シャキシャキとした食感がたまらない水菜(京菜)は、プランターでも手軽に育てられる人気の野菜です。サラダやお鍋に大活躍する水菜を、自分で育ててみませんか?この記事では、種まきから収穫まで、初心者さんでも分かりやすいように丁寧に解説します。水菜栽培の基本はもちろん、長期栽培のコツや病害虫対策まで、役立つ情報が満載!プランター菜園で、新鮮でおいしい水菜を収穫しましょう。
水菜(京菜)とは?基本情報と栽培のコツ
水菜(京菜)は、アブラナ科アブラナ属の葉物野菜で、学名はBrassica rapa L.(japonica group)です。生育には、温度、日当たり、水やりが重要です。生育適温は15℃~25℃で、比較的寒さに強い性質を持っています。真夏や真冬を除けば、ほぼ一年中栽培可能です。ただし、25℃以上の高温になると生育が停滞し、葉が徒長しやすくなります。夏場は日よけをするなどの対策が必要です。逆に、低温環境では成長が鈍くなります。特に冬は霜対策が重要です。水菜は日光を好むため、日当たりの良い場所で育てましょう。日照不足は生育不良や病気の原因になります。ただし、発芽直後は直射日光を避けるようにします。生育初期は十分な水やりが大切ですが、高温期は過湿に注意しましょう。土壌は中性が適しています。栽培前に苦土石灰をまき、土壌の酸度をpH6.0~6.5に調整しましょう。
栽培方法:大株栽培と小株栽培
水菜の栽培方法には、大きく分けて「大株栽培」と「小株栽培」の2種類があります。大株栽培は、株間を広く取り、大きく育てて収穫する方法です。肉厚でしっかりとした食感の水菜が収穫でき、鍋物や炒め物に適しています。小株栽培は、株間を狭くして栽培し、若いうちに収穫する方法です。葉が柔らかく、みずみずしい食感の水菜が収穫でき、サラダやおひたしに適しています。プランター栽培の場合は、省スペースで栽培できる小株栽培がおすすめです。畑でじっくり育てたい場合は、大株栽培が良いでしょう。栽培方法を用途や栽培環境に合わせて選びましょう。
水菜(京菜)の栽培時期:種まきと収穫時期の目安
水菜は、生育適温の幅が広いため、真夏や真冬を除き、ほぼ一年中栽培できます。種まきは、春まきと秋まきの2回が可能です。特に初心者の方には、秋まきがおすすめです。秋まきは、春まきに比べて害虫の被害が少なく、育てやすいのが特徴です。また、秋から冬にかけての涼しい気候は、水菜の葉をみずみずしく柔らかく育てます。真夏の猛暑や真冬の寒さは、生育が停滞したり、病害虫のリスクが高まったりするため、避けるようにしましょう。
春まきの栽培時期と特徴
春に水菜や京菜を栽培する場合、種まきに適した時期は一般的に4月から5月頃です。この時期に種をまくと、収穫は5月から6月頃になるでしょう。春から夏にかけて気温が上がる時期は、水菜の成長が非常に早くなります。特に、早く収穫できる品種であれば、種まきから25日程度で収穫できるようになることもあります。ただし、春に種をまくと、気温の上昇によって花芽ができやすくなり、薹立ち(とうだち)のリスクが高まることがあります。薹立ちした葉は硬くなり、味が落ちてしまうため、品質を重視するなら、草丈が15cm以上になったら早めに収穫することが大切です。春先の霜の心配がなくなってから種をまくことで、生育を順調に進めることができますが、夏の暑さが来る前に収穫を終える計画を立てることが重要です。
秋まきの栽培時期と特徴
