エバミルクという言葉を聞いたことはありますか？ 実はこれ、牛乳を濃縮した乳製品の一種なんです。海外では「エバポレイテッドミルク」と呼ばれ、お菓子作りや料理に幅広く使われています。でも、よく似た乳製品に「無糖練乳」がありますよね。名前は違えど、どちらも同じものなのでしょうか？ この記事では、エバミルクと無糖練乳の違いを詳しく解説し、それぞれの特徴を活かした簡単でおいしいレシピもご紹介します。ぜひ最後まで読んで、エバミルクの魅力を再発見してください！
無糖練乳（エバミルク）とは
無糖練乳は、牛乳を濃縮したもので、エバポレイテッドミルクとも呼ばれ、しばしばエバミルクと省略されます。英語表記はevaporated milkです。「煉乳」という字は、加熱して製造された意味合いを含みますが、法令や新聞などでは「練乳」または「れん乳」と表記されることが一般的です。ただし、単に「練乳」と呼ぶ場合は、加糖練乳を指すケースが多い点に注意が必要です。
無糖練乳の定義と成分規格
日本の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令において、無糖練乳は「乳脂肪分7.0%以上、乳固形分25.0%以上、細菌数50,000/g以下」と規定されています。これは濃縮乳の一種であり、主にそのまま飲用されることを目的として販売されるものです。濃縮乳の成分は無糖練乳とほぼ同様ですが、食品加工の原料としての利用を考慮し、殺菌処理を前提として細菌数の基準が1gあたり10万以下と、より緩やかに定められています。
無糖練乳の製造プロセス
無糖練乳の一般的な製造方法としては、まず原料となる牛乳を加熱殺菌し、水分を約半分以上蒸発させて濃縮します。その後、成分を均質化する工程を経て、缶などに充填し、再び加熱殺菌処理を行います。この製法は、ジョン・バプテスト・メイエンベルクによって開発されました。彼が創設したヘルヴェティア・ミルク・コンデンシング・カンパニー（現在のカーネーション）が、この製品を初めて商品として販売しました。現代の製造方法では、単に生乳を煮詰めるだけでなく、脱脂粉乳や安定剤などを加えて、濃度や風味を調整することが一般的です。原料や配合が製品によって異なるため、風味にも差があり、消費者は自身の好みに合わせてブランドを選ぶことができます。
エバミルクの多様な用途：料理からデザート、ドリンクまで
無糖練乳は、料理、お菓子作り、飲み物など、多岐にわたる用途で使用されています。料理においては、スープやクリームソースにコクと風味を加える材料として活用されます。お菓子作りでは、ミルク風味豊かな焼き菓子やデザートの材料として重宝されます。さらに、コーヒーのクリーマーとしても利用されます。東南アジア地域などでは、無糖練乳を加えたコーヒーや紅茶が広く飲まれており、かき氷のトッピングとしても人気を集めています。
無糖練乳と加糖練乳、何が違う？
無糖練乳と加糖練乳の一番の違いは、砂糖が入っているかどうかです。加糖練乳は、製造過程で砂糖を加えることで甘みをつけ、保存性を高めています。無糖練乳は、砂糖を加えずに牛乳を濃縮しているので、牛乳本来の味が楽しめます。また、加糖練乳はとろみが強く、チューブタイプが多いですが、無糖練乳はそれほど粘度が高くないため、缶詰で売られていることが多いです。
無糖練乳の栄養とカロリーについて
無糖練乳は、牛乳を凝縮しているので、たんぱく質やカルシウムなどの栄養がたっぷり。カロリーは商品によって違いますが、一般的に生クリームより低カロリーなので、健康を意識している方にもおすすめです。
エバミルクの代わりになるもの
無糖練乳がないときは、いくつかの方法で代用できます。牛乳をじっくり煮詰めて水分を飛ばせば、手作りのエバミルクが作れます。また、生クリームやスキムミルク（脱脂粉乳）も、料理や使い方によっては代わりとして使えます。
おうちで簡単！エバミルクの作り方
