め、もう片方をわき芽として、わき芽を全て摘み取る「主枝1本仕立て」が最も簡単でしょう。栽培に慣れてきたら、わき芽にも実をつけさせることで、さらに多くの収穫を目指すことができます。この場合、わき芽に3~4個の実がついたら、そのわき芽の先端の芽を切り落とし、それ以上伸びないようにします。そして、わき芽の実を収穫する際には、そのわき芽の枝ごと切り落とすことで、新たなわき芽の発生を促し、継続的な収穫が可能になります。主枝が背丈くらいまで伸びたら、頂上の芽を切り取る「芯止め」を行い、その後はわき芽から伸びる新しい芽を育てていくことで、株の負担を減らしながら長期的な収穫を維持できます。このように、ピーマンの成長段階や栽培経験に合わせて整枝方法を調整することで、収穫量と品質を向上させることができます。
6. 摘果の重要性
ピーマンやパプリカの株にたくさんの花が咲き、それぞれが実を結び、小さな実がつき始めたら、摘果を行うタイミングです。摘果とは、まだ小さい実を摘み取る作業のことで、株の負担を軽くし、その後の順調な成長と長期的な収穫を促すために、とても大切な作業となります。特に、株を植え付けてから最初に咲く「一番果」は、まだ株が十分に成長していない段階で実をつけようとするため、養分が一番果に集中しすぎて、株全体の成長が妨げられたり、形がいびつな「変形果」や硬い「石果」になりやすかったりします。そのため、一番果は小さいうちに思い切って摘み取ってしまうのがおすすめです。そうすることで、養分を株の成長に回し、株全体の勢いを強めることができます。
まだ熟していない緑色の状態で収穫する一般的なピーマンと比べて、完全に熟した状態で収穫するカラーピーマンやパプリカは、開花から収穫までの期間が長くなります。そのため、枝についている実を全てそのままにしておくと、株への負担が大きくなりすぎてしまいます。長期間の栽培に耐えられるように、下の方の節についた実は小さいうちに全て摘み取って、まずは株を育てることを優先しましょう。それよりも上の方の実は大きく育てますが、最初のうちは緑色の未熟なうちに収穫し、その後は色づいた完熟果にするなど、株の状態(草勢)を見て生育を調整することが大切です。
7. 収穫時期と方法

収穫は、ピーマンやパプリカ栽培における、最も楽しみなイベントの一つです。一般的に、緑色のピーマンは花が咲いてから15~20日後、重さが30~40グラム程度の適切な大きさに成長したら、収穫に適した時期です。色つやが良く、実がピンと張っているかを確認しましょう。栽培が最も盛んな時期には、この期間が15日よりも短くなることもあります。株の栄養が特定の実だけに集中して、他の実の成長が妨げられるのを防ぐために、成長が遅い実や形がいびつな実があれば、株の成長を促す目的で早めに摘み取ってしまいましょう。また、実がなりすぎて株が弱り、実が落ちる数が増えてきたら、まだ若い実でも早めに収穫して、株の回復を図ることが大切です。
収穫する際は、ピーマンの枝がとても折れやすいので、無理に手で引きちぎるのではなく、必ず清潔なハサミを使って、ヘタの上の部分を丁寧に切り取りましょう。一度にたくさんの実が付きすぎると、株に大きな負担がかかり、その後の収穫量や品質に影響を及ぼす可能性があります。
一方、カラーピーマンやパプリカは、完全に熟してから収穫します。パプリカは花が咲いてから50~60日ほどで収穫に適した時期になります。最初は緑色の実をつけますが、そこから時間をかけて実が熟し、赤、オレンジ、黄色といった鮮やかな色に変わります。完全に熟して色ムラがなくなり、ツヤが出てきたら収穫しましょう。しかし、完全に熟させるには、緑色のピーマンとして収穫するよりも2倍くらいの時間がかかり、その間、株には大きな負担がかかるため、普段よりもこまめな追肥が欠かせません。また、完熟するのを待つ期間が長くなると、虫に食べられたり、病気にかかったりするリスクも高まります。ピーマンやパプリカは、未熟な状態でも完熟した状態でも食べられるため、収穫時期を柔軟に選ぶことができます。そのため、株の勢いが弱いときは、小さい実まで含めて早めに収穫し、逆に株の勢いが強いときは、完全に熟させてから収穫するなど、株の生育状態に合わせて調整しましょう。なお、ピーマンもパプリカも、収穫が遅れると皮のツヤがなくなり、シワが寄ってしまうため、光沢とハリがあるうちに収穫するのがポイントです。
