せんべい、あられ、おかきは、米を使用した菓子で、まとめて米菓と称されます。これらの主な原料は「うるち米」と「もち米」ですが、うるち米はどのような特徴を持っているのでしょうか。この米の特性を理解することで、これらの菓子の違いも見えてきます。
日常的に親しまれているうるち米
日本で栽培されている米は、多種多様な種類があり、例えばコシヒカリやあきたこまち、ひとめぼれなどが有名です。これらの米は「うるち米」と呼ばれ、食感や風味が品種ごとに異なるのが特徴です。日常の主食として日本ではうるち米が広く食べられています。
対照的に、餅やおこわで使用されるのは「もち米」です。このもち米は、うるち米よりも粘りが強い点で違いがあります。もっちりとした食感を生み出すのは、米に含まれるデンプンが影響しています。
デンプンとは、連結されたブドウ糖分子からなり、アミロースとアミロペクチンの2つの成分が含まれています。アミロースはおおよそ1,000個のブドウ糖が直線状に結合したもので、アミロペクチンは分岐しながら1万個ほどのブドウ糖が構成するものです。
この二つの成分の割合で、米の特性が変わります。アミロースが多い米はさっぱりとした食感に、アミロペクチンが多い米は粘りのある食感になります。
もち米はそのほとんどがアミロペクチンで占められていますが、うるち米は約20%アミロースと約80%アミロペクチンによって完成しています。この構成の違いが、米の粘り具合に表れるのです。

せんべい・おかき・あられに使用される米とは?
うるち米やもち米は主食としての役割だけでなく、多様なお菓子作りにも利用されています。具体的には、米から作られるお菓子として、米菓、だんご、おはぎがあり、米の特性を活かして種類ごとに適切に選ばれています。
例えば、うるち米を粉にした上新粉を用いるお菓子には、だんごや草餅、柏餅が含まれます。これらはもちもちしながらも歯切れの良い食感を楽しめます。
また、もち米の粉である白玉粉やもち粉を使用するお菓子には、白玉団子や大福の求肥などがあり、これらは独特の粘りと伸びる特性を持っています。それでは、せんべいやおかき、あられなどの米菓にはどちらの米が使われているでしょうか。
せんべいは、「うるち米」の使用により、膨らみを抑えた平たい形に仕上がっています。これに対し、おかきとあられは「もち米」を主材料に使用しており、大きなものがおかき、小さなものがあられと呼ばれます。焼くと膨らむもち米を使うため、おかきとあられは焼き上げ時にふっくらと膨らむのが特徴です。
せんべい、おかき、あられの製造工程にも相違があります。せんべいは、うるち米を粉にした後、熱湯を加えて練り、棒状にちぎり、蒸した後で薄く伸ばします。これを型抜きし、乾燥させた後に焼いて味付けを施します。
おかきとあられは、もち米を蒸してから棒状にして冷やし固め、適当な大きさに切って乾燥させた後、焼いて味付けされます。このように、米の特性に応じた製造プロセスが米菓作りには不可欠なのです。
米に含まれるデンプンの特性や製造工程の違いを理解すると、せんべい、おかき、あられがそれぞれどのように異なるか、より明確になります。
多彩な種類!せんべい・おかき・あられの魅力
せんべい、あられ、おかきは、多様な硬さと味わいが楽しめる食品です。醤油や塩味をはじめ、豊富な風味が揃っており、飽きの来ないおいしさが人気です。厚焼きせんべいやぬれせんべい、揚げせんべい、さらには柿の種など、バラエティに富んだ製品があります。
厚焼きせんべいは、その力強い硬さとしっかりした厚みが特徴です。醤油や塩味に加えて、素焼きも楽しめます。ぬれせんべいは、焼きたてのせんべいを醤油に浸けたもので、特に千葉県銚子市で有名です。揚げせんべいは、香ばしく揚げた生地がサクサクとした食感を生み出し、豊潤な味わいがあります。柿の種は、細い楕円形のあられで、唐辛子の刺激が効いた醤油味が基本です。チョコレートやワサビ、梅味など、さまざまなバリエーションが存在し、多くの人に親しまれています。せんべい、あられ、おかきには他にも様々な種類があり、その日の気分に合わせて選べる楽しさがあります。
米菓を新鮮に楽しめる時間は十分にある
お菓子には、長期間楽しめるものがあります。特にせんべい、あられ、おかきといった米菓はその代表です。これらの食品は水分が少ないため、腐りにくく、長持ちする特徴を持っています。
米菓の賞味期限は種類によってさまざまですが、一般的には60日から180日程度です。しかし、ぬれせんべいのように醤油に漬け込んで水分が多いものは、賞味期限が15日から60日と短くなります。
また、せんべい、あられ、おかきはそのまま食べられる手軽さも魅力です。常温での保存が可能なため、非常食としても適しているでしょう。緊急時に馴染みのある米菓を食べると、安心感を得られるかもしれません。
米菓は種類が豊富で、飽きることなく楽しめます。休憩のひとときに、せんべいやおかき、あられを召し上がってみてはいかがでしょうか。
☆おせんべいには、米だけでなく小麦を使った有名なものも存在します。