冷凍果物の驚くべき栄養価と使い方

スーパーの冷凍食品コーナーを訪れると、彩り豊かな冷凍果物が目に留まります。しかし、冷凍果物が持つ健康効果を知っていますか?新鮮な果物と同様に、冷凍果物もビタミンや抗酸化物質が豊富で、忙しい日々の強い味方です。この記事では、冷凍果物の栄養価や健康効果、さらに日常生活での賢い活用法をご紹介します。

冷凍果物の栄養価の高さ

果物は、もともと美容やダイエットに役立つビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、高い栄養価が知られています。さらに、酵素が含まれているため、デトックス効果も期待できます。

一般的に、果物は生の状態が新鮮で栄養価が高いというイメージがありますが、実際には冷凍することでビタミンCやβカロテンなどの抗酸化物質の含有量が増し、栄養価が向上する場合があります。ほかの食品では冷凍すると栄養価が低下することがありますが、果物は冷凍したほうが長期間栄養価を保てるため、冷凍保存に適しています。

ダイエット中の人々に人気の冷凍果物の理由

冷凍果物はダイエットに効果があると言われています。しかし、具体的な理由を理解せずに「人気があるから」と摂取している方も多いのではないでしょうか。

ここでは、ダイエットに取り組む方に冷凍果物が支持される理由を解説していきます。

低カロリーの冷凍果物

冷凍果物は砂糖や脂肪を含まないため、アイスクリームに比べてカロリーが控えめです。自然な甘さがあるので、ダイエット中でもデザートとして食べやすく、罪悪感が少ないです。

冷凍果物は食物繊維がたっぷりで満足感が持続

注目される「第六の栄養素」である食物繊維は、フルーツに多く含まれています。特に、熟したフルーツに含まれる水溶性食物繊維は体内をゆっくり移動し、腹持ちが良くなるため、過食を防ぐ助けとなります。

さらに、GI値を低くする効果も期待できます。冷凍した果物を半解凍状態で食べると、噛む回数が増えて満足感が得られます。加えて、食物繊維は便秘の解消にも役立ちます。

冷凍果物で血糖値の急上昇を抑える

冷凍果物は甘みのある果実で、血糖値が心配な方もいるかもしれません。ブドウ糖や果糖などの糖を多く含んでいる一方で、冷凍果物に含まれる水溶性食物繊維は消化器の中で糖の吸収を遅らせ、急激な血糖値の上昇を防ぐ役割を果たします。

血糖値が急に上がると、膵臓からインスリンが過剰に分泌されることで脂肪が体に蓄積しやすくなります。血糖値の上昇を抑える食事は太りにくいとされ、冷凍果物の果糖は血糖値の変動が少ないため、ダイエット向きといえるでしょう。

冷凍に適した果物

冷凍保存が良いとされる果物がありますが、すべての果物が冷凍向きとは限りません。

冷凍に適した果物の特徴は、風味が濃厚で水分が少なすぎないことです。また、食物繊維が多い果物は、質感がかたくなりすぎずにおすすめです。

冷凍にぴったりの果物として、代表的なものを4つ紹介します。

冷凍に適した果物:バナナ

バナナには、体内の塩分を排出し、むくみを軽減するカリウムが豊富に含まれています。また、食物繊維もたっぷりなので、便秘を和らげる効果も期待できます。

日持ちがしないフルーツであるバナナですが、冷凍することでポリフェノールが増加するとされています。抗酸化作用を持つポリフェノールは、生活習慣病の予防や肌荒れの改善に効果があります。

バナナを冷凍する際は、皮をむいて適切なサイズにカットし、小分けしてラップで包んだら、保存容器に入れて冷凍庫で保管しましょう。

冷凍に適した果物:ぶどう

ぶどうには多くの成分が含まれ、カリウムやポリフェノール、ブドウ糖がその一部です。

疲労の回復や動脈硬化の予防が期待されています。

ぶどうを冷凍する利点として、保存期間の延長や皮が簡単にむけることが挙げられます。また、冷凍によって細胞壁が壊れ、ポリフェノールの吸収が促進されるという研究結果もあります。

