離乳食のいちごはいつから?進め方と注意点

鮮やかな赤色が食欲をそそるいちごは、離乳食に取り入れたい食材の一つですよね。でも、いつから与えて良いのか、アレルギーの心配はないのかなど、不安に思う方もいるかもしれません。いちごは離乳食初期から使える食材ですが、進め方にはいくつかのポイントがあります。この記事では、離乳食のいちごを始める時期を詳しく解説。注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

いちごは離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)から与えられる

いちごは、離乳食初期の生後5~6ヶ月頃から与えることができます。この時期は、おかゆに慣れてきて、いくつかの野菜を試した後に、果物を少量ずつ取り入れるのに適しています。いちごは見た目が可愛らしいだけでなく、栄養も豊富です。特にビタミンCは、果物の中でもトップクラスの含有量を誇ります。1~2歳のお子様であれば、いちご約4個で1日に必要なビタミンCを摂取できると言われています。また、ペクチンという水溶性食物繊維も豊富で、腸内で水分を吸収して便を柔らかくするため、赤ちゃんの便秘対策にも役立つことが期待できます。ご家族の食卓にいちごが並んだ際には、赤ちゃんも一緒に楽しめるように工夫してみましょう。

離乳食でいちごを与える際のポイント

離乳食としていちごを赤ちゃんに与える際には、安全に進めるために重要なポイントがあります。これらのポイントを理解し実践することで、赤ちゃんはいちごを安全に美味しく食べることができ、食事の良い経験へと繋がります。

食中毒予防のために加熱調理を

いちごは生で食べられる果物ですが、赤ちゃんは大人に比べて抵抗力が弱いため、食中毒のリスクを考慮して、離乳食初期は加熱して与えることをおすすめします。加熱することで、いちごに含まれる細菌のリスクを減らすことができ、いちごの組織も柔らかくなるため、赤ちゃんの消化器官にも優しくなります。初めて与える食材は特に、加熱して赤ちゃんの負担を減らすことが大切です。いちごに慣れてきて、消化機能が発達してくる離乳中期以降は、少量ずつ生のいちごに挑戦してみても良いでしょう。ただし、生のいちごを与える場合も、丁寧に洗い、清潔な環境で調理することを心がけてください。

赤ちゃんのデリケートな味覚といちごの酸味

イチゴの甘さと酸味のハーモニーは、大人にとってはたまらない魅力ですが、赤ちゃんの味覚はまだ発達段階にあり、イチゴの酸味が刺激となって、顔をしかめたり、嫌がったりすることがあります。生まれたばかりの赤ちゃんは、甘味、塩味、旨味、苦味、酸味の5つの基本的な味を感じることができますが、特に苦味や酸味に対しては、本能的に「危険なもの」と感じやすい傾向があります。そのため、離乳食でイチゴを与える際には、酸味を抑える工夫が必要です。イチゴを加熱すると、酸味が穏やかになり、全体的にまろやかな味わいになります。これにより、赤ちゃんはイチゴを抵抗なく受け入れ、新しい味覚を体験することができます。さらに、加熱によってイチゴが柔らかくなり、とろみが増すため、離乳食初期の赤ちゃんにも食べさせやすくなります。

アレルギーのリスクを考慮し、慎重に

イチゴを離乳食に取り入れる際には、食物アレルギーへの注意が欠かせません。イチゴは、特定原材料27品目には含まれていませんし、果物アレルギーの発症頻度も比較的低いとされています。しかし、まれにイチゴに対してアレルギー反応を示す赤ちゃんもいるため、初めて与える際は、他の新しい食材と同時に試すのは避けましょう。こうすることで、万が一アレルギー症状が現れた場合に、原因食材を特定しやすくなります。必ず加熱したイチゴを、ほんの少量(小さじ1程度)から与え始め、食後の赤ちゃんの様子を注意深く観察してください。口周りの赤み、かゆみ、じんましん、咳、嘔吐、下痢、不機嫌などの症状が見られた場合は、直ちに与えるのを中止し、医師に相談してください。症状が軽い場合でも、自己判断せずに専門家の指示を仰ぐことが大切です。特に、ご家族にアレルギー体質の方がいる場合や、アトピー性皮膚炎、喘息などの既往歴がある赤ちゃんは、アレルギーを発症するリスクが高いため、より慎重に進めるか、事前に医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。

成長に合わせた調理方法で安全に

赤ちゃんの成長段階に合わせた調理法でイチゴを与えることは、安全な離乳食を進める上で非常に大切です。イチゴは離乳食初期の生後5ヶ月頃から与えられますが、小さな種や繊維が、まだ咀嚼に慣れていない赤ちゃんには食べにくいことがあります。離乳食初期には、イチゴを丁寧に裏ごしして、ヨーグルトのような滑らかなペースト状にすると、赤ちゃんは舌で簡単に飲み込むことができます。この時期の赤ちゃんは、舌を使って食べ物を奥に送り込むことしかできないため、喉に詰まらせないように、必ず滑らかな状態にして与えましょう。ある程度噛めるようになってくる離乳中期以降は、丸呑みを防ぐために、加熱したイチゴを粗く潰したり、細かく刻んだりして、舌で軽く潰せる程度の柔らかさに調整します。離乳後期(9~11ヶ月頃)には、歯茎で潰せる程度の固さにしたり、薄くスライスして与えることも可能です。離乳完了期(1歳~1歳半頃)には、さらに細かく刻んだり、少し大きめのサイズのまま与えて、噛む練習を促しても良いでしょう。イチゴは加熱することで柔らかくなり、とろみも増すため、特に離乳食初期には最適な調理方法と言えます。

