福岡県は、美しい自然と豊かな食文化で知られる日本の魅力的な地域の一つです。ここには、その肥沃な土地と温暖な気候から育まれる絶品の果物が数多く存在します。特に、八女市や久留米市を中心に栽培される果物は、甘みと風味が格別で、全国でも高評価を受けています。本記事では、福岡の特産果物の魅力に迫り、その独自の味わいを如何にして楽しむか、その方法を徹底解説します。地元でしか味わえない旬の果物を、あなたも是非一度体験してみませんか。
いちご
福岡県で誕生した「アマオウ」は、赤くて丸く、大きくて美味しいという特徴からその名が付けられました。(登録商標) JAグループ福岡では、「博多アマオウ」の名で市場に出回っています。 特徴的な形状は、短い円錐形で、美しい光沢を持つ濃赤の果皮が魅力です。重さもある大粒の果実が多く、ただ甘いだけでなく、程よい甘酸っぱさが調和した深い味わいが楽しめます。 品種・ブランド 博多アマオウ 保存方法 洗浄はせずに浅い容器に移し、重ならないようにしてヘタを下にして並べます。 ラップをかけて冷蔵庫で保存します。 美味しい食べ方 水によるダメージを避けるため、食べる直前に洗うのが良いでしょう。ざるに入れ、流水でさっと洗い、ヘタはそのままで洗います。
梨
福岡県では、美味しいなしを供給するために、温室栽培から露地での栽培にシフトし、7月から11月までの長期間にわたり販売しています。特に無袋栽培で育てた幸水と豊水は、多くの太陽光を浴びて糖度が高く美味しい果実に仕上がります。また、農薬の使用を減らすため、山間部を中心に黄色蛍光灯やフェロモントラップが活用されています。主な品種には、幸水(7月~8月上旬)、豊水(8月中旬~9月上旬)、あきづき(9月上旬~9月下旬)、新高(9月下旬~10月)、新興(10月以降)があり、それぞれ特徴的な味わいがあります。幸水はシャキッとした歯ごたえと少ない酸味で甘く香りも良く、豊水はしっかりとした甘味と程よい酸味を持ちます。あきづきは糖度の高さと豊富な果汁が特徴で、新高は大きなサイズと柔らかい果肉で知られています。新興は柔らかくシャリっとした食感で、ジュースやゼリー作りに適しています。保存の際は、乾燥を防ぐためにポリエチレン袋に入れ密閉し冷蔵庫に保管してください。品質良いなしを選ぶためには、果皮の張りがあり、硬く重いものが良いです。機能性としては、水溶性食物繊維が血糖値の上昇を抑え、コレステロールの改善に寄与し、不溶性食物繊維が便秘解消に役立ちます。ソルビトールは、低カロリーで虫歯になりにくく、便の量を増やす効果があります。
みかん
福岡のみかんは、消費者の皆様に四季を通じて楽しんでいただけるよう、連続的な出荷が可能な産地づくりを進めています。5月からスタートするハウスみかんを皮切りに、9月からは福岡県のオリジナル品種「早味かん」などの早生品種が市場に登場します。10月中旬には、高糖度と優れた味わいの「北原早生」や、福岡で生まれ100年以上の歴史を持つ「宮川早生」といった早生品種が店頭に並びます。12月からは「青島温州」などの温州みかんが主流となり、1月以降は貯蔵されたものや「デコポン」などの中晩生品種が楽しめます。また、みかんの栽培地ではシートをかけて水分ストレスを与え、品質の向上を図っています。これにより、特に糖度の高い、甘みと酸味が絶妙な高品質みかんが、県統一ブランド「博多マイルド」やJAのオリジナルブランドとして販売されています。品種としては、極早生温州の「早味かん」や「日南の姫」、早生温州の「北原早生」や「宮川早生」、普通・高糖度系温州の「青島温州」などが挙げられます。中晩柑類では、ネーブルやポンカン、せとかなどが人気です。保存する際は、冷暗所で風通しの良い場所に置いてください。みかんは手で皮をむいて、そのまま食べるのが一番美味しいです。面白い知識として、お尻の部分が菊模様になっているみかんは糖度が高いと言われています。
キウイ
福岡県は、日本国内でキウイフルーツの生産量で第2位を誇ります。特に多く栽培されているのが、緑色の果肉を持つ「ヘイワード」という品種です。このキウイフルーツは、11月から4月にかけて市場に出回ります。福岡キウイはその「糖度」が高いことが特徴で、特別な追熟施設で処理された後、光センサーで選別され、糖度ごとに商品化されます。中でも、糖度が高いものはブランド名「博多甘熟娘(はかたうれっこ)」や「博多甘香(はかたあまか)」として販売されています。また、酸味が少なく、果肉の中心部分が赤い希少な「レインボーレッド」というキウイフルーツも栽培しています。さらに、新しい地元品種として「甘うぃ(あまうぃ)」の栽培も広がっています。この品種は糖度が高く、果肉が黄色味を帯びていることが特徴です。
柿
日本は甘柿の生産量で全国トップ、柿全体でも第3位を誇り、9月から翌年の2月まで多様な品種を味わうことができます。これらの柿は、西南暖地で太陽をたっぷり浴びた環境で育ち、とても美味しいです。具体的には、西村早生、早秋、伊豆、太秋、早生富有、秋王、富有、冷蔵富有柿といった品種がリレーのように登場します。柿にはビタミンCが多く含まれ、特にグレープフルーツの2倍にあたる70mg/100gも含まれています。他にもカテキンやカリウム、ビタミンA・B2・E、リン、カルシウム、マグネシウム、食物繊維が豊富です。美味しい柿を選ぶときは、へたがしっかりとして緑色が鮮やかで、果実には重みとつやがあります。柿を切る際には、種を避けるために特定の線に沿って切ると良いです。