プランター・鉢でのピーマン栽培:苗選びから土作り、基本手順を解説
プランターや鉢でピーマンを育てるのは、初心者にもおすすめのお手軽な栽培方法です。苗を選ぶ際は、葉の色が鮮やかで濃く、茎が太くてしっかりしているものを選びましょう。病害虫の被害にあっていないか確認することも大切です。最初の花(一番花)が咲き始めている苗は、その後の生育がスムーズに進みやすいため、特におすすめです。プランターや鉢を選ぶ際は、ピーマンが十分に根を張れるよう、一株あたり、縦横30cm以上、深さ30cm以上のサイズを確保しましょう。複数の株を植える場合は、株間を30cm以上空けるようにしてください。プランターの底には、鉢底石を敷き詰めると水はけが良くなり、根腐れを防ぐことができます。ただし、最近では排水性の高いプランターも販売されているので、製品の指示に従ってください。土作りには、市販の「野菜用培養土」が最適です。ピーマンの生育に必要な栄養素(窒素、リン酸、カリウム)がバランス良く配合されています。古い土は栄養分が不足し、病害虫のリスクも高まるため、必ず新しい培養土を使用しましょう。プランターに培養土を半分ほど入れ、たっぷりと水をかけて土全体を湿らせます。その後、プランターの縁から5cm下まで培養土を足し、再度水をたっぷりと与えれば、植え付けの準備は完了です。
植え付けと支柱の立て方
スコップで植え穴を掘り、苗をポットから丁寧に取り出して植え付けます。植え付け後は、土の表面を軽く押さえて苗を安定させましょう。一番花が咲いている場合は、摘み取ることで、その後の生育を促進できます。プランターや鉢植えの場合、支柱はこのタイミングで立てるのがおすすめです。苗を中心に、2本の支柱を斜めに立てて交差させ、15cm程度の高さで固定します。
寒さ対策と病害虫予防
ピーマンは寒さに弱く、多湿を嫌うため、日当たりと風通しの良い場所にプランターや鉢を置きましょう。寒冷紗などを利用して覆うことで、保温効果を高め、害虫の侵入を防ぐことができます。
整枝と追肥
最初の実が大きくなり始めたら、整枝を行いましょう。主枝と勢いの良い脇芽を1~2本残し、残りの脇芽は全て摘み取ります。主枝1本と側枝1本を支柱に結びつける2本仕立て、または主枝1本と側枝2本を誘引する3本仕立てが一般的です。整枝と同時に、追肥も開始します。化成肥料の場合は2~3週間に1回、液肥の場合は1~2週間に1回、肥料の使用方法に従って追肥を行いましょう。
収穫時期とポイント
2番花以降、開花から20日ほど経過すると、収穫に適したサイズになります。生育の悪い実は早めに摘み取りましょう。こまめな収穫は、長期間にわたって収穫を楽しむ秘訣です。実が多数なりすぎると株への負担が増すため、追肥の頻度を調整したり、実を間引いたりするなどの対策を講じましょう。収穫時には、枝を傷つけないよう剪定ばさみ等の道具を使うのがおすすめです。カラーピーマンの場合は、開花から着色完了までに約60日かかります。追肥を続けながら、じっくりと待ちましょう。
栽培で注意すべき病気
ピーマンやパプリカがかかりやすい病気は、同じナス科のトマトやナスと共通するものが多く、ウイルス病、青枯病、苗立枯病などが代表的です。特に炭そ病が発生しやすいため、梅雨入り前に市販の薬剤を散布しておくと効果的です。予防のためには、風通しの良い環境を保ち、過密な栽培を避けることが重要です。万が一ウイルス病が発生した場合は、残念ながら治療法はありません。感染株は速やかに抜き取り、畑の外で処分して、蔓延を防ぎましょう。
栽培で注意すべき害虫
アオムシ類(例:タバコガ)は、葉や実を食害する厄介な害虫です。発見したら、手で捕殺するか、専用の薬剤を散布して駆除しましょう。カメムシは、実から汁を吸い、吸われた部分は変色したり、斑点ができたりします。こちらも捕殺や薬剤散布で対応しますが、周辺の雑草地帯から飛来することもあるため、除草も忘れずに行いましょう。
