鮮やかな彩りと独特の風味が食欲をそそるピーマン。実は、ビタミンCを筆頭に、私たちの健康をサポートする栄養素がたっぷり詰まっていることをご存知でしょうか?日々の食卓で脇役になりがちなピーマンですが、その秘めたるパワーは計り知れません。この記事では、ピーマンに含まれるビタミンCの量や、その他栄養価、そして知られざる健康効果について詳しく解説します。美味しく食べて、健康的な毎日を送りましょう。
ピーマンとは?基本情報と種類
ピーマンは、ナス科トウガラシ属に分類される野菜です。本来は夏が旬の野菜ですが、栽培技術の進歩により、一年を通して市場に出回っています。一般的には、緑色の未成熟な状態で収穫されますが、成熟が進むにつれて黄色、オレンジ、赤色へと色を変えます。パプリカはピーマンとよく似ていますが、一般的に、果肉が薄く苦味が強いものがピーマン、果肉が厚く甘味が強いものがパプリカとして区別されます。
ピーマンのわたと種は栄養の宝庫
普段は捨ててしまいがちなピーマンのわたと種には、「ピラジン」という貴重な成分が豊富に含まれています。ピラジンは血流を改善し、動脈硬化の予防など、生活習慣病のリスク低減に役立つことが期待されています。この成分はピーマンの緑色の部分にはほとんど含まれていないため、積極的に摂取することを推奨します。ただし、独特の苦味があるため、油炒めや中華料理のように、濃いめの味付けで調理するのがおすすめです。
苦味を抑える切り方のコツ
ピーマン独特の苦味が苦手だという方も少なくありませんが、切り方を工夫することで苦味を軽減できます。ピーマンを縦半分にカットした後、繊維に沿って縦方向に切るのがポイントです。繊維を断ち切ってしまうと苦味成分が溶け出しやすくなるため、繊維を切らないように注意しましょう。また、やや多めの油で炒めることで、苦味が和らぎ、食べやすくなります。
ピーマンが「買い」な理由:栄養価、価格、レシピの豊富さ
ピーマンは、その優れた栄養価、手頃な価格、そしてバラエティ豊かなレシピの可能性という3つの要素において、非常に魅力的な食材と言えるでしょう。
栄養満点ピーマン:ビタミンC、β-カロテン、ビタミンE
ピーマンは、特にビタミンCが豊富に含まれていることで知られ、その含有量は100gあたり約76mgで、これは果汁で比較した場合、レモンよりも多く含まれています。ピーマン1個(可食部40〜50g)を1.5〜2個食べれば、成人の1日分のビタミンC推奨量(100mg)をほぼ満たすことができます。さらに、ピーマンに含まれる「ビタミンP(フラボノイド類とも呼ばれる)」には、ビタミンCの酸化を防ぐ作用があるとされており、加熱調理時のビタミンC損失を抑える一助になる可能性もあります。ビタミンCは、メラニンの生成を抑え、コラーゲンの生成を促進するなど、美肌効果も期待できます。その他、抗酸化作用を持つビタミンEや、体内でビタミンAに変換され免疫力を高めるβ-カロテンも含まれており、まさに栄養の宝庫と言えるでしょう。
いつでも手頃な価格:お財布に優しい野菜
ピーマンは一年を通して安定的に供給されており、価格もお手頃です。多くのスーパーマーケットでは、4〜5個入りの袋が100円程度で販売されており、その栄養価の高さを考えると、非常にコストパフォーマンスの良い野菜と言えます。また、生のまま冷凍保存することも可能なので、特売の際にまとめ買いしておくと便利です。使いやすい大きさにカットして冷凍すれば、約1ヶ月間保存できます。使用する際は、凍ったまま加熱調理できるため、時間がない時や食卓にもう一品加えたい時に非常に役立ちます。