秋に水菜や京菜を栽培する場合、種まきに最適な時期は9月から10月頃です。この時期に種をまくと、収穫は10月から12月頃になるでしょう。秋に種をまいた水菜は、種まきから約40日ほどで収穫できるようになります。秋から冬にかけての涼しい気候は、水菜がゆっくりと時間をかけて大きく育つために適しており、特に大きく育てたい場合は、秋に種をまいてじっくりと育てるのがおすすめです。夏の暑さを避けて栽培できるため、病害虫の被害も比較的少なく、みずみずしく風味豊かな葉を収穫しやすいというメリットがあります。ただし、秋の種まきの時期を逃して遅すぎると、霜が降り始める直前やその後に種をまくことになり、低温によって種が傷みやすくなり、発芽率が低下したり、初期の生育が遅れたりする可能性があるため注意が必要です。霜が降りる前に初期の生育を終え、ある程度の大きさに育てておくことが、冬にかけて安定した栽培につながります。また、寒さが厳しくなる前に、必要に応じてマルチングやトンネル被覆などの防寒対策をすることで、寒さによる生育不良や薹立ちのリスクをさらに減らし、より長く収穫を楽しむことができます。
水菜・京菜の土作りと畑の準備:露地栽培とプランター栽培のポイント
水菜や京菜の栽培において、土作りは、健康な株を育てるための基本であり、非常に重要な作業です。特に注意すべき点は、「連作障害の回避」と「土壌pHの調整」です。水菜はアブラナ科の野菜なので、同じ場所に続けてアブラナ科の植物を栽培すると、土の中の栄養バランスが崩れたり、特定の病原菌や害虫が増えたりして、生育が悪くなったり、病気にかかりやすくなったりする連作障害が起こりやすくなります。これを防ぐためには、水菜や他のアブラナ科の作物を栽培した場所での連作を避け、少なくとも1年、できれば2年間隔を空けて、他の種類の作物を栽培することが重要です。また、水菜は土の種類をあまり選びませんが、最適な生育のためには、弱酸性から中性の土壌が適しており、pH6.0〜6.5が目安です。酸性の土壌は水菜の生育を妨げるだけでなく、根こぶ病などの土壌病害が発生しやすくなる原因にもなるため、栽培を始める前に土壌の酸度を調整することが大切です。具体的には、種まきの約2週間以上前に、1平方メートルあたり約100gから150gの苦土石灰を畑全体に均一に撒き、土を深く耕して混ぜ込みます。これにより、土壌の酸度を適切に調整し、根こぶ病のリスクを減らし、根が良く張る健康な生育環境を整えることができます。苦土石灰はカルシウムとマグネシウムを補給し、土壌の構造を改善する効果もあるため、水菜栽培の基盤作りに欠かせない資材と言えるでしょう。
露地栽培における土作りの手順
水菜や京菜を畑に直接植える場合の土作りは、計画的に行うことで生育が良くなり、収穫量も増えます。まず、種まきの約2週間以上前に、前述の「連作障害の回避と土壌pHの調整」で説明したように、1平方メートルあたり約100g~150gの苦土石灰を畑全体に均一に撒き、土壌の酸度を調整するとともに、深くしっかりと耕しておきます。この最初の耕うん作業は、土壌の通気性を良くし、根が張りやすくする基礎となります。次に、種まきの約1週間前になったら、再び畑の準備をします。この段階では、1平方メートルあたり約2kgの堆肥と、化成肥料(N:P:K=8:8:8のバランスの良いものがおすすめです)を約100g撒き、再度丁寧に深く耕し、これらの有機物や栄養分を土壌全体に均一に混ぜ込みます。堆肥は土壌の物理性を改善し、水はけと保水性を両立させる効果があり、化成肥料は水菜の生育に必要な主要な栄養素を供給します。これらの作業が終わったら、水はけをさらに良くし、根が深く健全に伸びる環境を作るために、畝を立てます。畝幅は60cm~80cm、高さは10cm~15cm程度にすると良いでしょう。畝を立てた後、黒マルチなどの農業用マルチを張ることをおすすめします。マルチを張ることで、雑草の発生を抑え、土壌の乾燥を防いで適切な湿度を保ち、地温を安定させ、土壌中の養分が流れ出るのを防ぐ効果が期待できます。マルチには種をまくための切れ込みを20cmほどの間隔で入れておくと、後の作業がスムーズになります。畑の準備において最も重要なポイントの一つは、水はけを良くすることです。水分が多すぎると、根腐れや軟腐病などの病気の原因になるため、特に畝を立てて排水路を確保することが、健全な生育には不可欠です。苗を育ててから植え替える場合は、本葉が3枚程度に育った、健康で病害虫の被害がない苗を植えるようにしましょう。
