イチゴ 品種 特徴

甘酸っぱくて見た目も可愛い、みんなが大好きなフルーツ「いちご」。日本で栽培されている品種はなんと300種類以上!毎年新品種が登場し、私たちを魅了し続けています。この記事では、人気のいちご品種を徹底比較。それぞれの特徴、味わい、旬な時期を詳しく解説します。自分好みのいちごを見つけて、旬の味覚をたっぷり堪能しましょう!

いちごの品種は多種多様!常に進化を続けるいちごの世界

国内で栽培されているいちごの品種は、なんと300種類以上。品種改良や新品種の開発が盛んに行われており、その数は今もなお増え続けています。いちごの世界は世代交代が早く、およそ10年から20年のサイクルで新しい品種が生まれる傾向にあります。

注目の国産いちご品種をご紹介

日本には個性豊かな多くのいちご品種が存在し、それぞれが独自の魅力を放っています。ここでは、特に人気を集めている品種をいくつかピックアップしてご紹介します。

いちごの代表的な人気品種

過去には「女峰」や「とよのか」が広く栽培されていましたが、近年では「とちおとめ」「紅ほっぺ」「あまおう」が、その美味しさから3大ブランド品種として広く認知されています。

とちおとめ

いちごの生産量日本一を誇る栃木県生まれの「とちおとめ」は、東日本を中心に高い人気を誇る品種です。「栃木」の地名と「乙女」という可愛らしい名前の組み合わせが印象的。安定した品質と収穫量が人気の理由で、全国のスーパーマーケットで目にすることができます。果実は比較的大きく、果皮も果肉も美しい鮮紅色をしています。甘みが強く、ほどよい酸味とのバランスがとれた味わいが特徴で、旬は12月から5月頃です。

紅ほっぺ

静岡県生まれの「紅ほっぺ」は、その名の通り、果皮だけでなく中までほんのり赤いのが魅力です。甘さと酸っぱさのバランスが絶妙で、いちごらしい風味を存分に味わえます。大きめの実なので、いちご狩りでもよく選ばれています。名前は、その美しい赤色と、頬が落ちるほどのおいしさから名付けられたと言われています。旬は1月から5月頃です。

あまおう

福岡県が誇る「あまおう」は、「あまい・まるい・おおきい・うまい」の四つの要素を兼ね備えていることから名付けられました。「甘いイチゴの王様」を目指して開発された品種です。一粒20gを超える大きなサイズで、コロンとした丸い形が特徴。甘みと酸味が調和しており、見た目の鮮やかな赤色も相まって、高級いちごとして人気を集めています。収穫時期は12月~5月頃です。

その他有名ないちごの品種

上記以外にも、各地でさまざまな個性が光るいちごが栽培されています。それぞれの土地で育まれた、バラエティ豊かな品種をご紹介します。

もういっこ

宮城県生まれの「もういっこ」は、つややかな赤色が目を引く、比較的日持ちの良い品種です。名前の由来は、「もう一個食べたくなる」ほどの美味しさを表現しています。きれいな円錐形で、大きめのサイズ、しっかりとした果肉が特徴で、ケーキやパフェの飾りにもぴったりです。旬は12月~5月です。

スカイベリー

栃木県生まれの「スカイベリー」は、「あまおうを超えるいちごを」という強い思いから生まれた品種です。「その大きさ、味、そして美しさが空に届くほど素晴らしいものであってほしい」という願いが込められています。一粒が25gを超える大粒のものも多く、美しい円錐形で、色も鮮やかなのが特徴です。日持ちが良く、病気にも強い上、果汁も豊富で甘さと酸味のバランスも絶妙なため、「とちおとめ」と並び、栃木県を代表する二大ブランドいちごとして知られています。旬の時期は12月から5月頃です。