ぶどうを冷凍する際は、枝を少し残して一粒ずつ外し、流水で洗います。その後、水分をキッチンペーパーで拭き取り、果物を平らに並べたら、チャック付き保存袋に入れ、金属トレーに載せて冷凍庫で保存するのがおすすめです。

冷凍に適した果物:柿

柿はビタミンCや食物繊維、カリウムを多く含む果物です。冷凍することはあまり一般的ではないかもしれませんが、丸ごと冷凍することが可能です。

まず、ヘタ付きのまま柿を水で洗い、水分をよく拭き取ってから丸ごとラップで包みます。それを保存袋に入れ、冷凍庫で保管します。

解凍する際は、30分から1時間程度常温で置いて食べると良いです。もちろん、小分けにして冷凍することも可能です。この場合、皮をむいて食べやすいサイズにカットし、少量ずつラップで包み冷凍庫に入れます。

冷凍に適した果物:キウイフルーツ

キウイはビタミンCが豊富であり、さらに食物繊維やカリウムも多く含まれています。冷凍することで約1ヶ月保存が可能で、冷凍ならではのユニークな食感を楽しむことができます。

ただし、冷凍するとキウイの追熟が止まるため、完熟していないものは室温で熟させてから冷凍するのが良いでしょう。

冷凍すると皮がむきやすくなり、半解凍の状態で味わうとシャリシャリとした食感を楽しめます。

冷凍果物のおすすめレシピ

コンビニやスーパーで簡単に手に入る冷凍果物は、そのまま食べるのも良いですが、ひと手間加えるだけで多様な楽しみ方ができます。

以下に、冷凍果物を活用したおすすめのレシピを3つご紹介します。

冷凍果物を使ったスムージーのレシピ

スムージーはアメリカ由来のドリンクで、野菜と果物を組み合わせて作られます。野菜やフルーツをミルクやアイスクリーム、ヨーグルト、ハチミツなどと一緒にミキサーで混ぜて作ります。

どのフルーツもスムージーに合いますが、特にキウイがおすすめです。キウイを冷凍し、ミキサーにかけてなめらかなスムージーを作ることができます。

また、バナナ、いちご、マンゴーなど、お好みの冷凍果物を加えてみるのも良いでしょう。

冷凍果物を使ったジャムのレシピ

フルーツの果肉を潰し、砂糖でやわらかく煮詰めたものがジャムです。果実に含まれる酸とペクチンがゼリー状に変化し、パンに塗ることが一般的です。

ジャムの中でも冷凍ミックスベリーがおすすめです。冷凍ベリーと砂糖、レモン汁を鍋に入れ、強火にかけます。沸騰後は弱火にし、木ベラなどで焦がさないように10分ほど混ぜながら加熱します。

液体がなくなったら火を止めて保存容器に移し、冷まします。パンやクラッカーと合わせるとおしゃれです。いちごやマンゴーのジャムもおすすめです。

冷凍果物を使ったサングリアの作り方

サングリアはワインにフルーツや風味豊かなスパイスを加えた、スペインやポルトガルで人気の飲み物です。シナモンなどのスパイスを加えることがあります。

特におすすめのフルーツはオレンジとブルーベリーです。赤ワインにオレンジ、ブルーベリー、シナモンスティック、オレンジピールを加え、一晩置いておくと完成します。

また、冷凍果物を使う場合、ぶどうやグレープフルーツも良い選択です。

冷凍した果物の保存期間はどれくらい?

冷凍した果物は長期間保存でき、6~9ヶ月以内に食べるのが理想です。フルーツを使う際には、解凍するかそのまま料理に使用してください。冷凍フルーツの最も手軽な利用法のひとつはスムージーで、朝のオートミールに入れるのもおすすめです。オートミールが温まる間にフルーツは解凍されますし、さらにヨーグルトやアイスクリームのトッピングとしても活用できます。冷凍ブルーベリーはシリアルに加えると美味しく、また冷凍ブドウや冷凍ブルーベリーをそのまま食べるのも良いでしょう。

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