独特の甘みとプチプチとした食感が魅力の無花果(いちじく)。実は、その美味しさだけでなく、栄養価も非常に高い果物であることをご存知でしょうか?食物繊維やミネラル、ポリフェノールなど、健康や美容に嬉しい成分がたっぷり含まれています。この記事では、無花果に含まれる栄養素を詳しく解説し、期待できる健康効果をご紹介します。さらに、美味しく食べるための選び方やおすすめの食べ方まで、無花果の魅力を余すことなくお届けします。
いちじくとは?
イチジクはクワ科の植物で、その名は和名に由来します。初夏から秋にかけて実をつけ、6月下旬から8月上旬にかけて旬を迎える夏果と、それに続く8月から10月中旬に旬を迎える秋果があります。日本で広く栽培されているのは「桝井ドーフィン」という品種で、濃い紫色の果皮と強い甘みが特徴です。その他にも、ビオレソリエスやバナーネなど、様々な品種が栽培され、それぞれに独特の風味と外観を持っています。イチジクをカットした際に見られる白い粒状の部分は、実は花なのです。通常、果実の中に花を咲かせるという珍しい特徴を持っています。外から花が見えないため、「無花果」という漢字名が付けられました。
女性にうれしい美容と健康への効果
無花果は、ペクチンという水溶性の食物繊維に加え、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄といった必須ミネラルを豊富に含んでいます。さらに、女性ホルモンのような作用を持つ植物エストロゲンや、タンパク質分解酵素であるフィシン、抗酸化作用を持つアントシアニンといった成分も含まれています。
水溶性食物繊維
腸内の有用なバクテリアを活性化し、排便をスムーズにする効果が期待できます。さらに、体内の余分な脂質、糖分、ナトリウムを吸着し、体外への排出を促すため、コレステロール値や血糖値のコントロールに役立ちます。これらの働きにより、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の予防や改善にもつながる可能性があります。
カリウム
体内の余分なナトリウムを排出し、筋肉のスムーズな動きをサポート、血圧の安定にも貢献します。さらに、体液のpHバランスを調整し、むくみ防止にも役立つことが期待できます。
鉄
赤血球内のヘモグロビンに豊富に含まれる成分である鉄は、体内で異なる吸収率を持つ2種類が存在します。不足すると貧血の原因となるため、積極的に摂取することが推奨されます。鉄分を豊富に含む食品としては、赤身の肉や魚介類のほか、野菜や卵なども挙げられます。
植物性エストロゲン
植物由来の成分で、大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た作用を持つことで知られています。女性ホルモンが不足すると、更年期の不調や月経前の様々な症状が現れやすくなります。さらに、骨を強くする作用もあるため、不足状態が続くと骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があります。
フィッシング
プロテアーゼは、タンパク質を分解する働きを持つ酵素です。食後に摂取することで消化を助け、二日酔いの予防にも効果が期待できます。ただし、アレルギーをお持ちの方は、口腔内のかゆみや不快感を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
アントシアニン
ポリフェノールは、その抗酸化力で知られる成分です。体内で過剰に発生した活性酸素を除去し、その活動を抑える働きがあります。活性酸素が過多になると、動脈硬化、がん、老化の促進、免疫力低下といった様々な不調につながる可能性があります。
いちじくの栄養
生のいちじく、その可食部100g(およそ一個分)に含まれる栄養成分をご紹介します。エネルギー量は57kcal、水分は84.6gです。三大栄養素としては、たんぱく質が0.6g、脂質はわずか0.1g、炭水化物は14.3gとなっています。ミネラル類では、カリウムが170mg、カルシウムが26mg、マグネシウムが14mg、リンが16mg、鉄が0.3mg含まれます。ビタミン類は、ビタミンB1とB2がそれぞれ0.03mg、ナイアシンが0.2mg、葉酸が22μgです。食物繊維も豊富で、水溶性食物繊維が0.7g、不溶性食物繊維が1.2g、総量で1.9gとなっています。
いちじくの食べ方
いちじく本来の風味を最大限に味わうには、生のままいただくのが一番です。あの独特の食感と、とろけるような甘さを存分にお楽しみください。生のいちじくは保存期間が短いのが難点ですが、たくさん手に入った際にはジャムにするのがおすすめです。旬の時期以外は、ドライフルーツなどを利用するのも良いでしょう。いちじくは、手で皮をむいてそのままお召し上がりいただけます。もし皮がむきにくいようでしたら、ナイフで丁寧に皮を剥いてください。果物を乾燥させることで水分が失われ、栄養成分が濃縮されます。例えば、生のイチジク100gと乾燥イチジク100gを比較すると、乾燥イチジクの方がカルシウムは約7.3倍、食物繊維は約5.6倍、マグネシウムや鉄分は約4.7倍も多く含まれています。
食べ過ぎに注意
とくに乾燥いちじくに多く含まれるペクチンは、いちじく特有の水溶性食物繊維です。摂取することで、身体に良い影響があると考えられていますが、過剰に摂取するとお腹がゆるくなることがあります。また、いちじくはカロリーが低いわけではなく、果糖も含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。乾燥いちじくは、ナッツ類との組み合わせも良く、ミックスされた商品も多く見られます。カロリーに気を配りながら、上手に食生活に取り入れるのがおすすめです。いちじくはヘルシーなイメージがありますが、カロリーは決して低いわけではありません。特に乾燥いちじくは100gあたり272kcalと、意外と高カロリーです。1日に推奨される間食のカロリーは200kcal程度なので、他の食品とのバランスを考えながら、食べる量を調整することが大切です。
長期保存をしたい時は、どんな食べ方がおすすめ?
いちじくの栄養を余すところなくいただくには、コンポートやジャムのように、煮汁も活用できるレシピがおすすめです。いちじくはペクチンという水溶性食物繊維が豊富なので、煮汁ごと食べることで効率的に摂取できます。調理後は、ヨーグルトやチーズに添えたり、パンに塗ったりと、様々なアレンジをお楽しみいただけます。カロリーが気になる場合は、栄養士が考案したヘルシーレシピを参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
栄養満点のいちじくは、特に女性に嬉しい効果が期待できる果物です。まだ試したことがない方は、ぜひ食生活に取り入れてみてください。生のいちじくしか知らないという方は、色々な調理法を試してみてはいかがでしょうか。