やよいひめ

群馬県で生まれた「やよいひめ」は、群馬県いちご品評会において、初めての出品で金賞に輝いた品種です。濃厚な甘みと、それを引き立てるまろやかな酸味が特徴で、大ぶりで果汁たっぷりの果肉も魅力です。一般的に、いちごは3月以降、気温が上がるにつれて品質が低下しやすい傾向にありますが、「やよいひめ」は気温が高くなっても品質を維持できるのが強みです。まさに「弥生(3月)」の「姫」という名にふさわしいいちごと言えるでしょう。旬は12月~5月です。

あまりん

埼玉県生まれの「あまりん」は、比較的大きめのサイズで、整った円錐形をしています。目を引く鮮やかな赤色と、強い甘み、穏やかな酸味が特徴で、いちご狩りでも人気の高い品種です。名前は、埼玉県出身の落語家、林家たい平さんが名付け親です。旬の時期は12月~5月です。

章姫(あきひめ)

静岡県生まれの「章姫」は、細長い円錐形が特徴的ないちごです。甘みが強く、酸味が控えめで、果肉もやわらかいため、口当たりが良く、小さなお子様でも食べやすいのが魅力です。長年、静岡県の主力品種として親しまれてきましたが、「紅ほっぺ」や「きらぴ香」といった新しい品種の登場により、市場での流通量は減少傾向にあります。しかし、新しい品種が登場しても、その人気は衰えることなく、今でも静岡県を代表するいちごとして愛されています。旬は12月~5月です。

ゆめのか

「ゆめのか」は、その名の通り「みんなの夢が叶うような美味しいいちご」という願いを込めて、愛知県で誕生しました。かつて愛知県で広く栽培されていた「とちおとめ」や「章姫」の改良品種として開発され、それぞれの弱点を克服しています。サイズ、甘さと酸味の絶妙なバランス、みずみずしい果汁、そして鮮やかな赤色が特長で、どれをとっても優れたバランスのいちごです。旬は12月から5月にかけて。

かおり野

三重県生まれの「かおり野」は、その名の通り、気品あふれる爽やかな香りが一番の魅力です。穏やかな酸味と上品な甘さが調和し、豊かな風味を堪能できます。果皮は明るい赤色をしていますが、果肉は中心まで美しい白色をしているため、カットした時の赤と白のコントラストが非常に美しい品種です。旬の時期は11月から5月頃までです。

あすかルビー

奈良県で生まれた「あすかルビー」は、奈良の地名「飛鳥」と、その輝きを「ルビー」に見立てて名付けられました。大きめの粒と豊富な果汁、丸みを帯びた円錐形が特徴です。カットすると果肉は赤と白の美しい模様を描きます。高い糖度によるしっかりとした甘さと、芳醇な香りも持ち合わせており、風味豊かな味わいが楽しめます。旬は12月から5月です。

女峰(にょほう)

「女峰」は、かつて1990年代後半まで東日本を中心に広く栽培され、全国でも高い人気を誇ったいちごです。元々は栃木県で生まれた品種ですが、「とちおとめ」の登場とともに生産量は減少し、現在では香川県が主な産地となっています。やや強めの酸味が特徴で、ジャムなどの加工に適しています。小ぶりながらも味が凝縮されており、豊かな香りと相まって、一粒でも十分な満足感を得られるでしょう。旬の時期は12月から4月頃です。

さがほのか

「さがほのか」は、その名の通り佐賀県で生まれたいちごです。際立った甘さと穏やかな酸味が調和し、口に含むとたっぷりの果汁が広がります。他の品種に比べて香りが豊かなため、上品な甘い香りを堪能できるでしょう。旬の時期は1月から5月にかけてです。

おいCベリー

佐賀県と長崎県で栽培されている「おいCベリー」は、ビタミンCが非常に豊富なことで知られています。100gあたり約87mgものビタミンCが含まれており、わずか7粒程度で、1日に必要なビタミンCを摂取できます。少し縦長の円錐形で、大ぶりな果実と芳醇な香りが特徴です。甘みと酸味のバランスが絶妙ないちごです。旬は12月から5月です。