プランター栽培における土作りの要点
家庭菜園の中でも、手軽に始められるプランター栽培は、ベランダや限られたスペースでも水菜を育てたい場合に適しています。プランターでの土作りは、庭への直接栽培とは異なる点に注意が必要です。最も手軽な方法は、市販の「野菜用培養土」を使うことです。これらの培養土は、水菜の成長に必要な栄養バランスと物理的な性質が整っているため、初心者でも安心して利用できます。自分で土を配合したい場合は、排水性、保水性、通気性のバランスがとれた配合土を用意しましょう。配合の目安は、小粒の赤玉土6割、腐葉土3割、バーミキュライト1割です。赤玉土は排水性と通気性を、腐葉土は有機物の供給と保水力を高め、バーミキュライトは軽量化と根の成長を助けます。さらに、土壌の酸度をpH6.0~6.5の中性に調整するため、配合した土10リットルあたり苦土石灰10g~20gと、水菜の初期生育に必要な化学肥料(元肥)を少量混ぜると良いでしょう。プランターに土を入れる際は、縁から2~3cm程度の「ウォータースペース」を残します。これにより、水やりの際に水が溢れにくく、土全体に水が均一に行き渡ります。また、プランターの底には必ず鉢底石を敷き、排水性を確保して根腐れを防ぎましょう。これらの準備を丁寧に行うことで、プランターでも健康でおいしい水菜を育てられます。
庭への直接栽培での種まきの方法
水菜の種まきは、元気な株を育てるための最初の重要なステップです。庭への直接栽培では、準備した畝に、株の最終的な大きさに合わせて適切な間隔で溝または穴を作ります。一般的に、列の間隔は20cmとし、深さ5mm~1cm程度の溝を作ります。支柱などを土に押し付けると、深さを均一に保ちやすく、作業がスムーズに進みます。小株取りを目的とする場合は、溝に1cm~2cm間隔で種が重ならないように1粒ずつ「すじまき」します。大株取りを目的とする場合は、株間を十分に確保するため、30cm~40cm間隔で直径2~3cm、深さ1cm程度の穴を作り、それぞれの穴に種を4~5粒ずつ「点まき」するのが適しています。種まき予定日に畑が乾燥している場合は、発芽率を高めるために事前に水やりをして土を湿らせておくことが重要です。種をまいた後は、土を5mmほど薄く被せ、手で軽く押さえて種と土を密着させ、最後に種が流れないように注意しながら、ジョウロなどでたっぷりと水やりをします。種まき直後の土の乾燥は発芽率に大きく影響するため、種まきをした場所には不織布や新聞紙などをかけて乾燥を防ぐことが推奨されます。発芽後の初期段階における害虫被害を防ぐため、種まき後すぐに防虫ネットや寒冷紗をトンネル状に設置し、隙間ができないように覆うことで、物理的に害虫の侵入を防ぎ、薬剤の使用を最小限に抑えられます。
プランター栽培での種まきの方法