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いちごを離乳食で使うメリット

離乳食にいちごを取り入れることは、多くの点で有益です。栄養面はもちろんのこと、赤ちゃんが食への興味を深める手助けにもなります。いちごは、ビタミンCを豊富に含んでおり、少量で一日の推奨摂取量を満たせるほどです。また、ペクチンという食物繊維も含まれており、お通じをスムーズにする効果も期待できます。ただし、ビタミンCは熱に弱く、水に溶けやすい性質があるため、調理法には注意が必要です。離乳食において重要なのは、栄養を効率的に摂取させることだけではありません。さまざまな味や舌触りを経験させ、食べる楽しさを知ってもらうことが大切です。また、衛生面に配慮し、安全な食事を提供することも重要です。栄養価にこだわりすぎるよりも、赤ちゃんが食べやすいように調理したり、食中毒のリスクを避けるために加熱したりすることを優先しましょう。そして何よりも、食事の時間を楽しいものにする工夫が大切です。食事へのポジティブな印象は、赤ちゃんの健全な成長と良好な食習慣の確立に繋がります。

下ごしらえのポイント

いちごを離乳食に使用する際は、丁寧に水洗いし、ヘタを切り落とします。赤ちゃんの成長段階や噛む力に合わせて、適切な大きさに切ることが大切です。離乳食初期(5~6ヶ月頃)の赤ちゃんには、加熱後に裏ごしして、なめらかなペースト状にするのがおすすめです。こうすることで、まだ上手に飲み込めない赤ちゃんでも、無理なく食べられます。離乳中期(7~8ヶ月頃)には、加熱したいちごを軽く潰し、舌で簡単に潰せる程度の固さに調整しましょう。離乳後期(9~11ヶ月頃)では、歯茎で潰せる固さにしたり、薄くスライスして与えても良いでしょう。離乳完了期(1歳~1歳半頃)には、細かく刻んだり、少し大きめに切って、噛む練習を促すこともできます。加熱することで、いちごの酸味が穏やかになり、とろみも増すため、赤ちゃんにとってより食べやすくなります。調理したいちごは、できるだけ新鮮なうちに与えるように心がけましょう。

冷蔵での保存方法

いちごはデリケートな果物なので、冷蔵保存する際にはいくつかの注意点があります。洗う前のいちごは、乾燥を防ぐために、購入時のパックまたはポリ袋に入れたまま、冷蔵庫の野菜室で保管するのが一般的です。鮮度が落ちやすいので、購入後2~3日を目安に、なるべく早く使い切るようにしましょう。離乳食に使う前のいちごは、ヘタをつけたまま保存し、使用する直前に水洗いすることで、鮮度を保てます。調理後のいちごペーストや加熱したいちごは、細菌の繁殖を抑えるために、粗熱を取ってから清潔な密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存し、できるだけ当日中に、遅くとも翌日には食べきるようにしてください。保存状態が悪いと、風味が損なわれるだけでなく、衛生面でのリスクも高まります。

冷凍での保存方法

いちごを長期間保存したい場合や、まとめて調理しておきたい場合には、冷凍保存がおすすめです。まず、いちごを丁寧に洗い、ヘタを取り除いたら、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取ります。離乳食の進捗状況に合わせて、細かく刻んだり、フォークで潰したり、裏ごししてペースト状にするなど、使いやすい状態に加工します。それを、離乳食用の小分けトレーや製氷皿に分けて入れ、完全に凍らせてから、フリーザーバッグや密閉容器に移し替えると、必要な量だけ取り出して使えるので便利です。使用する際は、必要な分だけを取り出し、必ず加熱調理してから赤ちゃんに与えるようにしてください。冷凍したいちごは、そのままでは食感が悪くなったり、水分が抜けやすくなるため、加熱してスムージーやソース、離乳食の材料として活用すると美味しくいただけます。