ゆうべに

熊本県生まれの「ゆうべに」は、かつて熊本県を代表したいちごであった「ひのしずく」の改良品種です。「ひのしずく」は収穫時期が限られ、デリケートで傷つきやすいという課題がありました。「ゆうべに」は、これらの弱点を克服するために開発され、11月頃から収穫できるため、クリスマスシーズンにも味わうことができます。目を引く鮮やかな赤色、均整のとれた大粒の果実は、ケーキの飾りとしても最適です。旬の時期は11月~5月です。

話題の白いいちごの品種

近年注目を集めているのが、見た目にも珍しい白いいちごです。その個性的な見た目だけでなく、それぞれに異なる味わいも楽しめます。

桃薫(とうくん)

長崎県や茨城県で栽培されている「桃薫」は、その名の通り、桃を思わせる独特の香りが特徴的な、一風変わったいちごです。単に桃のような香りだけでなく、ココナッツやキャラメルのような甘美な香りも感じられます。甘さと酸味のバランスが絶妙で、豊かな風味を楽しめるでしょう。果皮は淡いピンクがかった白色をしており、完熟しても鮮やかな赤色にはなりません。果肉も中心部まで美しい白色を保ち、見た目の美しさから贈答品としても重宝される高級いちごです。旬の時期は2月から5月頃です。

パールホワイト

奈良県生まれの「パールホワイト」は、数ある白いいちごの中でも特に白いことで知られる品種です。完熟しても果皮は真っ白なままで、表面の種を包む部分(痩果)のみが赤くなるのが特徴です。白い果皮と赤い痩果のコントラストが、見た目にも愛らしい印象を与えます。酸味が少なく、上品な甘さと心地よい香りがあり、果肉はしっかりとしていて日持ちするため、贈答用としても最適です。収穫時期は12月から4月頃です。

淡雪(あわゆき)

鹿児島県で生まれた「淡雪」は、「桃薫」と似た外観を持つ白いいちごですが、果肉の色に違いがあります。「桃薫」は完熟しても果肉は白いままですが、「淡雪」は熟すと果肉も淡いピンク色に染まります。酸味は穏やかで、しっかりとした甘さを楽しめます。果皮はやや硬めで、白いいちごの中では比較的リーズナブルな価格で手に入るため、贈り物としても人気があります。旬は12月から4月頃です。

おいしいいちごの選び方:3つのポイント

せっかく買うなら、できるだけ甘くておいしいいちごを選びたいもの。ここでは、よりおいしいいちごを選ぶための3つのポイントをご紹介します。ヘタの根元近くまで赤く色づき、果実全体が均一で鮮やかな赤色をしているいちごは、十分に熟しており甘みが強い傾向があります。白っぽい部分が多いものは、まだ熟しきっていない可能性があり、酸味が強めかもしれません。ヘタがピンと反り返っているものは、新鮮である証拠です。ヘタの色も、鮮やかな緑色で濃いものを選びましょう。そして、熟したものは「いかにもいちごらしい、甘く芳醇な香り」を放ちます。見た目だけでなく、香りもチェックすることで、よりおいしいいちごを見分けられるでしょう。

いちご、もっと美味しく味わうには?

いちごの甘さが際立つのは、実の先端部分です。なぜなら、いちごは先端から成熟が進むため、糖分が先端に集まりやすい性質を持っているからです。多くの方がヘタを持って先端から口にすると思いますが、食べる順番を逆にして、ヘタ側から食べ進めることで、より一層甘さを堪能できます。

まとめ

いちごは、品種によって甘味と酸味の調和が異なり、ひとつひとつが独自の風味を持っています。そのまま味わうのはもちろんのこと、多種多様なレシピに応用することで、いちごのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。ぜひ、様々な品種を試してみて、あなたにとって最高のいちごを見つけてください。

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