生クリーム 8 分 立て
生クリームを立てる作業は、お菓子作りやデザートの仕上げに欠かせない工程です。しっとりとしたケーキやタルト、それともふわふわのムースやパフェ、様々な用途で活躍する生クリーム。しかし、その美味しさを最大限に引き出すには、きちんと立てる必要があります。今回は、生クリームを立てる際のコツやポイントをご紹介します。わずか8分で、ボリューム感のある滑らかな生クリームができあがりますよ。
生クリームのかたさについてしっかり学ぼう
生クリームの魅力は、その繊細な食感にあります。泡立て加減で風味豊かな柔らかさから、しっかりとした弾力へと表情を変えていきます。お菓子作りではその絶妙なかたさが、理想のテクスチャーを生み出す鍵となります。気分に合わせて適度な硬さを見極め、クリーミーな口当たりを存分に味わいましょう。温度調整の技ひとつで、生クリームの質感は自在に変化します。思い描くお菓子に合わせ、心行くまで泡立てをコントロールすれば、夢のような食感が実現するはずです。
生クリームのかたさは用途によって決めるのが大事
生クリームは、その使い道によってかたさを調整する必要があります。用途に合わせた泡立て加減が、おいしさと美しい仕上がりを左右するのです。
デコレーション用なら、5~7分しっかりと泡立てた硬めの生クリームが適切です。形状が維持でき、きれいに盛り付けられます。一方、スイーツの生地に混ぜ込む場合は、2~3分程度の軽い泡立てで柔らかい状態の生クリームがおすすめです。口溶けの良い食感が生まれ、味わいを損ないません。
このように、デコレーションには硬め、生地には柔らかめと、用途に応じてかたさを使い分けることが大切です。目的に合わせて適切な泡立て具合を心がけましょう。生クリームの可能性を最大限に引き出すための正しい知識を身につけましょう。
生クリーム:6分立て未満
泡立て器ですくうと、ゆるゆると流れ落ちる状態です。まとまってすくうことはできず、流れ落ちたクリームは次第に平らに広がります。
このクリームはソースとして利用されることもありますが、一般的にはムースやババロアに用いられることが多いです。また、ケーキを軽くコーティングする際にも使われます。
画像のように、ゼラチン入りのアングレーズソースやフルーツピューレとも滑らかに混ざり合います。
泡立てる時間や角度によって、最終的な食感が異なりますが、泡立てすぎると滑らかさが損なわれる可能性があるため、6~7分ほどの間で調整するのが適切です。
生クリーム:7分立て
泡立て器ですくうと、ある程度の量を取ることができますが、そのままではすぐに落ちてしまいます。
このクリームはナッペ(料理の表面を覆うこと)に適した固さです。ナッペが上手くいかない場合、あまりにも緩いクリームを使うと、側面をしっかりとコーティングすることが難しくなることもあります。
焼き菓子などにちょっとした飾りとして添えるクリームもこのくらいの固さが適しています。
生クリーム:8分立て
泡立て器でクリームをすくうと、しっかりと取れますが、先端部分は柔らかく、お辞儀するような状態です。
このクリームは、ショートケーキやロールケーキの内部にサンドしたり、絞り出したりする際に使用されます。
ケーキにサンドするクリームは、ナッペ(表面を覆う)用と比べてしっかりとした立ち上がりを求められます。
クリームが緩すぎると、重みでふくらんだり、スポンジやフルーツがズレたりして、安定感がなくなります。
ショートケーキのクリームを上手に扱うためには、まずボウル全体をハンドミキサーで6分立て程度に泡立てます。次に、泡立て器で前半分を8分立て程度にし、サンドに使います。
ナッペする際は、優しく全体を混ぜ合わせて7分立て程度に整えます。必要に応じて生クリームを追加して調整してください。
絞り出すクリームを上手に扱うには、絞り袋に入れたクリームを試しにボウルに絞り出してみて、艶があり、滑らかにのびるか確認してください。
クリームの状態で再調整が必要な場合は、以下のポイントに注意してください。
クリームがダレている場合は泡立て不足です。口金を通して全体を一度ボウルに戻し、再度絞り出し袋に戻します。
クリームが硬すぎて切れる場合は、口金の反対側から一度ボウルに戻し、少量の新しいクリームを追加します。優しく混ぜながら8分立ての硬さを確認してください。
これらの手順で、絞り出すクリームのかたさを確認し、失敗なく美味しいケーキを作りましょう!
生クリーム:9分立て
泡立て器でクリームをすくうと、しっかりとしたかたいツノがピンと立つ状態です。
このようなクリームは、乳脂肪分が35%以上のものでないと実現できません。
ディプロマットクリームや、温めたスプーンで作ったクネルと組み合わせて使うことができます。
生クリームを泡立てるときに大事なこと
泡立て工程における生クリームの温度管理は、驚くべき重要性を持ちます。生クリームには脂肪球が含まれており、撹拌によってこの脂肪球が互いにぶつかり合い、膜が破れて網目状の構造を形成します。この構造が空気を取り込み、生クリームの滑らかな質感とふんわり感を生み出すのです。
しかし、温度が上がると脂肪球は液状化し、この理想的な網目構造を維持できなくなります。その結果、泡立ちが阻害され、クリームは水分と分離して粗雑な食感になってしまうのです。
そこで欠かせないのが、常に8℃以下の低温環境を保つことです。ボウルを氷水に浸すほか、作業スペースの温度を下げたり、道具を冷やすなどの対策が有効です。周囲のクリームも温まりやすいので、こまめに除去するのもポイントです。
さらに、新鮮な生クリームを選ぶことで、安定した品質を確保できます。一度温度が上がったクリームは、もはや本来の風味を取り戻せません。適切な温度管理を心がけることで、いつでも上質な泡立て生クリームが手に入るはずです。
まとめ
生クリームは冷やしすぎず、常温に戻してから泡立て器で空気を含ませながらゆっくりと泡立てましょう。生クリームが徐々に硬くなり、滑らかな質感になったら完成です。プロの手際ででき上がった、ボリューム感たっぷりの生クリームは、デザートの味と見た目を一層引き立ててくれるはずです。適量の砂糖を加えれば、より甘みと味わいが増します。失敗を恐れず挑戦を重ねることで、確実に上達できるでしょう。