家でエバミルクを作るなら、鍋に牛乳を入れ、弱火でじっくり煮詰めます。焦げ付かないように、絶えずかき混ぜながら水分を飛ばし、好みの濃さになるまで煮詰めます。できたエバミルクは、冷蔵庫で保存して、なるべく早く使い切りましょう。
エバミルクの保管方法
未開封のエバミルクは、室温での長期保存が可能です。しかし、開封後は冷蔵庫での保管が必須となり、なるべく早く使い切るように心がけましょう。開封後のエバミルクは、空気との接触により品質が低下しやすいため、密閉できる容器への移し替えを推奨します。
主要ブランド：カーネーションとミルクメイド
無糖練乳の代表的なブランドとしては、ネスレの「カーネーション」が知られています。しかし、現在の日本国内ではほとんど流通していません。かつては沖縄県で販売されていましたが、2000年代に販売が終了し、現在は小規模な業者が並行輸入する程度となっています。ネスレは「ミルクメイド」というブランドでも無糖練乳を販売していますが、こちらは生乳を主原料としているため、カーネーションとは風味が異なります。
エバミルクを活用したレシピ
無糖練乳は、様々な料理に応用できます。たとえば、無糖練乳を使用して、まろやかな口当たりのスープや、リッチなミルクプリンを作ったり、コーヒーや紅茶に入れるミルク代わりに使用したりと、幅広い料理やデザートに活用できます。また、かき氷にかければ、ミルクのコクと風味を堪能できます。
エバミルクの選択方法
無糖練乳を選ぶ際には、原材料名や成分表示をよく確認し、ご自身の好みに合った製品を選びましょう。また、使用目的に合わせて、容量や容器のタイプを選ぶことも大切です。初めて無糖練乳を購入する場合は、少量サイズから試してみることをおすすめします。
エバミルクを活用したバラエティ豊かなレシピ
エバミルク特有の滑らかな舌触りと濃厚なミルク感は、様々な料理の風味を格段に向上させます。スイーツ作りはもちろんのこと、普段の料理に積極的に取り入れることで、食卓がより一層充実したものになるはずです。
エバミルクを使ったヘルシーな食生活
エバミルクは、生クリームなどの高脂肪乳製品の代替品として使用することで、摂取カロリーを抑えつつ、風味豊かな味わいを堪能できます。甘さの調整が容易なため、健康を意識したスイーツ作りにも最適です。
世界のエバミルク：コピC、テーC、ハロハロ
マレーシアやシンガポールでは、エバミルクを加えたコーヒーを「コピC」、紅茶を「テーC」と称します。この「C」は、カーネーションミルクに由来します。香港では、エバミルクは「花奶」（ファーナーイ）と呼ばれ、コーヒーや紅茶などの飲み物や、マンゴープリンの仕上げとして用いられます。フィリピンでは、砕いた氷にエバミルクをふんだんにかけた「ハロハロ」（かき氷）が親しまれています。
まとめ
エバミルクは、料理からデザート、ドリンクまで、幅広いジャンルで活躍する優れた乳製品です。製造方法、成分、活用方法、そして代用できる食品を知ることで、より効果的に使いこなし、食生活を豊かに彩ることができます。エバミルクを毎日の食卓に取り入れて、その奥深い魅力をぜひ体感してください。
エバミルクと加糖練乳の違いは何ですか？
エバミルクは砂糖不使用の濃縮乳であり、牛乳本来の味が際立っています。対して、加糖練乳は砂糖を加えることで甘みと保存性を高めたものです。
エバミルクはどのように保存するのが適切ですか？
未開封であれば常温での長期保存が可能です。開封後は冷蔵庫で保管し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。保存の際は、密閉できる容器への移し替えをおすすめします。
エバミルクの代わりになるものはありますか？
牛乳を時間をかけて煮詰めて自家製のエバミルクを作ったり、生クリームやスキムミルクを代替品として利用することも可能です。
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