早生ふじ 特徴

秋の到来を告げる果物といえば、りんごが思い浮かぶ方も多いでしょう。その中でも「早生ふじ」は、その名の通り早い時期から楽しめる品種として人気を集めています。甘さや香りがしっかり感じられる特徴を持つこのりんごは、食べる楽しみを存分に味わえるだけでなく、家庭での料理やお菓子作りにも最適です。この記事では、早生ふじの魅力や特有の風味について詳しくご紹介します。秋の旬を先取りするその美味しさをぜひ体験してください。

弘前ふじの魅力

「ひろさきふじ」とは、「ふじ」の変種で、青森県弘前市の大鰐氏のリンゴ園で発見された品種です。一般的なふじよりも約1か月早く、9月下旬頃に収穫されるため、「早生ふじ」とも呼ばれます。店頭では「弘前ふじ」と漢字で表示されることもあります。果皮は濃赤色で、形状はふじよりも少し丸みがあり、サイズは300~400グラムで、ふじとほぼ同じです。糖度が高く酸味が少ないのが特徴で、果肉はふじと比べてやや柔らかめです。完熟すると蜜が入ることもあり、ふじに匹敵する良質な味わいを持っています。なお、「夢ひかり」はひろさきふじの別名で、JAつがる弘前の商標です。糖度13度以上のひろさきふじを「夢ひかり」として市場に出しています。また、ひろさきふじのほかにも「昂林」や「やたか」、「紅将軍」、「涼香の季節」などが早生ふじの名で知られています。

弘前ふじの選び方と見極め方

皮の表面に張りがあり、全体的に赤みを帯びていて、手に取るとずっしりとした重さを感じるものが良質です。袋をかけずに育てたものには色が不均一なことがありますが、底の部分が黄色みを帯びていれば熟している証拠なので、表面全体が赤くなくても問題ありません。

弘前ふじを長持ちさせる保存テクニック

乾燥を防ぐために新聞紙で包み、ポリ袋に入れて涼しい場所や冷蔵庫の野菜室に置くのが理想的です。弘前ふじは比較的早く収穫される品種なので、気温が高い間は冷蔵庫での保存が安全です。蜜が多いものは長く持たないので、早めに食べると良いでしょう。量が多い場合は、いささか手間ですが、一つ一つ新聞紙で包んでください。これにより、エチレンによる鮮度低下を防ぐことができます。

弘前ふじの楽しむ方法

弘前ふじのシャリシャリとした食感を楽しむには、そのまま食べるのが最適です。しかし、果肉が柔らかくなった場合は、ジャムやコンポート、スムージーとして利用しても良いでしょう。焼きりんごやりんごバターとしても絶品です。弘前ふじは酸味があまり強くないため、ジャムを作る際にはレモン汁を加えると良いでしょう。これにより、酸味ととろみがプラスされ、生で食べる時とは異なる味わいが楽しめます。また、栄養を重視するなら皮付きのままで食べるのが推奨されます。皮にはポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれています。

弘前産ふじの季節(流通期間)と主要な地域

弘前ふじの収穫は例年9月の下旬に始まります。弘前ふじの栽培面積で最も広いのは青森県で、約405ヘクタールを占めています。このため、全体の80%以上を占有しています。2位には岩手県が約26ヘクタールで続き、3位の福島県は約24.8ヘクタールとなっています。ご注意いただきたいのは、統計データが公表されていない他の都道府県はこのリストには含まれていない点です。

早生ふじ