多彩なレシピ:和食、洋食、中華、生食もOK
ピーマンは、青椒肉絲や酢豚といった中華料理、天ぷらやフライなどの揚げ物、ピーマンの肉詰めなどの焼き物、きんぴらやマリネ、煮浸しといった和食まで、幅広い料理に活用できます。また、鮮やかな緑色が料理に彩りを添えてくれるのも魅力的な点です。ピーマンは生で食べることも可能で、薄切りにして水にさらし、かつお節やポン酢をかけていただくのがおすすめです。
ピーマンの種類:緑ピーマン、赤ピーマン(パプリカ)、黄ピーマン(パプリカ)
ピーマンには、一般的に知られている緑ピーマンの他に、赤ピーマン(パプリカ)や黄ピーマン(パプリカ)などの種類があります。色の違いによって栄養価も異なり、特に赤パプリカは緑ピーマンと比較してビタミンCの含有量が3倍以上も豊富です。
赤ピーマン(パプリカ):豊富なビタミンCと加熱への耐性
赤パプリカは100gあたり約170mgのビタミンCを含み、その果肉の厚さや水分量の多さから、比較的加熱してもビタミンCの損失が少ないとされています。
黄ピーマン(パプリカ):緑黄色野菜としての側面
黄ピーマン、こちらもパプリカの一種ですが、100gあたり約150mgのビタミンCを含んでいます。さらに、カロテノイドをはじめとする抗酸化物質も豊富に含有しており、緑黄色野菜としての優れた特性を備えています。
おすすめレシピ:箸が止まらない!ツナピーマン
手軽に作れて、作り置きにも最適な「やみつきツナピーマン」のレシピをご紹介いたします。
材料
ツナ缶 1缶(内容量70g)/ピーマン 3個/おろしにんにく 小さじ1/2/鶏ガラスープの素(顆粒タイプ) 小さじ1/2/粗挽き黒こしょう 少々/ごま油 小さじ2
作り方
1. ピーマンを縦半分にカットし、ヘタと種を取り除いた後、少し太めの千切りにします。 2. 水気をしっかり切ったツナと、その他の材料をすべて耐熱ボウルに入れ、ラップをふんわりとかけて電子レンジ(600W)で1分30秒ほど加熱します。
ピーマンを使ったその他のレシピアイデア
ピーマンは、色々な料理に使える便利な野菜です。ここでは、ピーマンを使ったおすすめレシピをいくつかご紹介します。
- ピーマンの肉詰め
- チンジャオロース
- ピーマンのきんぴら
- ピーマンのマリネ
- ピーマンの揚げ浸し
- ピーマンとツナの和え物
- ピーマンとジャコの炒め物
結び
ピーマンは、ビタミンCが豊富で栄養価が高く、値段もお手頃なため、様々な料理で活躍します。毎日の食事に積極的に取り入れて、健康的な食生活を送りましょう。
ピーマンは冷凍保存できますか?
はい、ピーマンは冷凍保存が可能です。お好みのサイズにカットした後、ジッパー付き保存袋などに入れて冷凍庫で保存してください。約1ヶ月程度保存できます。調理する際は、解凍せずにそのまま加熱調理できます。
ピーマンの苦味がどうしても気になります。美味しく食べるための工夫はありますか?
ピーマン独特の苦味は、ちょっとした工夫で軽減できます。例えば、ピーマンをカットする際、繊維に沿って縦方向に切ると苦味が出にくくなります。また、油を多めに使って炒めることで、苦味が和らぎ、美味しくいただけます。さらに、薄切りにしたピーマンを水にしばらく浸けておくと、苦味成分が水に溶け出し、食べやすくなります。
ピーマンを毎日食べることは、健康に影響がありますか?
ピーマンは栄養豊富なので、毎日食べても問題ありません。ただし、ピーマンばかりに偏らず、様々な種類の野菜や食品をバランス良く摂ることが大切です。バランスの取れた食生活を意識して、健康的な毎日を送りましょう。