連作障害への対策とコンパニオンプランツの活用
ピーマンやパプリカはナス科の植物であり、同じ場所でナス科の野菜を続けて栽培すると、土壌の栄養バランスが崩れ、生育不良や病気が発生しやすくなる「連作障害」を起こしやすい性質があります。連作障害を避けるためには、同じ場所での栽培間隔を3~4年空けることが大切です。どうしても連作を避けられない場合は、連作障害に強い「接ぎ木苗」を利用すると良いでしょう。
「コンパニオンプランツ」とは、異なる種類の植物を рядомに植えることで、互いに良い影響を与え合い、成長を促進したり、病害虫の発生を抑制したりする効果が期待できる組み合わせのことです。片方の植物だけが恩恵を受ける場合もありますが、この方法を活用することで、農薬の使用を減らし、自然に近い形で雑草対策、病害虫予防、植物の成長促進など、様々な効果を得ることができます。ピーマンやパプリカと相性の良いコンパニオンプランツとしては、見た目も美しいマリーゴールド、料理にも使えるナスタチウム、つるなしインゲン、落花生、ニラ、バジルなどが挙げられます。これらの植物は、害虫を寄せ付けない効果や、ピーマンの生育を助ける効果、土壌環境を改善する効果などが期待でき、ピーマンの健康な成長をサポートしてくれるでしょう。特に家庭菜園では、このような自然の力を活用した病害虫対策が有効です。
まとめ
ピーマンやパプリカの栽培について、疑問点は解消できたでしょうか?
ピーマンやパプリカは、苗から育てることで初心者の方でも比較的容易に栽培できます。庭や畑がなくても、ベランダのプランターや鉢で手軽に栽培を始められます。栽培の重要なポイントは、「最初に咲く花を早めに摘み取り、わき芽を適切に処理すること」「主枝と側枝をバランス良く伸ばす3本仕立てを基本とし、適切なタイミングで芯を止めること」「乾燥や過湿に注意しながら適切な水やりを行い、株の成長に合わせて定期的に肥料を与えること」です。特にカラーピーマンやパプリカは、完全に熟すまでに時間がかかるため、株の状態を見ながら摘果や収穫時期を調整することが、長期間にわたる収穫の秘訣です。
質問1? 育てやすいピーマンの種類は?
多種多様な品種がありますが、ここでは特徴の異なる5つのピーマンを紹介します。1. 京ひかり <タキイ種苗>:病気に強く、暑さにも強い緑色のピーマンです。気温が低い時期でも大きく育ちやすく、長く収穫を楽しめます。2. 髙農カリフォルニアワンダー <タカヤマシード>:大きくて肉厚なピーマンです。日本の気候に合った固定種で、比較的育てやすいのが特徴です。3. とんがりパワー <ナント種苗>:非常に大きく育つ品種です。果肉は厚く甘みがあり、苦味や青臭さが少ないため、食べやすいでしょう。4. レッドホルン/イエローホルン <タキイ種苗>:大きめの牛角形をしたカラーピーマンです。生育が早く、育てやすいため家庭菜園にもおすすめです。肉厚で甘みもあります。5. こどもピーマン ピー太郎 <タキイ種苗>:ロケットのような形をしたミニサイズのピーマンです。苦味が少なく、果肉が厚くてジューシー。見た目はハラペーニョに似ています。
質問2? 木質化したピーマンは翌年も育つ?
茎が木のように硬くなる木質化。畑などの屋外で栽培している場合、基本的には冬を越えられず枯れてしまいます。プランターや鉢植えの場合、寒い時期に室内に入れるなどの対策で越冬に成功すれば、ピーマンは多年草なので翌年も成長し、収穫も可能です。
質問3? ピーマンの実の下が黒くなる原因は?
これは「尻腐れ病」と呼ばれる生理障害で、主にカルシウム不足によって起こります。ピーマンの栽培には弱酸性(pH6.0〜6.5)の土壌が適していますが、土壌が酸性に傾くことでも症状が出やすくなります。すでに発症している場合は、何らかの原因で根からカルシウムが吸収できていない状態なので、葉面散布でカルシウムを補給するのが効果的です(予防にもなります)。苗を植え付ける2週間ほど前に、苦土石灰を土に混ぜ込み、カルシウムとアルカリ分を補うことでも予防できます。また、窒素肥料が多すぎるとカルシウムの吸収を妨げるため、注意が必要です。