プランターで水菜を栽培する場合も、庭への直接栽培と同様に適切な種まきが重要です。事前に鉢底石を敷き、野菜用の培養土または自作した土をプランターに入れ、ウォータースペースを確保しておきます。プランター栽培でも、育てる株の大きさによって種まきの方法を変えます。小株取りを目的とする場合は、プランターの大きさに合わせて列の間隔を10cm~15cmとし、株間1cm~2cmの間隔で種が重ならないように1粒ずつ丁寧にすじまきにします。これにより、密集した状態で若葉を効率的に収穫できます。大株取りを目的とする場合は、列の間隔を10cm~15cmとしつつ、株間を約10cmと広めに確保し、1箇所に4~5粒の種を点まきにします。庭への直接栽培と同様に、種まき後は土を軽く被せ、種が流れないよう注意しながらたっぷりと水を与えます。プランターは庭への直接栽培に比べて乾燥しやすいため、種まき後には不織布や新聞紙をかけるなどして、土の乾燥を防ぐ工夫が特に重要です。さらに、害虫対策として防虫ネットをプランター全体に覆うように設置することで、物理的に害虫の侵入を防ぎ、安定した生育を促します。水菜の栽培期間は、一般的に種まきから40日ほどですが、早生品種の小株取りであれば、種まきからわずか25日ほどで収穫期を迎えるため、基本的に植え替えの必要はありません。
水菜の育苗と植えつけ(定植)
水菜の栽培は種から始めるのが一般的ですが、確実に株数を確保したい場合や、手軽に少量の株を育てたい場合は、育苗ポットで苗を育ててから畑やプランターに移植する方法も有効です。また、家庭菜園初心者の方や、手軽に栽培を始めたい方のために、毎年7月~9月頃には園芸店やホームセンターなどで水菜の苗が販売されます。苗を購入する際は、害虫の被害を受けていないか、本葉が4枚~5枚程度まで生育しているかを確認し、病気や徒長がなく、根張りの良い丈夫な苗を選びましょう。育苗ポットで育てた苗や購入した苗を植え付ける際には、株の根を傷つけないよう、根を崩さないように注意して行います。庭への直接栽培の場合は、幅約60cmに整えた畝に、株間を30cm~40cm程度確保して植えつけます。プランター栽培の場合は、プランターの大きさに応じて、必要な株数を適切な間隔で配置します。植え付け後は、苗が新しい環境に根付くまでは、土の表面が乾燥しないよう、たっぷりと水やりを行うことが大切です。これにより、根付きを促し、その後の生育へと繋げることができます。
京菜・水菜への水やり
京菜・水菜を元気に育て、収穫量を確保するには、生育ステージや季節に合わせた水やりが重要です。水菜は名前の通り、生育初期、特に種をまいてから20~30日は乾燥に弱いため、土が乾かないように注意が必要です。発芽までは土が常に湿っている状態を保つことで、発芽率を高め、初期の成長を促します。ただし、水をやりすぎると土壌が過湿になり、特に気温の高い時期には、根腐れや軟腐病といった病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。発芽後、草丈が15cm以上に成長したら、土の表面が乾いたのを確認してから、たっぷりと水を与えるのが良いでしょう。プランター栽培では、地面に植えるよりも土が乾燥しやすいため、こまめな水やりが必要ですが、やはり水の与えすぎには注意が必要です。気温が上がる春先には、土の中の温度が上昇し、根にダメージを与えるのを防ぐため、できるだけ涼しい時間帯、例えば早朝や夕方に水やりを済ませるのが理想的です。地面に植えた場合、水菜は夏の暑さに弱いため、小さいうちに収穫を終えることが多く、その場合は夏に特に水やりをする必要はありません。一方、プランター栽培では、冬も土が乾燥しやすいため、土の表面の乾燥具合を見て水やりを続けましょう。また、冬の乾燥や霜対策として、種をまいた場所や株元にマルチング(わらや黒色のシートなど)を施すと、土壌の水分を保ち、地温の急な変化を防ぐ保温効果や、霜から株を守る効果が期待できます。
肥料の与え方のコツ(元肥と追肥)
