オレンジとみかんの違い

オレンジとみかんの違い

オレンジとみかんの違い

オレンジとみかんは同じ果物を指す言葉だと思われがちですが、実は異なる意味合いを持っています。一見すると同じように見えるこの2つの言葉には、微妙な違いが隠れているのです。この記事では、オレンジとみかんの違いについて解説し、その使い分けを明確にしていきます。

みかんとオレンジは「柑橘」の中でどこに分類されるの?

みかんとオレンジは、柑橘類の中でも同じ「カンキツ属」に分類される親戚のような存在です。私たちが普段から食べている「温州みかん」はカンキツ属のミカン類に、一方で流通しているオレンジは同属のオレンジ類に属しています。
オレンジ類は酸味の強弱により「スイートオレンジ」と「サワーオレンジ」に分けられ、生食用としてポピュラーな「ネーブルオレンジ」や「バレンシアオレンジ」は前者のスイートオレンジに分類されます。対して酸味の強いサワーオレンジは、加工用により多く利用されています。
このように品種の違いから味や形状に差異があるものの、みかんとオレンジは親戚関係にある柑橘です。バラエティに富んだ柑橘を賢く取り入れることで、健康的でフレーバー豊かな食生活を送ることができるでしょう。

みかんとオレンジの違い・見分け方は?

① 見た目の違い

みかんは小ぶりで平たい形状が多く、オレンジは大きく丸みを帯びた形状です。新鮮なみかんは、ヘタが小さく、皮につやがあり、皮の粒が小さくはっきりしています。一方、オレンジは重量感があり、艶出しワックスが塗られていることもあるので、見た目の違いは少ないです。

② 皮の厚さと種の有無

みかんの皮は薄くて柔らかく、手で剥けます。薄皮の場合は剥かずに食べられます。対してオレンジの皮は分厚く固いので、ナイフで剥くのが適しています。オレンジには種がある品種もありますが、みかんにはほとんど種がありません。

③ 味と香りの違い

みかんは酸味と甘味のバランスが良く、あっさりとした味わいです。収穫時期が遅いほど甘みが増します。一方、オレンジは甘味と酸味が濃厚で、強い香りがあります。ジャムやソースなどで利用され、旨味と香りを楽しめます。

④ 栄養素と成分

両者ともビタミンCを多く含みますが、みかんには骨粗しょう症リスク低減に役立つβ-クリプトキサンチンや、ビタミンCの吸収を高めるビタミンPなども含まれます。一方のオレンジは、アミノ酸や葉酸が豊富で、低カロリーです。

オレンジとみかんの違い

みかんとオレンジの保存方法は?

みかんの場合

みかんの旬である冬場であれば、暖房の効いていない気温が低い部屋で常温保存が適しています。通気性の良いかごにペーパータオルを敷き、みかんを並べて再度ペーパーを敷き、その上にまたみかんを重ねて保存するとよいでしょう。この方法なら冬場で3週間ほど持ちます。

かごがない場合は、段ボールを使用してみかんを保存できます。段ボールにペーパータオルや新聞紙を敷き、みかんを並べ、再度紙を敷いてその上にみかんを重ねていきます。段ボールの底に穴をいくつか開けると通気性が保たれます。

どちらの方法でも、みかんはヘタを下にして並べ、2段までに重ね過ぎないことが重要です。冬以外の時期は冷蔵庫の野菜室でペーパータオルに包んでポリ袋に入れ、ヘタを下にして保存しましょう。

オレンジの場合

オレンジは輸入品が多く、皮に防カビ剤が使用されているため、常温保存が可能です。1つずつ新聞紙で包み、風通しの良い涼しい場所に置くと長持ちします。夏場は冷蔵庫の野菜室に入れて保存しましょう。

カットした場合は、切り口にピッタリとラップをして空気に触れないよう保存します。冷凍保存も便利で、果肉だけ取り出してジップロックに入れておけば、半解凍の状態やスムージーとして活用できます。

「オレンジアレルギー」はみかんも入るの?

オレンジアレルギーとは、みかんをはじめとするかんきつ類に含まれるタンパク質に対して免疫反応が起こる病態です。症状は軽ければ口唇や舌の腫れ、じんましんなどですが、重症化すると喉頭浮腫による呼吸困難やアナフィラキシーショックなど、命に関わる深刻な状況に発展する可能性があります。

原因となるタンパク質はみかんに多く含まれているため、アレルギー体質の方はみかんの摂取に十分注意を払う必要があります。一方で、グレープフルーツやレモン、ライムなど、みかんよりもアレルギー反応を引き起こしにくいかんきつ類もあり、個人差はありますが、一定量なら食べられる場合もあります。ただし、完全に症状が出ないわけではないので、過剰な摂取は控えましょう。

加工食品では「オレンジ」の表示が推奨されていますが、必ずしも表示があるとは限りません。原材料表示をチェックするようにしましょう。表示対象は「ネーブルオレンジ」や「バレンシアオレンジ」などの「オレンジ類」で、みかんなど他の柑橘類は含まれていません。しかし、同じミカン属の果物にはオレンジと交差抗原性があり、アレルギー症状が出る可能性があるため、オレンジアレルギーの方は他の柑橘類にも注意が必要です。さらに、オレンジは食品以外にも化粧品やアロマに含まれることがあるため、成分の確認も欠かせません。

まとめ

オレンジとみかんは、厳密に言えば異なる意味を持っています。オレンジは英語の"orange"に由来し、ミカンの原産地であるインドを経由して伝わった外来語です。一方、みかんは在来の和語で、より一般的な意味を持ちます。したがって、正式な場面ではオレンジを、日常会話ではみかんを使い分ける必要があります。この微妙な違いを意識することで、適切な言葉遣いが可能になるでしょう。

オレンジ と みかん の 違いとは

オレンジとみかんは、どちらもミカン科に属する果物ですが、いくつかの重要な違いがあります。

みかんは一般的に温州ミカン(Citrus unshiu)を指し、以下のような特徴があります:


薄い皮で、手で簡単に剥くことができます。

果肉が小さな袋(じょうのう)に分かれています。

サイズが比較的小さいです。

日本の気候に適応しています。


一方、オレンジはスイートオレンジ(Citrus × sinensis)を指し、次のような特徴があります:


皮が厚く、剥くのに道具が必要なことが多いです。

果肉が大きく、ジューシーです。

サイズがみかんより大きいです。

温暖な気候を好みます。


日本では気候の関係で、みかん類の栽培が盛んです。特に、有田みかんや愛媛みかんなどの地域ブランドが有名です。有田みかんは和歌山県有田市周辺で栽培され、糖度が高く高級感があります。約450年の栽培の歴史を持つことも特筆すべき点です。愛媛みかんは愛媛県全域で栽培され、全国トップクラスの生産量を誇ります。瀬戸内海の温暖な気候と段々畑で育つことが特徴です。

近年では、オレンジとみかんの特徴を併せ持つハイブリッド品種も人気です。タンゴール類がその代表例で、タンジェリンとオレンジを掛け合わせた品種です。これらは、みかんのように剥きやすく、オレンジのようなジューシーさを持ち合わせています。不知火(デコポン)やせとかなどが有名です。

このように、オレンジとみかんはそれぞれ独自の魅力を持つ果物です。日本の気候に適したみかんが広く栽培される一方で、オレンジの特徴を取り入れたハイブリッド品種の開発も進んでおり、消費者に多様な選択肢を提供しています。