アレルギーへの配慮

いちごは、食物アレルギーを引き起こしやすいとされる特定原材料等28品目には含まれていませんが、まれにアレルギー反応を示すお子さんもいます。そのため、初めていちごをあげる際には、細心の注意を払うことが重要です。まず、他の新しい食材と混ぜずに、単独で与えるようにしましょう。こうすることで、もしアレルギー反応が出た場合に、原因となる食材を特定しやすくなります。また、必ず加熱したいちごを、ほんの少し(小さじ1程度)から始め、食後の様子をよく観察してください。もし、口周りの赤み、かゆみ、じんましん、咳、嘔吐、下痢、不機嫌などのアレルギーを疑う症状が見られた場合は、直ちに与えるのをやめて、かかりつけ医に相談してください。症状が軽くても、自己判断せずに、必ず医師の診断を受けることが大切です。特に、ご兄弟にアレルギーを持つ方がいる場合や、アトピー性皮膚炎、喘息などの既往歴があるお子さんの場合は、アレルギーを発症するリスクが高いと考えられるため、より慎重に進めるか、事前に医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。

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いちごの葛(くず)とろりん(離乳食初期~中期向け)

このレシピは、葛粉を使うことで、いちごにとろみをつけて食べやすくするだけでなく、葛粉そのものの優しい甘さが加わり、いちごの酸味を和らげて赤ちゃんがより食べやすくなるのがポイントです。離乳食初期のお子さんでも安心して食べられるように、裏ごしをすることで、さらに滑らかな舌触りになります。手軽に作れて、赤ちゃんの新しい味覚との出会いを応援する一品です。

材料

  • いちご 1個(離乳食後期は2個)
  • 葛粉 1g
  • 水 30ml

*葛粉の代わりに片栗粉でも代用できますが、とろみの付き方が少し異なります。

初期(5~6ヶ月頃)

  1. いちご1個はヘタを取り除き、丁寧に水洗いした後、細かく潰します。
  2. 水に葛粉を入れ、葛粉が完全に溶けるまでよく混ぜ、1の潰したいちごを加えます。
  3. 小鍋に2の混合物を入れ、弱火で加熱します。
  4. 焦げ付かないように絶えずかき混ぜながら加熱し、透明になり、とろみがついてきたら火を止めます。
  5. 粗熱を取り除き、裏ごしをして、なめらかなペースト状にします。赤ちゃんが食べやすい温度になっていることを確認してから与えましょう。

中期(7~8ヶ月頃)以降

初期と同様にステップ1から4まで進めますが、この頃になると、必ずしも裏ごしをする必要はありません。赤ちゃんの噛む力の発達具合を見て、少し粗めに潰したり、細かく刻んだりしてあげましょう。加熱したいちごに慣れてきたら、「いちごのくずとろりん」をヨーグルトに添えて、手軽なトッピングとして使うのも良いでしょう。見た目も可愛らしく、栄養もプラスできる嬉しい工夫です。旬の時期には、ぜひこのレシピで、いちご本来の美味しさを赤ちゃんに体験させてあげてください。離乳食後期になれば、薄くスライスしたいちごを、喉に詰まらせないように注意しながら、自分で噛む練習をさせてあげるのも良い経験になります。

まとめ

いちごは、適切な時期に離乳食に取り入れることで、赤ちゃんの食事に彩りと栄養をもたらし、豊かな食の体験を促す素晴らしい食材です。食中毒を防ぐための加熱、赤ちゃんが食べやすいように酸味を調整する工夫、そしてアレルギーへの注意を払い、正しい下処理と保存方法を理解することが大切です。また、赤ちゃんの成長に合わせた調理方法を選ぶことで、安心していちごを楽しめます。栄養はもちろん重要ですが、それ以上に、赤ちゃんが色々な味や食感を知り、食事を「楽しい」と感じることが、健やかな成長にとって非常に大切です。旬のいちごを上手に活用して、親子の食卓をより豊かなものにしていきましょう。本記事は、一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスを提供するものではありません。お子様の健康状態についてご心配な場合は、必ず医師または医療専門家にご相談ください。

いちごを離乳食として与えられるのはいつからですか?

いちごは、離乳食の初期段階、具体的には生後5~6ヶ月頃から試すことができます。ただし、最初は必ず加熱し、少量から始めるようにしましょう。お粥や他の野菜に慣れてから、いちごを取り入れることをおすすめします。

いちごはアレルギーの心配はありますか?

いちごは、アレルギー表示義務のある特定原材料等28品目には含まれていません。また、赤ちゃんに多いアレルギーの原因となるのは、鶏卵、牛乳、小麦などが一般的で、野菜や果物によるアレルギーは比較的少ないとされています。しかしながら、ごくまれにいちごに対してアレルギー反応を示す赤ちゃんもいますので、初めて与える際には、他の食材と混ぜずに、必ず加熱したものを少量(小さじ1杯程度)から試してください。与えた後は、赤ちゃんの様子をよく観察することが大切です。もし、口の周りの赤み、かゆみ、嘔吐などの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談するようにしましょう。

いちごを冷凍保存するときのポイントは?

いちごを冷凍保存する際は、まず丁寧に洗い、ヘタを取り除き、しっかりと水気を拭き取ります。その後、赤ちゃんの離乳食の進み具合に合わせて、細かくカットしたり、潰したり、裏ごしするなどして、小分けにして冷凍保存用の袋や容器に入れてください。使用する際は、必要な量だけを取り出し、必ず加熱調理してから与えるようにしましょう。

いちご