京菜・水菜は葉を食べる野菜なので、葉の成長には特に窒素が重要です。窒素が不足すると、葉が黄色くなる「窒素欠乏」を起こし、品質が低下してしまいます。土作りの段階で、元肥として堆肥と化成肥料を施しますが、追肥が必要かどうかは、栽培期間や株の大きさによって変わります。種まきから収穫までが約40日と短く、特に小さいうちに収穫する品種の場合は、元肥だけでも十分に育つことが多いです。しかし、大きく育てたい場合や、長期間収穫したい場合は、生育中に追肥をすることで、株の活力を保ち、より多くの葉を収穫できます。追肥は、株の状態を見ながら2~3回に分けて行うと効果的です。目安としては、水菜の草丈が約10cmになった頃に1回目、約20cmになった頃に2回目の追肥を行うと良いでしょう。追肥には、バランスの取れた化成肥料(窒素:リン酸:カリウム=8:8:8の配合がおすすめ)が使いやすいです。1回あたりの量は、1平方メートルあたり軽く一握り(約30g)を目安に、株元から少し離れた場所に均等に撒き、その後軽く土と混ぜるか、水やりをして肥料成分を土に浸透させます。肥料が直接葉に触れると「肥料焼け」を起こす可能性があるため注意しましょう。
間引きで健康な株を育てる
京菜・水菜栽培における間引きは、残す株に十分な日光と栄養を与え、大きく健康な株に育てるために欠かせない作業です。発芽後、本葉が混み合ってきたら間引きを行います。間引きの方法は、育てたい株の大きさによって異なります。小さいうちに収穫する場合は、本葉が3~4枚に成長し、葉が重なり合うようになったら、生育の悪いものや形の悪いものを丁寧に抜き取って間引きをします。この際、株間が3cm~5cm程度になるように調整します。小さいうちに収穫する場合は、通常この1回の間引きのみで、その後は収穫まで間引きは行いません。間引きで抜いた若い株は、柔らかくみずみずしいので、ベビーリーフのようにサラダなどにして食べられます。大きく育てたい場合は、複数回に分けて段階的に間引きを行うことで、最終的に大きく育った株に育てます。まず1回目は、本葉が1~2枚になった頃に、生育の良いものを3本だけ残します。次に、本葉が3~4枚になった頃に2回目の間引きを行い、最も元気な株を2本残します。そして最後に、本葉が6~7枚になった頃に3回目の間引きを行い、株間が20cm~30cm程度になるように、最も生育の良い株を1本だけ残します。2回目以降の間引きでは、株が大きくなっているので、残す株の根を傷つけないように、ハサミで株元を切って間引くと良いでしょう。間引き後は、根が露出しないように軽く土を寄せておきましょう。間引いた株は、小さいうちに収穫する場合と同様に美味しく食べられます。
京菜・水菜の冬越し対策
京菜・水菜は比較的寒さに強い野菜ですが、特に寒い時期には適切な対策を行うことで、生育を安定させ、春に花が咲くのを防ぎ、収穫期間を長くできます。水菜は低温にさらされると花芽を作り、その後の気温上昇で花が咲きやすくなります。花が咲き始めると、葉が硬くなり味が落ちるので、品質を保つためには花が咲くのを防ぐことが大切です。最も効果的な寒さ対策の一つは、畑全体をビニールや不織布で覆うことです。こうすることで、株の周りの温度を一定に保ち、冷たい風や霜から株を守ることができます。内部の温度は外気温よりも少し高くなるため、生育が止まるのを防ぎ、ゆっくりと成長を続けられます。また、マルチングも効果的な対策です。畝の表面に黒色のシートやわらを敷くことで、土からの放熱を防ぎ、地温の低下を抑えることができます。さらに、土壌の乾燥を防ぎ、霜が直接根元に当たるのを防ぐ効果も期待できます。プランター栽培の場合も、鉢を発泡スチロールの箱に入れたり、日当たりの良い場所に移動させたり、不織布をかけるなどして、寒さから守ることが重要です。冬に水やりをする際は、土の表面が乾いた頃を目安にし、地温が低い日中に行うことで、根が冷えすぎるのを防ぎます。
