よつぼし いちご

甘味、酸味、風味、そして濃厚な旨味。贅沢な味わいを凝縮したイチゴ「よつぼし」が、今、注目を集めています。三重県、香川県、千葉県、九州沖縄農業研究センターが共同開発したこの新品種は、それぞれの研究機関の知恵と技術が結集した、まさに「オールスター」とも呼べる存在。一口食べれば、その名の由来となった四つの要素が織りなす、極上のハーモニーに魅了されることでしょう。

よつぼしイチゴとは?

「よつぼし」は、三重県、香川県、千葉県と九州沖縄農業研究センターが力を合わせて開発し、2017年に品種登録された、種から育てるタイプの新しいイチゴです。その名前には二つの意味が込められています。一つは、「甘み」「酸味」「風味」「美味(うまみ)」という四つの要素が全て高いレベルでまとまっていること。もう一つは、四つの研究機関が協力して開発した、将来が期待される品種であるということです。

よつぼしイチゴの特徴:味わい、見た目、育て方

よつぼしイチゴは、目を引く鮮やかな赤色と、つややかな円錐形の実がトレードマークです。果肉は適度な硬さで、口に入れると甘さと酸味が絶妙なバランスで広がり、濃厚な甘酸っぱさを堪能できます。また、比較的早く実がなる性質を持っており、ハウス栽培に適しています。低温で日照時間が短い環境に反応して花芽をつける性質があり、25~27℃以下の気温では、一日中日の当たる場所(長日条件)でさらに花が咲きやすくなります(四季成り性)。

種子繁殖型イチゴならではのメリット

よつぼしイチゴは、国内ではまだ数少ない、種から育てられるイチゴです。一般的なイチゴは、ランナーと呼ばれるツル状の茎から増やしますが、種子繁殖型は種から栽培します。種から育てることの大きな利点は、親株から子株へ病気や害虫が伝染するリスクを減らせることです。ランナーで増やす方法はクローンを作るのと同じなので、親株が病気にかかっている場合、子株も同じように病気になってしまいます。さらに、種子繁殖は効率的に増やすことができ、親株を管理する手間やコストも削減できます。

栽培方法:種苗、植え付け、収穫

よつぼしイチゴは種子繁殖型なので、種または苗から栽培をスタートします。種から育てる場合は、5月頃に種をまき、ポットで苗を育てた後、9月頃に畑やプランターに植え替えます。11月下旬頃から収穫が始まります。市販されているセル苗を直接畑に植える方法もあります。よつぼしイチゴの栽培には、指定された種苗業者から苗や種を購入する必要があります。なぜなら、よつぼしはF1品種(一代交雑種)であるため、自分で採取した種から育てても、親と同じ品質のイチゴは育たないからです。

よつぼしイチゴの選び方と保存方法

よつぼしイチゴを選ぶ際は、以下の点に注目すると良いでしょう。

  • 全体が均一で鮮やかな赤色をしているか確認しましょう。
  • 果皮にみずみずしいハリと自然な光沢があるものがおすすめです。
  • ヘタが元気で緑色をしており、しおれていたり、変色していないか確認しましょう。
  • パックの中で潰れてしまっているものがないか確認しましょう。

よつぼしイチゴはデリケートで傷つきやすいので、丁寧に扱いましょう。日持ちがあまりしないため、購入後はなるべく早く食べるのがおすすめです。保存する際は、乾燥しないようにパックごとビニール袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室で保管してください。

よつぼしイチゴの美味しい食べ方

よつぼしイチゴは、甘さと酸味の絶妙なバランスが特徴で、生のまま食べるのが一番おすすめです。果肉の中心まで美しい赤色をしているため、カットした時の見た目も良く、ケーキやタルト、パフェなどのデザートに使うのも最適です。もし少し柔らかくなってしまった場合は、ジャムやソースにするのも良いでしょう。

よつぼしイチゴの旬と出回り時期

よつぼしイチゴの旬は、一般的に12月頃から5月頃までとされています。早い時期では11月下旬頃からお店に並び始めることもあります。ただし、収穫時期は栽培地域やその年の気候条件によって変わるため、あくまで目安として考えてください。

まとめ

よつぼしイチゴは、名前が示すように、甘味、酸味、風味、美味の四つの要素がバランス良く揃った、とても美味しいイチゴです。種子繁殖型という特徴を持ち、将来のイチゴ栽培に新たな可能性をもたらす品種としても注目されています。お店で見かけた際には、ぜひ手に取って、その美味しさを味わってみてください。

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