ぶどう
福岡県のぶどうは、その栽培面積が広がっており、全国で第5位の生産量を持つと言われています。福岡特有の暖地気候と昼夜の温度差を活かし、高品質のぶどう生産に注力しています。5月から10月まで、美味しいぶどうを提供するために露地栽培と施設栽培を組み合わせて行っています。主なぶどうの品種には、巨峰、種無し巨峰、ピオーネ、博多ベリー、シャインマスカットなどがあり、消費者の様々なニーズに応えるため幅広い品種が栽培されています。 品種・ブランド情報: 巨峰は「ぶどうの王様」として知られ、黒くて甘い果肉が特徴です。福岡県ではこの品種が最も多く栽培されています。種無し巨峰は小さな子供でも安心して食べられるように種がないぶどうです。 博多ピオーネは大粒で甘味が強く、歯ごたえが良いのが魅力。 博多ベリーは香りが良く、小粒ながらも濃厚な甘みで人気です。種無し栽培も行われています。 シャインマスカットは皮ごと食べられる特性が注目され、糖度が高くジューシーな味わいが好まれています。 福岡のぶどうの保存方法としては、直射日光を避けて新聞紙やポリ袋で包んで冷蔵庫で保存します。食べる前に常温に戻すと甘さが引き立ちます。 美味しいぶどうを選ぶ際には、軸が緑色で太いもの、果皮に白っぽい粉(ブルーム)が付いているもの、そして色が黒くて濃いものを選ぶと良いでしょう。 ぶどうにはポリフェノールが豊富に含まれており、これは活性酸素の抑制など健康に良い効果があります。また、アントシアニンには視力を改善する働きがあります。ぶどう100g当たりのエネルギーは約59キロカロリーで、1日に1.5房程度食べると良いでしょう。
桃
福岡県では、桃の栽培がハウスと露地の両方で行われており、5月から8月の中旬にかけて楽しめます。ハウス栽培の桃は高品質で、赤みを帯びた外観と特有の香りが食欲をそそります。露地栽培では、たっぷりと日光を浴びることで味わいが深まり、果肉は柔らかくジューシーで、上品な甘みを堪能できます。品種にはあかつきや川中島白桃があります。保管は基本的に常温で、食べる30分前に冷蔵庫で冷やすと、冷たすぎず美味しくいただけます。選ぶ際のポイントとしては、丸みを帯びて紅色が全体に回ったものを選ぶのがおすすめです。良い香りがするものは熟している証拠です。
すもも
福岡県産のすももは、温室から露地まで様々な栽培法で育てられており、品種をうまく組み合わせることで、5月末から8月まで長い期間楽しめます。ほどよい酸味とほのかな甘みが一体となった、旬の香りが特徴です。私たちは、できるだけ樹上で熟させた甘いすももを育てることにこだわっています。 品種には、ジューシーな果肉と爽やかな甘酸っぱさで人気の大石早生があります。ソルダムは緑色の果皮と濃赤色の果肉が特徴で、甘味と酸味が絶妙に調和しています。太陽は独特の風味を持ち、サンタローザは大きなサイズと豊かな香りで知られています。貴陽はまるで桃のように大きく、高い糖度が自慢です。 美味しいすももを選ぶポイントとして、大石早生・サンタローザ・太陽・貴陽は濃い赤色の果皮を、ソルダムはわずかにうす紫色がかった果皮を探しましょう。全ての品種において、丸みがあり、弾力のあるものが理想的です。また、果実の白い粉が新鮮さを示すサインなので、これにも注目してください。 すももの美味しい食べ方には、生食はもちろん、冷凍してシャーベットにしたり、ジャムや果実酒、コンポートとして楽しむ方法があります。皮ごと丸かじりすることもできます。 すももの保存方法としては、完熟前は常温で保存し、追熟を促します。完熟後は冷蔵庫での保存をおすすめします。特に、大石早生は追熟が速いので、購入後はすぐに食べるのが望ましいです。
いちじく
福岡県は、全国で2番目に多いイチジクの生産を誇り、その量は年々増加しています。「福岡いちじく」の出荷時期は非常に長く、5月には温室栽培が始まり、11月まで露地栽培が続きます。主に「蓬莱柿」「桝井ドーフィン」、そして福岡県独自の「とよみつひめ」が生産されています。福岡のイチジクは、強い日差しを浴びて甘みが増し、その上品な味わいが特徴です。そして、ジャムやスイーツの材料としても人気があり、皮をむいて冷凍したもの、乾燥やピューレにした加工用イチジクの需要も増えています。品種としては「博多とよみつひめ」が、強い甘みと豊かな果汁で滑らかな食感があり、「蓬莱柿」は古くから親しまれた品種で甘さと酸味のバランスが絶妙です。「桝井ドーフィン」は全国的に多く栽培され、程よい甘さとさっぱりとした風味が特徴です。いちじくはデリケートな果物で、冷蔵保存が必要です。生でそのまま食べたり、冷凍シャーベットにしたり、サラダや生ハムと合わせて楽しめます。また、ジャムやコンポートにすると長期間楽しめます。美容に良い栄養素が豊富で、特にカルシウムやカリウム、食物繊維が多いため、女性におすすめです。選ぶポイントは、表面の張りと赤紫色の色付き、果頂部が割れているものです。食べごろの状態で収穫されているため、購入後は早めにお召し上がりください。