水菜(ミズナ)の収穫時期と方法:鮮度を保つコツ
水菜の収穫時期は、育て方や品種によって変わります。小株として収穫する場合は、種をまいてから25日ほどが目安です。大きく育てて収穫する場合は、種まきから45日程度で収穫できるでしょう。ただし、夏に育てた場合は30~40日、冬の場合は80日程度と、季節によって収穫までの期間が変わります。春に種をまいた水菜は、気温が上がると成長が早くなるため、葉が硬くなる前に早めに収穫することが大切です。収穫の目安としては、小株なら草丈15cm以上、大株なら25cm以上になった頃が良いでしょう。間引き菜も柔らかくて美味しく食べられるので、好きなタイミングで収穫するのもおすすめです。収穫の方法は2種類あります。1つは、株元を持って根ごと引き抜き、根の付け根をハサミなどで切って収穫する方法です。このとき、根を畑に残すと病気の原因になることがあるので、必ず取り除きましょう。もう1つは、株元を残して外側の葉だけを収穫する方法です。この方法なら、同じ株から何度も収穫を楽しめます。ただし、株元を残す場合は、葉が密集すると生育が悪くなることがあるため、適度に間引きをして調整しましょう。収穫した水菜は、鮮度が落ちやすいので、できるだけ早く食べるのがおすすめです。すぐに食べない場合は、水洗いして新聞紙やビニール袋に入れ、立てた状態で冷蔵庫の野菜室で保存すると、鮮度を保てます。
水菜(ミズナ)の病害虫対策:予防と対処のポイント
水菜は比較的丈夫な野菜ですが、病害虫の対策は欠かせません。特に、日当たりや風通しが悪い場所、水はけの悪い土壌で育てると、病気にかかりやすくなるので注意しましょう。水菜はアブラナ科の野菜なので、アブラムシ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどの害虫がつきやすいです。中でもアブラムシは、種まき後の初期に発生しやすく、大量発生すると生育に大きな影響を与えます。害虫を防ぐには、種まき後すぐに防虫ネットを設置するのが効果的です。ネットに隙間がないように、しっかりと覆いましょう。もし大量発生してしまった場合は、農薬を使って駆除する必要があるかもしれません。病気としては、うどんこ病や灰色かび病、根こぶ病、立枯病などが挙げられます。うどんこ病や灰色かび病は、日当たりと風通しを良くすることで予防できます。ベランダで栽培する場合は、プランターを移動させて、日当たりと風通しの良い場所に置くようにしましょう。もし病気を見つけたら、早めに農薬を散布して対処してください。根こぶ病は、一度発生すると治すのが難しいので、予防が大切です。連作を避け、水はけを良くし、栽培を始める前に苦土石灰をまいて土壌の酸度を調整しましょう。収穫時に根ごと引き抜いた場合は、根を畑に残さないようにすることで、病原菌の蓄積を防ぎます。立枯病については、種まき時に土壌に薬剤を散布することで防除できます。これらの予防と早期発見、適切な対処をすることで、水菜を健康に育てることができます。
まとめ
