イチジク栽培 - スイーツモール

イチジク栽培

イチジク栽培

イチジクは古代から人類とともにあった果実の一つで、その甘みと独特の食感、さらには抜群の栄養価から、世界中で栽培されています。イチジク栽培は程よい手間と愛情が結実する喜びがあり、また一つの樹で長期間にわたり収穫ができるため、自宅の庭や農地で行う方も少なくありません。ここでは、その育て方の基本から注意点、そして収穫のコツまでをお伝えします。

イチジク(無花果)の栽培方法

イチジクは自家結実性があり、一本の木でも実をつけることができます。主に温暖な地域に適した果樹ですが、最近では耐寒性が高まり、北海道南部でも栽培可能な品種が登場しています。選ぶ際には、住んでいる地域の冬の寒さに対応した品種を選ぶことが重要です。


品種の種類

イチジクには200種類以上の品種があり、それぞれの特性に応じて選ぶことができます。選び方のポイントとしては、収穫時期、味や香り、実の色や形があります。


収穫の時期


夏果(6月〜7月収穫):梅雨の時期と重なりやすく、実が傷みやすい。

秋果(8月以降の収穫):比較的傷みにくい。

夏秋兼用種:夏と秋の両方で収穫可能。

味や香り

品種によって甘みの強さや風味が異なります。皮ごと食べられるものもあり、香りもさまざまです。


実の色や形

黒、茶系、黄緑などの色や、小ぶりから大きめの形まで、品種によってバリエーションがあります。


植え付け

イチジクの植え替えは12月から3月の休眠期が適しています。地植えの場合、苗木の根よりも2倍の大きさの穴を掘り、腐葉土や赤玉土、化成肥料を混ぜた土を半分ほど戻してから、苗木を植えます。植えた後には支柱を立て、しっかりと水を与えます。


剪定・切り戻し

1年目は主軸を2本残して短く剪定し、2年目以降は秋の収穫後に剪定を行います。冬に剪定することで、株に負担をかけずに翌春の成長を促します。


植え替え・鉢替え

イチジクは2年に一度ほどのペースで植え替えが必要です。現在の鉢より一回り大きな鉢に植え替え、根を1/3ほどカットします。新しい鉢には、市販の果樹用培養土を使うと良いでしょう。


イチジクの花は「花のう」と呼ばれる袋状の実の中に隠れて咲きます。外からは見えませんが、実の中で花が咲いているのです。果実になると、花のうは赤みを帯びていきます。


収穫

果実の先端が割れてきたら収穫時期です。熟したイチジクは雨に弱いため、雨除けの工夫が必要です。

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イチジク(無花果)を早く熟させる「オイリング」

イチジクを早く熟させる方法に「オイリング」があります。この方法は古代ギリシャやローマ時代から行われてきました。果実の先端が赤くなり始めたら、植物油を1~2滴、スポイトなどでくぼみに垂らします。オリーブオイルやなたね油、ごま油が適しています。果皮には直接触れないように注意しましょう。このオイルが果実からエチレンを発生させ、成熟を早めるとされています。

イチジク(無花果)の育て方のポイント

イチジクは風に弱く、葉が破れやすいため、風の強い日は保護が必要です。直射日光が強い場合には、日よけをしてあげると良いでしょう。また、雨に濡れると果実が破裂することがあるので、熟した果実には雨よけが必要です。


水やり

乾燥気味を好みますが、水切れには弱いので、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。鉢栽培では特に水切れに注意しましょう。


肥料

休眠期には油かすなどの有機肥料を、成長期には堆肥を与えます。根元から少し離れた場所に施肥するのがコツです。


病害虫

イチジクは比較的病害虫に強い果樹ですが、カミキリムシには注意が必要です。幹に穴が開いて木くずが見られたら、殺虫剤で対処します。また、アザミウマ類やハダニも発生することがあるので、適切な薬剤を使用しましょう。

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イチジク(無花果)の栽培環境

日当たりが良く、風の当たりにくい場所が最適です。


温度

気温が15℃を超えると成長が活発になります。果実は22℃〜27℃で成熟し、38℃以上になると生育が鈍り、皮が硬くなることがあります。


用土

水はけと保水性が良く、ややアルカリ性の肥沃な土壌を好みます。鉢植えには、赤玉土や腐葉土を使用すると良いでしょう。

イチジク(無花果)の旬はいつ?

一般的にイチジクの旬は秋とされていますが、実際には夏から秋までが旬です。品種によっては、初夏から収穫できる夏果、秋に収穫できる秋果、そしてその両方で収穫できる夏秋兼用種があります。

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イチジク(無花果)の花

イチジクの漢字は「無花果」。しかし、実際にはイチジクにも花があります。その花は「花のう」と呼ばれる袋状の構造の中にあり、外からは見えません。これは野生のイチジクが持つ受粉の仕組みと深く関わっており、イチジクコバチという小さなハチが中に入り込み、受粉を助けます。日本で流通している品種は、この助けを必要としない単為結果であり、ハチがいなくても果実が成ります。

まとめ

初夏の新緑、初秋の実り、四季折々の風景を眺めながら、美味しいイチジクを手に入れる喜びを感じてみませんか。これからイチジク栽培にぜひ挑戦してみてください。