グアバは、南国の果物として広く知られるフトモモ科バンジロウ属の植物です。その原産地は熱帯アメリカで、南メキシコからチリにかけての地域が起源だとされています。現在では、ブラジルやハワイ、ニュージーランド、インド、台湾など、世界中の熱帯・亜熱帯地域で栽培され、日本国内でも主に沖縄県や鹿児島県で生産されています。ビタミン、食物繊維、ポリフェノールなど栄養価が高く、特に「熱帯のリンゴ」とも称されるほど栄養豊富で、トロピカルフルーツの代表的な存在です。

グアバの収穫期は一般的に9～10月がピークですが、熱帯地域では年間を通して実をつけるため、ほぼいつでも手に入る果物です。その強い生命力により、インドでは45℃の暑さや冬季の4℃の寒さにも耐えると言われています。日本国内のグアバは主に沖縄で生産され、8～10月が最も美味しい旬の時期となります。日本では生のグアバに出会う機会は少ないため、旬の時期に沖縄を訪れた際は、ぜひ地元で新鮮なグアバを味わってみてください。

グアバには色や形、味の違いがあり、種類は160以上も存在します。その中でよく知られている代表的な4種をご紹介します。

グアバ（バンジロウ）

果皮は緑から黄色、果肉は赤肉と白肉に分かれます。シャリシャリとした食感が特徴的で、赤肉は甘くトロッとした味わい、白肉はさっぱりとした食感です。ピンク色の果肉は、その中間的な味わいです。

ストロベリーグアバ（テリハバンジロウ）

果皮・果肉が赤く、イチゴのような甘い香りを持つ小ぶりのグアバです。直径3～5センチで卵型をしており、光沢のある葉が特徴です。

イエローストロベリーグアバ（キミノバンジロウ）

ストロベリーグアバの変種で、黄色の果皮と果肉を持ちます。甘い香りと酸味が少ないマイルドな味わいが魅力です。

フェイジョア（パイナップルグアバ）

パイナップルやイチゴ、バナナなど複数のフルーツの香りを持ち、クリーム色の果肉がゼリー状になります。緑色の果皮と濃厚な甘みが特徴です。

グアバは桃やリンゴをミックスしたようなフルーティーで甘酸っぱい味わいが特徴です。暑い夏にぴったりの、爽やかなトロピカルフルーツです。品種によっても味わいが異なり、赤い果肉は甘くとろけるような食感を持ち、白肉はシャキシャキとした歯ごたえがありさっぱりとしています。特に、熟したグアバはムスクのような甘い香りが広がり、部屋中に芳香を漂わせます。逆に未熟なものは硬く、追熟させることで最も美味しくいただけます。

グアバは、果皮が青く硬い状態ではまだ熟しておらず、常温で追熟させる必要があります。香りが強くなり、果実が柔らかくなったら食べごろです。追熟が完了したグアバは、冷蔵庫の野菜室で新聞紙に包んで保存すると良いでしょう。ただし、グアバは寒さに弱いため、冷やし過ぎないように注意し、2〜3日以内に食べるのがベストです。また、冷凍保存には向いていないので、保存する場合はピューレやジャムに加工すると長く楽しめます。

グアバは非常に栄養豊富な果物で、特にビタミンCの含有量が高いことで知られています。100g中に220mgも含まれており、免疫力を高め、抗酸化作用を持つこの栄養素は、コラーゲン生成や美肌効果も期待できます。さらに、ビタミンE、B群、β-カロテンなども含まれており、血管の健康を保ち、代謝をサポートするなど、健康全般に良い影響を与えます。また、食物繊維も豊富で、腸内環境を整え、便通を促進する効果もあります。

グアバは、その鮮やかな色彩と豊かな風味でトロピカルフルーツの中でも人気のある果物です。収穫時期は主に9～10月ですが、熱帯地域では年間を通じて入手可能です。グアバには様々な種類があり、それぞれに異なる色合いや香りがあります。食べる際は、熟したものを選び、追熟を経てから楽しむのがポイントです。また、グアバはビタミンCを豊富に含み、健康や美容に良い影響を与える栄養素が豊富です。適切な保存方法で長く楽しみつつ、その甘酸っぱい味わいと栄養をしっかりと取り入れてください。