シャキシャキとした食感が魅力の水菜は、生育に適した温度が15℃~25℃と幅広く、真夏と真冬を除けば、ほぼ一年中栽培を楽しめる野菜です。特に秋まきは、害虫の被害が少なく、みずみずしい葉が育ちやすいので、家庭菜園初心者の方にもおすすめです。土作りでは、連作障害を避けることと、土壌のpHを6.0~6.5に調整することが重要です。畑に植える場合は、苦土石灰、堆肥、化成肥料を施して畝を立て、プランターで育てる場合は、野菜用の培養土に苦土石灰と肥料を混ぜ込みます。種まきは、小株として収穫する場合は筋まきで密に、大きく育てて収穫する場合は点まきで株間を広くとりましょう。乾燥と害虫を防ぐために、不織布や防虫ネットを活用するのも効果的です。水やりは、生育初期に特に重要ですが、水のやりすぎには注意しましょう。肥料は、株の生育状況に合わせて与えます。間引きは、残す株の生育を良くするために必ず行いましょう。小株として収穫する場合は1回、大きく育てて収穫する場合は段階的に行います。冬越し対策としては、トンネルをかけたり、マルチングをしたりするのが効果的です。収穫時期は、小株なら草丈15cm以上、大きく育てた場合は25cm以上が目安です。株元ごと収穫するか、外側の葉から順に収穫するかを選べます。収穫後は鮮度が落ちやすいので、水洗いして新聞紙などで包み、冷蔵庫の野菜室で立てて保存しましょう。病害虫対策としては、アブラムシなどの害虫には防虫ネット、うどんこ病などの病気には日当たりや風通しの改善、土壌のpH調整、連作回避などが効果的です。水菜は、種まきから収穫までの期間が短く、プランターでも手軽に始められるので、ぜひご自宅で新鮮な水菜を栽培してみてください。
Q1: 水菜栽培で初心者が失敗しないためのポイントは何ですか?
A1: 初心者の方には、比較的害虫の被害が少なく、みずみずしい葉が育ちやすい秋まきがおすすめです。水菜は日光を好むので、日当たりの良い場所を選びましょう。生育初期には、土が乾燥しないように注意しつつ、水のやりすぎにも気を付けてください。連作障害を避けるために、同じアブラナ科の野菜を続けて栽培しないこと、土壌のpHを中性に保つことも大切です。
Q2: 水菜は種をまいてから、どれくらいで収穫できるのでしょうか?
A2: 栽培環境、品種、そして季節によって収穫までの期間は変わります。例えば、葉が小さいうちに収穫する早生品種なら、種まきからおよそ25日程度で収穫できます。大きく育てて収穫する場合は約45日、夏の時期なら30~40日、冬の時期は80日ほど見ておくと良いでしょう。春に種をまいた場合は、花が咲く前に早めに収穫するようにしてください。
Q3: プランターで水菜を育てる時、土作りで気をつけることはありますか?
A3: プランター栽培では、手軽に始められる市販の「野菜用培養土」を使うのがおすすめです。自分で土を混ぜる場合は、赤玉土(小粒)を6割、腐葉土を3割、バーミキュライトを1割の割合で混ぜ、水はけ、保水性、通気性の良い土を作りましょう。土のpHを中性(6.0~6.5)にするために、苦土石灰と肥料を少し混ぜ込みます。プランターの底には、必ず鉢底石を敷いて水はけを良くし、根腐れを防ぐことが大切です。
Q4: 水菜がトウ立ちしてしまう原因と、その対策を教えてください。
A4: 水菜は寒い時期に花芽を作り、暖かくなるとトウ立ちしやすくなります。トウ立ちした葉は硬くなり、味も落ちてしまいます。対策としては、冬に栽培する場合は、ビニールや不織布で覆うトンネル栽培や、地面をマルチングすることで保温し、霜を防ぐのが効果的です。春に種をまいた場合は、トウ立ちしやすいため、草丈が15cmを超えたら早めに収穫するように計画しましょう。
Q5: 収穫した水菜を美味しく保存するには、どんなコツがありますか?
A5: 水菜は鮮度が命です。収穫したらすぐに水洗いし、軽く水気を切ってから、新聞紙やビニール袋に入れて、立てた状態で冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。こうすることで、みずみずしさを保ち、より長く美味しく楽しめます。鮮度が落ちやすいので、収穫後はできるだけ早く食べるようにしましょう。













